- キーワードの概要:NETIS(新技術情報提供システム)とは、民間企業が開発した優れた建設技術を共有し、公共工事での活用を促すために国土交通省が運用している技術データベースです。
- 実務への関わり:現場でNETIS登録技術を選定・提案することで、工事成績評定点の加点や総合評価落札方式での評価向上が狙え、施工性の改善やコスト削減にも貢献します。
- トレンド/将来予測:時間外労働規制への対応や建設DXの推進に伴い、省人化や遠隔臨場、ICT施工に寄与する最新技術のNETIS登録と現場導入が今後ますます拡大していきます。
NETIS(New Technology Information System:新技術情報提供システム)は、民間企業が開発した新技術情報を共有し、公共工事での積極的な活用を促すために国土交通省が運用するデータベースである。新技術活用評価制度の中核として機能し、登録された技術の評価フェーズ(末尾記号)や実績に応じて、工事成績評定点の加点や総合評価落札方式での技術提案評価につながる。本記事では、施工者における活用手順や加点ロジック、開発者における申請・審査プロセス、ならびに最新のDX・省人化技術動向について網羅的に解説する。
- NETIS(新技術情報提供システム)の基本概念と登録番号(末尾記号)の読み解き方
- 新技術活用評価制度におけるNETISの位置づけとデータベースの仕組み
- 登録番号の末尾記号(-A・-V・-VEなど)が示す技術評価フェーズと信頼性
- 【施工者向け】公共工事で工事成績評定点を加点させるNETIS活用手順と検索法
- NETIS公式サイトを活用した現場課題別ターゲット技術の検索ステップ
- 工事成績評定点・総合評価落札方式における加点ロジックと点数配分
- 発注者協議で提出する「技術比較表」と施工後の「活用効果調査票」作成実務
- 【開発者向け】自社技術をNETISに登録するための申請プロセスと審査基準
- NETIS登録における申請要件と審査基準
- 事前相談から登録決定までの4ステップとスケジュール
- 比較表(様式4)・詳細説明(様式3)作成における実務上の留意点
- 時間外労働規制・建設DXに対応する最新NETIS登録技術の傾向と選定基準
- 省人化・遠隔臨場・工期短縮に寄与する最新DX・ICT技術カテゴリ
- NETIS登録製品導入時の費用対効果検証と発注者(変更協議)への提案手法
- NETIS活用・登録の実務即応チェックリストと次にとるべきアクション
- 【施工者用】着工前〜完成検査までのNETIS活用・書類提出フローチェックリスト
- 【開発者用】事前相談準備〜事後評価・更新手続きまでの登録ロードマップ
NETIS(新技術情報提供システム)の基本概念と登録番号(末尾記号)の読み解き方
公共工事の技術提案や現場の施工管理において活用される「NETIS登録番号」は、単なる識別IDにとどまらず、その技術が公的にどのような評価段階にあるかを示す重要指標である。NETISの構造と登録番号の分類ルールを正しく理解することで、現場の状況に応じた適切な技術選定が可能となる。
新技術活用評価制度におけるNETISの位置づけとデータベースの仕組み
NETIS(New Technology Information System:新技術情報提供システム)は、民間企業等が開発した優れた新技術の情報を共有・提供し、公共工事における積極的な活用を促すために国土交通省が運用するデータベースである。単なる技術カタログの閲覧サイトにとどまらず、国や地方自治体が推進する新技術活用評価制度の中核インフラとして機能している。
新技術活用評価制度は、新技術の「情報収集」「現場での試行活用」「活用効果調査」「事後評価」という一連のサイクルによって構成されている。このサイクルにおけるNETISの位置づけと用語の定義は以下の通りである。
- 申請情報(事後評価未実施): 開発者から提示された情報に基づき、審査を経てデータベースに初期登録された段階の技術情報。規定の登録申請に沿って受領されると、この「申請情報」として公開される。
- 活用効果調査: 受注者(施工者)が現場で新技術を導入した際、従来の技術と比較した施工性・経済性・安全性などの施工実績や効果を報告するプロセス。
- 評価情報(事後評価実施済み): 各地方整備局等に設置された「新技術活用評価会議」において、収集された現場データを基に事後評価が完了した技術情報。
発注者や施工者が検索機能を利用して技術を選定する際、これらのデータベースに蓄積された客観的な現場データをもとに、技術の妥当性や導入リスクを判断する。
登録番号の末尾記号(-A・-V・-VEなど)が示す技術評価フェーズと信頼性
NETISに登録された技術には、「KT-240001-VE」のような固有の登録番号が割り当てられる。先頭2文字は受付窓口(例:KT=関東地方整備局、KK=近畿地方整備局)、続く数字は登録年度と一連番号を示す。実務において直接影響するのが、末尾に付けられたハイフン以降のアルファベット(識別記号)である。
| 末尾記号 | 評価区分 | 評価フェーズ | 現場実務における信頼度・特徴 |
|---|---|---|---|
| -A | 事後評価未実施技術 | 新規登録フェーズ | NETISに新規登録された段階で、公的な事後評価が未実施の技術。現場での試行と実績収集が必要となるため、導入後の活用効果調査票の提出が必要となる。 |
| -VE | 継続調査不要技術 | 推奨・普及フェーズ | 複数現場(概ね5件以上)での実績が得られ、評価会議にて高い有用性と安定性が認められた技術。施工者側の評価調査負担が軽減される。 |
| -VR | 継続調査対象技術 | 追加検証フェーズ | 事後評価は実施されたものの、特定の施工条件や長期的な耐久性において、引き続き現場での効果検証が必要と判断された技術。 |
施工計画書を作成する際、末尾が「-VE」の技術を選択すると、すでに多数の現場で有用性が実証されているため、試行時の調査書類作成負担が省力化される。一方で「-A」の技術を採用する場合は活用効果の調査報告が必要となるが、普及前段階の先進的技術を現場に早期導入できる側面がある。加点制度を活用した選定においては、末尾記号が意味する評価フェーズと実績の蓄積度合いを見極めて判断する。
【施工者向け】公共工事で工事成績評定点を加点させるNETIS活用手順と検索法
公共工事の入札や施工評価において、施工者が競合他社と差別化を図るためのツールがNETISである。国土交通省が推進する「新技術活用評価制度」のもと、登録技術を現場へ導入・提案することで、工事成績評定点への加点や総合評価落札方式における技術提案評価点の獲得につなげられる。現場での選定から提出書類の作成、施工後の評価手続きまでの具現的なプロセスを示す。
NETIS公式サイトを活用した現場課題別ターゲット技術の検索ステップ
道路改修や河川工事などの現場において、施工の安全対策や工期短縮を目的として新技術を導入する場合、膨大なデータベースから自社現場に適合する技術を速やかに特定する必要がある。NETIS公式サイトを用いた検索手順は以下の通りである。
- ステップ1:分類・工種絞り込みと課題キーワード入力
検索画面で「工種区分(例:道路土木、橋梁上部など)」を選択する。さらに「期待する効果(例:省人化、品質向上、騒音低減)」や、現場の課題に直結する具体的検索ワード(例:「高圧洗浄」「センサー点検」など)を組み合わせることで対象技術を絞り込む。 - ステップ2:技術概要(アブストラクト)と適用条件の照合
検索結果から該当技術を選択し、登録情報の「従来技術との比較」や「適用範囲・限界」を確認する。現場の気象条件、敷地制限、使用重機の仕様を満たしているかを検証し、施工不能による契約後の手戻りを防ぐ。 - ステップ3:登録識別記号と評価情報の確認
登録番号の末尾記号(-A、-VR、-VE)を確認し、過去の施工実績件数や評価の確定状況を把握する。実績の少ない技術を採用する際は、メーカーから試験データや施工要領書を取り寄せ、現場適用性を事前に裏付ける。
工事成績評定点・総合評価落札方式における加点ロジックと点数配分
登録技術を活用した際の加点評価は、発注者が定める基準に基づいて算定される。施工者が契約後に自発的に提案する「施工者希望型(契約後提案)」や、入札時の「総合評価落札方式」での技術提案において、技術の評価段階に応じた加点ロジックが適用される。
| 登録識別記号(末尾) | 技術の評価区分 | 事後評価の有無 | 加点評価における特徴と実務上の影響 |
|---|---|---|---|
| -A | 事後評価未実施技術 | 未実施(活用実績蓄積中) | 活用計画書および活用効果調査票の提出により、工事成績評定点での加点対象(通常1点〜2点程度)となる。 |
| -VR | 継続調査対象技術 | 実施済(継続的な効果確認が必要) | 現場での効果・検証実績があり、施工トラブルのリスクを抑えつつ評定点での加点(1点〜2点程度)を獲得できる。 |
| -VE | 継続調査不要技術 | 実施済(評価が確定・十分な実績) | 技術評価が確定しており信頼性が高い。事後調査(活用効果調査票)の提出が原則不要となり、現場の負担が軽減される。 |
工事成績評定点における具体的な加点は、主任技術評価官による項目「創意工夫」や「新技術の活用」において評価される。国土交通省直轄工事の場合、施工者提案により新技術を活用し、事後評価の有無や「活用効果調査票」等の評価結果(相当程度・一定程度等)、有用な技術への該当に応じて評価点(最大3点、実加点換算で1.2点程度)が付与される構造である。
発注者協議で提出する「技術比較表」と施工後の「活用効果調査票」作成実務
加点を獲得するためには、発注者(監督員)との協議および指定された様式での書類作成実務を確実に進める。手続きは主に「施工計画時」と「施工完了後」の2段階で発生する。
1. 発注者協議と「技術比較表(新技術活用計画書)」の作成
現場着手前または施工計画書の提出時に、活用するNETIS登録技術を明記した協議書類を提出する。従来工法とNETIS技術を対比させた「技術比較表」を作成し、定量的な数値を提示することが承認を得る要件となる。具体的には以下の3項目を数値データで明示する。
- 経済性・工期:歩掛かりの削減率(例:従来工法比15%削減)や作業日数の縮減(例:工期を3日間短縮)
- 安全性・施工性:高所作業の削減率(例:危険作業時間を50%カット)や作業員の熟練度依存の低減
- 品質・環境対策:出来形精度の向上数値(mm単位での格差)や騒音値・CO2排出量の削減率
2. 施工後の「活用効果調査票」のオンライン提出実務
工事完了時には、実際に新技術を活用した成果を報告する「活用効果調査票」を提出する。現在はNETISオンラインシステム上での作成・承認手続きが必須となっている。末尾が「-A」または「-VR」の技術を採用した場合の具体的な実務手順は以下の通りである。
- ID・パスワードの発行申請:システム上で工事情報を登録し、発注者宛に承認依頼メールを送付する。監督員の承認完了後、施工者用ID・PWが発行される。
- 効果測定データの入力:施工中の記録データに基づき、「従来技術と比較した総合評価」「現場での適用性」「改善点・留意事項」をオンラインフォームに入力する。
- 発注者承認の獲得:入力完了後、システム上で発注者へ最終提出を行う。発注者が内容を審査・承認することで活用手続きが完了し、工事成績評定点の加点要件が満たされる。検査日の少なくとも2週間前までに下書き入力を完了させるスケジュールで運用する。
【開発者向け】自社技術をNETISに登録するための申請プロセスと審査基準
NETIS(新技術情報提供システム)へ自社の資材・工法・ITシステム等を登録するには、国土交通省の基準において、既存の標準的な施工方法(従来技術)と比較した明確な優位性が要求される。
NETIS登録における申請要件と審査基準
申請可能な技術要件として、主に以下の基準を満たす必要がある。
- 技術の確立と実証性: 実験データや現場での実証結果によって品質や性能の再現性が客観的に証明されていること。
- 汎用性と施工性の向上: 特殊な1社の職人技能のみに依存せず、現場に一般展開可能な形で経済性、工程短縮、安全性向上などの効果を発揮できること。
- 権利関係の明瞭性: 特許権や意匠権などの知的財産権に関して他者の権利を侵害しておらず、法的裏付けが整理されていること。
施工者は、公共工事の入札や施工において工事成績評定点の加点を獲得できる技術を探している。現場で導入するメリット(工期20%短縮、作業員数30%削減等)が定量的かつ客観的に示されていなければ採用に至らないため、定量データの整備が前提となる。
事前相談から登録決定までの4ステップとスケジュール
NETISへの申請からデータベース掲載までのプロセスは、各地方整備局の技術事務所・相談窓口を通じて進められる。一般的な申請手続きのロードマップは以下の通りである。
| ステップ | 実施内容 | 主要な提出資料 | 標準処理期間・目安 |
|---|---|---|---|
| 1. 事前相談予約・実施 | 開発拠点を管轄する地方整備局の窓口へ連絡し、申請予定技術の概要や対象範囲についてアドバイスを受ける。 | 技術概要書、製品パンフレット | 相談準備〜実施:約1〜2週間 |
| 2. 申請データの作成・提出 | 専用の「新技術情報入力システム」や指定様式を用いて各種書類を作成し、窓口へ電子データで提出する。 | 様式1(申請書)、様式2(技術概要)、様式3(詳細説明)、様式4(比較表) | 書類作成:約1〜2ヶ月 |
| 3. 新技術検討会・審査 | 地方整備局内の検討会により、従来技術の妥当性、データの正確性、積算根拠などのヒアリング審査が行われる。 | 追加補正データ、第三者機関の試験成績書等 | 審査・補正期間:約2〜4ヶ月 |
| 4. 登録決定・NETIS掲載 | 審査通過後、NETIS登録番号が付与され、Webデータベース上に申請情報が一般公開される。 | 登録通知書(受領) | 掲載手続き:約1〜2週間 |
全体期間は概ね3ヶ月から6ヶ月程度を要する。事前相談を行わずに申請書類を作成すると、比較対照の選定ミスで大幅な修正が発生するため、窓口との事前調整を行う。
比較表(様式4)・詳細説明(様式3)作成における実務上の留意点
申請書類を作成する際、「様式4(比較表)」や「様式3(詳細説明資料)」における比較対照(従来技術)の設定に留意する。具体的には以下のポイントを徹底する。
1. 「自社旧製品」ではなく「標準的な公的基準工法」と比較する
比較対象は、国土交通省の標準積算基準に記載されている工法や、土木・建築工事で一般的に採用されている標準技術(または既存のNETIS登録技術)に設定する。自社旧製品との比較のみでは審査で認められない。
2. 定量データ(数値)による客観的証明を用意する
JIS規格に基づく第三者試験機関のデータや、現場実証で測定した具体的な比較値(例:従来技術比で「CO2排出量15%削減」「引張強度1.2倍」「施工歩掛0.8人工/10㎡削減」など)を数値化して提示する。
3. 施工者が現場で活用しやすい「積算・歩掛根拠」を明記する
発注者に提出する「施工計画書」や「VE提案書」へ転用できる積算データを記載する。対応可能な現場条件(ヤード広さ、気象条件、対応可能勾配など)を明確にすることで、施工者の採用ハードルを低減させる。
時間外労働規制・建設DXに対応する最新NETIS登録技術の傾向と選定基準
建設業における時間外労働の上限規制の適用に伴い、施工現場では限られた人員と時間で品質・安全を維持する省人化施工への転換が進んでいる。NETISにおいても、施工の効率化や遠隔化を実現する建設DX技術の登録が増加している。
省人化・遠隔臨場・工期短縮に寄与する最新DX・ICT技術カテゴリ
遠隔臨場・ICT施工・AI解析に関わる技術は、現場常駐を前提とした従来の作業プロセスをデジタル化し、現場管理者の移動時間や事務作業量を削減する効果を持つ。主要な技術カテゴリと評価ポイントは下表の通りである。
| 技術カテゴリ | 代表的なNETIS登録技術 | 省人化・工期短縮の具体的な効果 | 評価・加点のポイント |
|---|---|---|---|
| 遠隔臨場・リモート管理 | クラウド録画型ウェアラブルカメラ、遠隔臨場指示システム | 発注者の立ち会い検査や社内監督者の移動時間を削減。現場往復時間の削減により監督業務の労働時間を抑制。 | 段階確認等の効率化実績により創意工夫・施工管理で加点。 |
| ICT施工・3Dデータ活用 | 3D点群計測クラウド、建設機械向けマシンガイダンス(MG/MC) | 丁張り設置作業の簡略化や起工・出来形測量の自動化。従来手作業で行っていた測定人員を大幅削減。 | ICT活用工事としての評価対象。施工効率化と精度向上の実績が工事成績評定点に反映。 |
| AI画像解析・自動監視 | AI搭載型安全監視カメラ、自動クラック検知システム | 現場巡回の自動化や重機接近アラート、構造物点検の解析作業削減。点検・監視人件費の削減。 | 安全管理の高度化項目での評価。ヒューマンエラー排除と事故防止対策の具体策として加点。 |
NETIS登録製品導入時の費用対効果検証と発注者(変更協議)への提案手法
NETIS登録技術を導入する際には、システム導入費や機器レンタル料に対し、現場作業の縮減や工事成績評定点の向上によって得られる定量的メリットが上回るかを検証する。
例えば、道路維持修繕工事において遠隔臨場対応のウェアラブルカメラシステムを全現場に導入した場合、監督者が移動に費やす時間を1現場あたり月間約20時間削減できる。監督者1人あたりの労務単価を時間あたり4,000円と試算すると月間8万円分の労務費相当が縮減され、月額1万〜2万円程度の機器レンタル費用を上回る対費用効果を得られる。
発注者(監督員)に対して行う設計変更協議の手順は以下の通りである。
- STEP 1:NETIS技術の抽出と事前比較データの作成
現場工種に合致する新技術を検索し、従来工法との比較表(施工性、経済性、安全性、工程、品質の5項目)を作成する。公開されている活用効果調査表や評価情報を根拠データとして引用する。 - STEP 2:定量的効果を明確にした変更協議書の提出
請負契約締結後、施工者提案(施工者希望型)として「施工計画書」の変更協議を提出する。「従来工法比で現場作業人員を30%削減」「監督員の立ち会い移動時間をゼロ化」など具体的な数値をもとに提案する。 - STEP 3:現場活用の実施と「活用効果調査表」の作成・提出
変更協議の承諾後、実際の施工で新技術を使用し、施工状況写真や計測データを記録する。工事完了時には発注者へ「新技術活用効果調査表」を提出する。
NETIS活用・登録の実務即応チェックリストと次にとるべきアクション
NETISの活用および登録においては、制度の仕組みに即して適切なタイミングで手続きを進めることが重要である。施工者と開発者のそれぞれに向けた実務チェックリストを示す。
【施工者用】着工前〜完成検査までのNETIS活用・書類提出フローチェックリスト
入札・計画段階から完成検査後の効果報告まで、適切なタイミングで書類を提出するための実務フローは以下の通りである。
| フェーズ | 実施タスク | 提出・確認書類 | 実務上のポイント |
|---|---|---|---|
| 1. 入札・計画(着工前) | 最適技術の選定および施工者希望型・提案型の検討 | 総合評価における技術提案書、施工計画書 | 現場条件に合致する「-VE」登録技術や「-A」登録技術をデータベースから選定する。 |
| 2. 着工・準備 | 発注者(監督員)との協議および活用方針の決定 | 新技術活用計画書、工事打合せ簿 | 工事打合せ簿にNETIS登録番号を明示し、着工前に発注者との間で合意を得る。 |
| 3. 施工・計測 | 新技術の適用と従来技術との比較データの収集・測定 | 施工状況写真、品質管理記録、工程管理データ | 従来工法と比較した工期短縮率、施工性向上、安全性向上を示す数値や現場写真を記録する。 |
| 4. 完成・検査 | 新技術活用効果の取りまとめと報告書の提出 | 新技術活用効果調査表(施工者用) | 工事完了時に「新技術活用効果調査表」を提出し、工事成績評定点における加算措置の対象とする。 |
直轄土木工事において「施工者希望型」でNETIS技術を提案する場合、着工前の施工計画書提出時に発注者と工事打合せ簿で合意を形成しておく必要がある。施工後に遡って活用を申し出ても加点対象として認められないケースが存在するためである。「新技術活用効果調査表」には、「従来技術と比較して現場作業人数を3人から2人に削減」「施工日数を5日間短縮」といった定量的データをもとに記述する。
【開発者用】事前相談準備〜事後評価・更新手続きまでの登録ロードマップ
開発した工法や資材を登録・維持するためのロードマップは以下の通りである。掲載期間は登録の翌年度から原則10年間(推奨・準推奨技術等は15年間)となる。
| フェーズ | 実施タスク | 提出・確認書類 | 実務上のポイント |
|---|---|---|---|
| 1. 事前相談準備(申請前) | 類似技術調査および従来技術との差別化整理 | 技術概要書(簡易版)、技術比較資料の原案 | 管轄の地方整備局等の新技術活用窓口へ事前相談を申し込む。 |
| 2. 申請書作成・協議(申請時) | 専用システムでの申請データ作成と地方整備局との協議 | 登録申請書(様式-1)、技術概要説明資料(様式-2)、詳細説明資料(様式-3)、比較表(様式-4)、客観的裏付けデータ | 従来技術に対する「経済性」「施工性」「安全性」「品質」等の向上効果を、試験成績書や実証データで証明する。 |
| 3. 審査・登録(公開) | 新技術活用評価委員会による審査および登録情報の確認 | NETISデータベース公開情報(NETIS登録番号付与) | 審査通過後、NETIS登録番号(末尾「-A」)が発行され、データベース上で一般公開される。 |
| 4. 事後評価・更新(運用) | 現場での活用実績(活用効果調査表)の蓄積と更新手続き | 事後評価申請書、更新申請書(掲載期間満了前) | 掲載期間内(原則10年間)に現場での活用実績を重ね、事後評価手続きを行うことで「-VE」等の評価情報へ昇格する。推奨・準推奨技術に選定された場合は掲載期間が15年間に延長される。 |
最新の制度変更や相談窓口の連絡先、各種申請様式については、国土交通省の「NETISポータルサイト」および各地方整備局の技術事務所公式WEBサイトの一次情報を確認し、実務を進める。
よくある質問(FAQ)
Q. NETIS(新技術情報提供システム)とは何ですか?
A. NETISとは、民間企業が開発した建設分野の新技術情報を共有するために国土交通省が運用するデータベースです。公共工事での積極的な技術活用を目的としています。施工者がNETIS登録技術を採用して施工することで、工事成績評定点の加点や総合評価落札方式での評価向上といったメリットが得られます。
Q. 公共工事でNETIS登録技術を活用するメリットは何ですか?
A. 最大のメリットは、公共工事における「工事成績評定点」の加点対象となり、自社の施工実績評価が高まる点です。また、入札時の総合評価落札方式で技術提案として盛り込むことで落札率の向上につながります。現場においては、最新のDX・ICT技術の導入による省人化や工期短縮、安全性の向上も期待できます。
Q. NETIS登録番号の末尾記号(-A、-Vなど)の違いは何ですか?
A. 末尾記号は新技術の評価フェーズや実績を表しています。「-A」は評価情報がまだ掲載されていない試行段階の技術、「-V」は現場での活用効果を評価・検証中の技術、「-VE」は十分な活用実績があり効果が確認された技術を意味します。記号を確認することで、技術の成熟度や信頼性を判断できます。
