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Home > 建設用語辞典 > 内装・仕上工事> 軽量鉄骨下地(LGS)

軽量鉄骨下地(LGS)とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:薄い鋼板を加工して作られた、壁や天井の骨組みとなる内装用の建材です。木材に比べて燃えず、湿気による変形やシロアリ被害がないため、ビルやマンションの内装下地として標準的に使われています。
  • 実務への関わり:壁の高さや仕上げ材に合わせてスタッドやランナーの寸法・配置ピッチを正しく選定することで、壁の強度や耐火・遮音性能を確保し、正確な積算やスムーズな施工管理につながります。
  • トレンド/将来予測:工期短縮や職人不足への対応として、工場で事前に加工・ユニット化された製品の採用が広がっており、耐震性能や耐風圧性能をさらに高めた下地システムの普及が進んでいます。
目次
  • 軽量鉄骨下地(LGS)の基本構造と規格寸法一覧【壁・天井の部材構成】
  • 壁下地を構成する部材(スタッド・ランナー・振れ止め・スペーサー)と規格寸法(45形・65形・100形)
  • 天井下地を構成する部材(野縁・野縁受け・吊りボルト・ハンガー・クリップ)の役割
  • スタッドの割り付けピッチ(303mm・455mm)と壁高に応じた部材選定基準
  • LGS(軽鉄)と木下地の違い・使い分け【性能・コスト・施工性の徹底比較】
  • 耐火性・寸法安定性・防蟻性能・重量の機能比較
  • 施工スピード・トータルコストの分岐点
  • ハイブリッド工法(LGS+木補強)の適用
  • LGS下地工事(軽天工事)の標準施工手順と現場管理チェックポイント
  • 施工管理における確認項目と許容限界値
  • 重量物設置・遮音耐火・改修リフォーム時の補強設計と納まり対策
  • 重量物固定のための下地補強工法
  • 遮音壁・耐火間仕切壁のスタッド千鳥配置と多重貼り納まり
  • 改修工事におけるLGS解体・開口新設の注意点
  • 内装下地工事の生産性向上と現場DX
  • BIM連動プレカットによる現場加工の削減
  • 墨出しツールのデジタル化による省力化
  • 資材搬入・揚重プロセスの最適化
  • よくある質問(FAQ)

軽量鉄骨下地(LGS)の基本構造と規格寸法一覧【壁・天井の部材構成】

LGS(Light Gauge Steel:建築用鋼製下地材)は、JIS G 3302に適合する厚さ0.5〜1.2mmの溶融亜鉛めっき鋼板を冷間ロール成形した内装用骨組み材の総称です。JIS A 6517(建築用鋼製下地材(壁・天井))によって部材形状や板厚、寸法許容差が厳密に規格化されており、RC造・S造の建築物において不燃間仕切壁および吊り天井の標準工法として採用されています。

現場での設計照査や積算・拾い出しを正確に行うためには、壁および天井を構成する部材の断面寸法と荷重伝達の仕組みを把握することが基本となります。

壁下地を構成する部材(スタッド・ランナー・振れ止め・スペーサー)と規格寸法(45形・65形・100形)

LGSによる壁下地は、上下スラブ・梁下に固定したランナーにスタッド(間柱)を建て込み、水平補強材で一体化させて面外力に抵抗する構造です。

部材名 JIS記号 主な規格呼称 断面寸法(mm / ウェブ×フランジ×リップ) 主な役割と施工上の管理基準
スタッド(間柱材) WS 45形 / 65形 / 100形 45×40×10 / 65×45×10 / 100×45×10 鉛直荷重および面外曲げ荷重を支持。板厚0.8mmが標準(JIS材)。
ランナー(受材) WR 45形 / 65形 / 100形 47×40 / 67×40 / 102×40 上下躯体に留め付け、スタッドの端部を拘束。打込みピンピッチ@900mm以内。
振れ止め(補強材) WB 25形(標準) 25×10×1.2(溝形鋼) スタッドのねじれ・面外座屈を防止。床面から約1.2mピッチごとに挿通。
スペーサー 規定材 各スタッド対応 板厚・ウェブ幅適合品 振れ止めとスタッドの交差部を拘束し、スタッド間隔を保持。

天井下地を構成する部材(野縁・野縁受け・吊りボルト・ハンガー・クリップ)の役割

LGSによる天井下地は、上部スラブから吊りボルトで荷重を吊り下げ、直交格子状に組んだ鋼製部材に天井ボードを留め付ける吊り構造を形成します。

部材名 JIS記号 主な規格呼称 断面寸法(mm) / 板厚 配置ピッチと施工ルール
吊りボルト 規定材 W3/8(軟鋼線材) 呼び径9.53mm スラブ打込みインサートに緊結。ピッチ@900mm以内、端部は壁際から150〜200mm以内。
野縁受け(チャンネル) CC 19形 / 25形 38×12×1.2(19形) / 38×12×1.6(25形) 吊りボルト下端のハンガーで固定。ピッチ@900mm程度。レベル調整を担う。
野縁(シングル) CS 19形 / 25形 25×19×0.5(19形) / 25×25×0.6(25形) 野縁受けにクリップで緊結。ボード平場部の受材(ピッチ@300mmまたは@360mm)。
野縁(ダブル) CW 19形 / 25形 50×19×0.5(19形) / 50×25×0.6(25形) ボードの長手・短手継ぎ目部に配置。目地部のビス留め代(幅50mm)を確保。

屋内の一般天井には軽量な「19形」が広く用いられますが、ピロティや軒先、屋外廊下などの風圧力を受ける部位では、部材厚と成が大きい「25形(耐風圧仕様下地)」の選定が公共建築工事標準仕様書等で義務付けられています。

スタッドの割り付けピッチ(303mm・455mm)と壁高に応じた部材選定基準

スタッドのピッチおよび断面寸法は、壁の高さ、ボードの張り仕様、要求される面外剛性に基づいて決定します。

1. 割り付けピッチの選定

  • 455mm(公共工事:450mm)ピッチ:石膏ボードの2枚張り(重張り工法)を行う一般的なオフィスや居室の間仕切壁に適用。3×6板(910×1,820mm)の長手方向に合わせて割り付けます。
  • 303mm(公共工事:300mm)ピッチ:石膏ボードの1枚直貼り仕上げ、クロス直貼り下地、タイル貼り下地など、面外たわみの抑制や耐衝撃性が求められる部位に適用します。

2. 壁高に応じたスタッド規格の選定

壁高が高くなるほど風圧や地震時慣性力による曲げモーメントが増大するため、壁高に応じてスタッドのウェブ成を大きくします。

スタッド規格 適用壁高の目安 主な用途・空間特性
45形(45×40×10) 壁高 2.7m以下 一般住宅、小規模オフィス、設備配管を抱き込まない間仕切壁
65形(65×45×10) 壁高 4.0m以下 標準的なオフィスビル、商業施設、遮音・耐火認定間仕切壁
100形(100×45×10) 壁高 4.0m超〜6.0m以下 エントランスホール、倉庫、大空間の高天井間仕切壁

※防火区画壁や遮音界壁に用いる場合は、各国土交通大臣認定工法(PS/PCコード等)で指定されたスタッド規格・ピッチを厳守する必要があります。


LGS(軽鉄)と木下地の違い・使い分け【性能・コスト・施工性の徹底比較】

内装下地を選定する際は、建物の構造形式、要求される耐火性能、壁の高さ、開口部や造作の複雑さに応じてLGSと木下地を適切に使い分ける必要があります。

耐火性・寸法安定性・防蟻性能・重量の機能比較

性能項目 LGS(軽量鉄骨下地) 木下地(間柱・胴縁) 実務上の判断基準
耐火性・不燃性 法定不燃材料(JIS A 6517) 可燃材料 防火区画や内装制限が適用される部位ではLGS選定が原則必須。
寸法安定性 高い(含水率変化なし) 乾燥収縮・吸湿による反り・割れあり ボード目地のクラックやクロス切れを防ぐにはLGSが有利。
防虫・防蟻性 腐食・蟻害なし 防腐・防蟻処理が必要 地下階や多湿環境、長期耐久性が求められる箇所はLGSが適する。
重量物支持力 単体では低い(補強下地が必要) 高い(任意位置に木ビス留め可能) 造作家具や手すりが集中する部位は木下地または合板補強を併用。

施工スピード・トータルコストの分岐点

LGSと木下地のコスト優位性は、空間の平米数と直線壁の比率によって反転します。

  • LGSが優位なケース(中〜大規模・直線壁)
    床・天井ランナーを打込みピン留めした後は、所定ピッチでスタッドを差し込み、振れ止めを通す乾式組み立てのため、3.0m以上の高天井や大面積の壁面において木下地の約1.5〜2倍の速度で施工が進みます。資材の大量調達によるスケールメリットが働き、軽天工・ボード工の分業化によって平米単価を低く抑えられます。
  • 木下地が優位なケース(小規模改修・複雑な造作)
    戸建て住宅の改修や小規模店舗など、開口部・段差・ニッチが多くスタッドの切り詰めが頻発する現場では、軽天工とボード工を分けるよりも大工が現場加工で下地から造作まで一括施工する方が人工ロスおよび配送コストを削減できます。

ハイブリッド工法(LGS+木補強)の適用

実務では、壁全体の骨組みをLGSで組み上げつつ、ドア枠・サッシ枠の四周や壁掛けテレビ・吊り戸棚の固定位置にのみ木補強材(バタ角や厚さ12mm以上の構造用合板)を仕込むハイブリッド工法が標準的に採用されています。これにより、LGSの寸法安定性・耐火性と、木材の固定力・加工性を両立させます。


LGS下地工事(軽天工事)の標準施工手順と現場管理チェックポイント

LGS壁および天井の組み立ては、下図のステップに従って施工を進めます。後工程のボード張りや建具建て付け精度に直結するため、各工程で許容誤差の管理を徹底します。

【LGS壁下地工事の基本施工手順】
1. 墨出し(通り芯・開口位置・逃げ墨の確認)
   ↓
2. ランナー留め付け(上下躯体へのアンカー・ピン固定)
   ↓
3. スタッド建て込み(ピッチ割り付け・鉛直精度確認)
   ↓
4. 振れ止め・スペーサー設置(@1.2mピッチで貫通・緊結)
   ↓
5. 開口部・重量物下地補強(ドア枠周り・合板仕込み)
   ↓
6. 自主検査・受入検査(精度測定・写真記録)

施工管理における確認項目と許容限界値

管理工程 主な確認項目 判定基準・許容限界値 是正措置・注意事項
墨出し・ランナー固定 ランナーの通り・固定ピッチ 留め付け間隔 @900mm以内、端部200mm以内 固定ピンの浮き・抜けがないか全数確認。
スタッド建て込み 倒れ(鉛直精度)・クリアランス 垂直度 H/500 かつ 3mm以内。上部クリアランス5〜10mm 上部ランナー底付きは構造躯体変位時に座屈の原因となるため不可。
振れ止め・スペーサー 取り付け段数・固定状況 床面から1.2m以内ごとに1段。スペーサーは端部及び@600mm 設備配管等の貫通により振れ止めを切断した場合は補強を入れる。
下地補強 合板・鋼板の固定状況 構造用合板 t12mm以上、鋼板 t1.2mm以上 ボード貼り前に補強範囲とビスピッチを写真記録。

重量物設置・遮音耐火・改修リフォーム時の補強設計と納まり対策

LGSスタッドの標準板厚は0.8mm程度であるため、局所的な引抜荷重や曲げモーメントに対する耐力は限定的です。要求性能に応じた補強と納まり設計が不可欠です。

重量物固定のための下地補強工法

補強工法 使用部材 想定荷重・適用設備 施工上の要点
合板捨て貼り工法 構造用合板(t12mm以上) 壁掛けディスプレイ、洗面台、吊り戸棚 スタッドに合板を全面先行張りし、その上から石膏ボードを重張り。
合板抱き込み工法 合板(t12mm)+受木 住宅用手すり、小型器具 スタッドのフランジ内側に受木を流し、スタッド面と合板面をツライチに納める。
鋼板裏当て補強 亜鉛めっき鋼板(t1.2〜1.6mm) 衛生設備機器、防犯機器 不燃指定区画で使用。スタッド間に鋼板を渡しタッピングビスで緊結。
二重スタッド(抱合せ) スタッド2本接合 / 角形鋼管 ドア枠四周、重量物支持枠 スタッド同士を背中合わせでビス留め(ピッチ300mm以内)して曲げ剛性を確保。

遮音壁・耐火間仕切壁のスタッド千鳥配置と多重貼り納まり

会議室や集合住宅の戸境壁では、音の振動がスタッドを介して反対側へ伝搬する「音橋(サウンドブリッジ)」を防ぐため、スタッド千鳥配置や独立ダブルスタッド工法を採用します。

【スタッド千鳥配置(千鳥ランナー工法)の納まり】

幅広ランナー(例:100形 WR-100)
+-------------------------------------------------------------+
|  [スタッドA]                 [スタッドA]                    |  ← 表側ボード留付用
|      |                           |                          |     (45形スタッド)
|  ================= 吸音材(グラスウール等) =================  |
|                      |                           |          |  ← 裏側ボード留付用
|                 [スタッドB]                 [スタッドB]     |     (45形スタッド)
+-------------------------------------------------------------+
   ↑ 表側プラスターボード多重貼り             ↑ 裏側プラスターボード多重貼り
  • 目地ずらし(千鳥貼り)の徹底:石膏ボードを2枚以上重ねる多重貼りでは、下層と上層の継ぎ目が同一下地芯上で重ならないよう、スタッド1スパン分ずらして施工し、隙間からの音漏れ・熱貫通を防ぎます。
  • 躯体取り合いのシール処理:壁天端とスラブ下面の隙間にはロックウールを密充填した上で、不燃性の耐火遮音シーリング材を両面に充填します。

改修工事におけるLGS解体・開口新設の注意点

既存のLGS間仕切壁を部分撤去・開口変更する場合、周囲の構造バランスを崩さないよう以下の手順を踏みます。

  1. 天井吊りボルトの連続性確認:間仕切壁の上部が天井野縁の支持を兼ねている場合、壁を撤去すると天井が垂れ下がるリスクがあります。解体前に天井裏の吊りボルトピッチ(@900mm以内)を確認し、必要に応じて吊りボルトと野縁受けを補強します。
  2. 開口補強フレームの形成:スタッドを途中で切断する場合、開口両脇のスタッドを二重スタッド化し、上下に新設ランナーを渡して切断スタッドの端部を緊結します。床から1.2m位置の振れ止めを切断した箇所には、必ずスペーサーを再設置します。
  3. 部材再利用の判定:ビス穴が多数開いている部材、バール等による曲がり・ねじれがある部材、亜鉛めっき剥離による赤錆が発生している部材は強度不足となるため再利用せず廃棄します。

内装下地工事の生産性向上と現場DX

内装施工における職人不足や労務コストの上昇に対応するため、下地割り付けのモデリングやデジタル測量機器の導入による手戻り防止と省人化が進んでいます。

BIM連動プレカットによる現場加工の削減

意匠・構造・設備図面を統合したBIMモデルから下地割付データを抽出し、工場プレカットを行う手法が定着しつつあります。

  • スタッド・ランナーのジャストサイズ納品:階高や梁下寸法に合わせて工場切断されたスタッドを納入することで、現場での高速切断機による火花養生、切り屑清掃、端材処分工数をゼロ化します。
  • 開口・設備貫通部の事前干渉チェック:空調ダクト・配管ルートと天井野縁・吊りボルトの干渉をモデル上で事前に解消し、現場での野縁切り回しやボルト盛り替え作業を防ぎます。
  • ボード割付との連動:ボードの目地割り付けに合わせてスタッドピッチ(@300mmまたは@450mm)を配置・ナンバリング納品することで、ビスの空振りや下地不在による是正作業を抑止します。

墨出しツールのデジタル化による省力化

墨出し手法 主な機材 必要人員 施工精度と効率
従来手作業 巻尺、下げ振り、墨つぼ、レーザー墨出し器 2〜3名 基準点からの追い出しによる累積誤差が発生しやすい。
トータルステーション誘導 杭ナビ(LN-150等)+タブレット端末 1名 CAD/BIM座標を読み込み、1名で壁芯・開口位置をミリ単位でプロット可能。
プロジェクション投影 高輝度プロジェクター、位置補正センサー 1名 床面・天井面にスタッドピッチや開口線を原寸投影し、墨打ち作業自体を省略。

資材搬入・揚重プロセスの最適化

施工フロアへの資材搬入待ちや小運搬による職人の稼働ロスを削減するため、ロジスティクスの管理手法が重要視されています。

  • 工区別ジャストインタイム(JIT)納品:フロア・工区ごとの必要数量を正確にパレット結束し、施工直前に作業箇所近傍へ荷揚げします。
  • 揚重専門班による先行間配り:軽天工・ボード工が現場入場する前に資材を壁立ち上げ位置に配置し、職人が組立・ボード張りに集中できる環境を整えます。
  • 搬入タイムスロット管理:クラウド型管理ツール等で仮設リフト・エレベーターの使用枠を30分単位で管理し、トラック待機時間と揚重待ち時間を最小化します。

よくある質問(FAQ)

Q. 軽量鉄骨下地(LGS)とは何ですか?

A. LGS(Light Gauge Steel)とは、厚さ0.5〜1.2mmの溶融亜鉛めっき鋼板を成形した建築用の鋼製下地材です。JIS A 6517等によって部材形状や寸法が規格化されており、RC造やS造の建築物において不燃性の間仕切壁や吊り天井を施工する標準工法として広く用いられています。

Q. LGS壁下地を構成する主な部材には何がありますか?

A. 壁下地は主にスタッド(間柱材)、ランナー(受材)、振れ止め(補強材)、スペーサーの4つで構成されます。上下躯体に固定したランナーに45形・65形・100形などのスタッドを建て込み、約1.2mピッチで振れ止めとスペーサーを組み込むことで、壁のねじれや面外座屈を防ぎます。

Q. LGS天井下地の構造と主な部材は何ですか?

A. 上部スラブから吊りボルトで荷重を吊り下げ、直交格子状に組んだ鋼製部材に天井ボードを留め付ける吊り構造です。構成部材には、W3/8吊りボルト、高さを調整する野縁受け(チャンネル材)、ボード留め付け用の野縁(シングル・ダブル)、各部材を緊結するハンガーやクリップなどがあります。

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