CheXとは?図面・文書の閲覧やメモ共有を高速化する施工管理ツールの特徴と導入効果

図面や現場ドキュメントの閲覧・手書きメモ・写真添付・共有をタブレットで行える施工管理アプリです。最新の図面や資料をオフライン環境でも高速に表示・確認でき、現場と事務所間の情報伝達ロスを削減します。大手ゼネコンやサブコンの大型現場で多数の導入実績があります。

公式サイト
https://chex.jp/ ↗
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
ゼネコン サブコン・専門工事業者 建築

CheXとは?

CheX(チェクロス)は、株式会社YSLソリューションが開発・提供する、中大規模建築や設備工事、土木現場向けの図面・文書管理・現場検査特化型施工管理システムです。現場監督や技術者が抱える「大量の紙図面の印刷・持ち歩き」「最新図面の差し替えミス」「現場と事務所の往復移動」「手書き検査記録の転記作業」といった非効率の解消を主目的に設計されています。大容量のPDFやCAD図面をiPadなどのタブレット端末で高速表示し、電波の届かない地下やトンネル内でも完全オフラインで軽快に動作します。直感的な朱書きメモや写真のピン留め連携、新旧図面の重ね合わせ比較、各種検査機能により、現場巡視から帳票作成までの実務工数を大幅に削減します。

主な機能

図面・文書ハンドリング機能

  • 高速レンダリングエンジンと完全オフライン閲覧
    独自開発のデータ変換エンジンにより、数百ページにおよぶ大容量PDFや複雑なCAD図面を数秒でタブレット端末へ最適化して表示します。現場へ持ち出す前に端末内へデータを事前同期・キャッシュするため、電波が遮断される地下街、シールドトンネル、山岳土木などの現場環境でも一切の遅延なく図面の閲覧やページ送りが行えます。
  • 図面差分比較(重ね合わせ表示)
    改訂前後の図面データをクラウド上で解析し、新旧の変更箇所を赤色と青色のレイヤーで視覚的に重ね合わせてハイライト表示します。意匠図・構造図・設備図の設計変更や施工図の差し替え時に目視確認の漏れを防ぎ、旧版図面の誤用によるハツリ作業やコア穿孔のやり直しといった重大な手戻り工事を未然に防止します。
  • 高精度手書き朱書きとピン留め写真連携
    Apple Pencilやスタイラスペンに対応し、図面上への直接的な寸法追記、指示事項のメモ、クラウドマーク記入が紙図面と変わらない操作感で行えます。さらに、図面上の特定位置をタップして撮影箇所のピン留めを行うことで、工事写真と図面座標を自動的に紐付け、写真整理や是正指示の所在確認にかかる工数を削減します。

現場検査・帳票作成機能

  • 電子配筋検査・仕上検査支援
    タブレット画面上に配筋図や仕上表を表示しながら、設計数値と現場の実測値、是正項目をその場で直接入力・記録します。従来の紙の検査シートと野帳をバインダーに挟んで持ち歩くスタイルを排し、検査箇所の通過確認や未検査エリアの可視化をデジタル上で行うことで、現場検査の抜け漏れを抑止します。
  • Excel形式帳票のワンクリック自動出力
    現場でタブレットに入力した検査結果、写真、図面キャプチャ、朱書き指示データを集約し、指定のExcelフォーマットへ自動で転記・出力します。事務所に戻ってから行っていた手書き野帳の清書、デジタルカメラからの写真取り込み、Excelシートへの手作業貼り付け作業がなくなり、内業にかかる残業時間を大幅に短縮します。
  • 指摘・是正管理(タスク指示連携)
    検査時や現場巡視時に発見した施工不具合や安全指摘事項に対し、是正期限と担当協力会社を指定して図面ピン付きで指示を登録できます。是正前後の写真を同一画面上で対比確認できるため、手直し工事の完了確認フローが円滑化し、中間検査や引渡直前の確認負担を軽減します。

プロジェクト管理・セキュリティ基盤

  • 階層型アクセス権限設定
    元請ゼネコン、JV(共同企業体)構成員、設計事務所、設備・電気・躯体等の専門工事業者ごとに、フォルダやファイル単位で厳密な閲覧・編集・出力権限を設定できます。現場外の第三者への情報漏洩を防ぎつつ、協力会社には自工種に関連する最新図面のみを即座に共有する統制環境を構築できます。
  • 版数管理と自動改訂通知
    同一ファイル名で図面を上書き保存するだけで自動的に版数(リビジョン)が管理され、現場端末には常に最新版が表示されます。新しい版が登録された際には担当者へ自動通知が送られるため、協力会社への図面差し替え連絡の手間を省き、現場全体での情報伝達ラグを解消します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

中大規模の建築・土木工事を施工し、施工図の改訂頻度と手戻りリスクが高いゼネコン

  • 施工図の改訂が頻発し、旧版図面での施工による是正工事費が発生している
    新旧図面の差分比較機能を活用することで、改訂箇所の変更点が色分けで即座に判別できます。目視照合の見落としをなくし、ハツリや配管ルート変更といった手戻り工事とそれに伴う追加原価の発生を抑止できます。
  • 現場事務所と施工現場の物理的距離が離れており、確認のための往復移動に時間を奪われている
    端末内に全ての図面や関連書類を同期して持ち歩けるため、最新図面の確認やメモ取りのために事務所へ戻る必要がなくなります。1日あたり数回発生していた往復移動時間が削減され、現場巡回や安全管理の実務に時間を充当できます。

配筋検査や仕上検査など、帳票作成の内業工数が現場監督の残業を圧迫している企業

  • 検査後の野帳転記や写真台帳作成のために、夜間まで事務所でのパソコン作業が常態化している
    現場でタブレットへ入力した検査データと撮影写真から、ボタン一つで指定フォーマットのExcel帳票を自動生成できます。内業処理の工数が大幅に圧縮され、時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間)の遵守に向けた労働時間の適正化につながります。
  • 協力会社との間での指摘事項の共有が口頭やメール、付箋で行われ、是正状況の追跡が漏れやすい
    図面上のピン留めと連動したタスク指示機能により、是正箇所・内容・期限・完了写真が一元管理されます。確認漏れによる手直し工事の長期化を防ぎ、品質管理工程のトレーサビリティを確立できます。

向いていない企業・現場

住宅リフォームや小規模工事が中心で、顧客管理から受発注・請求までを一元化したい企業

  • 工事台帳、見積作成、受発注、顧客管理までを単一のシステムで完結させたい
    CheXは図面閲覧・指示出し・現場検査に特化したツールであり、ERPや原価管理、顧客管理、受発注ワークフローなどの事務機能は備えていません。1件あたりの工期が短く、バックオフィス業務の一括管理を優先したい工務店やリフォーム事業者は、ANDPADやKANNAのような統合型施工管理SaaSを検討する方が適合します。

紙図面が数枚程度で完結し、CAD図面や複雑な検査帳票の電子化を必要としない現場

  • 図面枚数が少なく、チャットと写真共有だけで現場連絡が完結している
    数百枚規模の大容量図面ハンドリングや新旧重ね合わせ、電子配筋検査を必要としない小規模現場では、CheXの高機能な図面管理を持て余す可能性があります。手軽な写真整理やコミュニケーション円滑化を最優先とする場合は、よりライトな連絡特化型アプリや写真特化型ツールの単体利用が適しています。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
CheX 大容量図面の高速描画・完全オフライン動作・図面差分比較・電子検査帳票出力に特化 要問い合わせ(初期費用+月額利用料) 中〜大規模建築・土木、設備工事、図面改訂が多く検査帳票の多いゼネコン・サブコン
SPIDERPLUS 設備工事・検査帳票に強み。風量測定器などの各種計測機器とBluetooth連携が可能 要問い合わせ(基本料金+ID課金+オプション) 空調・衛生・電気などの設備工事会社、検査機器連携を重視する専門工事業者
Photoruction 工事写真・図面・工程・タスク管理を網羅。建設特化AIによる写真整理やBPO代行が充実 要問い合わせ(月額課金・機能別プラン) 工事写真の自動整理・電子黒板活用や、書類作成代行サービスを利用したい現場
ANDPAD 営業・見積・工程管理・受発注・写真・図面・報告書まで建設業務全体を一気通貫で管理 要問い合わせ(初期費用+月額固定+ユーザー規模) 戸建て住宅、リフォーム、中小規模ゼネコンなど、経営・受発注から一元管理したい企業

現場への導入ツールを選定する際は、自社の工事規模とボトルネックとなっている業務領域を明確に切り分ける必要があります。施工図の枚数が膨大で改訂頻度が高く、地下や鉄骨造などの電波が届きにくい環境下でストレスのない図面閲覧・朱書き指示・新旧図面比較を行いたい場合や、配筋・仕上検査のExcel帳票作成を効率化したい現場では、CheXのハンドリング性能が適した選択肢となります。

一方、風量測定器や照度計、温度計などの計測機器とタブレットをBluetoothで直接連動させて計測記録を自動集約したい設備工事が主体の現場では、計測機器連携の実績が豊富なSPIDERPLUSが比較対象となります。また、写真整理作業のAI自動化や外部スタッフへのBPO(データ作成代行)を組み合わせたい現場にはPhotoructionが、受発注や請求管理、工程管理を含めて会社全体の業務フローを標準化したい場合にはANDPADが適しています。

料金・プラン

CheXの利用料金は、初期導入費用と月額利用料で構成されるSaaSモデルですが、契約規模や利用ライセンス数に応じた個別見積もりとなっており、公式Webサイト上では金額は公開されていません(要問い合わせ)。

導入を検討する際の見積もり確認ポイントは以下の通りです。

  • ライセンスの課金体系
    利用する現場のプロジェクト数ごとに課金される形態か、あるいは操作する現場監督・協力会社のユーザーアカウント(ID)数に基づく課金形態かを確認します。
  • クラウドストレージ容量とオプション構成
    扱う図面・書類データの大容量化に伴う追加ストレージ費用の有無や、電子検査機能・新旧図面比較機能などのオプション機能が含まれるプラン体系であるかを確認します。
  • 最低契約期間と解約条件
    特定現場の工期に合わせたスポット契約(短期利用)が可能か、年単位の年間契約が前提となるかを確認します。

導入事例・実績

CheXは、国内の大手ゼネコン、準大手ゼネコン、大手総合設備サブコンをはじめとする多くの建設プロジェクトで導入されています。公式サイト等で公開されている主な導入実績および効果は以下の通りです。

  • 株式会社三晃空調
    空調・衛生設備工事の現場管理においてCheXを導入。従来は大型の紙図面を現場事務所から現場内へ何十枚も持ち運んでいた負担を解消し、図面改訂時の差し替え作業や確認連絡の工数を大幅に短縮しています。
  • 三機工業株式会社
    総合エンジニアリング事業における現場施工管理の高度化を目的にCheXを活用。新旧図面の重ね合わせ比較による干渉チェックや、現場検査時の指摘管理の一元化によって、手戻り防止と品質管理の均一化を推進しています。

国土交通省NETIS登録と公共工事での活用効果

CheXは、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS(New Technology Information System)」に登録されています(NETIS登録番号:KT-160124-VE)。NETISにおいて「VE(実施工等における活用効果調査の結果、従来技術より優れていると評価された技術)」の評価区分を得ており、公共工事における信頼性の客観的指標となっています。

公共土木工事や公共建築工事においてNETIS登録技術であるCheXを採用・活用することで、工事成績評定や総合評価落札方式の入札における技術提案時において加点評価の対象となります。元請施工者にとっては、現場の図面管理や検査帳票作成の省力化という実務上のメリットにとどまらず、公共工事の受注競争力強化や成績向上に直結する公的な導入価値を有しています。

現場向けセキュリティ対策とアクセス管理体制

建設プロジェクトでは、機密性の高い意匠図・構造図・設備図や未公表の商業施設情報、施主情報などを社内外の多数の関係者で共有するため、強固な情報セキュリティが求められます。CheXではエンタープライズ利用を想定した多重のセキュリティ仕様が組み込まれています。

  • 端末紛失対策とリモートアクセス制限
    万が一、現場内外でタブレット端末を紛失・盗難された場合でも、管理者Webコンソールから該当端末のアクセス権限を即時に遮断・無効化できます。端末内に保存された一時キャッシュデータへの暗号化保護とあわせ、現場外への図面流出を防ぎます。
  • IPアドレス制限・端末個体識別(MACアドレス・UDID等)
    現場事務所の固定回線や会社支給の指定端末からのみアクセスを許可する接続元制限を設定可能です。私用端末(BYOD)からの無断アクセスや社外からの不正ログインを防止し、JV工事や複数の協力業者が混在する大型プロジェクトでも安全なデータ共有基盤を提供します。

導入前に知っておきたいこと

CheXを検討するにあたり、ユーザー評価や運用上の留意点として以下の点が挙げられます。

  • 導入初期における協力会社や年配現場監督への定着フォロー
    紙図面への手書き運用に慣れている年配の技術者や職人層からは、タブレット端末のタッチ操作や階層フォルダからの図面呼び出しに対する抵抗感が示されるケースがあります。運用開始当初は基本的な操作マニュアルの配布や社内講習会の開催、シンプルな操作に絞ったスモールスタートなどの定着支援策を講じる必要があります。
  • 大容量オフライン同期に必要な事前準備と通信環境
    電波圏外の地下現場等でも高速動作する利点がある一方、現場へ持ち出す前(朝の事務所等)に最新図面や大容量ドキュメントを端末側へダウンロード・同期しておく運用ルールが求められます。現場事務所のWi-Fi通信環境が脆弱な場合、朝のデータ一斉ダウンロード時に待ち時間が発生することがあるため、事務所ネットワークの帯域確保が重要です。
  • 端末(iPad等)のハードウェア調達・維持管理コスト
    CheXの機能を現場で十全に引き出すためには、十分なストレージ容量とApple Pencil等のペン入力に対応したタブレット端末を必要台数分確保する必要があります。ソフトウェアの月額ライセンス費用に加えて、防塵・耐衝撃ケースの用意、端末自体の調達・減価償却費、バッテリー管理といったハードウェア運用コストをあらかじめ試算しておく必要があります。

導入の流れ・期間

CheXの導入は、概ね以下のようなプロセスで進められます。具体的な導入所要期間は現場の規模やライセンス数、運用要件によって異なるため、事前の問い合わせ・相談が必要です。

  1. 問い合わせ・ヒアリング
    公式サイトの問い合わせフォーム等から申し込みを行い、自社の工事種別(建築・土木・設備等)、現場規模、現在の課題(図面管理、検査帳票、手戻り是正など)についてヒアリングを受けます。
  2. デモンストレーション・無料トライアル
    実際の操作画面を用いたデモの閲覧や、テスト端末を用いたトライアル環境の提供を受けます。実際の現場で扱う図面データを取り込み、表示速度や描画の追従性、オフライン環境での挙動、現場監督や職人にとっての操作性を検証します。
  3. プラン提案・見積もり・契約
    利用現場数、想定利用ユーザー数、必要なオプション機能(検査機能等)をもとに見積もりが提示され、契約を締結します。
  4. 環境構築・権限初期設定
    自社組織や現場プロジェクトに応じたフォルダ構造の作成、元請・協力会社のアクセス権限グループの設定、帳票テンプレート(Excelフォーマット)の登録作業を行います。
  5. 運用開始・教育
    現場担当者や関係協力会社への説明・操作講習を実施し、現場での本格運用を開始します。導入後もベンダーによるサポート窓口を活用しながら定着を進めます。

よくある質問(FAQ)

タブレット以外にスマートフォンやパソコンでも利用できますか?
パソコン(Windows / Mac)のWebブラウザ環境から図面のアップロード、権限管理、指摘事項の確認や帳票出力が行えます。現場での閲覧・朱書き・検査作業はiPadをはじめとするタブレット端末での運用が主流ですが、一部の閲覧・確認機能はスマートフォン端末からも利用可能です。推奨動作環境の詳細はベンダーへご確認ください。
電波が一切届かない地下街やシールドトンネル内でも使えますか?
はい、利用可能です。CheXはあらかじめ事務所などの通信環境下で端末内に図面データをキャッシュ(同期保存)しておくことで、現場内が完全な圏外環境であっても図面の高速表示、拡大・縮小、手書き朱書き、写真撮影・紐付け機能が利用できます。通信圏内に戻った際にクラウドへ変更データが自動同期されます。
導入前に無料トライアルで実際の図面表示を試すことはできますか?
はい、実機での操作感や描画速度を検証できるトライアル環境が用意されています。自社が扱う大容量の意匠図・施工図・PDFデータを取り込み、現場環境での表示スピードや使い勝手を確認したうえで契約を判断することができます。
協力会社(職人・サブコン)にもライセンスを発行して共有できますか?
可能です。元請会社だけでなく、現場に関わる専門工事業者や設計事務所のアカウントを発行し、指定したフォルダや図面のみを閲覧・追記できるように細かくアクセス権限を設定できます。部外者への情報遮断と協力会社間の情報共有を両立した運用が可能です。
サポート体制はどのようになっていますか?
導入時の初期設定支援や操作レクチャーのほか、導入後も電話やメールによる問い合わせサポート窓口が提供されています。運用開始後の不明点やトラブル時にもサポート体制が整えられています。
解約条件や最低利用期間は定められていますか?
契約形態(年間契約や現場工期単位のスポット契約など)によって条件が異なります。具体的な契約期間、中途解約時の規定、プロジェクト完了時のデータ保管方法については、見積もり取得時に担当窓口へご確認ください。

参照・出典

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