CONTRACTHUB@absonneとは?
CONTRACTHUB@absonne(コントラクトハブ アット アブソンヌ)は、日鉄ソリューションズ株式会社が提供する、ゼネコンやサブコンをはじめとする大企業・グループ企業向けの電子取引・契約サービスです。建設業界特有の親案件に複数小案件が連なる階層構造や、追加・変更契約、注文書・注文請書、さらには検収書兼請求書(出来高請求書)に至る一連の商流文書をデジタル化し、基幹システム連携と厳格なコンプライアンス管理を両立させます。
主な機能
契約・取引文書の処理機能
- 5段階の署名タイプ切り替え
非署名、電子捺印、事業者署名(1認証)、事業者署名(2要素認証)、当事者署名の5種類から、文書の重要度や取引リスクに応じて署名レベルを選択・併用できます。これにより、法的証拠力を重視する重要契約から日常的な発注帳票まで、同一基盤上で柔軟に使い分けることが可能です。 - 最長10年の長期検証タイムスタンプ
アマノ社製のタイムスタンプ付与および検証機能を標準で備えています。契約文書や取引データの改ざん防止措置を担保し、電子帳簿保存法や関連法規が求める長期にわたる法的有効性を維持します。 - 取引帳票の一気通貫送受信
見積書、注文書、注文請書、納品書、検収書兼請求書(出来高請求書)、工事図面、作業報告書など、契約書にとどまらない取引文書全般をカバーします。現場や購買部門で発生する受発注業務を網羅的に電子化し、紙の郵送や回収業務を削減します。 - 多階層承認・取消・改定管理
大企業の決裁権限規程に合わせた多段階の社内承認フローを構築できます。締結前の文書取消や取引先からの改定依頼にもシステム上で対応できるほか、未処理案件に対する督促メールの自動送信機能により、契約締結や承認の遅延を防ぎます。
基幹連携・運用管理機能
- 基幹システム自動連携
購買、販売、会計、ERP等の既存システムから抽出したPDFやCSVファイルを、自動転送ツール等を介してスムーズに連携させます。手作業によるデータ再入力を排除し、全社的な基幹データと契約・発注情報の整合性を確保します。 - マルチデバイス・Webブラウザ対応
PCだけでなく、タブレットやスマートフォンのWebブラウザから場所を選ばずにアクセスできます。専用ソフトウェアのインストールは不要で、無償のAdobe Reader環境下で文書の閲覧・確認が可能です。 - 多言語(英語)切り替え
操作画面メニューや取引先向けの通知メールを英語表示へ切り替える機能を備えています。海外企業や外国人関係者が関与するプロジェクトにおいても、円滑な電子取引環境を整備できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
重層下請構造の中で追加・変更契約や出来高請求が頻発する大手建設会社
- 親工事に多数の工種・追加変更が紐づく契約管理の煩雑化
CONTRACTHUB@absonneは親案件に複数の子案件がぶら下がる階層構造管理に標準対応しています。工事途中の設計変更や増減額に伴う変更契約書・覚書を親工事に関連付けて一元管理でき、契約漏れや突き合わせ確認の工数を大幅に圧縮します。 - 協力会社ごとの出来高確認と請求書回収の手作業負担
発注元が作成する「検収明細書兼出来高請求書」に対して取引先が電子上で確認・署名を行うフローに対応しています。紙の請求書の郵送待ちや検収データとの照合作業をなくし、締め支払い業務を迅速化できます。 - 取引先ごとのITリテラシーに応じた署名運用の限界
法的リスクや文書の性質に合わせて非署名から当事者署名まで5つの方式を文書単位で選択できます。数百社に及ぶ協力会社に対して一律の厳格認証を強制せず、取引重要度に応じた柔軟な運用を展開できます。
基幹ERPと連動させて年間数万件規模の発注書・請書を処理する大企業
- ERPからの帳票出力と手作業での押印・郵送によるリードタイムの長期化
基幹システムから出力されるPDFやCSVを自動連携ツールで直接取り込み、電子発行・送付を自動化できます。着工前の確実な注文書・請書交付が求められる建設業法第19条への適合を確実なものとし、事務工数を削減します。 - 大量の取引文書送受信に伴う取引先側の費用負担トラブル
CONTRACTHUB@absonneは発注元企業(サービスオーナー)への一括課金モデルを採用しており、協力会社側の利用料は無料です。取引先への金銭的負担を発生させないため、サプライチェーン全体への電子化同意の取り付けを円滑に進められます。
向いていない企業・現場
月間の契約・帳票件数が少なく、初期コストを抑えてスモールスタートしたい中小企業
- 初期費用や月額固定費の回収困難
エンタープライズ規模の運用と基幹連携を前提としたアーキテクチャを採用しているため、月額基本料や初期導入費用が個別見積もりとなります。月間の契約締結数が数十件程度の中小工務店や専門工事業者の場合、月額固定費の負担が費用対効果に見合わない可能性が高いため、定額制のクラウド型電子契約サービスの利用を検討した方が合理的です。
類似ツールとの比較
一般的なクラウド電子契約サービスは、立会人型(事業者署名型)または当事者型のどちらか一方に特化しているケースが多く、文書の種類を問わず一律の署名料や送信料が設定されている傾向があります。これに対しCONTRACTHUB@absonneは、法的証拠力を最優先する本契約には当事者署名(200円/文書)、日常的な注文請書や検収書には電子捺印(50円/文書)や非署名(20円/文書)といった形で、リスクとコストのバランスを考慮して5段階の方式を1つのプラットフォーム上で使い分けられる点が特徴です。
また、建設業界の受発注実務に特化した案件階層管理や「検収明細書兼出来高請求書」の合意フローを標準で備えている点も、汎用的な電子契約サービスとの差別化要素となっています。株式会社アイ・ティ・アール(ITR)の市場調査レポート「ITR Market View: ECサイト構築/CMS/SMS送信サービス/電子請求書サービス/電子契約サービス市場2025」によると、CONTRACTHUB@absonneは従業員規模1,000名以上の企業における電子契約サービス市場で売上金額シェア9年連続No.1(2017年度〜2025年度予測を含む)を獲得しており、大規模な基幹連携や個別要件への適合実績において独自のポジションを確立しています。
料金・プラン
利用料は発注元企業(サービスオーナー)への一括課金体系となっており、取引先企業は初期費用・月額費用・利用料ともに無料で利用できます。初期費用および月額基本料は個別見積もり(要問い合わせ)となっており、登録する文書ごとに以下の文書登録料(税抜)が発生します。
| 署名タイプ | 文書登録料(1文書あたり・税抜) | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|
| 非署名 | 20円 | 通知書、一般的な連絡文書、閲覧確認のみを目的とする帳票 |
| 電子捺印 | 50円 | 社内認印レベルの確認文書、簡易な受発注関連帳票 |
| 事業者署名(1認証のみ) | 100円 | 一般的な事業者署名型(立会人型)の取引合意 |
| 事業者署名(2要素認証) | 150円 | セキュリティ強度を高めた事業者署名型の契約締結 |
| 当事者署名 | 200円 | 電子証明書を用いた本人署名。法的リスクの高い重要契約 |
導入事例・実績
高砂熱学工業株式会社
空調設備工事大手の高砂熱学工業株式会社では、全国の協力会社に対する工事発注および請求業務の効率化を目的としてCONTRACTHUBを導入しました。サプライチェーンを巻き込んだ運用の定着化を進めた結果、工事発注業務の約95%を電子化することに成功しています。
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の建設工事部では、1案件あたり数百ページから数千ページ規模に及ぶ大規模な建設工事の契約書類、および関連文書の処理基盤としてCONTRACTHUBを採用しました。膨大な紙文書のデジタル化により、契約締結までのリードタイム短縮と文書管理の厳格化を達成しています。
日鉄ソリューションズ株式会社(自社導入)
日鉄ソリューションズ株式会社自身の調達部門における実績として、グループ外企業を含む約500社の取引先との電子取引にCONTRACTHUBを導入しています。発注金額ベースで99.9%の電子化を達成し、紙文書に伴う印紙税の大幅な削減と調達プロセスの可視化を実現しています。
法令対応と企業間コンプライアンス支援
CONTRACTHUB@absonneは、建設業法、電子署名法、電子帳簿保存法といった複数の法的要件を網羅する設計が施されています。改正建設業法において強く要請される着工前の電磁的措置(電子契約)への適合や、電子帳簿保存法の「取引年月日・金額・取引先」による検索要件、訂正削除履歴の確保要件に対応しています。
システム面での機能提供にとどまらず、弁護士・税理士・コンサルタントの知見を活かした導入支援体制が敷かれている点も特徴です。電子化に伴う法令適合性の確認、所轄国税局への確認手続き支援のほか、取引先へ提示する電子取引承諾書の雛形や協力会社向け説明資料の提供など、法務・税務リスクを低減させながらサプライチェーン全体を電子化へ導く体制が整えられています。
導入前に知っておきたいこと
導入を検討する上で留意すべき点として、まずコスト構造が挙げられます。大企業向けの基幹連携や個別要件定義を前提としているため、初期導入費用や月額固定費用がエンタープライズ規模の設定となっており、小規模事業者が手軽に導入できる価格感ではありません。契約件数や発注帳票の件数が月間数千件から数万件規模に達する場合、従量の文書登録料が積み重なるため、事前に年間の帳票発行量を精緻に試算しておく必要があります。
また、自社の購買管理・会計ERPとの高度な自動連携や画面インターフェースの個別カスタマイズを実施する場合、パッケージの標準機能のみを利用する場合と比較して要件定義・結合テストの工数が増大し、開発費用および構築期間が長期化する点にも留意が必要です。
導入の流れ・期間
一般的な導入プロセスは以下のステップで進められます。具体的な導入期間や構築スケジュールは、基幹連携の有無やカスタマイズ範囲によって異なるため、要問い合わせとなります。
- 問い合わせ・ヒアリング
自社の発注業務フロー、対象帳票、基幹システムとの連携要件、取引先企業数などをベンダーへ共有します。 - デモ確認・要件検討
画面操作性や管理機能のデモンストレーションを確認し、業務適合性や署名方式の選定を行います。 - 見積もり・契約
基幹連携ツール、カスタマイズの有無、想定文書流通量に応じた初期費用・月額費用・文書登録料の見積もり提示を受け、契約を締結します。 - システム構築・連携テスト
画面設定や基幹システムとのデータ連携インターフェースを構築し、結合テストを実施します。 - 社内教育・取引先説明会支援
社内向けのマニュアル展開に加え、提供元による支援を受けながら協力会社向けの説明会や電子化同意の取得を進めます。 - 本番稼働
特定部門や特定取引先からの先行稼働、あるいは一斉切り替えにより実運用を開始します。
よくある質問(FAQ)
- 取引先(協力会社)側にも利用料金やソフトウェアの購入費用は発生しますか?
- 発生しません。費用はすべて発注元企業(サービスオーナー)への一括課金となるため、取引先側は初期費用・月額費用・取引手数料を含め完全無料で利用できます。
- スマートフォンやタブレットからも契約締結や承認作業は行えますか?
- 行えます。専用アプリのインストールは不要で、スマートデバイスに搭載された標準的なWebブラウザから文書の確認や承認・署名手続きが可能です。
- 無料トライアルやデモ環境の提供はありますか?
- 公式サイト上で無償トライアルの定常的な申込み枠は公開されていません。導入検討時のデモ実演や機能確認の可否については個別の問い合わせが必要です。
- 契約期間や途中解約に関する条件は公開されていますか?
- 最低契約期間や解約条件に関する一律の規定は公開されていません。基幹連携の構築内容や個別契約条件によって異なるため、見積もり時にベンダーへ確認する必要があります。
- 協力会社への操作説明や電子化の同意取得は自社だけで行う必要がありますか?
- ベンダーによる導入支援メニューが用意されています。取引先向け説明会の開催支援や、利用案内資料・同意確認書の雛形提供などを受けることが可能です。