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Home > 統計データベース > 公共工事設計労務単価の推移と職種別一覧|14年連続上昇、全職種平均25,834円【令和8年3月〜】

公共工事設計労務単価の推移と職種別一覧|14年連続上昇、全職種平均25,834円【令和8年3月〜】

レポート更新日: 2026年10月10日

この記事の要点
  • 概要:2026年3月適用の公共工事設計労務単価は全国全職種平均(加重平均)で25,834円(前年比+4.5%)となり、14年連続の上昇で1997年度以降の最高値を更新しました。型わく工(31,671円)や大工(30,331円)など主要職種が軒並み3万円を超えています。
  • 実務への影響:労務単価には会社負担の法定福利費や管理費が含まれないため、国交省が示す必要経費込みの参考値(単価の約1.48倍、東京の普通作業員で39,900円)を踏まえた適正な見積もり・下請契約の締結が不可欠です。

最新の公共工事設計労務単価:全国平均25,834円で初の25,000円超

国土交通省が公表した2026年3月から適用される公共工事設計労務単価は、全国全職種平均(加重平均)で25,834円となりました。前年比の伸び率は+4.5%(国交省公表の単純平均)となり、公表開始以来初めて25,000円を超えました。2013年の改定以来、14年連続の上昇が続いています。

現場の主力を占める主要12職種の全国平均(加重平均)は24,095円で、前年比の伸び率は+4.2%(単純平均)です。なお、国土交通省の公表資料における金額は加重平均値、伸び率は単純平均値で示されています。

最新改定における主要指標の概要

2026年3月から適用される主要な指標の数値は以下の通りです。

指標名職種・区分最新値適用時期前年比(単純平均)
公共工事設計労務単価全国全職種平均(加重平均)25,834円2026年3月〜+4.5%
公共工事設計労務単価主要12職種平均(加重平均)24,095円2026年3月〜+4.2%
必要経費込み金額の比率全都道府県・全職種1.474〜1.480倍2026年3月〜-

公共工事設計労務単価とは:積算の基準と単価の構成要素

公共工事設計労務単価とは、国や自治体が公共工事の工事費(予定価格)を積算するために定めている基準単価です。47都道府県ごと、51職種別に、所定労働時間内(原則1日8時間)に労働者へ支払われる賃金の日額として算出されます。

単価の決定プロセスと調査方法

公共工事設計労務単価は、毎年10月に実施される「公共事業労務費調査」の結果をもとに決まります。

国、都道府県、政令指定都市などが発注した公共工事の現場を対象に、施工業者が保管する実際の賃金台帳から、技能労働者へ支払われた賃金の実態を直接集計します。そのデータを精査・検証し、翌年2月に新単価を公表、3月1日から現場の積算へ適用する流れが定着しています。

単価を構成する4つの賃金要素

国土交通省の資料によると、設計労務単価に含まれる賃金は以下の4項目で構成されています。

  1. 基本給相当額:労働者が所定労働時間内に提供した労働に対して支払われる基本的な給与
  2. 基準内手当:当該職種の通常の作業条件及び作業内容の労働に対する手当
  3. 臨時の給与(賞与等):賞与や期末手当など、臨時に支払われる給与の引当分
  4. 実物給与(食事の支給等):労働協約などに基づいて現物支給される食事などの費用相当分

この単価には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険といった社会保険料の「労働者本人負担分」が含まれています。

単価に含まれない費用

積算や見積もりを作成する上で注意したいのは、設計労務単価に含まれない費用が明確に決められている点です。具体的には、以下の費用は単価に入っていません。

  • 時間外・休日・深夜の割増賃金:所定労働時間(8時間)を超える残業や夜間作業の手当
  • 通常を超える作業への手当:特殊な作業環境や危険度に対して臨時に支払われる手当
  • 会社の必要経費:法定福利費(事業主負担分)、労務管理費、安全管理費、宿舎費等

改正建設業法と「労務費に関する基準」における位置づけ

2024年6月に公布され、2025年12月12日に全面施行された改正建設業法(担い手3法)により、労務単価の位置づけは公共工事の積算基準にとどまらない重要性を持つようになりました。

中央建設業審議会が2025年12月2日に勧告した「労務費に関する基準」において、公共工事設計労務単価に適正な歩掛と数量を掛け合わせた金額は、公共工事だけでなく民間工事を含むすべての建設工事で「適正な労務費」の基準となる水準と明記されました。通常必要と認められる労務費を著しく下回る見積もりの提出や減額の強要、原価割れとなる請負契約の締結は法律で禁止されています。


1997年度からの推移:底値13,047円から約2倍、35.1%の上昇

公表が始まった1997年度から2026年までの推移を見ると、労務単価は大きく3つの局面に分かれます。

全国全職種平均の推移(1997〜2026年):2026年は25,834円で14年連続の上昇
出典:国土交通省「公共工事設計労務単価」

長期推移の数値データ

全国全職種平均(加重平均)の推移は以下の通りです。なお、1997〜2012年度は年度当初(4月)から、2013年以降はその年の2〜4月から適用された単価です。

  • 1997年度:19,121円(公表開始)
  • 2011年度:13,047円(1997年度以降で最も低い水準、1997年度比 -31.8%)
  • 2012年度:13,072円
  • 2013年:15,175円(前年比 +15.1% ※国交省公表の単純平均伸び率)
  • 2024年:23,600円
  • 2025年:24,852円
  • 2026年:25,834円

水準の変化と上昇の背景

1997年度に19,121円だった単価は下がり続け、2011年度には13,047円まで落ち込みました。国交省の資料では、この時期の下降を「建設投資の減少に伴う労働需給の緩和」によると説明しています。これは公表開始時の1997年度と比べて31.8%低い水準でした。

大きな転換点となったのが2013年です。必要な法定福利費相当額を単価に反映させるなど単価算出手法が見直されたことで、2013年は前年比+15.1%(15,175円)と大幅に上昇しました。以降も毎年引き上げが続き、2026年には25,834円に到達しました。

2026年の単価(25,834円)は、最も低かった2011年度(13,047円)の1.98倍(約2倍)に達し、1997年度(19,121円)と比べても35.1%高く、1997年度以降で最も高い水準となっています。


職種別の単価と前年比:型わく・鉄筋が3.1万円超、誘導員Bは+6.7%

現場の基幹となる主要12職種の全国平均(加重平均)は24,095円、前年比の伸び率は+4.2%(単純平均)となりました。職種によって日額の水準や伸び率に差が出ています。

主要12職種の単価と前年比(2026年3月〜、全国平均)
出典:国土交通省「公共工事設計労務単価」

職種別の伸び率の傾向

前年比の伸び率(単純平均)が特に高かったのは、交通誘導警備員B(+6.7%)、交通誘導警備員A(+5.8%)、型わく工(+5.0%)でした。一方で、運転手(一般)(+2.9%)や軽作業員(+2.9%)、普通作業員(+3.0%)、大工(+3.1%)は比較的緩やかな伸びにとどまっています。

水準別に見ると、躯体工事を担う型わく工(31,671円)と鉄筋工(31,267円)、高所作業のとび工(30,780円)、仕上げの左官(30,508円)、木工事の大工(30,331円)の5職種が日額3万円を突破しました。土木・建築現場の基本工種である普通作業員は23,605円、交通誘導警備員Aは18,911円、交通誘導警備員Bは16,749円となっています。


都道府県別の単価:型わく工の地域差は最大13,900円

公共工事設計労務単価は、各地域の賃金実態を反映して47都道府県ごとに設定されています。地域間の需給状況によって単価には明確な開きがあります。

普通作業員の単価(都道府県別の上位・下位):最高27,000円・最低18,200円
出典:国土交通省「公共工事設計労務単価」

主要6職種における都道府県の最高・最低・東京都の比較

現場で配置頻度の高い主要6職種について、最高値・最低値の都道府県と東京都の単価を比較しました。

職種最高値(都道府県)最低値(都道府県)東京都
普通作業員27,000円(東京都・石川県)18,200円(鳥取県)27,000円
大工34,800円(宮城県)27,200円(鳥取県)30,600円
型わく工40,900円(宮城県)27,000円(島根県)33,000円
鉄筋工39,200円(宮城県)25,700円(愛媛県・高知県)33,800円
とび工35,100円(沖縄県)26,600円(福井県)33,100円
交通誘導警備員A22,400円(愛知県)16,200円(高知県)20,500円

6職種の中で最も地域差が大きかったのは型わく工です。宮城県(40,900円)と島根県(27,000円)の間で13,900円の差額が生じています。

なお、大工は北海道、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、沖縄県の6道県で単価が設定されておらず、41都府県での公表となっています。

47都道府県別の単価一覧(主要6職種)

2026年3月適用の47都道府県別の単価(円/日)は以下の通りです。大工の単価設定がない道県は「-」としています。

都道府県普通作業員大工型わく工鉄筋工とび工交通誘導警備員A
北海道21,500-28,20030,20030,00018,700
青森県22,20031,20036,00032,70031,30017,300
岩手県23,70032,00036,20032,50030,00018,300
宮城県23,60034,80040,90039,20034,00020,100
秋田県22,50034,40032,40033,60030,90017,500
山形県22,50029,90032,90034,10031,00019,800
福島県23,70033,50030,80034,70034,00020,200
茨城県25,40030,90031,50030,80030,90019,300
栃木県24,30031,90031,80031,40029,80019,200
群馬県25,30030,40031,20030,00028,00018,000
埼玉県25,90030,60032,90033,20032,40019,200
千葉県25,50030,50031,80034,40033,50019,700
東京都27,00030,60033,00033,80033,10020,500
神奈川県26,80030,40032,70031,60033,10020,200
新潟県24,30030,20028,70030,90028,70019,400
富山県26,10031,40032,30033,70032,60019,600
石川県27,00031,50031,70033,30032,90020,400
福井県21,90028,30030,20028,10026,60019,100
山梨県26,90030,80033,20031,30029,80018,700
長野県24,60030,00029,00029,10029,10017,100
岐阜県25,40033,80034,20031,10031,70021,100
静岡県26,60033,60032,10031,80030,50021,800
愛知県25,20034,00034,40031,00032,40022,400
三重県24,50033,80032,30031,60033,40021,400
滋賀県23,30029,60030,70029,50028,30018,400
京都府24,40029,30031,70028,50027,90018,500
大阪府23,80029,30033,40029,00029,60018,200
兵庫県24,10029,20031,40027,20028,30018,700
奈良県24,00029,60032,90029,10028,90018,800
和歌山県24,20029,30033,40027,90028,60018,200
鳥取県18,20027,20027,90029,50028,00018,100
島根県19,70027,80027,00029,20028,00018,200
岡山県21,50027,50029,30029,90029,40018,900
広島県22,20027,60028,20028,30028,70018,700
山口県20,50028,00027,10029,30028,90018,500
徳島県24,100-29,50027,10028,90017,900
香川県25,000-29,60027,60029,20018,200
愛媛県21,500-29,10025,70028,50017,100
高知県21,900-28,60025,70029,00016,200
福岡県24,10029,20028,20029,90029,90018,200
佐賀県20,70029,50030,60029,50028,10018,200
長崎県21,90029,50028,00029,50028,10018,500
熊本県22,10029,20027,90030,00029,00017,700
大分県21,00029,30027,40030,20029,00018,200
宮崎県20,30028,80028,60028,40029,10018,200
鹿児島県21,90029,60031,40029,90029,60019,300
沖縄県23,300-32,30033,20035,10016,800

人工代・日当の目安との違い:必要経費込みは約1.48倍の水準

実務で「人工(にんく)代」や「大工の日当」を考える際、公表された設計労務単価を下請への支払い額や請求額そのものと混同しないことが大切です。

賃金単価と会社の実際の負担コスト

設計労務単価は、8時間の所定労働時間に対して作業員個人へ支払われる賃金相当額です。

会社が作業員を現場へ送り出すには、賃金以外にも事業主負担となる法定福利費(健康保険・厚生年金・雇用保険など)、労務管理費、安全管理費、宿舎費といった多くの経費がかかります。設計労務単価の金額にはこれらの経費が含まれていません。

国土交通省による「必要経費込み金額」の参考値

国土交通省は、設計労務単価に含まれない必要経費(法定福利費の事業主負担分・労務管理費・安全管理費・宿舎費等)を合算した「労務単価+必要経費」の試算値を参考として公表しています。

この金額は、全都道府県・全職種で労務単価の1.474〜1.480倍(約1.48倍)の水準となっています。東京都における主要職種の目安は以下の通りです。

職種名労務単価(日額)労務単価+必要経費(参考値)
普通作業員27,000円39,900円
大工30,600円45,200円
型わく工33,000円48,700円
鉄筋工33,800円49,900円
とび工33,100円48,900円
交通誘導警備員A20,500円30,300円

東京都の場合、労務単価27,000円の普通作業員は必要経費を加えると約4万円(39,900円)になり、大工(30,600円)は45,200円、鉄筋工(33,800円)は49,900円に達します。

積算・見積実務での注意点

国交省が示す必要経費込みの金額は積算上の参考値であり、工種や工事規模によって変動します。遠隔地から労働者を呼び寄せるような特別経費も織り込まれていません。そのため、この金額がそのまま民間の人工代相場や実際の請求額になるわけではありません。

下請契約や見積もりの作成では、法定福利費や共通仮設費、現場管理費を内訳書にきちんと計上し、会社として実際に発生するコストを回収できる請負金額を設定することが実務の基本となります。


まとめ:単価確認の実務チェックポイント

2026年3月適用の公共工事設計労務単価は、全国全職種加重平均で25,834円(前年比+4.5%)となり、14年連続の上昇で初めて25,000円を超えました。最も低かった2011年度(13,047円)の約2倍、1997年度比でも35.1%高い水準です。

工事の見積もりや下請契約、予算管理にあたっては、以下の点を確認しながら進めてください。

  • 適用時期の確認:2026年3月1日以降の積算に適用される最新単価であるか
  • 必要経費の計上:労務単価は賃金のみの金額であり、会社負担の法定福利費や管理費を別途含めているか
  • 地域と職種の区分:都道府県ごとの地域差や、大工などの単価未設定道県を確認しているか
  • 労働時間の確認:所定労働時間8時間の単価であり、時間外や夜間の割増賃金は別計算になっているか

あわせて注視したい関連指標

労務費の変動とともに、資材価格や建設コスト全体の推移も並行して把握することが重要です。

指標名確認元公表頻度
公共工事設計労務単価国土交通省年1回(例年2月公表、3月適用)
建設資材価格(企業物価指数)日本銀行毎月
建設工事費デフレーター国土交通省毎月


出典: 国土交通省「公共工事設計労務単価」 / 統計最終更新: 2026年

よくある質問(FAQ)

Q. 公共工事設計労務単価とは何ですか?

A. 公共工事の予定価格を積算するために国土交通省が毎年決定する基準単価です。毎年10月に実施される公共事業労務費調査をもとに、全国の公共工事に従事する技能労働者へ実際に支払われた賃金台帳から集計し、都道府県別・職種別に1日8時間当たりの賃金として定めています。

Q. 2026年(令和8年)の単価はいくらですか?

A. 2026年3月から適用される全国全職種平均(加重平均)は25,834円です。前年からの伸び率は単純平均で+4.5%となり、2013年以降14年連続で上昇し、初めて25,000円を超えました。主要12職種の平均は24,095円(前年比+4.2%)です。

Q. 大工や普通作業員の単価はいくらですか?

A. 2026年3月適用の全国平均(加重平均)は大工が30,331円(前年比+3.1%)、普通作業員が23,605円(前年比+3.0%)です。都道府県別では、普通作業員は東京都・石川県の27,000円から鳥取県の18,200円まで、大工は宮城県の34,800円から鳥取県の27,200円まで幅があります(大工は6道県で設定なし)。

Q. 人工代や日当との違いは何ですか?

A. 設計労務単価は労働者に支払う賃金そのものであり、会社が負担する法定福利費(事業主負担分)や安全管理費、労務管理費などの必要経費を含みません。国交省の参考公表では、必要経費を含めた適正な金額は労務単価の約1.48倍(全都道府県・全職種で1.474〜1.480倍)とされており、実務の見積もりや請求時にはこれらを反映する必要があります。

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この統計レポートは、官公庁・日本銀行・業界団体などが公表する統計データをもとに、ConShift が独自に集計・解析したものです。各データの出典は本文中に記載しています。

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