CADEWA Smartとは?
CADEWA Smartは、設備工事を手掛けるサブコンや専門工事業者、ゼネコン向けに、電気および空調・衛生設備の統合設計・施工図作成を効率化する国産の設備BIM/CADソフトウェアです。2次元の作図作業を行うとリアルタイムに3次元モデルが連動生成され、配管・配線の干渉や施工上の不整合を自動で検知します。2024年4月からの時間外労働上限規制の適用や、国土交通省が推進するBIM/CIM原則適用に伴い、設備施工図の作成工数削減や手戻り工事の撲滅が強く求められています。CADEWA Smartは、日本の緻密な設備施工実務に即した作図支援機能やRevitとのネイティブ連携を備え、設計から現場施工へのスムーズなデータ引き継ぎを実現します。
主な機能
CADEWA Smartは、作図工数を削減する自動化機能、施工不整合を未然に防ぐチェック機能、他システムや業界標準フォーマットと連携するインターフェースを備えています。
施工チェック・干渉検証機能
- 施工チェック機能(「べからず工事」自動判定)
手戻り工事や図面ミスを防止するため、不整合箇所や間違った施工法(いわゆる「べからず工事」)を一括判定します。工事計62項目および部材同士の3次元干渉を自動でチェックし、現場着工前のフロントローディングを支援します。 - リアルタイム2D/3D連動
平面図上で配管や配線を描画する操作と同時に、内部で3次元モデルが自動生成されます。視点切り替えや断面表示が即座に行えるため、複雑な梁下やパイプシャフト内の空間的な納まりを直感的に確認できます。
作画自動化・設計支援機能
- 自動プロット機能
建築属性の部屋情報や照度計算結果を基に、照明器具やコンセントなどの電気部材、ならびに配線・寸法を自動配置します。系統図や意匠図からの手作業による配置作業を省略し、設計初期の図面作成負担を大幅に軽減します。 - 自動施工検討図化(特許出願中)
基本設計段階の単線設計図から、現場で必要となる複線施工図へ自動的に変換します。施工図おこしにかかる作図ステップを削減し、施工検討へ迅速に移行できます。 - 必要部材の自動発生機能
配管やポンプなどを作画する際、バルブや継手、支持金物といった施工に必要な周辺部材を自動的に付加・配置します。作図漏れによる現場での部材不足や手戻りを抑制します。
BIM・外部システム連携機能
- Revitネイティブ双方向データ連携
Autodesk Revitのネイティブファイル形式(.rvt)を、中間ファイルを介さずダイレクトに読み込み・書き出しできます。設計BIMと設備施工図の間でデータを複数回往復させても属性や形状が破綻しない連携仕様を備えています。 - 標準フォーマット・IFC入出力対応
国際標準であるIFC(IFC2x3、IFC4.0)の入出力に対応し、buildingSMART Japanの設備基本IFC検定に入出力で合格しています。そのほかDWG/DXF、JWW/JWC、SXF形式のファイル交換にも対応します。 - 外部設計・施工管理ツール連携
施工管理アプリ「SPIDERPLUS」、照明設計「Luminous Planner」、キュービクル設計「Qrespo」、同社の積算見積ソフト「見積CRAFT DX」、ネグロス電工のケーブルラック部材(耐震架台選定・材料集計)などとデータ連携が可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
意匠・構造BIMデータを受け取りつつ、日本の納まり基準で設備施工図をまとめたい設備サブコン
- 汎用BIMツールでは日本の施工図特有の納まりや継手表現の作成に膨大な工数がかかる
CADEWA Smartの「自動施工検討図化(特許出願中)」や「必要部材の自動発生機能」を活用することで、単線図から実寸に基づいた複線施工図への変換や部材配置を自動化し、作図時間を大幅に短縮できます。 - 元請ゼネコンや設計事務所からRevitデータの支給が増え、中間ファイル経由の変換エラーに悩まされている
Autodesk Revitのネイティブファイル(.rvt)を直接入出力できるダイレクト互換を備えており、複数回のデータ往復でも破綻しないため、元請との共同設計・総合図調整が円滑に進みます。 - 若手技術者やCADオペレーターによる施工上の不整合・干渉ミスを現場着工前に撲滅したい
業界初として搭載された「施工チェック機能」により、部材の物理干渉だけでなく「べからず工事」を含む計62項目の施工ルール違反を一括判定できるため、現場でのコア穿孔や配管手戻り工事を未然に防止できます。
施工図作成から材料拾い出し・積算見積までを一気通貫で処理したい専門工事業者
- 図面完成後に別途手作業で部材を拾い出して見積書を作成しており、転記ミスや残業が発生している
作図された正確な部材情報を同社開発の「見積CRAFT DX」へ直接引き渡せるため、図面修正に伴う数量の再集計や見積連動がシームレスに完了し、内勤工数を圧縮できます。
向いていない企業・現場
設備設計を伴わず、意匠デザインのコンセプト検討や構造計算モデリングのみを主業務とする設計事務所
- 建築意匠のレンダリングや構造力学計算・構造図作成を1つのソフトで完結させたい
CADEWA Smartは空調・衛生・電気設備の設計・施工図作成に特化した専用CAD/BIMです。意匠全体のレンダリングや空間デザインを中心に行う場合はAutodesk RevitやArchicad、鉄骨・RCの構造詳細モデリングを行う場合はTekla Structuresなど、各専門領域に最適化された統合BIMソフトを主軸に選定する方が適しています。
macOSやARMアーキテクチャ端末をメイン環境として運用している設計チーム
- 社内PC環境がMacやARM版Windowsで統一されている
CADEWA Smartの動作保証OSは64bit版のWindows 11およびWindows 10であり、ARM版WindowsやmacOS環境は非対応と公表されています。自社のハードウェア構成を見直すか、Windows搭載の推奨ワークステーションを新規手配する必要があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| CADEWA Smart | 電気・空調・衛生に特化した国産設備BIM。62項目の「べからず工事」施工チェック、Revit(.rvt)直接連携、見積CRAFT連携に対応 | 本体: オープン価格 保守: 年額60,000円(税別)〜 |
日本の現場納まりに基づいた設備施工図を作成し、手戻り削減や積算連動を狙う設備サブコン・専門工事業者 |
| Autodesk Revit | 意匠・構造・設備(MEP)を統合管理できる世界標準BIM。クラウド共同作業や豊富なAPIエコシステムによる大規模プロジェクト管理に強み | 要問い合わせ(サブスクリプション形態) | 意匠・構造・設備の統合モデルを1つのプラットフォームで管理したい大手ゼネコンや組織設計事務所 |
| Rebro | 空調・衛生・電気に特化した国産3次元設備BIM。直感的な操作性と3Dモデル・関連図面の完全連動、高精度な拾い出し機能に強み | 要問い合わせ | 視覚的な干渉チェックや配管・ダクトの取り回し調整、図面・モデル連動を直感的に行いたい設備サブコン |
| Tekla Structures | 鉄骨・RC・PCなどの構造分野に特化した高詳細度(LOD)モデリングBIM。製作・ファブリケーションから現場施工まで正確な部材データを保持 | 要問い合わせ | 大規模・複雑な構造物の詳細モデリング、鉄骨加工データの抽出やファブリケーターとのデータ連携を行う構造設計・施工会社 |
ツール選定の基準として、日本の緻密な設備施工手順(「べからず工事」チェックや単線図からの自動複線化)や、見積CRAFT DXとのシームレスな積算連動、Revitの.rvtファイルを中間ファイルなしで直接やり取りすることを最優先する場合は、CADEWA Smartが有力な選択肢となります。
一方で、意匠・構造・設備を単一の統合データベース上で設計段階から同時編集し、プロジェクト全体のライフサイクル管理やクラウド共同作業を行いたい場合は、Autodesk Revitが適しています。また、構造部材の詳細設計や鉄骨ファブリケーターとの製作連携を主目的にする場合はTekla Structuresが向いており、自社が担当する専門領域と元請・協力会社との連携要件に応じた選定が不可欠です。
料金・プラン
| 製品・サービス名 | 価格体系 | 備考 |
|---|---|---|
| CADEWA Smart(本体) | オープン価格(要問い合わせ) | フル機能版(電気および空調・衛生設備の統合設計・3Dモデリング対応) |
| CADEWA Smart LT | オープン価格(要問い合わせ) | 平面図作画に特化した機能限定版 |
| CADEWA Smart ダクト製作オプション | オープン価格(要問い合わせ) | ダクト製作・加工向けの専用オプションライセンス |
| CADEWA Smart 保守サービス | 年額 60,000円(税別)/ 66,000円(税込) | 1ライセンスあたりの年間費用。バージョンアップ提供、ダイレクトサポート対応等 |
| ダクト製作オプション保守サービス | 年額 20,000円(税別) | 1ライセンスあたりの年間費用 |
ライセンス本体はオープン価格となっており、導入本数や構成に応じた見積もりが必要です。ライセンス認証方式はWeb認証を採用しており、従来のUSBプロテクタ方式から移行しています。認証時およびライセンス返却時にインターネット接続が必要となりますが、一度認証を行えば30日間はオフライン環境でもソフトウェアを利用できます。
導入事例・実績
公式サイト等の公表情報において、「株式会社弘電社」による点群データとBIMを用いた電気室改修工事での活用事例や、「TEAM EHIME BIM」(一宮工務店の社員寮プロジェクト実証)における施工BIM連携などの取り組みが公表されています。ただし、各社における導入ライセンス数や、作業時間削減率などの具体的な定量的効果の数値については公表情報が確認できていません。最新の事例詳細や導入効果については公式サイトをご確認ください。
導入に必要な動作環境とハードウェア要件
CADEWA Smartを快適に動作させるためには、推奨されるPCスペックを満たすハードウェアの準備が必要です。特に大規模な設備BIMモデルや点群データを取り扱う場合、CPUやグラフィックス性能が作図効率に直結します。
| 構成項目 | 推奨・対応スペック |
|---|---|
| 対応OS | Windows 11 64bit版、Windows 10 64bit版(※ARM版Windows 11/10は非対応) |
| CPU | Core i7、Core i9シリーズ等、Ryzen 7、Ryzen 9シリーズ等(4コア以上、高周波数を推奨) |
| メモリ | 16GB以上 |
| ストレージ | 10GB以上の空き容量(M.2 SSD<NVMe接続>推奨) |
| グラフィックス | OpenGL 4.0以上、DirectX 11以上対応(OpenGL専用対応カード推奨) |
| ディスプレイ | Full HD(1,920×1,080)以上、フルカラー対応 |
導入前に知っておきたいこと
エンドユーザーが投稿した不満や改善要望に関する公開レビューは現時点で確認できていません。一方で、システム導入や運用実務における仕様上の留意点として以下の項目が公表されています。
- ハードウェア環境の制約
動作環境は64bit版のWindows 10および11に限定されており、ARM版WindowsやmacOS環境では動作保証がありません。社内支給端末や現場用PCの選定時にCPUおよびOSの仕様確認が必要です。 - 定期的なオンライン通信要件
ライセンス認証がWeb認証方式となっているため、ライセンスの取得時や他PCへの返却移行時にはインターネット通信が必須です。認証完了後は30日間のオフライン稼働が可能ですが、長期間通信が遮断される現場事務所などでは定期的な認証更新の運用を考慮する必要があります。
導入の流れ・期間
CADEWA Smartの一般的な導入の流れは以下の通りです。具体的な導入期間や納品までのスケジュールについては問い合わせが必要です。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトまたは販売代理店の専用フォームより問い合わせを行い、自社の対象工種(電気、空調、衛生)や必要なライセンス数、連携したいシステム構成を相談します。 - デモ実演・製品提案
四電工または代理店の担当者より、機能説明や実機でのデモンストレーション、業務内容に応じたエディション選定の提案を受けます。 - 見積もり・発注
本体ライセンス(CADEWA Smart / LT / オプション)および年間保守サービスの費用見積もりを確認し、正式な契約・発注手続きを行います。 - インストール・Web認証設定
対象PCにソフトウェアをインストールし、発行されたアカウント情報を用いてWeb認証を実行します。 - 運用開始・サポート連携
自社の図面テンプレートや部材設定を行い、実務での作図を開始します。操作に関する不明点は保守契約に基づくダイレクトサポート窓口を利用できます。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンやタブレット向けのアプリは提供されていますか?
- CADEWA Smart本体はWindows PC(64bit版)専用のデスクトップソフトウェアです。ただし、施工管理アプリ「SPIDERPLUS」など外部の現場向けツールと連携することで、図面データを現場端末で活用することが可能です。
- 無料トライアルや体験版は利用できますか?
- 体験版の提供可否やデモ機の貸出条件については公式に固定の案内が明記されていないため、公式サイトの問い合わせ窓口または販売代理店への確認が必要です。
- サポート体制や問い合わせ窓口はどのようになっていますか?
- 開発元である株式会社四電工が直接対応する「ダイレクトサポート」体制(CADEWAサポートセンター)が用意されています。年間保守サービス契約者向けに、直通フリーダイヤル、Eメール、リモート接続によるテクニカルサポートや、Q&A集の閲覧、定期的なバージョンアップ版の提供が行われます。
- 保守サービスの契約は必須ですか?また更新費用はいくらですか?
- 保守サービスは「CADEWA Smart 保守サービス」が1ライセンスあたり年額60,000円(税別)、「ダクト製作オプション保守サービス」が年額20,000円(税別)と公表されています。契約期間中の最新バージョンアップ版の提供や専門サポートを受けるために加入が推奨されています。
- 従来のUSBプロテクタ(ドングル)からライセンス方式は変わりましたか?
- はい、CADEWA SmartではWeb認証方式へ移行しています。インターネット経由でライセンスの取得・返却を行う仕組みとなっており、認証後は最長30日間のオフライン稼働に対応しています。
- Revitとのデータ連携には専用の変換プラグインが必要ですか?
- CADEWA SmartはAutodesk Revitのネイティブファイル形式(.rvt)の直接読み込み・書き出しに対応しており、外部の中間ファイルを介さずにダイレクトなデータ連携が可能です。
参照・出典
- CADEWA.com(株式会社四電工 公式製品サイト)
- 株式会社四電工 コーポレートサイト
- スパイダープラス株式会社
- 株式会社大塚商会
- BIM/CIMとは?原則義務化の運用ルールと実務での導入メリット・導入ステップを解説 | ConShift
- CAD(Computer Aided Design)入門|2D・3Dの違いからBIM連携・ソフト選定まで解説 | ConShift
- 施工図とは?設計図との違いや手戻りを防ぐ書き方・BIM活用法を解説 | ConShift
- BIM確認申請とは?2026年運用の図面審査と2029年モデル審査のロードマップを解説 | ConShift
- オートデスク、2026年4月開始のBIM図面審査支援で特設サイト公開!実務定着へ | ConShift