Skip to content

Conshift(コンシフト)

  • 施工管理
  • 人材マネジメント
  • 積算・受発注
  • 政策動向
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 用語辞典
Home > 統計データベース > 建設工事費デフレーターの推移と最新値|5年で2割上昇、使い方と計算例【2026年7月】

建設工事費デフレーターの推移と最新値|5年で2割上昇、使い方と計算例【2026年7月】

レポート更新日: 2026年10月8日

この記事の要点
  • 概要:国土交通省の建設工事費デフレーター(2020年度=100)は2025年度に121.9となり、5年間で21.9%上昇して1960年度以降で最も高くなりました。工種別では住宅・S造が+24.3%、電力土木が+23.3%伸長した一方、環境衛生は+14.9%にとどまるなど開きが出ています。
  • 実務への影響:過去の工事費を現行価格へ補正する際、「当時の金額 ×(現在の指数 ÷ 当時の指数)」で算出できますが、年度と月次の混用を避け、工種に合致する区分や後方3ヶ月平均値を選ぶ慎重な積算対応が求められます。

5年で2割上昇し121.9へ、2026年7月月次は135.4に到達

建設工事に関わる物価水準を示す代表的な指標である「建設工事費デフレーター」(国土交通省、2020年度平均=100)において、2025年度の建設総合は121.9となりました。基準年である2020年度(100.0)からの5年間で +21.9%上昇 しており、比較可能な1960年度以降で最も高い水準となっています。

月次の最新値である 2026年7月分では、建設総合が135.4 となりました。前月(2026年6月:126.0)と比べて+7.5%、前年同月(2025年7月:124.7)と比べて+8.6%の上昇です。また、月ごとの細かな振れをならした「後方3ヶ月平均値(その月を含む直近3ヶ月の単純平均値)」は、2026年7月時点で 129.3 (前月比+2.6%、前年同月比+6.0%)となりました。

月次のデフレーターは月ごとの変動幅が比較的大きい特徴があります。さらに、もととなる基礎統計の確定状況を反映するため、直近2ヶ月分の公表値は後から更新される 点に注意が必要です。

指標名(2020年度=100)カテゴリ期間最新値前年比(前年同月比)
建設工事費デフレーター(月次)建設総合2026年7月135.4+8.6%
建設工事費デフレーター(月次)建築総合2026年7月135.1+8.2%
建設工事費デフレーター(月次)土木総合2026年7月135.1+9.0%
建設工事費デフレーター(年度次)建設総合2025年度121.9+2.7%
建設工事費デフレーター(年度次)建築総合2025年度122.2+2.8%
建設工事費デフレーター(年度次)土木総合2025年度121.0+2.5%

※2023年度以降の年度値は、工事ごとの重みづけ(ウエイト)に2020〜2022年度の平均値を暫定的に使っている暫定値です。


建設工事費デフレーターとは?工事費の実質化を担う投入コスト型指標

国土交通省が毎月公表している建設工事費デフレーターは、実際にかかった工事費の金額(名目額)から物価変動の影響を取り除き、基準年度の物価にそろえた施工規模(実質額)を計算するための統計指標です。

統計の目的と対象になる工事費

デフレーターで名目金額を割ることで、物価変動を除いた物理的な工事の量(実質額)がわかります。

  • 対象となる建設工事費: 本工事費、付帯工事費、測量および試験費、機械器具費、営繕費
  • 対象に含まれない費用: 用地費、補償費
  • 計算から除外される項目: 企業の営業余剰や消費税などの間接税は、計算の重みづけに含まれていません。

作成方法と採用している公的物価指数

建設工事は現場ごとの個別受注生産であるため、同じ仕様の製品価格を続けて追跡することができません。そこで、工事に使う資材、労務、機械やサービスなどの価格指数を、工種ごとの割合(ウエイト)で重みづけして計算する「投入コスト型」を採用しています。

採用されている基礎指数は、以下の公的な統計データです。民間の資材物価資料や公共工事設計労務単価は直接採用されていません。

  • 厚生労働省: 「毎月勤労統計調査」(建設業の賃金)
  • 日本銀行: 「企業物価指数」「企業向けサービス価格指数」
  • 総務省: 「消費者物価指数」

歴史・公表時期・主な使われ方

  • 沿革: 1951年度に旧建設省所管の土木事業を対象に作られ始め、1960年度から建築工事も加わって建設全般を対象にするようになりました。
  • 公表時期: 毎月末に2か月前のデータが公表されます(例:6月末に4月分を公表)。
  • 国土交通省が挙げる主な活用事例:
    1. 公共事業の評価における費用便益(B/C)の算出
    2. PFI事業などでの、賃金や物価の変動に基づく請負代金(サービス対価)の変更
    3. 建物の評価額の算定(損害保険の保険金額の調整や不動産鑑定評価)

ほぼ横ばいだった20年間から一転、1980年度以来の上昇へ

1960年度以降の長期推移を見ると、建設総合指数(2020年度=100)は1960年度の17.4から、1980年度に69.8まで上がりました。その後、バブル期の1990年度に80.3となって以降、2000年度(82.9)、2010年度(86.6)に至る約20年間は、80.3〜89.7の間でほぼ横ばいの推移が続きました。

2021年度以降の上昇ペース

動きが大きく変わったのは2021年度以降です。建設総合は2020年度の100.0から、2021年度に105.0(前年度比+5.0%)、2022年度に111.3(前年度比+6.0%)へと上昇しました。単年度での+6.0%の上昇率は、1980年度(前年度比+8.9%)以来の大きさです。

その後も2023年度に113.7(前年度比+2.2%)、2024年度に118.7(前年度比+4.4%)、2025年度に121.9(前年度比+2.7%)と上がり続けました。2020年度からの5年間で+21.9%という上昇幅は、5年間の比較としては1977年度(54.8)から1982年度(70.3)までの動き(約28.3%上昇)以来となっています。

建築総合と土木総合の推移(2020年度=100):1960年度以降で最も高い水準に
出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」

建築と土木で異なる上昇のタイミング

建築と土木の動きを比べると、上昇の時期に違いがあります。

  • 住宅総合: 2020年度(100.0)から2021年度に108.7(+8.7%)、2022年度に115.3(+6.1%)と初期に大きく上がりました。木材や鋼材などの建設資材価格が先に動いた影響の可能性があります。その後、2023年度は114.9(前年度比-0.3%)と前年度を下回り、2024年度に119.3、2025年度に122.6へと再び上がりました。
  • 土木総合: 2021年度103.7(+3.7%)、2022年度109.4(+5.5%)、2023年度112.6(+2.9%)、2024年度118.0(+4.8%)、2025年度121.0(+2.5%)と、住宅総合のような下落を挟まずに毎年度上がり続けました。

単月135.4の振れと後方3ヶ月平均129.3による見方

月次の建設工事費デフレーターは足元の動きを早く把握できる一方、月ごとの振れ幅が大きい性質を持っています。

2026年7月の動きとならした平均値

2026年7月の月次指数は、建設総合が135.4(前月比+7.5%、前年同月比+8.6%)、建築総合が135.1(前月比+7.1%、前年同月比+8.2%)、土木総合が135.1(前月比+7.9%、前年同月比+9.0%)となり、いずれも前月から上がりました。2025年も7月に前月(121.1)から124.7に上がり、8月は120.7に戻っています。

こうした単月の急激な動きをならして全体の流れを見るため、国土交通省は参考値として「後方3ヶ月平均値」を公表しています。2026年7月の後方3ヶ月平均値は、建設総合で129.3(前月比+2.6%、前年同月比+6.0%)でした。単月値(135.4)は後方3ヶ月平均値(129.3)の約1.05倍となっており、ならすことで短期的な突出が抑えられている様子がわかります。

建設総合の月次と後方3ヶ月平均:2026年7月は月次135.4、平均129.3
出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」

実務で契約金額の変更や中長期の傾向を判断する際は、単月の一時的な数値だけでなく、後方3ヶ月平均値を使って全体の流れを確かめるのが実務的です。あわせて、直近2ヶ月の公表値は後から更新される点にも注意してください。


住宅・S造の+24.3%から環境衛生の+14.9%まで広がる差

2020年度から2025年度の5年間で、デフレーターの全22区分はすべて上がりました。しかし、工種や構造によって上昇率には +14.9%から+24.3%までの開き が出ています。全22区分のうち19区分が+20%〜+25%の範囲に入っており、大半の工事で2割以上のコスト増となったことがわかります。

区分別の上昇率(2020→2025年度):+14.9%〜+24.3%
出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」

上昇率の傾向

  • 上昇率が大きい区分: 最も上がったのは「住宅・S造」(+24.3%)で、続いて「電力」(+23.3%)、「建築補修」(+23.0%)、「電気通信」(+22.8%)、「住宅・木造」(+22.3%)、「住宅・RC造」(+22.1%)となりました。鋼材や電線、改修に伴う手作業の多さなどが影響した可能性があります。
  • 上昇率が小さい区分: 上昇率が最も低かったのは「環境衛生」(+14.9%)で、次いで「下水道」(+18.8%)、「上・工業用水道」(+19.4%)、「土地造成」(+20.4%)でした。+20%を下回ったのは環境衛生、下水道、上・工業用水道の3区分のみです。配管設備や土工の比率など、使われる資材や作業内容の違いが指数の差につながっている可能性があります。

過去の工事費を今の価格に直す計算方法と実務の注意点

実務でよく使われるのが、過去に施工した工事の金額を今の物価水準に換算する計算です。

基本の計算式

過去の工事費を現在の価格水準に直す式は次の通りです。

現在の換算工事費 = 過去の工事費 ×(現在の指数 ÷ 当時の指数)

具体的な計算例

例1:2015年度に1億円だった工事を2025年度の価格に直す場合

  • 2015年度の建設総合指数:92.6
  • 2025年度の建設総合指数:121.9
  • 計算:1億円 ×(121.9 ÷ 92.6)= 1億円 × 約1.3164 = 約1億3,164万円

2015年度の1億円の工事は、2025年度の価格では約1.316倍となり、約1億3,164万円に相当します。

例2:2020年度に5,000万円だった工事を2025年度の価格に直す場合

  • 2020年度の建設総合指数:100.0
  • 2025年度の建設総合指数:121.9
  • 計算:5,000万円 ×(121.9 ÷ 100.0)= 5,000万円 × 1.219 = 6,095万円

2020年度の5,000万円の工事は、2025年度の価格で約6,095万円となります。

実務で使う際の5つの注意点

実務で指数を使う際は、以下のルールを守る必要があります。

  1. 工事の種類に合った区分を使う: 「建設総合」などの大まかな数字で済ませず、木造住宅なら「住宅・木造」、下水道工事なら「下水道」など、実際の工事内容に合った区分を選んでください。
  2. 同じ基準・同じ期間の単位で比べる: 「年度」と「月次」を混同してはいけません。年度は年度同士、月次は同じ月同士で比べます。また、2020年度基準の数字と旧基準(2015年度=100)の数字を混ぜて割り算してはいけません(同じ基準同士の比であれば計算可能です)。
  3. 直近の月次データは更新される可能性がある: 採用している企業物価指数の公表時期などの関係で、月次の直近2ヶ月分の値は後から修正されることがあります。金額の精算などで確定した値が必要なときは、改訂後の確定値か確認してください。
  4. 月ごとの振れには後方3ヶ月平均値を使う: 単月の数値は一時的な価格変動で急に動くことがあります。傾向の把握には、振れをならした後方3ヶ月平均値の利用が適しています。
  5. デフレーターは「契約金額の統計」ではない: デフレーターは資材や労務の公的指数を組み合わせた指標であり、実際の現場の契約金額を集めたものではありません。個別の見積もりでは、現場ごとの搬入条件や下請取引の状況を別途見積もる必要があります。現場での適正な価格転嫁や労務費の確保に向けては、改正建設業法や標準労務費の勧告制度の把握も重要です。

2026年4月分からの2020年度基準への改定

国土交通省は、2026年6月30日公表分(2026年4月分データ)から、デフレーターの基準を従来の「2015年度基準」から「2020年度基準(2020年度平均=100)」へ改定しました。

改定の主なポイント

  • ウエイトの更新: 工種ごとの資材・労務などの投入割合(ウエイト)が、令和2年(2020年)建設部門分析用産業連関表をもとに見直されました。
  • 暫定ウエイトの適用: 2022年度まではその年の実績ウエイトで計算されていますが、2023年度以降の数値は2020〜2022年度の3年間平均を暫定的に使った「暫定値」となっています。

新旧基準データの取り扱い

現在、国土交通省のウェブサイトで公表されているデータは、過去の年度(1960年度〜)や月次も含めてすべて「2020年度=100」にそろえて掲載されています。

社内資料に残っている旧基準(2015年度=100)の数字と、現在の新基準の公表値をそのまま比較して引き算や割り算をしてはいけません。過去の工事費を直す際は、現行の公表データから2020年度基準でそろえられた当時の指数を取り直して計算してください。


建設工事費デフレーターの実務チェックリストと関連指標

建設工事費デフレーター(2020年度=100)は、2025年度に121.9(2020年度比+21.9%)となり、1960年度以降で最も高くなりました。2021〜2022年度の急激な伸び以降も上昇が続いており、2026年7月月次では135.4(後方3ヶ月平均129.3)に達しています。

実務で活用する際は、以下のチェックポイントを確認してください。

  • 工事の内容に合致した区分を選んでいるか(総合値で安易に代用していないか)
  • 同じ基準年度(2020年度=100)の数値同士で計算しているか
  • 年度と月次を混同して比較していないか
  • 直近2ヶ月の月次値を使う場合、後から更新される可能性を考慮しているか
  • 短期の判断で、月ごとの振れをならす「後方3ヶ月平均値」を確認したか

合わせて確認したい関連指標

デフレーターの動きを追う際は、そのもとになっている以下の公的統計もあわせて確認することをおすすめします。

指標名確認元公表の頻度
建設工事費デフレーター(月次・後方3ヶ月平均・年度次)国土交通省毎月末
企業物価指数(国内企業物価指数・建設資材類)日本銀行毎月中旬
企業向けサービス価格指数(土木建築設計等)日本銀行毎月下旬
毎月勤労統計調査(建設業の現金給与総額)厚生労働省毎月

出典: 国土交通省「建設工事費デフレーター」 / 統計最終更新: 2026年7月

よくある質問(FAQ)

Q. 建設工事費デフレーターとは何ですか?

A. 国土交通省が毎月公表している統計指標です。名目で集計された建設工事費から物価変動の影響を取り除き、基準年度(現在は2020年度)の実質的な施工規模に換算するために使われます。資材価格や労務費などの公的指数を、工種ごとの構成比で加重平均して算出する「投入コスト型」の指数です。

Q. 最新値はいくつですか?

A. 2020年度を100とした指数で、年度次の最新値である2025年度の建設総合は121.9(2020年度比+21.9%)です。月次の最新値である2026年7月分は建設総合で135.4(前年同月比+8.6%)、月ごとの振れをならした後方3ヶ月平均値は129.3(前年同月比+6.0%)となっています。

Q. 使い方や計算方法はどのように行いますか?

A. 過去の工事費を現在の価格に直す場合、「過去の工事費 ×(現在の指数 ÷ 当時の指数)」で計算します。例えば2015年度(指数92.6)に1億円だった工事は、2025年度(指数121.9)の価格では「1億円 ×(121.9 ÷ 92.6)=約1億3,164万円」となります。

Q. 2015年度基準の値はどうなりましたか?

A. 2026年6月30日公表分(2026年4月分データ)から、基準年が「2020年度基準(2020年度=100)」に改定されました。現在公表されているデータは過去分も含めて2020年度=100に接続されています。旧基準(2015年度=100)の数値を直接混ぜて計算せず、新基準で統一された数値を使ってください。

統計データベース の目録に戻る

この統計レポートは、官公庁・日本銀行・業界団体などが公表する統計データをもとに、ConShift が独自に集計・解析したものです。各データの出典は本文中に記載しています。

ConShift

建設業のビジネス知識に関心を持つ経営層・現場リーダーのための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 施工管理
  • 品質・安全
  • コスト管理
  • 人材マネジメント
  • 積算・受発注

もっと探す

  • 政策動向
  • BIM/CIM
  • 法規制・制度
  • 海外トレンド
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 建設業界用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • LogiShift
  • TechShift

© 2026 ConShift. All rights reserved.