第28回道路技術小委員会で何が議論される?
国土交通省は2026年10月27日、社会資本整備審議会 道路分科会「第28回道路技術小委員会」を同年10月30日に開催すると発表しました。会議では、自動運転の社会実装に向けた「自動運行補助施設」の技術基準策定に向けた検討や、「舗装点検要領の改定(案)」などが主な議題として審議されます。
舗装点検要領改定と自動運行施設検討の背景
道路インフラを巡っては、全国で延長約100万kmに及ぶ舗装ストックの老朽化が進んでおり、予防保全型管理の推進が求められています。現行の「舗装点検要領」は2016年10月に策定されたもので、直轄国道では2023年度より点検支援技術の活用が原則化されるなど、技術革新に合わせた運用の見直しが課題となっていました。
また、2020年の道路法等改正により、自動運行車に対して電子・磁気的方法等で位置補正や道路状況の情報提供を行う「自動運行補助施設」が道路附属物等として新たに法制化されました。これを受け、路車協調システム等の社会実装に対応した具体的な技術基準やガイドラインの策定が求められています。
小委員会の開催概要と委員名簿
第28回道路技術小委員会の開催要領および審議体制は以下のとおりです。
- 開催概要
- 日時:2026年10月30日(金)10:00~12:00
- 場所:中央合同庁舎第3号館11階 特別会議室(WEB会議併用)
- 議題:自動運行補助施設の技術基準の策定に向けた検討、舗装点検要領の改定(案)等
- 委員体制(五十音順・敬称略、計12名)
- 委員長:二羽淳一郎(東京科学大学名誉教授)
- 委員:秋葉正一(日本大学生産工学部教授)、秋山充良(早稲田大学創造理工学部教授)、砂金伸治(東京都立大学都市環境学部教授)、勝地弘(横浜国立大学都市イノベーション研究院教授)、小林潔司(京都大学経営管理大学院特任教授)、笹原克夫(高知大学教育研究部自然科学系理工学部門教授)、那須清吾(高知工科大学地域イノベーション共創機構特任教授)、濱野周泰(東京農業大学客員教授)、久末弥生(大阪公立大学大学院経営学研究科教授)、福田大輔(東京大学大学院工学系研究科教授)、元田良孝(岩手県立大学名誉教授)
- 傍聴および情報公開
- 会場傍聴・取材は報道関係者のみ可能(カメラ撮りは冒頭のみ)。報道関係者以外はWEB傍聴のみ可能(事前申込締切:2026年10月28日17:00)。
- 配布資料および議事概要は、会議終了後に国土交通省ホームページで公表される予定です。
審議内容が関わる事業者
本小委員会での議論は、以下の事業者に影響を与える可能性があります。
- 道路舗装工事業者・維持修繕事業者:地方自治体や国が発注する道路維持管理・舗装補修工事における点検結果の評価基準や修繕基準に関わる可能性があります。
- 建設コンサルタント・点検調査会社:路面性状測定車や画像診断技術等を用いた舗装点検業務の仕様・判定手法や、道路構造物の維持管理計画策定業務に直結します。
- 通信・ITS・測位システム関連企業:磁気マーカー、電磁誘導線、路車協調(V2I)センサーなど、自動運行補助施設の設計・製造・施工に参画する事業者に基準が適用される見通しです。
建設実務と道路管理への影響
本会議の審議を経て基準や要領の改定が進む場合、各事業者の実務には以下のような関わりが想定されます。
- 元請(ゼネコン・道路舗装大手)
- 自動運行補助施設に関する技術基準が定まることで、将来的な専用道路やスマートインターチェンジ等の施工において、路面・路側に埋設・設置するインフラ協調設備の仕様が明確化される見通しです。
- 道路点検調査・建設コンサルタント
- 舗装点検要領の改定(案)により、健全性の診断区分や路面性状(ひび割れ率・わだち掘れ量・平坦性等)の測定・評価基準が見直された場合、点検報告書の作成ルールや点検支援技術の適用範囲が更新される可能性があります。
- 道路管理者・発注者(国・地方自治体)
- 舗装点検要領の改定を踏まえ、地方公共団体における舗装維持管理計画の運用見直しや、点検・修繕予算の優先度付け基準の再整理につながる方針が示される見込みです。
開催日程と今後の進め方
今後の予定および手続きの流れは以下のとおりです。
- 2026年10月28日(水)17:00:第28回道路技術小委員会の傍聴申込締切。
- 2026年10月30日(金)10:00~12:00:第28回道路技術小委員会が開催。
- 会議終了後:国土交通省ホームページにて配付資料および議事概要が順次公開される予定。
- 今後の見通し:小委員会での意見集約を経て、自動運行補助施設の技術基準に関する省令・告示の整備や、新たな舗装点検要領の地方自治体等への通知(技術的助言)に向けた手続きが進む見通しです(国土交通省の通常の手続きによる)。
今後の議論で注目すべき論点
現時点で確定しておらず、今後の小委員会資料や続報で確認すべき論点は以下のとおりです。
- 舗装点検要領改定(案)の具体的内容:従来の目視や路面性状測定車による評価基準に対し、AI画像解析等の新技術の採用要件や、判定区分(健全〜修繕段階)の基準値にどのような見直しが盛り込まれるかは公表資料を待つ必要があります。
- 自動運行補助施設の技術要件と施工範囲:路面に埋設する磁気マーカーや電磁誘導線、路側の通信機器等について、道路構造令や舗装構造との取り合い、耐荷重性・耐久性に関する要求仕様がどこまで具体化されるかが焦点になります。
- 地方自治体への適用時期と支援策:改定される点検要領が自治体管理道路へどのように展開され、技術的・財政的な支援が伴うのかは現時点で示されていません。
道路DX・自動運転を巡る関連動向
- 自動物流道路の実証実験との連動:国交省と国総研は2026年10月28日より、道路空間を活用した無人輸送「自動物流道路」の現場実証を順次開始する予定です。大手ゼネコン各社が参加し、磁気誘導や光ファイバセンシング、位置補正用反射体を活用した自動走行が検証されており、今回の技術基準策定の検討とも軌を一にする動きです。
- 道路インフラ常時監視に向けた民間連携:2026年10月にはNTT東日本や鹿島建設など5社が、道路下の光ファイバを活用して舗装や路盤のひずみ・振動を常時モニタリングするコンソーシアムを設立するなど、定期点検を補完する新たな道路断面マネジメントの実証が進められています。
よくある質問
Q. 「自動運行補助施設」とはどのような施設を指しますか?
A. 道路運送車両法上の自動運行装置等を備えた車両に対し、電子・磁気的方法等によって自車位置の補正や道路状況(構造、交通状況、障害物等)の情報提供を行い、安全な自動運行を補助する施設です(道路法第2条第2項、道路法施行規則第4条の8の2)。磁気マーカーや路車協調(V2I)センサーなどが該当します。
Q. 現行の「舗装点検要領」はいつ策定されたものですか?
A. 現行の要領は2016年(平成28年)10月に国土交通省道路局によって策定されました。道路の重要度や大型車交通量等に応じて道路を区分し、ひび割れ率・わだち掘れ量・平坦性(IRI)などの指標により健全性を診断する枠組みが定められています。
Q. 小委員会の資料や議事録はどこで確認できますか?
A. 会議終了後、国土交通省のホームページにある道路技術小委員会の開催状況ページにて配付資料および議事概要が公開される予定です。
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出典
- 発表主体: 道路局国道・技術課、総務課 / 発表日: 2026-10-27
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