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Home > 建設用語辞典 > 法定書類・許可申請> 再下請負通知書

再下請負通知書とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:再下請負通知書とは、工事を請け負った下請業者が別の業者へさらに仕事を再発注する際に、元請負人へ提出する法定の安全書類です。自社の作業員のみで施工し、再発注しない場合は作成不要です。
  • 実務への関わり:現場に入る下請業者の契約内容や主任技術者の配置、社会保険の加入状況を元請負人が正確に把握するために必須となります。正しく作成することで施工体制台帳が完成し、法令違反や差し戻しトラブルを防止できます。
  • トレンド/将来予測:近年は紙での作成・提出から安全書類クラウドサービスを活用したオンライン提出への移行が急速に進んでいます。建設キャリアアップシステム(CCUS)とのデータ連携も進んでおり、書類作成の省力化と適正な労務管理が定着しつつあります。
目次
  • 再下請負通知書(全建統一様式第1号-甲)の役割と「自社が作成すべきか」の判断基準
  • 誰が誰に提出するのか?一次・二次・三次下請の作成区分と提出ルート
  • 下請負業者編成表・施工体制台帳・作業員名簿との違いと関連性
  • 【項目別・記入例つき】再下請負通知書の正しい書き方と実務ルール
  • 基本情報・建設業許可番号・主任技術者(資格区分・雇用関係)の記入要領
  • 間違いやすい「健康保険等の加入状況」の記載基準と適用除外時の処理
  • 外国人建設就労者・技能実習生・特定技能外国人の就労有無と記載ポイント
  • 元請からの差し戻しを防ぐ事前チェックリストと法的保存義務
  • 提出前に確認すべき5大チェックポイントと必須添付書類一覧
  • 提出期限(工事着手前)と法定保存期間(5年間)の厳守ルール
  • Excelテンプレートの運用手順と安全書類DXによる作成効率化
  • 全建統一様式第1号-甲準拠Excelテンプレートのダウンロードと利用上の注意点
  • 安全書類クラウド(グリーンファイル)導入による転記ミス削減とオンライン回収手順
  • よくある質問(FAQ)

再下請負通知書(全建統一様式第1号-甲)の役割と「自社が作成すべきか」の判断基準

再下請負通知書は、請け負った建設工事の一部または全部をさらに別の建設業者(下請負人)へ再発注する際に、元請負人へ提出する法定の安全書類(グリーンファイル)です。

作成義務の判断基準はシンプルで、「自社が下請負人であり、かつ別の業者に工事を再発注(再下請)しているか」によって決まります。自社の作業員のみで工事を完工し、外部へ再発注しない場合は作成不要です。

法的根拠は建設業法第24条の8第2項に規定されています。元請負人に施工体制台帳の作成義務がある工事現場において、再下請契約を締結したすべての下請負人は、遅滞なく元請負人へ再下請負通知書を提出しなければなりません。

実務上は、一般社団法人全国建設業協会が定めた「全建統一様式第1号-甲」や国土交通省の準拠テンプレート、あるいは安全書類クラウドサービスを用いて作成します。


誰が誰に提出するのか?一次・二次・三次下請の作成区分と提出ルート

再下請負通知書の作成主体と提出先は、施工体制における自社の階層(次数)によって分かれます。

次数区分 施工形態(再発注の有無) 作成義務 提出先
一次下請 二次下請に発注する 作成する 元請負人
一次下請 自社の作業員のみで施工する 作成不要 (提出なし)
二次下請 三次下請に発注する 作成する 一次下請(経由して元請へ)
二次下請 自社の作業員のみで施工する 作成不要 (提出なし)
三次下請 自社の作業員のみで施工する 作成不要 (提出なし)
【提出の流れ】
三次下請に発注する二次下請
  │
  ▼(提出)
一次下請(内容確認)
  │
  ▼(提出・集約)
元請負人(施工体制台帳へ編入)

書類は常に「直近上位の注文者」を経由して最終的に元請負人へ集約されます。

なお、一人親方であっても請負契約を結んで施工を担当する場合は、再下請負人として通知書への記載が必要です。一方、建設工事の完成を目的としない「資材納入業者」「警備業者」「運送業者」などは建設業法上の下請負人に該当しないため、再下請負通知書の記載対象に含まれません。


下請負業者編成表・施工体制台帳・作業員名簿との違いと関連性

再下請負通知書は、元請負人が工事現場に備え置く「施工体制台帳」を構成する添付書類の一つです。関連書類との役割の違いは以下の通りです。

書類名称 主な作成者 主な記載内容・役割
施工体制台帳 元請負人 工事に関わる全業者の名称、工期、主任技術者等の配置状況を総括する台帳
再下請負通知書 一次・二次などの下請負人 自社が発注した下請工事の内容、再下請負人の許可情報、健康保険等の加入状況
下請負業者編成表 一次下請負人 一次下請以下の施工系統(ツリー構造)を一目で把握するための図表
作業員名簿 各下請負人(全社) 現場に入退場する個々の作業員の氏名、生年月日、保有資格、社会保険加入状況

元請負人は、自社が直接契約した一次下請の情報に各下請負人から提出された「再下請負通知書」を順次綴じ込むことで現場全体の施工体制台帳を完成させます。

下請負業者編成表(全建統一様式第1号-乙)は、再下請負通知書の情報をもとに一次下請以下の体制を系統図として可視化したものであり、元請負人が施工体系図を作成する際の基礎資料となります。また、再下請負通知書が「事業者単位の契約・技術者配置関係」を示すのに対し、作業員名簿(全建統一様式第5号)は「現場に入場する個人」を証明する書類としてセットで扱われます。


【項目別・記入例つき】再下請負通知書の正しい書き方と実務ルール

建設業法第24条の8第2項に基づき、下請工事を再委託する際は正確な情報を記載しなければなりません。元請けからの差し戻しを防ぐため、主要な記入欄ごとの判定基準と記載例を解説します。


基本情報・建設業許可番号・主任技術者(資格区分・雇用関係)の記入要領

通知書の上段・中段には、注文者と受注者の基本情報、工事概要、建設業許可、配置技術者の情報を記載します。

1. 基本情報・契約内容の記入例

項目名 記入例(サンプル表記) 記入のポイント
自社(再下請負人)の商号・名称 〇〇電設株式会社 正式名称を記入(略称不可)
許可番号 国土交通大臣 / 〇〇県知事(特・般-〇)第〇〇〇〇号 該当区分に〇を付け番号を記載
工期 202X年〇月〇日 〜 202X年〇月〇日 注文書・請書の契約工期と完全一致させる
契約年月日 202X年〇月〇日 実際に下請契約を締結した日付を記載
  • 許可区分の確認: 下請として受注する工事のみであれば一般建設業(般)の許可で足ります。特定建設業(特)は元請工事で一定金額以上の下請契約を締結する際に必要となります。
  • 有効期間の確認: 工期中に5年間の有効期限が切れないか確認します。更新手続き中の場合は「更新申請中」と注記し、申請書の控えを添付します。

2. 主任技術者の配置基準と記入方法

建設業法第26条に基づき、下請負人であっても自ら請け負った建設工事を施工する際は、現場に主任技術者を配置する必要があります。

項目名 記入例(サンプル表記) 記入のポイント
主任技術者氏名 山田 太郎 現場に配置する主任技術者の氏名
資格区分 1級電気工事施工管理技士(コード:〇〇) 保有資格の名称および実務経験年数を記載
専任・非専任の区分 非専任(または専任) 請負金額や工事規模に応じた要件を選択
雇用関係 直接的かつ恒常的な雇用関係 自社との直接雇用(原則3ヶ月以上の継続雇用)

個人住宅を除く請負代金額が建築一式工事で8,000万円以上、その他の工事で4,000万円以上の場合は現場ごとに「専任」が求められます。基準額未満の工事であれば「非専任」として他現場との兼務が可能です。


間違いやすい「健康保険等の加入状況」の記載基準と適用除外時の処理

社会保険等(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)の加入状況欄は、元請けの確認が特に厳格な項目です。

【保険欄の記載判断フロー】
法人企業(または常時5人以上の個人事業所) ───> 「加入」を選択し事業所整理記号等を記入
個人事業主(従業員4人以下の一人親方等)    ───> 「適用除外」を選択し番号欄は空欄
保険種別 加入区分 記入例(事業所整理記号等) 適用除外となる主なケース
健康保険 加入 / 未加入 / 適用除外 13-カア 12345(協会けんぽ) 常時5人未満の従業員を使用する個人事業主・一人親方
厚生年金保険 加入 / 未加入 / 適用除外 13-カア 12345(厚生年金) 同上(国民年金第1号被保険者のため適用除外)
雇用保険 加入 / 未加入 / 適用除外 1301-123456-7(労働保険番号) 代表者・役員のみで労働者を雇用していない事業者

法人事業所は従業員数に関わらず強制適用事業所となるため、「加入」に〇を付け、整理記号や労働保険番号を転記します。個人事業主で従業員が4人以下の事業所や一人親方は「適用除外」を選択し、記号番号欄は空欄で提出します。


外国人建設就労者・技能実習生・特定技能外国人の就労有無と記載ポイント

安全書類における外国人就労資格の管理は、法令遵守の観点から厳格なチェックが行われます。

  • 一号特定技能外国人: 特定技能1号の外国人が従事する場合、「有」を選択し、作業内容(型枠施工、鉄筋継手など)が受入計画の範囲内であることを確認します。
  • 外国人技能実習生: 技能実習生が従事する場合、「有」を選択し、実習計画で認定された職種・作業内容と実際の現場作業を合致させます。
  • 様式改訂への対応: 特定活動(告示32号・外国人建設就労者)受入事業は2024年に終了したため、古い様式を使用している場合は最新フォーマットの記載区分へ修正します。

外国人が従事する場合は、再下請負通知書とともに「在留カードの写し」「建設特定技能受入計画認定証の写し(特定技能の場合)」「技能実習計画認定通知書の写し(技能実習生の場合)」を添付して提出します。


元請からの差し戻しを防ぐ事前チェックリストと法的保存義務

提出前に確認すべき5大チェックポイントと必須添付書類一覧

提出前の確認事項と差し戻し事例は以下の通りです。

チェック項目 主な確認ポイント 差し戻しが発生しやすい典型例
1. 建設業許可情報 許可番号、業種、有効期限の整合性 工期中に許可期限(5年)が切れる、請負工事の業種と異なる
2. 主任技術者の配置 資格要件と直接的・恒常的な雇用関係 雇用証明書(健康保険証等)の未添付、他現場との専任重複
3. 健康保険等の加入状況 適用区分、事業所整理記号・番号の記載 一人親方の適用除外理由が未記載、事業所番号の桁数不足
4. 契約内容と工期 注文書・請書と通知書記載内容の一致 工事名称や契約工期が契約書と食い違っている
5. 外国人就労状況 一号特定技能や技能実習生の従事有無 入場予定があるにもかかわらず従事状況欄が「無」になっている

上記を照合するため、以下の書類一式を添付して提出します。

  • 建設業許可証明書(または許可通知書)の写し:工期満了日まで有効期限内であることを確認。
  • 主任技術者の資格証明書および雇用確認書類:合格証明書等に加え、3カ月以上の雇用関係を示す健康保険証等の写し。
  • 下請工事請負契約書(注文書・請書)の写し:工事名称、工期が明記されたもの(民間工事では請負金額のマスキング提出が可能)。
  • 社会保険の加入確認資料:保険料領収証書や標準報酬決定通知書、労働保険概算・確定保険料申告書などの写し。

月間数十件の下請工事を扱う現場では、下請契約の締結と同時に協力会社へこれらの添付書類の提出を義務づけるフローを定着させることで、現場入場直前の差し戻しを防ぐことができます。


提出期限(工事着手前)と法定保存期間(5年間)の厳守ルール

再下請負通知書の提出期限は、建設業法施行規則第14条の3により「再下請契約締結後、遅滞なく(実務上は該当の下請工事に着手する前まで)」と定められています。書類が未提出の段階では、元請負人から現場への入場停止指示を受ける場合があります。

  • 法定保存期間: 建設業法第40条の3および同法施行規則第28条に基づき、元請負人は施工体制台帳および再下請負通知書などの添付書類を、工事完成後の引渡日から5年間保存する義務があります。下請負人側も、締結した下請契約書や関連帳簿類を営業所ごとに5年間(自社が発注者から直接請け負った住宅新築工事に関わる帳簿は10年間)保存します。
  • 電子データ保存: 施工管理クラウドや建設キャリアアップシステム(CCUS)等を活用して電子保存する場合、「見読性」「真正性」「検索性」の法的要件を満たし、即座に画面表示・印刷ができる環境を整える必要があります。

Excelテンプレートの運用手順と安全書類DXによる作成効率化

全建統一様式第1号-甲準拠Excelテンプレートのダウンロードと利用上の注意点

無料配布されているExcelテンプレートで運用する場合、手作業に起因する以下のリスク管理が前提となります。

  • 様式改訂の未反映: 2020年の社会保険加入確認項目の改訂や、2024年8月の外国人建設就労者受入事業終了に伴う様式改訂など、古い書式のまま作成すると再提出の原因となります。
  • 転記ミス: 許可番号や資格コード、事業所整理記号の手入力による誤記が発生しやすく、下請負業者編成表との突き合わせ確認に工数を要します。
  • 添付書類のマスキング・管理負荷: 民間工事における契約書の金額マスキングや、技術者証明書の個別スキャン作業が案件ごとに発生します。

安全書類クラウド(グリーンファイル)導入による転記ミス削減とオンライン回収手順

Excel手入力の工数を削減するため、「Greenfile.work」「Buildee」「ANDPAD」などの安全書類クラウドサービスを活用した運用管理への移行が進んでいます。

運用管理項目 Excel手入力運用 安全書類クラウド運用
フォーマット更新 自社で法改正情報を収集し手動更新 システム側で最新法改正に自動追従
企業・技術者データ 現場ごとに都度手入力・コピー マスターデータから1クリック引用
下請けからの回収 メール送付・紙印刷・郵送の追跡 オンライン上で提出状況を一覧可視化
チェック・承認工数 目視による記載ミス・添付漏れ確認 入力漏れ・期限切れのアラート検知

安全書類クラウドを用いた標準的な回収フロー

  • ステップ1:マスターデータの登録
    自社の商号、許可番号、主任技術者情報、社会保険番号をシステムへ事前登録します。CCUS連携対応システムであれば、登録済みの技能者・事業者情報を直接同期できます。
  • ステップ2:現場への招待と作成指示
    元請または一次下請がクラウド上で現場を開設し、下請負人を招待します。下請企業は自社マスターから該当技術者を選択するだけで通知書データが生成されます。
  • ステップ3:自動チェックによる不備の遮断
    許可証の有効期限切れや必須添付書類の未登録がある場合、システムがアラートを表示し、不備がある状態での提出を制御します。
  • ステップ4:オンライン承認と施工体制台帳への自動連携
    提出データは上位会社が画面上で確認・承認します。承認データは施工体制台帳や下請負業者編成表へ自動反映されるため、元請側の再入力作業は発生しません。

自社の技術者資格や基本情報をマスター化し、オンラインで提出・承認を完結させる運用へ移行することで、書類作成にかかる時間と差し戻し対応の負荷を最小化できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 再下請負通知書はどのような場合に作成が必要ですか?

A. 請け負った建設工事の一部または全部を別の業者へ再発注(再下請)する場合に作成が必要です。建設業法第24条の8第2項に基づき、再発注を行った下請負人が直近上位の注文者を経由して元請負人へ提出します。自社の作業員のみで施工し、外部へ再発注しない場合は作成不要です。

Q. 一人親方や資材納入業者は再下請負通知書の記載対象になりますか?

A. 請負契約を結んで現場で施工を担当する一人親方は、再下請負人として記載が必要です。一方、工事の完成を目的としない資材納入業者、警備業者、運送業者などは建設業法上の下請負人に該当しないため、再下請負通知書に記載する必要はありません。

Q. 再下請負通知書と施工体制台帳の違いは何ですか?

A. 作成者と書類の位置づけが異なります。施工体制台帳は「元請負人」が現場全体の施工体制を総括するために作成・備え置く書類です。一方、再下請負通知書は「下請負人」が再発注内容や下請業者の情報を元請へ報告する書類であり、施工体制台帳に編入・添付して使用されます。

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