第25回建築BIM環境整備部会の開催発表
国土交通省は2026年10月26日、建築分野におけるBIM(Building Information Modelling)の推進を目的に、「第25回建築BIM環境整備部会」を同年10月28日にWeb開催すると発表しました。官民一体で建築物の生産プロセスおよび維持管理の生産性向上を図る取り組みの一環として、建築確認における「BIMデータ審査導入に向けた取組」や「BIMデータ等の標準化に向けた取組」について報告・議論が行われます。
BIMデータ審査と標準化に向けた政策経緯
国土交通省は2019年6月に官民連携の枠組みとして「建築BIM推進会議」を設置し、その下に具体的なワークフローや環境整備を検討する「建築BIM環境整備部会」を設けて議論を継続してきました。
建築確認手続きに関しては、2026年4月にBIMモデルから出力したPDF図面をもとに審査を行う「BIM図面審査」の運用が始まっています。さらに2026年9月には、図面を介さず属性情報を含むIFCデータそのものを直接審査する「建築確認・検査におけるBIMデータ審査の導入に関する基本構想」が策定されました。今回の第25回部会は、同基本構想の策定後および令和8年度として第1回目の開催となります。
第25回部会の開催概要と予定議題
発表された第25回建築BIM環境整備部会の概要および議題、体制は以下のとおりです。
- 開催概要
- 開催日時:令和8年(2026年)10月28日(水)10:00~12:00
- 開催方式:Web開催(傍聴可能。会議資料および議事録は国土交通省ホームページに掲載予定)
- 予定議題
- BIMデータ審査導入に向けた取組の報告
- BIMデータ等の標準化に向けた取組の報告 等
- 部会構成メンバー
- 学識経験者:芝浦工業大学の志手一哉教授(部会長)をはじめとする大学教授・名誉教授5名。
- 設計関係団体:公益社団法人日本建築士会連合会、一般社団法人日本建築士事務所協会連合会、公益社団法人日本建築家協会、一般社団法人日本建築構造技術者協会、一般社団法人日本設備設計事務所協会連合会、一般社団法人建築設備技術者協会、公益社団法人日本建築積算協会。
- 審査者・特定行政庁:日本建築行政会議(日本ERI株式会社、神奈川県県土整備局建築住宅部建築指導課)、一般財団法人日本建築センター。
- 施工関係団体:一般社団法人日本建設業連合会、一般社団法人全国建設業協会、一般社団法人日本電設工業協会、一般社団法人日本空調衛生工事業協会、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会。
- 維持管理・発注者関係団体等:一般社団法人住宅生産団体連合会、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会、BIMライブラリ技術研究組合、一般社団法人不動産協会、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会。
- 調査・研究団体:国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所、一般社団法人buildingSMART Japan、一般社団法人日本建築学会。
- 情報システム・国際標準関係団体:一般財団法人日本建設情報総合センター、一般社団法人建築・住宅国際機構、一般財団法人建築行政情報センター。
- オブザーバー:国土交通省大臣官房技術調査課、大臣官房官庁営繕部整備課、不動産・建設経済局不動産業課、不動産・建設経済局建設業課、住宅局建築指導課。
- 事務局:国土交通省大臣官房官庁営繕部整備課施設評価・デジタル高度化推進室、不動産・建設経済局建設業課、住宅局建築指導課。
議論の進展に関わる主な事業者・団体
- 建築設計事務所・組織設計事務所・設計コンサルタント
- 総合建設業者(ゼネコン)および専門工事業者(サブコン等)
- 指定確認検査機関および特定行政庁(自治体の建築主事等)
- 不動産デベロッパー・住宅生産者・施設管理関係者
- BIMソフトウェアベンダーおよび関連情報システム事業者
設計・施工・審査の実務に関わる影響
- 設計事務所・設計者
- 2026年4月に運用開始されたBIM図面審査に続き、将来的な「BIMデータ審査」に向けたモデリングルールや属性情報(プロパティセット)の標準化方針が順次整理される見通しです。確認申請で求められるデータ作成基準の動向を把握することが、今後の設計ワークフロー効率化に関わります。
- ゼネコン(元請け)
- 設計段階でのBIMデータ標準化が進むことで、確認申請後のデータを施工計画や干渉チェック、施工図作成へそのまま連携しやすくなります。審査の円滑化による着工スケジュールの安定化や、設計施工間の手戻り防止が期待されます。
- 専門工事業者・設備工事会社
- 意匠・構造・設備の統合連携やデータ記述の標準化が進むことで、設備モデリングの入力ルールや納まり調整の共通化に影響を与える可能性があります。
- 指定確認検査機関・特定行政庁
- 将来導入されるデータ審査に向けたクラウド基盤(共通データ環境:CDE)の運用や、ビュー審査・デジタル審査の具体的な検討状況を共有し、審査体制のデジタル化を段階的に進める契機となります。
部会開催と将来の審査導入スケジュール
- 2026年10月28日:第25回建築BIM環境整備部会がWeb開催され、後日、会議資料および議事録が国土交通省ホームページで公表される予定。
- 2029年春(予定):(国土交通省公表の「建築確認・検査におけるBIMデータ審査の導入に関する基本構想」によれば)IFCデータ等のBIMモデルそのものを審査対象とし、プログラムやAIによる適合判定補助を行う「BIMデータ審査」が全国導入される見通し。
今後の実務運用に向けて注視すべき論点
- データ審査における優先項目の詳細基準:基本構想で挙げられている延焼ラインや採光・換気計算、避難距離の測定など、プログラム判定の補助対象となる具体的な仕様がどう定まるかは今後の焦点になります。
- BIMデータ標準化の適用範囲:ソフトウェア間でのデータ互換性を保つためのIFC標準プロパティセットや、設計者が入力すべき標準コード体系がどの範囲で統一されるかは現時点で示されていません。
- 共通データ環境(CDE)等のシステム基盤整備:設計者と審査機関の間でBIMデータを安全・円滑に授受するためのプラットフォーム整備や運用手順について、どのような方針が提示されるかが注目されます。
審査基本構想の策定状況と業界のBIM普及実態
- 基本構想の策定経緯:国土交通省は2026年9月18日に「建築確認・検査におけるBIMデータ審査の導入に関する基本構想」を公表しており、二次元図面を原本とする手続きから、属性情報を持つ3次元モデルデータを審査する制度への移行工程を示しています。
- 建築分野におけるBIM普及状況:国土交通省が実施した実態調査(令和7年1~2月調査)によれば、建築分野のBIM全体導入率は58.7%です。従業員101人以上の企業では77.7%に達する一方、100人以下の企業では44.8%にとどまるなど、企業規模による導入の差が課題として挙げられています。
よくある質問
Q. 第25回建築BIM環境整備部会ではどのような内容が協議されますか?
A. 建築確認における「BIMデータ審査導入に向けた取組の報告」や「BIMデータ等の標準化に向けた取組の報告」などが予定されています。
Q. 会議の配布資料や議事録は確認できますか?
A. はい。会議資料および議事録は、後日国土交通省ホームページの建築BIM環境整備部会の特設ページにて掲載・公開される予定です。
Q. 将来予定されている「BIMデータ審査」とはどのような仕組みですか?
A. (国土交通省の公表資料によれば)従来の図面(PDF)ではなく、属性情報を含むIFC等のBIMデータそのものを審査対象とする仕組みです。共通データ環境(CDE)上での可視化によるビュー審査や、AI・プログラムを活用した適合判定補助を導入し、2029年春の本格運用を目指して検討が進められています。
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出典
- 発表主体: 大臣官房官庁営繕部整備課、不動産・建設経済局建設業課、住宅局建築指導課 / 発表日: 2026-10-26
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