GenVitalとは?ウェアラブルとWBGTで熱中症リスクを可視化する体調管理ツールの特徴

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株式会社大林組と共同開発された建設現場作業員向けの体調管理・熱中症対策ソリューションです。ウェアラブル端末で計測した心拍数・位置情報と現場の暑さ指数(WBGT)を独自判定アルゴリズムで解析し、熱中症リスクを4段階で可視化・通知します。NETIS登録(KT-240128-A)済みで、大規模土木・建築現場で数千人規模の運用実績があります。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
ゼネコン 土木 建築

GenVitalとは?

GenVitalは、株式会社GRIFFYが株式会社大林組と共同開発した、建設現場作業員向けの体調管理・熱中症予防ソリューションです。作業員が装着するウェアラブル端末から取得した生体データや位置情報と、気象データを複合解析し、作業員ごとの熱中症リスクや異常状態をリアルタイムに可視化・通知します。広大な現場や地下空間を抱えるゼネコン・土木・建築分野において、巡回や目視による健康観察の限界、過酷な酷暑環境下での作業員管理という重層下請現場特有の課題を解決します。

主な機能

GenVitalは、生体データと外部環境データをリアルタイムに統合解析する判定基盤と、過酷な建設現場での運用負担を抑える現場志向のデバイス・クラウド機能を備えています。現場で確認された主要機能は、大きく3つの領域に分類されます。

生体・環境複合モニタリング機能

  • 4段階のリアルタイム体調判定・警報通知
    心拍数、位置情報、暑さ指数(WBGT)を組み合わせた独自アルゴリズムにより、作業員の状態を「正常」「注意」「警戒」「危険」の4段階で判定します。「注意」以上の負荷状態が24時間以内に累積1時間に達した際は「要緊急対応」として管理画面に明示されるほか、設定閾値を超過した場合には管理者へ作業員氏名と位置情報を含めた警報メールが即座に送信されます。
  • 高頻度の自動バイタル計測とクラウド自動更新
    心拍数を20秒間隔で高頻度に計測し、クラウド管理画面「GRIFFY wear.」上のデータは1分間隔で自動更新されます。短時間で急激に悪化しやすい熱中症の初期兆候を作業員の自覚症状に頼ることなく、現場事務所や安全管理担当者が客観的な数値変動として早期に捉えられます。
  • 1kmメッシュ気象API連携による暑さ指数自動取得
    株式会社ウェザーニューズが提供する「熱中症情報API」とシステム連携し、現場所在地に対応する1kmメッシュの高精度な暑さ指数(WBGT)を自動取得します。現場敷地内に個別の気象センサーや黒球付きWBGT計測器を設置・校正・保守する手間をかけることなく、高精度な屋外環境データを体調判定に組み込めます。

現場安全・緊急救護検知機能

  • 転倒検知およびSOS手動発信
    リストバンド端末に内蔵されたセンサーが作業員の急激な衝撃や転倒動作を検知し、管理者へ位置情報とともに異常を報知します。また、作業員自身が自覚症状を感じたり危険に直面したりした際には、端末の操作によって自発的に救護を求めるSOSアラートを発信できます。
  • 動態監視に基づく「うずくまり検知」
    作業員が一定時間以上その場で動かない状態が継続した場合に、異常発生とみなして位置情報付きのアラートを発信する機能を備えています。単独作業エリアや資材置場の死角、足場奥などで作業員が意識朦朧となって倒れ込んでいるような事態でも、発見の遅れによる重篤化を未然に防止します。
  • 現場チャット「direct」プッシュ通知連携
    現場向けコミュニケーションツール「direct」と連携し、異常検知アラートをチャットグループへ直接プッシュ通知できます。メール確認が遅れがちな巡回中の現場監督や安全衛生責任者に対しても、日常的に使用している連絡網を通じて迅速な救護初動を促します。

安全衛生管理・データ分析機能

  • 工区・図面重畳表示とグループ管理
    現場内の工区や下請企業・職種ごとに作業員をグループ分けして管理できるほか、工事図面をクラウド画面上に重ね合わせて表示できます。広大な現場内でアラートが発生した際も、どの工区のどの位置に該当作業員がいるかを直感的に把握し、最寄りの職長や巡回員へピンポイントで確認指示を出せます。
  • AI体調管理アドバイス・週間レポート生成
    過去2週間分のバイタルデータやアラート発生履歴、身体的負荷量をAIが複合的に比較分析し、作業員ごとの週間レポートを生成します。蓄積された客観データをもとに、特定の作業員に対する疲労蓄積の警告や作業配置の変更といった具体的な安全衛生アドバイスが提示され、朝礼やKY活動での健康指導に直接活用できます。
  • 安全日報・月報のCSVデータ出力
    日々の運用データから、アラート通知回数、1時間あたりの最大心拍数、1時間最大暑さ指数などを抽出した安全日報・月報を作成し、CSV形式でダウンロードできます。元請ゼネコンの安全衛生委員会への報告資料作成や、労働安全衛生規則に基づく労務環境の記録保管業務を大幅に効率化します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

広大な敷地や地下・トンネル・高所など巡回監視の目が届きにくい現場を抱えるゼネコン・土木企業

  • 広大な現場で作業員の異変発見が遅れ、救護の初動が遅延するリスク
    GenVitalはリストバンド単体でLTE-M通信を行うため、中継機や親機を現場各所に敷設する手間なく、全域で作業員の位置とバイタルを把握できます。転倒検知やうずくまり検知により死角での孤立事故を即座に特定でき、迅速な救護活動へつなげられます。
  • 作業員の自己申告や朝礼時の目視確認だけでは隠れ疲労や熱中症予兆を見逃しやすい課題
    心拍数と1kmメッシュWBGTデータを組み合わせた独自ロジックにより、客観的なリスクを4段階で自動評価します。「注意」以上の状態が24時間で累計1時間に達した作業員を抽出して緊急対応を促す仕組みにより、自覚症状が出る前段階で客観的な休養指示を出せます。

多数の協力会社が混在し、夏季の熱中症管理や安全衛生書類作成の工数を削減したい中堅〜大手建設会社

  • 下請作業員へのスマートフォン携行強制や煩雑な機器操作が定着を阻害する懸念
    端末重量約30gのリストバンド型であり、スマートフォンや子機を携帯させる必要が一切ありません。装着するだけで20秒ごとの計測と1分ごとの自動クラウド送信が完結するため、IT機器の操作に不慣れな技能労働者でも負担なく運用を定着させられます。
  • 熱中症対策の記録や安全パトロール報告が手作業で、安全管理者の書類業務が逼迫している実態
    アラート履歴や最大心拍数、最大暑さ指数がクラウド上で集計され、日報・月報形式でCSV出力できます。安全衛生委員会や発注者への提出資料を自動生成できるため、管理者の内業負担を軽減しながら法令遵守体制を強化できます。

向いていない企業・現場

短期間の小規模修繕工事や、数名規模での施工が中心の専門工事会社

  • 数日単位で現場が移動し、管理者が常に作業員全員を目視確認できる小規模環境
    作業員が常時目視の範囲内に収まる小規模現場では、LTE通信型ウェアラブル端末やクラウド管理システムを契約して日々の充電・装着管理を行う運用負荷が、見守り効果を上回る可能性があります。目視管理が容易な現場では、通信機能を持たず単体で警告音を発するシンプルな熱中症計やアラートバンドの方が適しています。
  • 初期費用や機器レンタルコストを抑え、単体完結型の安価な機器で済ませたい意向
    GenVitalは中堅〜大手ゼネコンの大規模現場を想定した高機能SaaSおよびレンタル提供体制(現場ロイド等)をとっており、料金は個別見積もりとなっています。低予算で即座に数台のみを買い切り導入したい事業者の場合は、単機能のウェアラブルデバイスや市販の熱中症計を検討する方が合理的です。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
GenVital 大林組共同開発の4段階判定。LTE-M内蔵リストバンドで中継機・スマホ不要。気象API連携でWBGT現場計測器も不要。うずくまり検知搭載。 要問い合わせ 中継設備設置を避けたい広大現場、大林組基準の運用実績を重視する大手・中堅ゼネコン
熱中対策ウォッチ カナリア 熱ごもりセンサーで深部体温上昇を検知し音・光・振動で本人へ直接通知。通信不要の使い切り型でNETIS「VE評価」取得。 要問い合わせ(機器買い切り型) クラウド監視や通信インフラが不要で、作業員個人への即時アラートのみを低工数で導入したい現場
Work Mate スマートウォッチから取得した脈拍とWBGT環境値をAI解析。個人ごとの体調傾向に合わせた予兆検知、転倒・転落検知に対応。特許技術採用。 要問い合わせ 個人の体質やバイタル傾向に最適化したAI見守りを行いたい現場、手厚い行動変容支援を求める企業
HACARUS KY 作業名入力からAIが過去の災害事例や危険ポイントをイラスト付きで自動提案するKY活動支援アプリ。NETIS登録技術でKY形骸化を防止。 要問い合わせ 体調バイタル管理ではなく、朝礼時のKY活動・危険予知シート作成の形骸化防止や書類作成DXを進めたい現場

生体データを用いた熱中症・労務安全管理ツールを比較選定する際は、「通信インフラの要否」と「管理方式(本人警告のみか、事務所一括遠隔監視か)」が主な分岐点となります。

現場内に通信中継器やWi-Fi設備を立てる余裕がなく、作業員にスマートフォンを持たせることが安全規則上難しい環境では、端末単体でLTE通信を行うGenVitalが有力な候補となります。また、現場敷地内に黒球付きWBGT計を設置・メンテナンスする手間を省き、ウェザーニューズAPIの1kmメッシュ気象データで自動代行できる点もGenVital特有の運用メリットです。

一方で、管理者がクラウド上で常時監視する必要がなく、作業員自身が自覚症状の前に音や振動で気づいて自発的に休憩を取れば十分という現場では、通信機能を持たない「熱中対策ウォッチ カナリア」のような使い切り・自己完結型デバイスが適しています。また、朝礼やKYシート作成業務そのものの属人化・マンネリ化を解消したい場合は、「HACARUS KY」のような危険予知活動に特化したAIアプリケーションとの役割分担を検討する必要があります。

料金・プラン

GenVitalの料金体系は公式サイトおよびカタログ上では公開されておらず、利用台数、契約期間、現場規模に応じた「要問い合わせ」となっています。定額の月額料金表や一律の本体購入価格は一般公開されていません。

導入検討にあたって見積もりを取得する際は、以下の点を確認することが推奨されます。

  • ハードウェアの提供形態
    リストバンド端末が買い取り方式か、あるいは株式会社GRIFFYの「現場ロイド」サービスを通じたレンタル方式かによって、初期費用および工事ごとの原価処理方法が異なります。
  • 月額クラウド利用料と通信費の構成
    クラウド管理システム「GRIFFY wear.」のライセンス費用、LTE-M通信料、ウェザーニューズAPI利用料が端末ごとの月額料金に含まれているかを確認する必要があります。
  • 最低利用期間と台数条件
    夏季限定(3〜4ヶ月間)のスポット利用が可能か、年間契約が基本となるか、また現場単位での最低発注ロット(台数制限)が設定されているかどうかの確認が不可欠です。

導入事例・実績

GenVitalは大手ゼネコンをはじめとする過酷な施工・インフラ現場で導入が進んでおり、大規模な定量実績が公表されています。

株式会社大林組

  • 導入現場・規模
    大林組が施工を担当する全国約60現場において、2024年シーズンに延べ3,000人超の作業員へ導入されました。続く2025年シーズンにおいても約2,500人規模での運用が継続されています。
  • 導入効果
    2024年シーズンにおける体調不良発症率は0.1%(3,000人中3名)に抑制されました。また2025年シーズンにおいても発症率は約0.4%に抑えられています。

山九株式会社

プラント建設や物流・機工現場における作業員の安全確保および労災防止の取り組みとして、GenVitalの導入事例が公式に公開されています。危険度の高い作業環境下における作業員の安全見守りと労務管理体制の強化に活用されています。

全体実績・公的表彰

サービス提供開始からわずか半年で、導入企業数は100社、稼働台数は2,300台を突破しました。さらに、国土交通省が主催する「令和7年度 インフラDX大賞」において、建設現場の安全性向上に寄与する革新的な取り組みとして高く評価され、「スタートアップ奨励賞」を受賞しています。

NETIS登録技術(KT-240128-A)としての公的評価と総合評価方式での利点

GenVitalは、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されています(NETIS登録番号:KT-240128-A)。新技術としての登録は、システムの実用性と現場への有用性が公的に認められていることを示しています。

公共工事の入札においてNETIS登録技術の活用を提案した場合、総合評価落札方式における技術提案書(施工計画)の加点対象となります。また、工事完了後の工事成績評定においても技術活用による創意工夫として加点評価が期待できるため、元請企業にとっては現場の安全衛生水準を引き上げると同時に、将来的な公共工事の受注競争力を高める実務上のメリットが得られます。

現場ロイド提供基盤と中継器不要設計による導入障壁の低減

多くのバイタル管理システムでは、現場事務所や足場上にBluetooth親機・Wi-Fi中継ルーターを配置したり、作業員一人ひとりに専用スマートフォンを携帯させたりする必要がありました。これは通信配線の敷設コストや、粉じん・落下によるスマホ破損リスクを生む原因となっていました。

GenVital(GenVital LTE)は、リストバンド端末自体に省電力広域通信規格である「LTE-M」を内蔵しています。端末単体でクラウドと直接通信するため、現場内の中継ゲートウェイ設置や電波調査が一切不要です。さらに、GRIFFYが展開する建設DXレンタルサービス「現場ロイド」の基盤を通じて提供されるため、工事期間中だけ必要な台数を手配し、現場完了時に返却する柔軟な資産管理・原価処理が可能です。

導入前に知っておきたいこと

現場導入を円滑に進めるため、事前に把握しておくべき技術仕様および運用上の留意点が公表されています。

  • 非医療機器としての位置づけ
    GenVitalは労務安全管理を目的とした機器・システムであり、薬機法上の医療機器ではありません。熱中症や疾患を直接診断・治療・完全予防するものではないため、最終的な作業可否や体調の判断は、管理者の声かけや作業員自身の休息判断、医師の診断に基づく必要があります。
  • 日々のバッテリー充電管理の徹底
    リストバンド端末の連続稼働時間は約12時間です(使用環境により前後)。1日の作業シフトには十分対応できるものの、夜間の充電を怠ると翌日の作業途中でバッテリー切れを起こすため、詰所や事務所での充電ステーション設置と返却・充電ルールの確立が不可欠です。
  • ウェアラブル端末の運用適正化の経緯
    GenVitalの開発過程(前身のシャツ型システム「Envital」を含む)では、密着型のセンサー付き衣服に対して「夏場の不快感」「毎日の洗濯・衛生管理の負担」が普及の壁となった経緯があります。現行のリストバンド型へ移行したことで装着負荷は大幅に軽減されましたが、端末の締め付け具合による脈拍測定精度のブレや、肌の弱い作業員へのかぶれ等に対する現場での配慮は引き続き求められます。

導入の流れ・期間

GenVitalの導入は、問い合わせから現場配備まで段階的に進められます。具体的な導入所要期間は現場の規模や端末在庫状況によって異なるため、個別見積もり時の確認が必要です。一般的な導入手順は以下の通りです。

  1. 問い合わせ・ヒアリング
    公式サイトの専用フォームより問い合わせを行います。現場の工期、作業員数、工種(土木・建築・プラント等)、利用希望時期を伝えます。
  2. 運用提案・見積もり
    必要な端末台数や利用期間に基づき、機器レンタル料やクラウド利用料を含めた見積もりが提示されます。必要に応じて管理画面のデモや機能説明が実施されます。
  3. 契約・端末手配
    契約締結後、現場の作業員数に応じたリストバンド端末が指定現場または支社へ納品されます。
  4. 初期設定・マスター登録
    クラウド管理システム「GRIFFY wear.」上で、現場情報、工区割、作業員情報(氏名、年齢属性等)、警報メールの送信先担当者、direct連携等の初期設定を行います。
  5. 運用開始・日次モニタリング
    朝礼時に作業員へ端末を配布し、装着して作業を開始します。管理者はPCやタブレットからリアルタイム監視および日報確認を行います。

よくある質問(FAQ)

作業員はスマートフォンを携帯する必要がありますか?
スマートフォンの携行は不要です。リストバンド端末本体にLTE-M通信モジュールが内蔵されているため、端末単体で生体データや位置情報をクラウドへ直接送信できます。現場でのスマホ持ち込みが制限されている現場でも問題なく運用可能です。
現場に黒球付きWBGT計測器を設置していなくても暑さ指数は取得できますか?
取得できます。ウェザーニューズ社の「熱中症情報API」と連携しており、現場の位置情報をもとに1kmメッシュ単位の屋外暑さ指数を自動反映します。現場でのセンサー設置やメンテナンスの手間をかけることなく複合判定が機能します。
端末の防水性能はどの程度ですか?雨天作業や手洗いに耐えられますか?
リストバンド端末は防塵防水規格「IP68」に対応しています。粉じんの激しい現場環境や雨天時の屋外作業、作業後の手洗いにも耐えうる耐久性を備えています。
無料トライアルやデモ機の貸し出しはありますか?
公式サイト上では一律の無料トライアルプログラムは公表されていません。現場導入前のデモ機検証や画面確認の可否については、提供元の株式会社GRIFFYへ個別にお問い合わせください。
契約期間の縛りはありますか?夏季のみ数ヶ月間の利用は可能ですか?
GRIFFYが展開する建設DXレンタルサービス「現場ロイド」を通じて提供されているため、工期や熱中症リスクの高まる夏季シーズンに合わせた柔軟なレンタル運用が相談可能です。最低契約期間や台数条件の詳細は個別見積もりでの確認が必要です。
作業員が倒れて動けなくなった場合、どのように通知されますか?
転倒時の衝撃を検知する機能に加え、一定時間動かない状態が継続した場合に作動する「うずくまり検知機能」を搭載しています。管理画面への警告表示とともに、事前に設定した管理者へ作業員の氏名・位置情報を含むメールやチャット(direct)で即座に通知されます。

参照・出典

他の安全管理システムと比較する

GenVitalの特徴を含む安全管理・KY活動支援の11製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

安全管理システム比較11選