トラスコ オレンジブック.Comとは?
トラスコ オレンジブック.Comは、トラスコ中山株式会社が運営する工場・建設現場向けのプロツールおよび工事用現場資材を対象としたBtoB調達プラットフォームです。建設現場で突発的に発生する副資材・消耗品の手配や相見積もり、発注作業に伴う現場監督やバックオフィスの間接業務負担を解消することを主目的に設計されています。機械工具商や建材販売店を経由する卸売商流を前提とした「販売店共生型」の構造を持ち、現場への直送や全国拠点での即日受取に対応することで、資材調達のリードタイム短縮と発注ガバナンスの確立を支援します。
主な機能
商品検索・調達支援機能
- 約450万点のカタログ検索と在庫・納期可視化
約450万点(2026年6月時点)に及ぶプロツールや工事用現場資材の在庫状況、目安納期、販売価格をPCやスマートフォンから即座に確認できます。自社在庫だけでなく仕入先メーカーの在庫データともシステム連携しているため、取り寄せ品の正確な納期やメーカー欠品情報も事前に把握でき、現場での手待ちリスクを防ぎます。 - 同等品・類似品の自動提案と比較リスト作成
検索した資材が欠品している場合やコストを見直したい場合に、仕様が近い同等品や類似品をシステムが自動で画面上に提示します。候補製品を横並びで比較できるリストを作成できるため、現場仕様を満たす代替品の選定にかかる調査時間を削減できます。 - Web見積書出力とワンクリック発注
画面上で選定した商品リストから、普段取引している指定販売店を経由した見積書を即時にPDF出力できます。見積内容を確認した後はそのままWeb上で発注依頼を完了できるため、従来の電話やFAXを用いた相見積もりや注文書の作成・送信作業を省力化します。
現場受取・物流オペレーション機能
- 現場直送および指定場所配送
手配した工具や現場資材を、自社の営業所や倉庫だけでなく施工中の現場事務所や特定の搬入先へ直接届ける配送指定が可能です。現場監督や職人が最寄りのホームセンターへ資材を買い出しに出向く移動時間を抑制し、作業工程の維持に寄与します。 - 全国拠点での来店即日引取り
緊急で工具や消耗品が必要となった場合、トラスコ中山の全国物流拠点・支店へ直接出向いて商品を受け取る「来店引取り」に対応しています。平日の9:00〜17:30において最短当日に自社在庫(約61万点)を引き取れるため、突発的なトラブルや工程遅延を防ぐ緊急調達手段として機能します。
購買管理・内部統制機能
- 多段階承認ワークフローと権限設定
注文単位や商品単位の発注金額に応じて、最大3名までの多段階承認ルートや承認グループを柔軟に設定できます。現場担当者が申請した購入品の上長承認フローをデジタル上で完結させ、現場単位での無断発注や重複購買を防止するガバナンスを構築できます。 - 勘定科目・工事コード登録
発注品目ごとに社内の勘定科目コードや工事番号(プロジェクトコード)を割り振って申請・発注できます。発注データと経理処理用のコードが紐付くため、納品後の伝票仕訳や現場ごとの原価集計にかかるバックオフィスの手作業を効率化します。 - WEBガイダンス「テックタッチ」による操作支援
画面上に直接操作手順を案内するナビゲーションツール「テックタッチ」を導入しています(2026年6月)。ITツールの扱いに不慣れな現場作業員や新規着任の事務担当者であっても、迷うことなく検索から承認申請、発注までの操作を進められます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
地元の金物店や工具販売店との既存取引関係を維持しながら、購買業務をデジタル化したい専門工事業者
- 現場監督が電話やFAXで個別に資材発注を行っており、事務所側で小口発注の実態や金額をリアルタイムに把握できない
トラスコ オレンジブック.Comを導入すると、現場担当者がWeb上で作成した注文情報が社内の承認ワークフローを通り、指定の既存販売店へ電子的に送信されます。従来の付き合いがある取引口座を維持したまま、本社側で誰がどの工事向けに何をいくらで発注したかを一元的に可視化できるようになります。 - 資材の品番特定や在庫確認のために販売店への問い合わせを繰り返し、回答待ちの間作業が止まる
約450万点におよぶ商品データベースとメーカー連携在庫を現場のスマートフォンから直接確認できるため、即座に手配可否が判断できます。代替品の自動提案機能も備わっているため、欠品時の選定待ち時間を最小限に抑えられます。
現場での突発的な工具破損や副資材切れによって工程遅延の危機に頻繁に直面する建設会社
- 施工中に電動工具の消耗部品や安全保護具が不足し、職人が現場を離れて遠方のホームセンターへ買い出しに走っている
トラスコ中山が保有する全国物流拠点を活用した「来店引取り」を利用することで、平日の最短当日に拠点窓口で現物を直接入手できます。ホームセンターに在庫がない専門的なプロツールであっても即座に調達できるため、手待ち工数の削減につながります。 - 急ぎの手配で相見積もりを取る余裕がなく、単価の妥当性を検証できないまま高値で購入してしまう
Web画面上から取引代理店経由の正式な見積書を即時発行できるため、急ぎの場面であっても承認基準に沿った価格確認を迅速に完了できます。
向いていない企業・現場
取引先を1つのプラットフォームに完全集約し、直販型ECとして即時クレジットカード決済を行いたい小規模事業者
- 販売店を経由する手続きを省き、Webサイト上で決済まで完結させたい
トラスコ オレンジブック.Comはトラスコ中山が卸売業として運営しているため、最終ユーザーに対する直接の物販やサイト上での直接決済は行っていません。必ず提携する機械工具商や販売店を取引窓口として指定・登録する必要があるため、直販型ECのように登録直後にカード決済で即日注文を完結させたい事業者には適していません。その場合は、直販モデルを採用している一般的な通信販売プラットフォームの利用を検討する必要があります。
独自の特注品や規格外の構造用大型建材を主軸に受発注を行いたい土木・建築現場
- 現場加工を要する特殊金物や規格外の大型建材を特注仕様で一括手配したい
トラスコ オレンジブック.Comは既製品のプロツールや工場・現場用の副資材を中心としたラインナップとなっており、特注仕様の加工品や構造用資材の受発注には対応していません。設計図面に基づいたオーダーメイド資材の調達には、専門のファブリケーターや建材メーカーとの個別商談プロセスが必要です。
類似ツールとの比較
BtoB資材調達の分野における一般的な調達プラットフォームとトラスコ オレンジブック.Comとの決定的な違いは、「直販型(BtoB)」か「販売店共生型(BtoBtoB)」かという商流構造にあります。
一般的な工具通販サイトの多くは、運営企業が最終ユーザーである建設会社へ商品を直接販売・決済する直販モデルをとっています。この方式は、アカウントを開設すればすぐに自社口座やクレジットカードで購入できる手軽さがある一方、元請や下請企業が長年培ってきた地域の機械工具商・金物店との取引口座を分断してしまう側面があります。また、既存販売店が提供していた独自の掛け払い条件や、特殊資材の相談窓口といった地域密着型の関係性を損なう懸念が生じるケースも少なくありません。
これに対しトラスコ オレンジブック.Comは、ユーザー企業が日常的に取引している販売店をシステム内に登録し、その販売店を経由して見積・受発注を行う仕組みを採用しています。ユーザー側はサイト上での直接決済を行う必要がなく、既存の販売店との請求・支払サイクルをそのまま維持できます。さらに、トラスコ中山自身が保有する自社在庫(約61万点)と高密度な物流ネットワーク、約450万点の製品カタログデータを既存販売店の「裏側のインフラ」として活用できるため、地場販売店の柔軟なサポート関係を維持したまま、調達プロセスのデジタル化と短納期化を両立できます。
料金・プラン
トラスコ オレンジブック.Comは、ユーザー企業の調達業務効率化を支援する基盤として提供されており、システムの導入や維持にかかる利用料はすべて無料となっています。
| プラン区分 | 初期導入費用 | 月額・年間運用費 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 標準アカウント | 0円 | 0円 | 承認ワークフロー、Web見積、在庫確認等の基本機能を含む |
サイト利用自体に費用は発生しません。注文した商品の代金決済については、トラスコ中山へ直接支払うのではなく、経由先として指定した取引販売店との間で取り決めた売買契約や掛け払い条件に基づいて行われます。
導入事例・実績
トラスコ オレンジブック.Comの公開導入事例(企業名・導入規模・定量的効果が揃って公表された事例)は現時点では確認できていません。最新情報は公式サイトをご確認ください。
法人調達基盤との連携を担う「オレンジコマース」の拡張性
トラスコ中山では、オレンジブック.Com単体でのブラウザ利用にとどまらず、中堅・大手企業が自社で導入している購買管理システムとカタログデータを直接接続するための連携基盤「オレンジコマース」を展開しています。2025年12月末時点での接続企業数は2,880社に達しています。
オレンジコマースを活用することで、企業の基幹調達システムや購買SaaSからパンチアウト連携によりトラスコ中山のデータベースへアクセスし、最新の製品情報や在庫、価格データを自社の調達フロー内にシームレスに取り込むことが可能です。これにより、現場や支店ごとに個別のWebサイトへログインして注文する手間を排除し、全社的な資材購買データの一元管理と内部統制の強化を実現する連携アーキテクチャが整えられています。
導入前に知っておきたいこと
トラスコ オレンジブック.Comを実運用へ載せるにあたっては、以下の点について事前の確認と運用ルールの整備が必要です。
- 取引販売店の事前指定と口座確認が必須である点
直販サービスではないため、利用開始にあたってはトラスコ中山と取引のある代理店(機械工具商、金物店、副資材ディーラー等)を指定し、ユーザー企業と販売店の間で取引口座が開設されている必要があります。普段取引している販売店がトラスコ中山の取扱い店でない場合や、新規に販売店を選定する必要がある場合は、利用開始までに確認手続きの手間が発生します。 - 一部商品における即時発注の制限
約450万点という膨大な商品を網羅しているものの、メーカーからの都度取り寄せ品や、大型・重量物などのチャーター便手配を要する資材については「価格・納期お問い合わせ商品」として扱われます。これらに該当する商品は画面上で即時に発注を確定させることができず、販売店へ見積依頼や納期照会を行うフローを挟む必要があります。
導入の流れ・期間
トラスコ オレンジブック.Comを利用開始するまでの標準的な手順は以下の通りです。
- 1. 会員登録申請と取引販売店の指定
トラスコ オレンジブック.ComのWebサイト上から利用登録を行います。その際、発注窓口となる取引先の販売店情報を指定します。 - 2. 販売店との取引確認・承認
指定された販売店側で取引口座の有無や契約条件が確認され、システム上での紐付け処理が行われます。 - 3. 社内アカウントおよび承認ルートの設定
社内の利用ユーザー(現場監督、事務担当者等)のアカウントを発行し、必要に応じて多段階承認ワークフロー(最大3名)や勘定コード、配送先住所(現場事務所等)を登録します。 - 4. 運用開始
登録完了後、PCやスマートフォンのブラウザからログインすることで、在庫検索や見積書発行、発注機能の利用が可能となります。
トラスコ オレンジブック.Comの具体的な登録・設定完了までの所要期間は、取引販売店との確認状況によって異なるため要問い合わせとなります。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォン専用のアプリは提供されていますか?
- モバイルアプリのインストールは不要で、スマートフォンの標準WebブラウザからPC版と同様の機能を利用できます。現場巡視中や移動先からでも在庫状況の照会や承認操作が可能です。
- 支払いはクレジットカードで直接決済できますか?
- サイト上でのクレジットカード直接決済には対応していません。トラスコ オレンジブック.Comを通じた発注はすべて経由先として登録した販売店との商流になるため、代金の請求や支払いは当該販売店との契約条件(掛け払い等)に沿って行われます。
- 取引している販売店がトラスコ中山と取引しているか分からない場合はどうすればよいですか?
- 登録時に候補となる販売店を検索・指定するか、トラスコ中山の窓口や担当支店へ問い合わせることで、既存取引先の取り扱い可否や近隣の提携販売店の案内を受けることができます。
- 操作方法が分からない場合のサポート体制はどのようになっていますか?
- Web画面上には操作手順をガイドするシステム「テックタッチ」が組み込まれており、画面の指示に沿って操作を進めることができます。また、製品仕様や納期等の実務的な問い合わせは、Webフォーム、トラスコ中山の担当支店、または指定の取引販売店が対応します。
- 自社在庫の来店引取りは誰でも利用できますか?
- 平日9:00〜17:30の対応時間内において、トラスコ中山の全国拠点に在庫がある対象商品であれば来店引取りの指定が可能です。最短当日での受け取りに対応していますが、拠点の在庫有無や引取り準備の完了状況を事前に画面上で確認して手配する必要があります。