くみきとは?
くみきは、ドローンで撮影した連続写真をクラウド上にアップロードするだけで、専門知識や高性能ワークステーションを必要とせずに3次元点群データやオルソ画像を全自動生成できる空間データ統合プラットフォームです。高額な測量外注費やSfM解析ソフトウェア運用の属人化に悩む土木施工業者やゼネコンの課題を解消し、現場主導での土量管理・現況把握の内製化を実現します。国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録されており、直感的なブラウザ操作によって面積・体積・断面計測や土量比較を数クリックで完結させることができます。
主な機能
くみきは、画像からの地形データ生成から現場図面の重ね合わせ、時系列での土量解析まで、施工管理の実務に直結する機能をブラウザ上で提供しています。主な機能は以下の3点に分類されます。
3次元データ・オルソ画像の全自動生成機能
- 自動3D点群・オルソ画像・DSM生成
ドローン等で撮影した重複写真データをクラウドへアップロードするだけで、位置情報をもとにオルソ画像、DSM(数値地表面モデル)、3次元点群データを自動処理で生成します。専門的なパラメータ設定や高性能GPUを搭載したPCが不要となり、現場担当者が日常的に現況の3次元データを取得できるようになります。 - 衛星写真測量連携
2026年8月より提供された機能で、立ち入りが困難な危険箇所や広範囲に及ぶ事業エリアにおいて、人工衛星から取得した画像データを活用した3次元データ化に対応します。地上やドローンによる立ち入り撮影が制限される現場でも、広域の地形把握を可能にします。
現場計測・土量差分解析機能
- 面積・体積・断面計測
生成された点群データおよび地形モデル上で、画面をクリックして指定した範囲の表面積、体積(指定基準面からの盛土・切土量)、任意の横断線・縦断線に沿った断面形状を即座に計測できます。従来のトータルステーションやレベルを用いた測量に比べ、計測点間の推測を排除した面的な土量算出が容易に行えます。 - GCP不要の位置ズレ自動補正・時系列土量比較
施工前後の異なる時期に取得した2つのデータ間において、対地基準点(GCP)を現地に配置していない場合でも、画像の特徴点をもとに自動で位置のズレを補正します。基準点測量の手間を大幅に削減しながら、2時期の地形変化や切盛土量の差分を迅速に把握できます。 - 差分土量レポート出力
時系列比較によって算出した施工進捗や土量変化のデータを、施工計画や見積作成、施主・発注者向けの進捗報告書として利用可能なレポート形式で出力します。現場代理人の報告書作成工数を低減し、出来高の早期確定を支援します。
現場統合管理・Web GIS機能
- 図面インポート・2点指定位置合わせ
DWG形式のCAD図面やPDF図面を取り込み、地図上の2点を指定する簡易操作で現況の点群・オルソ画像と正確に重ね合わせ表示できます。設計断面や施工境界と現場現況のズレを画面上で直感的に確認可能です。 - 任意基準高さ(GL/FL)設定
建築現場や構造物施工において不可欠となる設計基準面(グランドレベル:GL、フロアレベル:FL)を任意に設定し、基準高さからの相対的な高さや掘削深さを算出できます。土木工事のみならず、基礎工事や外構工事の出来高管理にも柔軟に対応します。 - 現場メディアの一元管理と時系列スワイプ・写真台帳作成
現地の写真や動画、オープンデータなどの空間情報を地図上で一元管理できます。画面中央のスライダーを動かして2時期のオルソ画像を重ねて比較する時系列スワイプ機能や、位置情報付き写真をもとにした写真台帳の自動作成、タグ・コメント付与機能を備えています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
外注コストを抑制し、社内スタッフで定期的な土量管理・起工測量を内製化したい地域ゼネコン
- 測量外注に伴う費用と待ち時間の発生
外注委託を行うと1現場あたり数十万円単位の費用と数日〜数週間の成果物納品待ちが発生します。くみきは現場担当者が撮影した写真をアップロードするだけで自動解析されるため、外注費用を抑えながら現場主導での高頻度な土量把握を実現できます。 - 解析ソフトウェアの操作習得と専門PC導入のハードル
従来のデスクトップ型SfMソフトは高価なワークステーションと専門オペレーターの育成が必要でした。くみきは一般的なオフィス用PCのブラウザから数クリックで計測まで完結できるため、属人化を防ぎ現場代理人レベルでの内製化を推進できます。
広範囲な造成現場や急傾斜地・森林現場を抱え、現況確認や出来高把握の省人化が急務な事業者
- 足場の悪い危険箇所での地上測量に伴う安全リスクと膨大な工数
急傾斜地や広大な現場において徒歩で杭打ちやレベル測量を行う作業は転落等の危険が伴い、長時間を要します。くみきを活用して上空写真から面的な点群データを自動生成することで、立ち入ることなく安全かつ短時間で現況把握が可能になります。 - 本社や関係者間での迅速な進捗共有の難しさ
大林組の導入事例にあるように、遠隔地の災害現場や造成現場の点群データをクラウド上で共有できるため、関係者が現地に赴くことなく最新の施工現況を画面上で確認し、的確な指示出しを行えます。
向いていない企業・現場
通信インフラが完全に遮断された山間奥地で、即座にオフライン処理を完結させたい現場
- 現場事務所や現地の通信環境が極端に脆弱な環境
くみきはクラウドベースのサービスであり、写真データのアップロードや大容量の点群表示にインターネット環境を前提としています。大林組の運用事例でも指摘されている通り、通信環境が悪い現場ではアップロードや表示に支障をきたすため、現場側で高速通信回線や衛星通信を手配できない場合は、スタンドアロン型のデスクトップソフトウェアを検討する必要があります。
国土交通省の電子納品基準に準拠した厳密なノイズフィルタリングや点群編集を単一ソフトで完結させたい企業
- 不要物除去や詳細な点群加工を細かく手動調整したい場合
くみきは写真からの自動生成・現況確認・土量計測に特化したプラットフォームです。草木や重機などの点群ノイズを手動で細密にフィルタリングする作業や、BIM/CIM設計モデルとの詳細な干渉チェックなど、高度な点群処理を行う場合は、別途専用の点群処理ソフトウェア(TREND-POINT等)を組み合わせて運用する必要があります。
類似ツールとの比較
ドローン測量および点群データ生成の領域において、くみきは従来の専門ソフトウェアや競合クラウドサービスと異なる明確な特徴を持っています。
空中写真測量で世界的に広く利用されている「Pix4Dmapper」や「Agisoft Metashape」といった専門デスクトップSfMソフトは、カメラの内部標定要素やタイポイントの結合処理などを細かく手動調整できる一方、動作には数十万円規模のハイスペックなワークステーションが必須であり、点群生成処理中はPCのスペックが占有されるという課題がありました。また、操作には写真測量に関する高度な専門知識が求められます。これに対し、くみきは自社開発の国産3次元復元エンジンを採用しており、処理をすべてクラウドサーバー側で並行して実行します。一般的なオフィス用PCのブラウザ環境から数クリックで高品質なオルソ画像や3D点群を生成できるため、専任技術者を置けない中小企業でも導入しやすい設計となっています。
また、一般的な点群処理ソフトウェアでは、異なる時期のデータを比較する際に現地への対地基準点(GCP)の正確な設置・測量が不可欠となるケースが多く見られます。くみきは独自の位置ズレ自動補正技術を搭載しており、GCPを設置していない現場であっても画像内の特徴点を認識して自動で補正し、土量差分を算出することが可能です。さらに、点群の生成だけでなく、図面(DWG/PDF)の重ね合わせ、FL/GL設定、写真台帳の自動作成といった現場管理・Web GIS機能を同一のクラウド環境に統合している点も、実務に特化したプラットフォームとしての大きな強みです。
料金・プラン
くみきの料金体系は、利用形態に応じた複数のプランが用意されています。ドローン測量を定常的に行う事業者向けのプランのほか、都度利用向けのスポットプラン、測量を行わず図面・現場写真の地図管理のみを行う新設プランなど現場の用途に合わせた選定が可能です。
| プラン名 | 初期費用 | 利用料金 | 主な特徴・備考 |
|---|---|---|---|
| サブスクプラン | 要問い合わせ | 要問い合わせ(定額課金) | 定期的なドローン測量、地形データ生成、計測・現場管理を包括して利用する標準プラン |
| スポットプラン | 要問い合わせ | 要問い合わせ(従量課金) | 単発の工事現場や必要な時期のみ地形データ生成機能を利用する都度課金型プラン |
| GISプラン | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 2026年2月新設。ドローン測量データ生成を行わず、図面や現場写真の地図統合管理を行うプラン |
| 林業アカデミックプラン | 要問い合わせ | 年額99,924円(税込) | 林業系教育機関向けに提供される特別教育プラン |
※一般法人向けの基本プラン(サブスクプラン、スポットプラン、GISプラン)に関する具体的な見積もりや月額費用については、利用規模やプロジェクト数に応じた個別見積もりとなっています。導入を検討する際は、自社の年間想定フライト件数やデータ容量、同時アクセスアカウント数に応じた課金体系をスカイマティクスへ確認することをおすすめします。
導入事例・実績
くみきは、大手ゼネコンから地方の森林組合、建設関連企業まで幅広く導入されており、2026年2月時点で累計利用現場数は50,000件、30業種以上を突破しています。提供元の株式会社スカイマティクスによると、導入企業の実運用データにおいて地形データ生成にかかる費用と時間を最大95%削減、現場確認や報告業務に要する時間を最大95%削減した実績が公表されています。
株式会社大林組
大手ゼネコンの株式会社大林組では、造成工事現場における出来高管理データの遠隔作成や、災害現場における空撮写真・3次元点群データの遠隔確認およびダウンロードツールとしてくみきを導入しています。従来必要とされていた解析用高性能PCの手配や専用ソフトウェアのインストールが不要となり、クラウド上で複数現場のプロジェクトを並行してデータ処理できる体制を構築しました。これにより、現場と本社・支店間でのデータ共有のリードタイム短縮と、機材導入コストの抑制を実現しています。
そらち森林組合
北海道のそらち森林組合では、急斜面の現場における面積測量業務にくみきを導入しました。従来は地上作業員がGPS測量機を携行して斜面を歩行しながら測量を行っており、1ヘクタールあたり約3時間を要していました。くみきの導入により、ドローンで撮影した写真をアップロードするだけで地形データが自動生成されるようになり、データ処理の待ち時間を別のデスクワークに充てることが可能となるなど、業務効率の大幅な改善を達成しています。
NETIS登録技術としての位置づけと公共工事での実務効果
くみきは、国土交通省が運用する新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている技術です。
国土交通省が推進するi-Constructionやi-Construction 2.0の施策のもと、直轄工事をはじめとする公共土木工事では、3次元データの利活用や生産性向上技術の導入が強く求められています。NETIS登録技術を受注工事の施工計画において提案・活用した場合、工事成績評定での加点対象となるほか、総合評価落札方式の入札における技術提案としての評価対象になり得ます。
くみきを採用することで、従来のトータルステーションやレベルによる測量作業をドローンを用いた面的な写真測量へ転換し、起工測量から出来形確認までの作業工数を削減できるだけでなく、施工プロセスのデジタル化実績として発注機関に対する公的なアピールが可能となります。中小規模の地域建設会社にとっても、大規模な初期投資を抑えながら公共工事における技術競争力を高める手段として有効です。
内製化定着を後押しする教育基盤「くみきトレ」とBPOサービス「くみきGO」
建設DXツールを導入しても、「社内にドローンを飛ばせる人材がいない」「データ処理の初期設定でつまずき運用が定着しない」という事態に陥るケースは少なくありません。スカイマティクスでは、ツールの提供にとどまらず、現場での内製化定着を支援する専門ソリューションを展開しています。
実務スキルの習得支援として提供されている「くみきトレ」は、オンライン上でICT土工の実践的なワークフローを学習できる教育システムです。ドローンの基礎知識から安全な飛行計画の策定、撮影手法、くみき上での土量計算やレポート作成に至るまで、建設現場の担当者が自立して運用できるようカリキュラムが構成されています。
また、繁忙期や人員不足の現場、難度の高い現場に対応するためのBPOサービス「くみきGO」も用意されています。くみきGOでは、専門スタッフによる測量代行や飛行計画の作成、データ処理のアウトソーシングが可能です。通常現場ではくみきを用いた内製化を進めつつ、リソースが不足するタイミングや特殊現場ではくみきGOを活用するという柔軟なハイブリッド運用によって、測量業務の遅延リスクを回避できます。
導入前に知っておきたいこと
くみきの導入を検討するにあたり、運用上の制約や現場環境に応じた留意事項をあらかじめ把握しておく必要があります。公表されたユーザー事例や製品仕様から確認できる主な注意点は以下の3点です。
通信インフラへの依存性と大容量アップロード環境の確保
一般社団法人日本建設業連合会の『施工現場DX事例集』に掲載された大林組の導入事例では、くみきがクラウドサービスである特性上、画面の表示速度やデータのアップロード速度が現場事務所や現地の通信環境に直接依存することが指摘されています。特に山間部の現場やインフラ被災地など、携帯電話の通信電波が不安定なエリアでは、写真データの送信に時間がかかったり、ブラウザ上でのデータ表示が滞ったりする可能性があります。事前に現場事務所へ光回線や高出力のモバイルWi-Fi、衛星通信などの安定した通信手段を手配・整備しておくことが安定運用の前提となります。
詳細な点群加工・ノイズ処理における専用ソフトウェアの併用
くみきは、現場担当者が専門知識なしで迅速に3次元モデルを生成し、土量計測や図面照査を行う「現況把握・簡易解析」に強みを持っています。そのため、大林組の事例でも報告されている通り、生成された点群から下草や樹木、仮設物を高精度に除去する詳細なノイズフィルタリングや、複雑な幾何形状のモデリング処理などを行う場合には、別途専用の点群処理ソフトウェア(TREND-POINT等)に点群データ(LASファイル等)をエクスポートして後処理を行う運用が必要になります。
衛星写真測量機能における天候影響
広域や立ち入り困難箇所の測量に対応する衛星写真測量機能は、上空の気象条件(雲の有無や降雨)に撮影品質が左右されます。プレスリリースでも言及されているように、天候状況によっては希望する日時の鮮明な画像が取得できず、撮影時期の調整や待機が発生する場合があるため、工期に余裕を持った計画的な活用が求められます。
導入の流れ・期間
くみきを導入する際の標準的なステップは以下の通りです。なお、契約から稼働開始までの具体的な期間については、利用規模やプランによって異なるため公式サイトからの問い合わせが必要です。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトのフォームより、自社の現場課題、対象とする工事種別(土木・建築・林業等)、想定現場数などを伝えて問い合わせを行います。 - オンラインデモ・トライアル
担当者による機能説明や実際のブラウザ操作デモを通じて、自社の運用フロー(写真撮影から土量計算、図面重ね合わせ)に適合するかを確認します。 - プラン選定・見積もり提示
利用頻度に応じ、定額制のサブスクプラン、都度利用のスポットプラン、あるいは図面管理中心のGISプラン等から最適なプランを選択し、見積もりの提示を受けます。 - 契約締結・アカウント発行
契約手続きの完了後、クラウド環境へのログインアカウントが発行されます。専用ソフトのインストール作業は不要で、即座にブラウザからアクセス可能です。 - 運用開始・内製化支援
専任サポートチームの案内のもと、現場写真のアップロードを開始します。必要に応じて「くみきトレ」を活用した社内講習を並行し、現場定着を図ります。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンから現場の写真をアップロードできますか?
- はい、iOS向けに提供されている「KUMIKI」アプリを利用することで、iPhoneやiPadから現地の写真や動画を直接アップロードし、地図上で位置情報とともに確認・一元管理することができます。
- 利用するためにハイスペックなPCを用意する必要はありますか?
- 不要です。画像解析や点群データの生成処理はすべてクラウドサーバー上で自動実行されるため、一般的なオフィス業務で使用するPCと標準的なWebブラウザ環境(Google Chrome等)があれば問題なく動作します。
- 写真測量に必須とされる対地基準点(GCP)を置かなくても土量計算はできますか?
- くみきには独自の位置ズレ自動補正機能が搭載されており、GCPを設置していない現場であっても、画像の特徴点から2時期のデータ位置を自動補正して土量差分を算出することが可能です。ただし、公的な出来形管理要領等で厳密な絶対座標精度が義務付けられている提出用成果品については、要領に基づいた運用要件をご確認ください。
- どのような図面ファイルを重ね合わせることができますか?
- DWG形式のCAD図面およびPDF図面に対応しています。画面上で図面と現況データの2点を指定することで、簡単に縮尺と位置を合わせて重畳表示させることができます。
- 無料トライアルや操作デモの体験は可能ですか?
- 公式サイト経由での相談を通じて、デモ画面の確認や運用相談が案内されています。詳細なトライアル提供条件については公式サイトよりお問い合わせください。
- 契約期間や途中解約の条件はどうなっていますか?
- 定額利用のサブスクプランと都度利用のスポットプランが用意されていますが、最低契約期間や解約条件、更新ルールなどの詳細は公開情報では一律に開示されていません。契約前の見積もり段階で個別にご確認ください。