2027年度着手の道路技術研究開発を国交省が公募開始
国土交通省道路局国道・技術課と国土技術政策総合研究所(国総研)は2026年10月16日、2027年度(令和9年度)から着手する「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」の本格研究課題の募集を開始したと発表しました。学識経験者等で構成される「新道路技術会議」を通じて産学官の連携を促すもので、年最大5,000万円、最長3年間の委託研究課題を5件程度採択する方針です。応募期間は2026年10月16日から同年11月13日までとなっています。
産学官連携で道路政策の質を高める新道路技術会議の経緯
国土交通省では、「学」の知恵と「産」の技術を幅広い範囲で融合し、道路政策の質を一層向上させることを目的に、2004年(平成16年)10月より「新道路技術会議」(委員長:那須清吾 高知工科大学地域イノベーション共創機構特任教授)を設置して技術研究開発を推進してきました。
2026年9月に開催された第57回新道路技術会議において、2027年度から着手する本格研究課題の募集を行うことが決定されました。公募における技術開発ニーズは、政府の社会資本整備重点計画における重点目標等に基づき設定された5つの政策テーマに連動しています。
年最大5,000万円・最長3年、本格研究課題の公募要件
公募の対象となる本格研究の概要および募集枠組みは以下のとおりです。
- 研究規模と期間
- 研究規模:1課題あたり年間500万円程度から最大5,000万円。
- 研究期間:2027年度から3年以内(最大3年間程度。中間年度ごとに実施する中間評価の結果を踏まえ、次年度の継続可否を決定)。
- 採択件数:年間5件程度の採択を想定(年1回募集、毎年3月頃に採択決定)。
- 公募パターン
- 道路行政の技術開発ニーズに対応する研究開発:国土交通省道路局が設定した5つの政策テーマ「(1)活力のある持続可能な地域社会の形成」「(2)強靱な国土が支える持続的で力強い経済社会」「(3)インフラ分野が先導するグリーン社会の実現」「(4)戦略的・計画的な社会資本整備を支える基盤の強化」「(5)道路施策の実効性を確保」の各ニーズに対応する研究。
- 提案型研究開発:道路行政の技術開発ニーズに記載はないものの、新たな発想に基づき道路行政の進展に資する研究開発の提案。
- 審査方法と審査基準
- 審査体制:国土交通省道路局に設置する「新道路技術会議」において提案書類の審査を実施。本格研究への応募課題についてはヒアリング審査を行う。
- 審査基準:「研究の必要性」「研究成果の有効性」「研究計画の妥当性」の観点から審査。
- 応募方法
- 応募期間:2026年10月16日(金)から2026年11月13日(金)必着。
- 提出方法:国土交通省道路局ホームページから所定の提案様式をダウンロードし、必要事項を記入のうえ電子メールにて新道路技術会議事務局へ提出。
新技術開発や点検効率化を目指す企業・研究機関
- 建設会社・ゼネコンの開発部門:道路構造の延命化、点検支援技術、環境配慮型材料などの自社技術について、国費による実証や実用化を目指す企業。
- 建設コンサルタント・調査点検会社:道路インフラの維持管理マネジメント手法や新技術を用いた点検・評価手法の開発に取り組む事業者。
- 大学・公的研究機関の研究者:道路政策、土木工学、交通工学、ICT・センシング技術等の知見を有する研究グループ。
- ICT・センサー・デバイス関連企業:自動運転支援インフラやモニタリングシステムなど、道路分野への展開を計画する異業種ベンダー。
ゼネコン・建設コンサル各社への影響と技術実装の機会
- 元請(ゼネコン)・道路舗装大手
- 最大3年間・年最大5,000万円の委託研究費を活用して、道路構造の耐久性向上や省人化施工、カーボンニュートラル技術などの先端研究を国の実証フィールド等と連動させながら推進しやすくなります。
- 建設コンサルタント・ITベンダー
- 道路局が提示する5つの政策テーマや現場ニーズに合致した提案を行うことで、将来的な技術基準や点検要領の改定、直轄事業への標準的な導入を見据えた技術開発を進める機会につながります。
- 大学・研究機関
- 民間企業との産学共同提案を通じて、学術的な研究成果を実際の道路行政や現場実務へ社会実装するための研究資金および検証環境を確保できます。
応募締切から2027年3月の採択決定までのスケジュール
- 2026年10月16日(金):令和9年度着手分の本格研究課題の公募受付開始。
- 2026年11月13日(金)必着:応募書類の提出締切。
- 2026年冬〜2027年初頭:新道路技術会議による提案書類審査およびヒアリング審査の実施。
- 2027年3月頃:採択課題の決定・公表(年間5件程度を想定)。
- 2027年4月以降(令和9年度):採択された研究開発課題の委託契約締結および研究着手(最大3年間)。
採択件数の競争率と中間評価による継続判断
- 現場ニーズとの合致度:道路局が設定している「道路行政の技術開発ニーズ」の各テーマに対し、提案する技術が課題解決にどう直結するかが審査における主要な論点となります。
- 採択枠の競争倍率:想定採択件数は年間5件程度と限られており(国総研の過去の公表資料によれば令和8年度着手分は8件応募・3件採択、令和7年度着手分は9件応募・5件採択)、予算総額と応募件数に応じた採択動向が注目されます。
- 中間評価による継続判定:研究期間は最大3年間ですが、中間年度ごとに実施される中間評価の結果を踏まえて次年度の継続可否が判断されるため、単年度ごとの具体的な到達目標の設定が重視されます。
インフラ長寿命化と道路DXを巡る最新の政策動向
- 道路インフラ維持管理と予防保全への転換:国土交通省では、全国で老朽化が進む道路橋や舗装の予防保全型メンテナンスへの転換や、複数自治体・複数インフラを束ねて一体管理する「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」を推進しており、点検効率化や長寿命化に資する新技術開発への期待が高まっています。
- 道路DX・自動運転技術基準の整備動向:国交省の小委員会等では、自動運行補助施設(路車協調センサーや磁気マーカーなど)の技術基準策定やAI等を活用した点検要領の改定が進められており、道路分野における新技術の実装環境の整備と連動した研究開発が求められる傾向にあります。
よくある質問
Q. 本格研究の研究期間と委託費用の規模はどの程度ですか?
A. 研究期間は令和9年度から最大3年間程度(中間年度ごとの評価により継続可否を決定)です。研究規模は1課題あたり年間500万円程度から最大5,000万円となっています。
Q. 道路局が公開している「道路行政の技術開発ニーズ」以外のテーマでも応募できますか?
A. 応募可能です。「提案型研究開発」の枠組みが設けられており、技術開発ニーズに記載のないテーマであっても、新たな発想に基づく提案で道路行政の進展に資するものであれば応募の対象となります。
Q. 本格研究の審査はどのように行われますか?
A. 学識経験者等で構成される「新道路技術会議」が審査を担当し、提案書類の審査に加えてヒアリング審査が行われます。審査基準は「研究の必要性」「研究成果の有効性」「研究計画の妥当性」の3点です。
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出典
- 発表主体: 道路局 国道・技術課、国土技術政策総合研究所 / 発表日: 2026-10-16
- 報道発表資料(PDF)
- 掲載ページ
