Arch-LOGとは?建材検索・一括サンプル請求からBIM連携まで選定業務を効率化するプラットフォーム

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国内主要建材メーカーの製品情報やBIMデータを集約した建材総合プラットフォーム。Web上での建材ダイレクト検索や複数メーカーへの一括サンプル請求、デジタルマテリアルボード作成機能により、建材選定から調達準備までのプロセスを効率化する。

料金モデル
無料
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
設計事務所 ゼネコン 建築 デベロッパー・不動産

Arch-LOGとは?

Arch-LOG(アークログ)は、丸紅アークログ株式会社が開発・提供する、国内主要建材メーカーの製品情報やBIMデータを集約した建材総合プラットフォームです。設計事務所、ゼネコン、デベロッパーなどの設計・調達担当者が直面する「複数メーカーのカタログ参照やサンプル請求にかかる膨大な手戻り」や「BIMモデル作成時の属性情報入力の負荷」といった課題を解決します。Webブラウザ上で建材スペックの横断比較、一括サンプル請求、デジタルマテリアルボード作成、Revit等と連携した仕上表生成までをワンストップで実行可能です。

主な機能

Arch-LOGの機能群は、建材の選定・比較から、設計・プレゼンテーション支援、調達・プロジェクト管理まで、実務フローに沿って体系化されています。

建材選定・比較機能

  • 建材ダイレクト検索・横断スペック比較
    複数メーカーの建材スペック(寸法、価格、重量、性能等)が同一フォーマットに統一されており、横断的に検索・比較できます。メーカーごとにカタログを開いて仕様を突き合わせる作業を削減し、設計初期の建材スクリーニングを迅速化します。
  • 一括サンプル・カタログ請求
    異なる建材メーカーのサンプルや紙カタログを、プラットフォーム上から一括で請求できます。発送先として現場事務所を直接指定することも可能なため、設計担当者が個別に各社へ手配・送付依頼を行う手間を省きます。
  • Arch-CONNECT(製品マッチングサービス)
    設計者が求める要望や条件を入力することで、約700社・約180万点に及ぶ登録製品の中から適切な建材メーカーや製品の提案を無料で受けられるマッチング機能です。要件定義段階における建材選定の選択肢を広げます。

設計・プレゼンテーション連携機能

  • LOD対応BIMデータの無料提供・プラグイン連携
    LOD(詳細度)に対応したBIMデータをプラットフォーム上から無料でダウンロードできます。Autodesk Revit向けの専用プラグインが提供されているほか、ARCHICADやSketchUpなどの主要3D CAD/BIMデータ形式に対応しており、設計環境へのダイレクトな組み込みを支援します。
  • デジタルマテリアルボード作成
    登録されている建材画像等をドラッグ操作で配置し、詳細スペックと紐付いたマテリアルボードをオンライン上で作成できます。施主や関係者へのプレゼンテーション資料作成を効率化し、採用建材のビジュアルと仕様の一体管理を可能にします。
  • 実製品連動の仕上表作成機能
    実在する建材製品データと連携した内部仕上表の作成や、材料リスト・カラースキーム表の自動生成が可能です。Autodesk Revitとの双方向連携に対応しており、図面修正に伴う仕上表の手作業更新や整合性チェックの負担を大幅に軽減します。
  • クラウドレンダリング
    登録されたBIMデータを活用し、高精細な3DCGパースをクラウド上で高速レンダリングできます。自社の端末スペックに依存せず、日照や照明効果のシミュレーション画像を短時間で作成可能です。

プロジェクト・サプライチェーン管理機能

  • プロジェクト単位の採用建材管理と廃番通知
    物件(プロジェクト)ごとに採用予定・採用決定建材をリスト化して一元管理できます。登録建材に廃番や仕様変更が発生した際には自動で通知が届くため、施工直前や現場着工後に建材の再選定・再承認が発生するリスクを未然に防止します。
  • プライベートアカウント機能
    自社で制作した独自のBIMオブジェクトや標準部材を、非公開ライブラリとしてクラウド上に登録・管理できます。組織内での標準部材の共有基盤として活用可能です。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

BIMモデルと建材仕様の整合性確保やプレゼン準備に追われる設計組織・ゼネコン設計部

  • 図面、仕上表、サンプル手配が分断され、仕様変更時の手戻りが多発している
    Arch-LOGの実製品連動仕上表作成機能とRevit連携プラグインを活用することで、BIMモデルの属性情報と仕上表・材料リストを連動させられます。建材の廃番や仕様変更も自動通知されるため、手動転記によるミスや現場手戻りを抑制できます。
  • 施主へのマテリアル提案やレンダリング作成に膨大な時間と端末リソースを割いている
    ドラッグ操作で完結するデジタルマテリアルボード作成とクラウドレンダリングを活用することで、自社ワークステーションの負荷を抑えつつ、高精細なカラースキームや3DCGパースを短時間で作成・共有できます。

多数の建材メーカーとのやり取りや現場サンプル送付の手間を削減したいプロジェクト管理組織

  • 物件ごとに異なる数十社の建材メーカーへ個別にサンプル手配を行っている
    複数メーカーへの一括サンプル請求機能により、現場直送の指定を含めた手配業務をWeb上で集約できます。設計・調達担当者の事務作業工数を削減し、選定プロセスを短縮できます。

向いていない企業・現場

土木工事が主体であり、建築建材や室内仕上げ材の調達が発生しない現場

  • 構造物・土工を中心としたCIM運用を行っており、内装・外装建材の選定を必要としない
    Arch-LOGは建築物の内装・外装・設備等の実在建材データを集約したプラットフォームです。土木工事における広域地形やコンクリート構造、土質管理を主眼とする現場では提供データの恩恵を受けにくいため、土木特化型のBIM/CIMデータ共有環境を検討した方が適しています。

自社で特定メーカーの資材のみを規格化・標準採用しており、横断選定の余地がない小規模工務店

  • 標準仕様があらかじめ固定化されており、新規建材の比較やBIM連携の必要性がない
    プラットフォームに登録されている約700社・約180万点の製品群から選定するフローそのものが不要な場合は、導入による業務改善効果が限定的となります。

類似ツールとの比較

建材選定やBIMデータの利活用において、Arch-LOGと他の従来手法・BIMオブジェクトライブラリには明確な設計思想の違いが存在します。

一般的な海外系を中心としたBIMオブジェクト配信サービスでは、主に形状データをダウンロードして設計ソフトに読み込ませる単体ファイルの配布に主眼が置かれています。しかし、高精細な3DモデルをそのままCADデータ内に多数配置すると、データ容量が肥大化してBIMソフトウェアの動作が著しく低下するという課題がありました。これに対してArch-LOGは、「設計用データ」と「クラウドレンダリング用データ」を分離して管理するアーキテクチャを採用しています。設計作業時は軽量なプロキシモデルを扱い、高精細な描画処理はクラウド側に委託することで、設計PCの軽快な動作とリアルなプレゼンテーション表示を両立させています。

また、従来の建材ポータルサイトや電子カタログ集の多くは製品情報の閲覧やPDFカタログの提供にとどまり、実際の調達準備プロセスとは切り離されていました。Arch-LOGは、複数メーカーへの一括サンプル請求や、Autodesk Revitと連動する内部仕上表の自動生成、プロジェクトごとの廃番通知など、設計から調達準備・施工連携に至る実務ワークフローを一気通貫でカバーしている点に違いがあります。

料金・プラン

Arch-LOGの一般ユーザー向け基本機能は、基本的に無料で提供されています。クラウドレンダリングの占有利用や自社独自ライブラリの運用など、一部の高度な機能に有料オプションが設定されています。

プラン/機能 初期費用 利用料金 備考
基本機能(一般ユーザー) 無料 無料 建材検索、横断比較、一括サンプル請求、プロジェクト管理、BIMデータDL、Arch-CONNECT等が利用可能
クラウドレンダリング(占有予約・昼間) 要問い合わせ 25,000円(税抜)/1時間 利用時間帯:7:00〜21:00。クラウドサーバーを占有して高速レンダリングを実行
クラウドレンダリング(占有予約・夜間) 要問い合わせ 12,500円(税抜)/1時間 利用時間帯:21:00〜翌7:00。夜間帯のバッチ処理等に対応
プライベートアカウント 要問い合わせ 要問い合わせ 自社制作BIMオブジェクトの非公開管理機能。契約条件・料金は個別見積もり

※建材メーカー側の製品掲載料や詳細な登録料金体系については公式に公開されていないため、個別問い合わせが必要です。

導入事例・実績

大手ゼネコン・デベロッパー各社とのアライアンスおよび全社展開

Arch-LOGは国内大手ゼネコンや住宅メーカーにおいて、全社的なBIM推進や設計業務標準化のプラットフォームとして提携・導入が進められています。

  • 株式会社大林組: 2019年10月に設計部門全体でのArch-LOG活用およびBIMオブジェクト拡充に向けたアライアンスを締結。
  • 株式会社長谷工コーポレーション: 2020年2月、「長谷工版BIM」の推進と建材データの統合管理を目的に、設計部門全体での利用を含む業務提携を締結。
  • 西松建設株式会社: 2020年2月、全国の設計および施工案件における業務プロセス効率化を目的に業務提携を締結。
  • 前田建設工業株式会社: 2019年10月にBIMオブジェクト拡充に関する業務提携契約を締結し、2021年11月にはDX推進を目的に丸紅アークログに対する第三者割当増資(総額1億9,950万円)を引き受け。

プロジェクト適用事例:鹿島建設「MM37タワー再開発プロジェクト」

2022年4月に公表された事例として、鹿島建設株式会社が手掛けた「みなとみらい21 MM37タワー再開発プロジェクト」において、設計の初期段階からArch-LOGが導入されました。建材選定(モノ決め)の効率化をはじめ、クラウド上での高精細パース作成による関係者間の合意形成の迅速化、日照や照明効果の事前シミュレーションなどに活用されています。

プラットフォーム全体の利用規模推移(2023年12月末時点)

丸紅アークログが公表した実績データによると、プラットフォームの利用規模は以下の通り拡大しています。

  • 建材メーカー登録社数: 658社(前年比約1.3倍)
  • ユーザーアカウント登録社数: 5,908社(前年比約1.8倍)
  • 年間新規プロジェクト数: 4,228件(前年比約1.3倍)
  • BIMオブジェクトリクエスト数: 前年比約2.6倍

建材データ保護とBIM動作負荷を両立する「データ分離アーキテクチャ」

Arch-LOGのシステム構造における大きな技術的特徴は、BIMデータの流通に伴う「CADソフトの負荷増大」と「建材メーカーの知的財産・意匠データの流出リスク」という二面的な課題を解決する分離管理モデルにあります。

設計者がダウンロードするBIMオブジェクトは、形状と必要な属性情報のみを保持した軽量プロキシモデルとして提供されます。これにより、大規模プロジェクトで膨大な部材を配置した場合でもBIMソフトウェアが重層化してフリーズすることを防止します。一方、施主向けプレゼンテーション等に必要な超高精細マテリアルデータやテクスチャ情報はクラウドサーバー側に安全に保持され、クラウドレンダリング処理時のみ合成されます。この仕組みにより、外部へのデータ流出や海賊版作成を抑止しつつ、実務に耐えうる動作環境を維持しています。

導入前に知っておきたいこと

Arch-LOGを導入・検討するにあたり、運用上の仕様として以下の点に留意する必要があります。

クラウドレンダリング実行時の通信環境への依存

クラウドレンダリング(占有予約システムを含む)を利用する際、処理中にクライアントPCのインターネット接続が途切れると処理が強制終了する仕様となっています。接続切断が発生した場合、アップロードしたデータの解析および送信が最初からやり直しとなるため、大容量データをレンダリングする場合は安定した有線ネットワーク環境等での実行が推奨されます。

定量的な削減効果の事前検証

大手ゼネコン各社との提携や大規模プロジェクトでの採用実績は多数公表されているものの、企業個別の「作業時間〇%削減」「調達期間〇日短縮」といった第三者検証による詳細な定量数値は広く開示されていません。また、主要SaaSレビューサイト等における一般ユーザーからの口コミ・改善要望の蓄積は限定的であるため、実際の業務工数削減効果については、無料のアカウント登録を活用して自社パイロット案件で検証することが確実です。

導入の流れ・期間

Arch-LOG(一般ユーザー)の利用開始手順は以下の通りです。基本機能はクラウドSaaSとして提供されているため、アカウント発行後すぐに稼働させることができます。

  1. アカウント登録(Webフォーム)
    公式サイトの登録画面から企業情報・ユーザー情報を入力して利用申請を行います。
  2. プラグインのダウンロード・環境設定
    必要に応じてAutodesk Revit向けのアドインツールをダウンロードし、設計端末へインストールします。
  3. 操作マニュアル確認・運用開始
    提供されている操作マニュアルを参照し、建材検索、プロジェクト作成、サンプル請求等の実務運用を開始します。アライアンス締結企業等に対してはハンズオンセミナーなども実施されています。

※プライベートアカウントの導入や専用占有サーバーの契約期間・準備期間については、丸紅アークログへの個別問い合わせが必要です。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットから利用できますか?
Arch-LOGはWebブラウザ上で動作するクラウドサービスのため、ブラウザ経由でのアクセスが可能です。ただし、RevitプラグインなどのBIM連携機能はPC環境での利用が前提となります。
一般の設計者が使う場合、利用料金は本当に無料ですか?
建材の検索・比較、プロジェクト管理、複数メーカーへの一括サンプル請求、LOD対応BIMデータのダウンロードなど、主要な機能はすべて無料で利用できます。クラウドレンダリングのサーバー占有予約や自社専用ライブラリ管理(プライベートアカウント)のみ有料設定となっています。
Autodesk Revit以外のCADやBIMソフトでもデータを使えますか?
Revit向けの専用プラグインが提供されているほか、ARCHICADやSketchUpなどの主要BIM/3D CADに対応するファイル形式が提供されています。
操作方法に関するサポートやレクチャー体制はありますか?
操作マニュアルが提供されているほか、問い合わせ窓口によるサポートが用意されています。また、全社導入を行うアライアンス企業等に対してはハンズオンセミナーなどが実施されています。
サンプル請求をした建材はどこに届きますか?
自社の設計オフィスだけでなく、工事中の現場事務所や指定の住所へ直接配送先を指定することが可能です。

参照・出典

他の資材調達サービスと比較する

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