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採択結果

国交省、道路技術のFS・短期研究3件を採択 空洞計測や事業評価改善など

発表主体: 道路局国道・技術課 発表日: 2026-10-29 最終更新: 2026年10月30日
国交省、道路技術のFS・短期研究3件を採択 空洞計測や事業評価改善など

道路技術のFS・短期研究3件が採択、何が選ばれた?

国土交通省道路局は2026年10月29日、新道路技術会議において審査を行い、「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」のFS(フィージビリティスタディ)研究・短期研究として応募のあった8件の中から3件を採択したと発表しました。

採択されたテーマは、道路事業評価制度改善のための簡易土地利用交通モデル開発、X線レントゲン撮影を用いた地中空洞化・陥没リスク評価、歩行者と自動運転車が混在する道路空間の安全性評価に関する研究です。なお、2026年度(令和8年度)のFS研究・短期研究は引き続き11月まで継続して募集されています。

新道路技術会議による技術研究開発公募の背景

国土交通省道路局では、「学」の知恵と「産」の技術を幅広い範囲で融合し、道路政策の質を一層向上させることを目的として、2004年(平成16年)10月より「新道路技術会議」を設置しています。

同会議では、道路行政ニーズの実現に向け、本格研究の実施に向けた実行可能性調査としての「FS研究」や、短期的に実施可能な小規模な研究開発を対象とする「短期研究」の公募枠組みを設けており、2026年度も3月から11月まで応募を受け付け、随時審査を行っています。

採択された3件の研究テーマと提案概要

今回採択された3件の研究テーマおよび提案概要は以下のとおりです。

  • 短期研究:道路のストック効果計測のための簡易土地利用交通モデルについての技術研究開発
    • 道路行政ニーズ:道路の多様なストック効果計測及び3便益重視の事業評価制度改善のための手法検討
    • 研究代表者:大阪大学大学院工学研究科 教授 紀伊 雅敦
    • 提案概要:道路のストック効果を計測するための簡易土地利用交通統合モデルを開発する。便益評価においては時間短縮効果、居住厚生、地代収入変化を分離して推計し、推計交通量からCO2排出量を推計可能なモデルとする。
  • 短期研究:X線レントゲン撮影を用いた地盤内部における空洞化の発生・進展のリアルタイム計測と陥没リスク評価法の構築
    • 道路行政ニーズ:路面下空洞の簡易的な把握技術
    • 研究代表者:広島大学 准教授 木戸 隆之祐
    • 提案概要:地中空洞化の発生から進展、道路陥没に至る一連の過程をX線ラジオグラフィにより可視化し、発生・進展しやすい条件を整理する。将来的には道路陥没の予測法や発生リスク評価法の確立を目指す。
  • FS研究:多様なモビリティが混在する道路空間の安全性評価に資する国内交錯データの収集と基礎解析についての技術研究開発
    • 道路行政ニーズ:多様なモビリティの安全な走行空間及びモビリティ・ハブの整備促進に向けた手法開発
    • 研究代表者:東京大学大学院工学系研究科 教授 福田 大輔
    • 提案概要:歩行者と自動運転車等が混在する一般道路空間を対象に、路車協調システムの実証実験で得られた交錯挙動データを収集・解析する。本格研究として対象事例を拡大したデータ整備や道路空間の設計・運用手法開発へ繋げるための実行可能性調査を実施する。

どのような事業者が関わるか

  • 建設コンサルタント・交通計画分野の技術者:道路投資の事業評価、費用便益分析、交通流シミュレーションなどの調査・計画業務に関わる事業者。
  • 道路維持管理・地盤調査会社:路面下空洞探査や道路陥没防止対策、地盤解析業務に携わる事業者。
  • 道路舗装・土木工事会社(元請・専門工事業者):自動運転運行補助施設や路車協調インフラ、道路空間の再編・バリアフリー化工事に関わる施工業者。
  • 大学・公的研究機関・ITS関連企業:道路政策や交通工学、土質力学、自動運転走行空間の設計手法などを研究開発する機関・事業者。

将来の設計・調査・施工実務への関わり

  • 設計・建設コンサルタント
    • 現行の「3便益(走行時間短縮・走行経費減少・交通事故減少)」を中心とした事業評価手法に対し、ストック効果やCO2排出量、居住厚生等を反映する新たな簡易評価モデルが将来確立されれば、道路計画段階の事前評価実務や費用便益分析の算定手法が更新される可能性があります。
  • 地盤調査・点検事業者
    • X線を用いた空洞化進展のメカニズム解明により、陥没リスクの評価法が確立されれば、従来の車載型地中レーダー等による探査結果と組み合わせた空洞危険度判定や、優先的に補修・充填すべき箇所の絞り込み基準に反映される可能性があります。
  • 元請(ゼネコン・舗装大手)
    • 自動運転車や多様なモビリティが混在する道路空間の設計・運用手法が本格研究を経て基準化されれば、路車協調設備を含む道路構造の改良工事やモビリティ・ハブ整備などの施工要件が具体化していく見通しです。

今後のスケジュールと公募日程

  • 2026年11月まで:2026年度(令和8年度)のFS研究・短期研究の応募受付を継続(審査は随時実施)。
  • 2026年11月13日(金)必着:2027年度(令和9年度)から着手する本格研究課題の公募受付締切(新道路技術会議の公募要領による)。
  • 2027年3月頃:2027年度着手分の本格研究課題の採択決定・公表を想定(新道路技術会議の公募要領による)。

今後の実用化・本格研究移行に向けた論点

  • FS研究から本格研究への移行可否:東京大学によるモビリティ混在空間の交錯データ収集・解析はFS(実行可能性調査)研究として採択されており、この成果を踏まえた本格研究(設計・運用手法の開発)へ実際に移行するかどうかは今後の成果と審査次第となります。
  • 現行の事業評価マニュアルへの反映:大阪大学による簡易土地利用交通モデルの開発成果が、国土交通省の道路事業評価ガイドラインや費用便益分析マニュアルの改定にどのように結びつくかは現時点で示されていません。
  • 空洞探査・陥没リスク評価手法の実用化時期:広島大学の研究は地中空洞の発生・進展プロセスの可視化と条件整理を目的としており、実路面での予測法や現場点検要領等へ落とし込まれる具体的な時期は現時点では未定です。

道路DXや空洞探査を巡る関連動向

  • 本格研究の公募動向:国土交通省道路局と国土技術政策総合研究所(国総研)は、2027年度着手の本格研究課題(年最大5,000万円・最長3年間)についても2026年10月16日から11月13日まで募集を行っており、産学官連携による技術開発を重層的に進めています。
  • 自動運行補助施設の技術基準検討:社会資本整備審議会道路技術小委員会では、路車協調センサーや磁気マーカーなど自動運転を支援する「自動運行補助施設」の技術基準策定に向けた審議が進められており、道路空間における自動運転インフラの整備方針と今回の交錯挙動研究は連動する領域です。
  • 路面下空洞探査の動向:直轄国道では定期的な路面下空洞調査が進められている一方、自治体管理道路での陥没事故発生が課題となっており、民間では光ファイバセンシング等を用いた常時監視技術の実証など、空洞検知の高度化に向けた取り組みが活発化しています。

よくある質問

Q. 今回採択された「FS研究」と「短期研究」の違いは何ですか?
A. 報道発表資料によれば、FS(フィージビリティスタディ)研究は「本格研究の実施に向けた実行可能性調査として実施するもの」、短期研究は「短期的に実施可能な小規模な研究開発」と位置づけられています。

Q. 今回の募集期間や審査方法はどのようになっていますか?
A. 報道発表資料によれば、応募期間は3月から11月までで、応募のあった提案について新道路技術会議において随時審査を行っています。今回採択された3件は応募のあった8件から選定されました。

Q. 2026年度(令和8年度)のFS研究・短期研究はまだ応募できますか?
A. 応募可能です。発表資料によれば、引き続き令和8年度のFS研究・短期研究を継続して募集しており、応募期間は11月までとなっています(募集要領等は国土交通省HPに掲載)。

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出典

  • 発表主体: 道路局国道・技術課 / 発表日: 2026-10-29
  • 報道発表資料(PDF)
  • 掲載ページ

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