DRA-CADとは?
DRA-CAD(ドラキャド)は、株式会社構造システムが開発・提供する純国産の建築設計・製図CADソフトウェアです。設計事務所や中小工務店、ゼネコンなどの建築実務者が直面する「AutoCADやJw_cadなど複数CAD間でのデータ変換ロス」や「日本の建築基準法・納まりに即した図面作成の手間」という課題を解決します。直感的なマウスドラッグ操作と高速な表示レスポンスを備え、企画・基本設計から確認申請、仮設・躯体施工図、木造納まり検討までを1つの環境でカバーする汎用性と専門性を兼ね備えています。
主な機能
DRA-CADは、2次元製図機能と3次元モデリング機能を兼ね備え、日本の建築法規への適合確認や構造計算連携など、国産ソフトならではの実務特化型機能を多数標準搭載しています。
製図・3次元モデリング・プレゼンテーション機能
- 2次元製図・寸法連動機能
建築図面に特化した線分・円弧・包絡処理や、ミリ単位の詳細な寸法配置を高速に行えます。変更時に関連寸法線やハッチングが自動追従するため、施工図や詳細図における修正の手戻りを抑えられます。 - 3次元モデリングとパース・CGレンダリング
2次元図面の情報からワイヤーフレームやサーフェスモデルを立ち上げ、隠線除去やウォークスルー表示が可能です。複雑な空間構成の視覚的な確認や、施主・関係者向けプレゼンテーション資料の作成を専用のレンダリングソフトを介さずに行えます。
建築法規・木造住宅設計機能
- 木造壁量計算・四分割法・N値計算
平面図上に配置された耐力壁や柱の仕様をもとに、建築基準法に基づく木造住宅の壁量計算やバランス確認(四分割法)、柱頭・柱脚の接合金物を選定するためのN値計算を自動実行します。構造安全性の事前検証を設計初期から図面連動で進められます。 - 日影計算・天空率計算
計画建築物の形状と敷地境界線から、用途地域に応じた測定面での日影時間や斜線制限の緩和に用いる天空率計算を行えます。行政庁や指定確認検査機関への建築確認申請に必要な求積図・計算図表の作成時間を短縮できます。 - 省エネ基準・断熱仕様対応の壁作図
断熱材の厚みや外壁・内壁の多層構成を反映した壁体を一括で描画できます。近年の断熱等級引き上げに伴う外壁厚の増加や納まり寸法を正確に反映し、平面詳細図や矩計図の整合性を確保します。
外部データ互換・構造連携機能
- マルチCAD・マルチフォーマットデータ変換
Jw_cad(JWW)、AutoCAD(DWG/DXF)、公共建築・土木で指定されるSXF(SFC/P21)、さらにPDF(ベクターデータ)の読み込み・書き出しに対応します。異なるCADを使用する元請け・設計事務所・専門工事業者の間でも、図形やレイヤーの欠損を抑えてスムーズに受け渡しができます。 - 構造計算データ(ST-Bridge・構造モデラー)連携
一貫構造計算ソフト「構造モデラー+NBUS7」や構造データ標準フォーマット「ST-Bridge」からモデル情報を取り込み、伏図・軸組図・部材断面リストを自動生成できます。構造計算結果から躯体施工図の原図を起こす際の入力作業を大幅に削減します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
元請けや協力業者ごとにJw_cad・AutoCAD・PDFが混在し、図面調整に追われる設計事務所・工務店
- 外部から届く図面形式がバラバラで変換・線分整理に時間がかかる
DRA-CADはJWW、DWG/DXF、SXF、PDF(ベクター)との相互変換に対応しており、外部図面を直接読み込んで編集作業に入ることができます。ファイル形式ごとの変換エラーや微修正作業の工数を削減し、作図業務そのものに集中できる環境を整えます。 - Jw_cad特有の操作に慣れたオペレーターと汎用CAD利用者が社内に混在している
Jw_cadの両ボタンドラッグをはじめとするマウス操作体系へのカスタマイズが可能なため、操作性の違いによる作図スピードの低下を防げます。異なるCAD歴を持つ担当者同士でも無理なく操作環境を統一できます。
木造住宅からRC・S造まで手掛け、基本設計と構造・法規検討を少人数で完結させたいアトリエ・地域ゼネコン
- 法規計算や木造金物選定のたびに別ソフトを立ち上げて二重入力している
同一ソフト内で日影・天空率の計算や木造壁量・四分割法・N値計算が完結するため、設計変更が生じた際も図面修正と同時に法規・構造の安全性を再確認できます。専用ソフト間の転記ミスや確認漏れのリスクを低減します。 - 意匠設計から構造図・躯体施工図への展開で入力の重複が発生している
構造計算ソフト「構造モデラー+NBUS7」やST-Bridgeの出力データを読み込み、構造伏図や軸組図、部材リストを自動生成する機能を備えているため、構造計算結果をゼロから図面化する手間を省き、施工図作成の初動を迅速化できます。
向いていない企業・現場
完全クラウド・ブラウザベースでの共同編集やMac環境での運用を前提とする組織
- 全社でMac端末やChromebookを標準機として導入している
DRA-CADはWindows専用(64bit版)のオンプレミス型ソフトウェアであり、macOSやChromeOSにはネイティブ対応していません。全社インフラが非Windows環境で統一されている企業には適さず、Webブラウザ型CADやMac対応CADの検討が必要です。 - テレワーク中心でライセンスを仮想環境や複数拠点で流動的に共有したい
シングルライセンス認証(アクティベーション方式)を採用しており、仮想マシン上での起動には対応していません。クラウド経由で場所を問わず複数人が同一図面をリアルタイムに同時編集する運用を主目的とする場合は、クラウドネイティブなCADやBIMシステムの採用が適しています。
類似ツールとの比較
同カテゴリの代表的なCADツールであるAutoCADやJw_cadと比較した場合、DRA-CADには以下のような設計思想および機能の違いがあります。
AutoCADとの比較:
AutoCADは製造業から土木まで世界中で広く使われるコマンド入力主体の汎用CADです。一方、DRA-CADは日本の建築設計・施工実務に特化して開発されています。日影計算や天空率計算、木造壁量計算といった日本の法規機能があらかじめ組み込まれており、マウスドラッグ中心の直感的な操作性を持つため、複雑なコマンド入力やカスタマイズを行わなくても導入直後から建築実務の図面を作成できます。
Jw_cadとの比較:
Jw_cadは国内の建築分野で広く普及しているフリーソフトであり、多くの工務店や専門工事業者の標準ツールとなっています。DRA-CADはJw_cadの操作体系(両ボタンドラッグ操作など)をエミュレートできる柔軟性を備えつつ、Jw_cad単体では扱えない3次元モデリング、PDF図面のベクターCAD変換、自社構造計算ソフト(構造モデラー+NBUS7)やST-Bridgeとの連動図面生成、メーカーによる定期アップデートと公式サポート窓口を提供しています。
料金・プラン
DRA-CADはオンプレミス型の買い切り(パッケージ)ライセンスを基本としており、利用形態に合わせて2次元・3次元両対応版と2次元製図専用版を選択できます。また、短期間のスポット利用に適したレンタル版や、年次保守サービスが用意されています。
| プラン・製品名 | ライセンス形態 | 価格(税込) | 主な特徴・機能範囲 |
|---|---|---|---|
| dracad 2026 | パッケージ版(スタンドアロン / ネットワーク) | 新規 264,000円 | 2次元製図機能に加え、3次元モデリング、パース、日影・天空率・木造壁量計算等の全機能を搭載 |
| dracad LE 2026 | パッケージ版(スタンドアロン / ネットワーク) | 新規 132,000円 | 2次元製図専用。3D機能や専門計算機能を省いた基本製図ライセンス |
| kozoStation レンタル版 | ASPレンタル(7日間) | 8,800円 | 一時的な工期増や外注先での短期利用に対応する短期ライセンス |
| DRA-CADアソシエイト | 年間保守会員制度 | 要問い合わせ | 新バージョンの無償提供、会員専用プログラムの提供、各種セミナー優待等の継続サポート |
※過去バージョンを保有しているユーザー向けには、バージョンアップ価格が個別に設定されています。
導入事例・実績
大手組織設計事務所から地域の設計事務所まで、長年にわたり多様な建築プロジェクトで採用されています。
- 株式会社服部建築事務所(大阪府大阪市 / 総合建築設計事務所)
1,000件以上の設計実績を持つ同社では、意匠設計および図面作成において約25年前からDRA-CADを標準CADとして運用しています。他社CADと比較して「直感的に線を引く感覚で作図ができる操作性」を評価し、図面作成業務の主軸として活用を続けています。 - 株式会社日総建(東京都渋谷区 / 組織設計事務所)
大型物件や官公庁、通信施設などを多数手掛ける同社では、成果物の高い表現適性とシンプルかつ俊敏な作図性能を評価し、作成する設計図面の多くにDRA-CADを採用しています。 - 株式会社小笠原設計(大阪府大阪市 / 建築設計事務所)
官庁・公共建築等の設計を手掛ける同社では、3次元モデルのウォークスルー表示や隠線除去機能を活用してパース図を作成し、建物調査や改修設計の初期検討における視覚的な検証に役立てています。 - 株式会社蔵建築設計事務所(宮城県仙台市 / 構造設計)
パーソナルコンピューターの導入初期から構造設計業務の一環としてDRA-CADを採用し、実務運用を継続しています。
※なお、企業名・導入台数・工数削減率等の定量的数値がすべて公表されている事例は現時点で確認できていません。
動作環境とシステム要件
DRA-CADの導入にあたり、事前に確認しておくべき推奨システム要件は以下の通りです。
| 項目 | 仕様・要件 |
|---|---|
| 対応OS | Microsoft Windows 11(※Windows 11 S、ARM版は対象外。最新バージョンは64bit版のみ提供) |
| 必要ディスク容量 | 1.5GB以上の空き容量 |
| グラフィックス | OpenGLおよびDirectX 9の機能をサポートできるビデオカードとドライバー |
| 必須コンポーネント | Microsoft .NET Framework 4、3.5 |
| ライセンス認証 | シングルライセンス認証(アクティベーション方式/仮想環境での利用は不可) |
導入前に知っておきたいこと
導入を検討する際は、ユーザーレビューや運用現場から報告されている以下の課題・注意点を確認しておくことが推奨されます。
- 外部データ変換時の微調整
PDFやDWGなどの外部CADデータをインポートする際、作成元のデータ構造やフォント設定によっては、文字化けや意図通りのベタ塗り(ハッチング)にならないケースが報告されています。PDFドライバの切り替えや読み込み時のレイヤー調整など、運用に応じた前処理が必要になる場合があります。 - 大規模データの処理負荷とスリープ復帰時の挙動
100万本以上の線分を含む大規模図面を扱う場合、処理に時間を要することがあります。また、PCのスリープ復帰時にコマンド操作を受け付けなくなる事象が一部で報告されており、こまめなデータ保存や最新アップデートプログラムの適用が推奨されています。 - バージョン移行に伴う一部機能の変更
過去の32bit版から最新の64bit版への移行に伴い、過去バージョンに搭載されていた一部の簡易コマンド(旧簡単パース機能など)が変更または非搭載となっており、旧バージョンの特定機能に依存した運用を行っている場合は移行前の検証が必要です。
導入の流れ・期間
DRA-CADの導入は、一般的なオンプレミスソフトウェアの調達手順に沿って進行します。
- 情報収集・動作環境確認
公式サイトで機能概要や動作環境を確認し、自社のPC環境(OS、グラフィックス性能等)が要件を満たしているかチェックします。 - 体験版による機能・互換性検証
無償体験版(または30日間体験版など)を利用し、実務で使用するJWWやDWGデータ、PDFデータの変換精度や作図レスポンスを検証します。 - プラン選定・見積もり
2D/3D対応の「dracad」か、2D製図専用の「dracad LE」かを用途に合わせて選択し、直販またはソフトウェア取扱販売店に見積もりを依頼します。 - 発注・ライセンス発行
契約・購入手続き完了後、インストーラーおよびライセンスキー(アクティベーション情報)が納品されます。 - インストール・アクティベーション
対象PCにソフトウェアをインストールし、インターネット経由でライセンスのアクティベーションを実行します。 - 実務運用開始
社内テンプレートやレイヤー設定を整備し、実務運用を開始します。
※DRA-CADの具体的な納期や導入期間については、購入形態(パッケージ配送またはダウンロード提供)や販売店により異なるため、詳細は要問い合わせとなります。
よくある質問(FAQ)
- タブレットやスマートフォンで図面を閲覧・編集できますか?
- モバイル端末専用の作図・編集アプリは提供されていませんが、無償のビューアーアプリ「DRA Viewer」を利用することで、タブレット等のモバイル端末から図面の閲覧を行うことができます。
- 無料トライアルやデモ版は提供されていますか?
- 期間限定で全機能を試用できる体験版が提供されています。購入前に自社の実務データを用いた互換性の確認や操作性の検証が可能です。
- 導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
- 製品サポート期間中は無償でサポートが提供されます。営業時間内に受け付けたメールやFAXでの問い合わせには原則当日中に一次連絡が行われ、内容に応じて電話や遠隔操作による案内も実施されています。また、公式Q&Aデータベースや操作習得スクールも用意されています。
- ネットワークライセンスや複数PCでの共有は可能ですか?
- スタンドアロン版のほかにネットワーク版ライセンスが用意されています。ただし、シングルライセンスのアクティベーションは仮想環境上では実行できない仕様となっているため、動作環境の事前確認が必要です。
- サブスクリプション(月額課金)方式での契約はできますか?
- 基本はパッケージ購入(買い切り)となりますが、Webサービス「kozoStation」を通じて7日間の短期間から利用できるレンタル版が提供されています。短期プロジェクトや外注時のスポット利用に適しています。
- 建築基準法の法改正に対応したアップデートは提供されますか?
- 省エネ基準の強化や構造計算関連の法改正、新OSへの対応については、定期的な新バージョンリリースや年間保守制度「DRA-CADアソシエイト」を通じて機能強化・対応版が提供されています。