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Home > BIM/CIM> 国土交通省、3Dモデル契約図書化を28年度本格導入へ|生成AI認知9割
BIM/CIM 2026年9月24日

国土交通省、3Dモデル契約図書化を28年度本格導入へ|生成AI認知9割

国土交通省、3Dモデル契約図書化を28年度本格導入へ|生成AI認知9割

日経コンストラクションの調査において、建設分野における生成AIの認知度が9割に達し、BIM/CIMの認知度も高水準を維持していることが判明した。国土交通省が直轄工事における3次元モデルの契約図書化に向けた制度検証を進めるなか、先端技術に対する関心の高まりが設計から施工管理の実務基盤へ直接波及している。

3次元モデル契約図書化の現在地と生成AI浸透の実態

日経コンストラクション2026年9月号の特別リポート「建設キーワード40」によると、建設業界内における生成AIの認知度は9割に達した。2023年度に原則適用が開始されたBIM/CIMの認知度も高水準を保っており、デジタル技術を実務プロセスへ組み込む意識が定着しつつある。

国土交通省は2025年6月の「第14回BIM/CIM推進委員会」において、3次元(3D)モデルを工事契約図書として位置付けるロードマップ案を公表した。当初案では2025年度の試行、2026年度のガイドライン作成を経て、2027年度以降の本格導入が想定されていた。しかし、2026年3月の「第15回BIM/CIM推進委員会」で報告された試行工事の検証結果や業界ヒアリングを踏まえ、2027年度中に運用ガイドラインを策定して試行を継続し、本格導入は2028年度以降を目指す方針へと検証期間が再設定されている。

年月 推進機関・会議体 主な決定事項および政策の動き
2023年度 国土交通省 小規模を除く直轄土木業務・工事でBIM/CIMを原則適用
2024年4月 国土交通省 「i-Construction 2.0」策定、2040年度省人化3割目標を設定
2025年6月 第14回BIM/CIM推進委員会 3次元モデル工事契約図書化のロードマップ案を公表
2026年3月 第15回BIM/CIM推進委員会 令和7年度試行工事アンケート(183件)の検証結果を報告
2027年度(予定) 国土交通省 3次元モデル契約図書化ガイドライン策定、試行運用の拡大
2028年度以降(目標) 国土交通省 直轄工事における3次元モデル契約図書化の本格導入

直轄工事における3次元モデル契約図書化の試行アンケート(2026年1月末時点、回答数183件)では、受発注者双方から実務上のメリットと現場運用の課題が明確に示された。

項目 現場から報告された主な内容
確認された効果 3Dモデルによる可視化で協議や合意形成が円滑化。図面間の食い違い検知が容易化
顕在化した課題 従来の2次元CAD図面作成との二重作業が発生。ソフト維持費や人材育成のコスト負担
制度設計への要望 契約図書としての法的責任範囲の明確化。納品モデルのデータ形式および属性情報の標準化

現場では3次元モデルによる手戻り防止の効果を評価する一方、2次元図面との併用による作業工数の増加が指摘されている。国土交通省は情報モデルを中核として設計・施工・維持管理をつなぐデータ連携基盤の確立を目指し、実務負荷を抑える運用基準の具体化を進めている。

参考記事: BIM/CIMとは?原則義務化の運用ルールと実務での導入メリット・導入ステップを解説

参考記事: i-Constructionとは?建設DXを推進する3つの柱と導入のメリットをわかりやすく解説

契約形態と業務プロセスの変化がもたらす各層への影響

3次元モデルが工事契約図書として正式に位置付けられる動きは、発注者、元請けゼネコン、設計者の業務分担と責任関係に直接影響を与える。

行政・発注者(国土交通省など)

発注機関では、工事契約の根拠を従来の2次元図面から3次元モデルへ切り替えるため、積算基準や検査基準の再定義を進めている。2027年度に向けた受発注者間情報共有システム(ASP)の機能改定では、対話型AIの実装や共通仕様書のJSON-LD化など、機械可読な構造化データの標準化が進む。発注図書の作成段階から3次元モデルと数量総括表の整合性を担保することで、入札公告後の質問対応や設計変更手続きの待機時間を短縮させる運用体制を整えている。

ゼネコン(元請け)

施工者にとっては、契約図書そのものが3次元化されるため、従来の2次元図面を読み解いて現場で整合性を確認する施工管理フローからの脱却が求められる。3次元モデルを基台とした共通データ環境(CDE)上で、下請け業者への指示、出来形管理、安全点検を一元化する体制への移行が進む。設計図書の不整合に起因する施工手戻りが削減される半面、現場事務所でのモデル修正やデータ照合作業に対応できる技術者の確保と、協力会社を含めた端末環境の整備が原価管理上の課題となる。

設計事務所・建設コンサルタント

設計段階を受注する設計者には、工事契約の法的担保となり得る精度の3次元モデル作成が求められる。従来の計画・検討用モデルにとどまらず、部材仕様や数量算出の根拠となる属性情報を正確に付与しなければならない。設計と施工の責任分担を明確にするため、納品モデルの作成範囲(LOD)に関する合意形成や、2次元図面出力にかかる二重手間の解消が業務効率化の焦点となる。

参考記事: 国土交通省が2027年度に直轄ASPへAI実装、書類作成はどう変わるか

参考記事: PFNら、2027年3月完了へ国交省発注AIで図書不整合を解消

ConShiftの視点:2次元図面の「正本」脱却とデータ基盤の統合

国土交通省が推進する3次元モデルの契約図書化は、明治期以来続いてきた「紙・2次元図面を契約の正本とする」商慣行の根本的な転換である。これまでBIM/CIMは施工計画の補助ツールやプレゼンテーション用の可視化データとして扱われる側面が強かったが、契約図書となることで法的効力を持つ設計意思の伝達手段へ昇格する。

ここで重要となるのが、認知度9割に達した生成AI技術とのデータ連携である。現在、施工現場ではPreferred Networksとデロイト トーマツが検証を進める「発注図書3点組みの不整合検知AI」のように、図面と特記仕様書、数量総括表の矛盾を自動検出する技術が実用段階に入りつつある。また、清水建設がAutodesk Formaを活用して進める「20億、2人」体制の実証では、3次元モデルデータに現場の議事録や協議ログを紐付け、AIエージェントに施工管理判断を代行させる取り組みが行われている。

3次元モデルが正本化され、かつデータがIFCやJSON-LDといった機械可読な形式で標準化されれば、生成AIは図面の幾何学データと仕様書のテキストデータを横断的に解釈できるようになる。施工管理者が図面と仕様書を見比べて数量を検算したり、出来形帳票へ手入力で数値を転記したりする作業は、AIエージェントによる自動照合へと置き換わる。ゼネコン各社にとって、BIM/CIMの習得は単なるCADオペレーションの更新ではなく、自社の施工管理データをAIが処理可能な基盤へ接続するためのインフラ投資となる。

参考記事: 清水建設、20億円現場を常駐2人で運営へ|Forma活用AXで定常業務半減

参考記事: 清水建設、生成AI正答率93%達成と3000人展開に見る現場主導DX

明日から現場と経営層が取り組むべき実務対応

2027年度のガイドライン策定と2028年度の契約図書本格導入に向け、施工会社が着手すべき実務対応は次の通りである。

1. 直轄工事におけるBIM/CIM活用実績と保科技術の棚卸し

自社が受注する直轄土木工事や営繕工事において、納品された3次元モデルがどの工種・作業段階まで施工管理に活用されているかを洗い出す。外注モデラーに依存した納品用データの作成にとどまっている現場があれば、施工計画書の作成や出来形確認に元請け技術者自身がモデルを直接操作する手順へ改める。

2. 受発注間ASPと現場データ管理ツールの連携状況確認

国土交通省直轄現場のASP機能要件改定を見据え、自社が日常的に利用している施工管理アプリや原価管理システムがAPI連携や構造化データ出力に対応しているかを点検する。現場監督が帳票レイアウトの修正やPDF変換に費やしている時間を集計し、クラウドデータ共有への一本化を進める。

3. 仕様書照合および日常書類作成への生成AI試行運用

現場監督の定常業務である土木工事共通仕様書の参照や、施工計画書の素案作成において生成AIツールの実務適用を開始する。社内の過去施工データや安全管理マニュアルを検索対象とする環境を構築し、形式的な書類作成時間を削減して現場指導や安全点検へ時間を充当する。

出典: 日経クロステック(xTECH)
出典: 国土交通省 BIM/CIM推進委員会
出典: BIMedia

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにて設備保全プロジェクトに従事。 その後、スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してConShiftを立ち上げ。 現在は建設DXメディア「ConShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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