受発注Plusとは?工務店向けに受発注を電子化し定額制で電帳法対応を実現する機能と特徴

住宅建設業・工務店向けに受発注業務を電子化するシンプルなクラウドサービス。タイムスタンプ不要の方式で電子帳簿保存法に対応し、1件ごとの追加従量課金なしで低コスト運用が可能。協力業者はスマートフォンからワンタッチで受注や請求が行える操作性を備える。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中小企業向け
対象業界
中小工務店・地場ビルダー 建築 サブコン・専門工事業者

受発注Plusとは?

受発注Plusは、住宅建築を手がける中小工務店や地場ビルダー、専門工事業者を対象に、紙やFAXで行われてきた発注から請求までのやり取りをオンライン上で完結させるクラウド受発注サービスです。株式会社ダイテックが提供しており、元請会社と下請・協力会社間の契約・発注・納品査定・請求業務を一元化することで、書類作成や郵送の手間、転記ミスといった事務負担を解消します。取引1件ごとの従量課金が発生しない定額制を採用し、協力会社側はスマートフォンから直感的に操作できる設計となっているため、重層下請構造における電子化の定着を後押しします。

主な機能

受発注Plusは、建設工事における取引実務をスムーズに進めるための機能を網羅しています。確認できた仕様に基づき、大きく3つの機能群に分類して解説します。

受発注・査定・請求の一括管理機能

  • 発注・受注処理のオンライン完結
    元請会社が作成した発注データをシステム上で送信し、協力会社が内容を確認して受注処理を行う一連の流れをデジタル化します。紙の注文書・注文請書の印刷や押印、郵送の手間が不要となり、建設業法第19条で義務付けられている着工前の書面(電磁的記録)交付をスムーズに進められます。
  • 納品査定および請求処理の連動
    協力会社からの出来高申請や納品報告に対し、元請会社がシステム上で査定を行えます。査定結果に基づいた確定金額で協力会社が請求処理を行えるため、金額の食い違いや請求書の再発行といった手戻り業務を未然に防ぎます。
  • 支払通知書の電子確認
    締め処理後の確定した支払金額や明細を、システムを通じて協力会社へ速やかに通知できます。郵送にかかる日数やコストを削減できるだけでなく、協力会社側も支払い見込みを早期に把握できるようになります。

協力会社向けモバイル操作機能

  • スマートフォンに最適化された直感UI
    協力会社の職人や一人親方が現場作業の合間でも操作できるよう、スマートフォン画面に最適化されたレイアウトが用意されています。発注内容の確認から「受注」「請求」の確定までをワンタッチ感覚で行えるため、ITツールに不慣れな現場担当者でも迷わず対応できます。
  • マルチデバイス・マルチブラウザ対応
    WindowsやmacOSのパソコン環境はもちろん、AndroidやiOSを搭載したスマートフォン・タブレットからアクセス可能です。専用ソフトのインストールを必須とせず、Google ChromeやSafariなどの標準的なブラウザから利用できるため、取引先の環境を問わず導入を促せます。

法令準拠・シリーズ製品連携機能

  • タイムスタンプ不要の電帳法・インボイス対応
    JIIMA認証(電子取引ソフト法的要件認証)を取得しており、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会による法的要件の適合が確認されています。訂正・削除履歴の確保等の要件を満たすことで、タイムスタンプを付与しない方式で改正電子帳簿保存法の電子取引データ保存に対応し、インボイス制度の要件にも準拠しています。
  • 施工管理アプリ「現場Plus」連携
    ダイテックが提供する施工管理アプリ「現場Plus」と連携し、工程表や現場の日程情報、査定情報などを相互に共有できます。現場監督が把握している進捗状況と受発注業務を紐づけることで、二重入力や確認の行き違いを抑制します。
  • 基幹システム「注文分譲クラウドDX」連携
    同社の住宅会社向け基幹システム「注文分譲クラウドDX」との連携により、予算情報や発注データ、請求実績をシームレスに同期できます。見積・積算から原価管理、会計処理までの一連のデータを連動させることが可能です。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

月間の受発注・請求件数が多く取引ごとの従量課金を抑えたい中小工務店・ビルダー

  • 1件ごとの電子契約手数料によるコスト増
    受発注Plusはタイムスタンプ不要方式を採用しており、発注や請求の件数に応じた従量課金が発生しない定額制で運用できます。年間着工棟数が多く、毎月多数の注文書や請書を発行する企業ほど、取引件数に比例してコストが膨らむ従量課金型ツールに比べて運用費用を安定させられます。
  • 協力業者ごとのITリテラシー格差と運用定着の難航
    スマートフォンからのワンタッチ受注・請求操作に対応しているため、パソコン操作に不慣れな職人や一人親方でも直感的に利用できます。複雑なパスワード管理や多段階の電子署名手続きを求めないシンプルな導線により、協力会社の協力を得やすくなります。

ダイテックの「現場Plus」や「注文分譲クラウドDX」を既に運用している住宅建築会社

  • 施工管理と契約・請求管理の分断による二重入力の手間
    既存の「現場Plus」と受発注Plusを組み合わせることで、日程や査定情報を連携させ、現場の進捗に合わせた正確な受発注・請求管理が実現します。さらに、現場Plusと併用することで受発注Plusの月額料金から毎月5,000円(税別)のセット割引が適用される経済的な利点もあります。
  • 基幹システムと連動した原価・支払処理の効率化
    「注文分譲クラウドDX」とのデータ連携を活用すれば、受発注データを基幹の原価管理や支払管理へスムーズに受け渡せます。住宅建築のバックオフィス業務において、転記ミスや突合作業にかかる工数を削減したい企業に適しています。

向いていない企業・現場

取引規模が極めて小さく年間の外注取引が数件にとどまる小規模事業者

  • 基本料金に対する費用対効果の不足
    受発注Plusは月額50,000円(税別)からの定額プランとなっており、元請10ID・協力会社30ID・ストレージ300GBがパッケージ化されています。年間の発注件数や下請業者の数がごくわずかな事業者の場合、月額固定費を回収しきれない可能性があります。外注頻度が極めて低い場合は、従量課金制の単機能電子署名サービスや無料の保存方法を検討する方がコストを抑えられる場合があります。

土木工事や大規模ゼネコン向けの独自契約約款・重層請負管理を求める企業

  • 木造住宅・戸建て住宅向けに標準化された仕様との不一致
    受発注Plusは住宅建設業や中小工務店の実務フローを前提に設計されています。大規模なJV(共同企業体)編成を伴う公共土木工事や、ゼネコン特有の複雑な安全書類・労務管理書類と一体化した受発注フローを求める現場では、汎用建設ERPや大規模向け専門システムの導入を検討する必要があります。

類似ツールとの比較

受発注Plusを同カテゴリの受発注システムや電子契約サービスと比較する際、着目すべきポイントは「課金体系」「業界特化の業務フロー」「法対応のアプローチ」の3点です。

一般的な汎用電子契約サービスの多くは、契約を締結するごとに1件あたり数百円程度の従量課金やタイムスタンプ費用が発生します。元請と下請の間で工事ごとに注文書・注文請書を交わし、毎月多数の請求書を処理する建設業界では、取引件数が増えるほどランニングコストが膨らみやすい傾向があります。これに対し受発注Plusは、月額固定制を採用しており、取引件数に応じた追加の従量課金が発生しません。発注件数や請求件数が多い中小工務店にとって、月ごとのコスト変動を気にせず運用できる点が特徴です。

また、汎用の受発注システムではカバーしきれない「出来高査定」のステップが組み込まれている点も挙げられます。工事の進捗に応じた査定結果を元請から提示し、その確定情報に基づいて協力会社が請求書を発行できるため、建設業特有の精算実務に沿った運用が可能です。さらに、ダイテックの施工管理ツール「現場Plus」や基幹システム「注文分譲クラウドDX」との連携性を備えているため、現場管理からバックオフィス業務までを一元化したい企業において比較検討の対象となります。

料金・プラン

受発注Plusの料金体系は、初期費用と月額基本料金で構成される定額課金モデルです。取引件数による従量課金は設定されていません。

プラン・項目 初期費用 月額料金 備考
基本料金 月額料金の1ヶ月分 50,000円(税別) 元請10ID、協力会社30ID、ストレージ300GBを含む
追加ID(10ID単位) 要問い合わせ 15,000円(税別) 元請・協力会社のアカウントを追加する場合
「現場Plus」セット割引 — 5,000円(税別)割引 施工管理アプリ「現場Plus」と同時利用で毎月適用

基本料金にはあらかじめ協力会社30IDが含まれており、協力会社の利用規模に応じて10ID単位でアカウントを追加拡張できます。初期費用は月額料金の1ヶ月分相当が設定されています。

導入事例・実績

受発注Plusの公開導入事例は現時点では確認できていません。最新情報は公式サイトをご確認ください。

なお、提供元である株式会社ダイテックの同シリーズ製品(施工管理アプリ「現場Plus」や基幹システム「注文分譲クラウドDX」)は住宅建築業界で幅広く導入されており、受発注Plusもそれらの基盤やノウハウを引き継いで開発されています。

改正電子帳簿保存法・インボイス制度への対応とJIIMA認証

受発注Plusは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による「電子取引ソフト法的要件認証」(認証番号:611601-00)を取得しています。この認証は、ソフトウェアが改正電子帳簿保存法第7条に規定された電子取引データの保存要件を満たしていることを第三者機関が審査・証明するものです。

電子帳簿保存法の電子取引データ保存においては、データの真実性を確保するための措置が求められます。受発注Plusでは、訂正・削除の履歴管理機能などを備えることで、認定タイムスタンプを1件ずつ付与・購入することなく法令要件を満たす方式を採用しています。これにより、ユーザー側で個別の事務処理規程を整備して手動管理する負担や、タイムスタンプ発行ごとに発生するコストを排除しながら、適法なデータ保管を実現できます。

加えて、適格請求書等保存方式(インボイス制度)で求められる記載要件に対応した請求データの授受・保存が可能であり、経理担当者の照合実務を支援する仕様となっています。

「現場Plus」「注文分譲クラウドDX」とのデータ連携仕様

受発注Plusは、ダイテックが展開する建築業向けクラウドシリーズとシームレスに連携できる設計が施されています。

施工管理アプリ「現場Plus」との連携では、現場監督がアプリ上で管理している工程日程や現場進捗の情報を受発注側の取引と連動させられます。現場の出来高査定と受発注のステータスが繋がるため、現場監督が事務所に戻って受発注システムに再入力したり、内勤の事務担当者へ口頭やメモで査定結果を伝えたりする手間を省けます。

さらに、工務店・ビルダー向け基幹システム「注文分譲クラウドDX」と接続することで、実行予算データから受発注データを作成し、受領した請求データを支払実績や工事原価台帳へ直接反映することが可能です。受発注業務を独立したツールとして運用するだけでなく、見積から原価、会計までの一貫したデータフローを構築できる点が実務上のメリットとなります。

導入前に知っておきたいこと

受発注Plusの導入を検討する際は、以下の点についてあらかじめ社内で確認しておく必要があります。

ユーザーから報告されている具体的な課題や改善要望の詳細なテキスト情報は、現時点では公開された情報として確認できていません。一方で、製品仕様や運用面から考慮すべき実務上の注意点が存在します。

まず、基本プランに含まれるID数(元請10ID、協力会社30ID)の設計です。日頃から取引のある下請・専門工事業者が30社を超える場合は、あらかじめ「追加ID(10IDごとに月額15,000円税別)」の追加コストを試算しておく必要があります。自社の取引先のうち、どの業者から優先してオンライン化を進めるか、段階的な移行計画を立てることが推奨されます。

また、システムは完全なクラウド型(SaaS)であり、利用にはインターネット接続環境が必須となります。現場事務所や作業現場からアクセスする場合は、電波状況や推奨ブラウザ(Google Chrome推奨、Firefox、Safari、Microsoft Edge対応)の利用環境を事前に確認しておくと安心です。

導入の流れ・期間

受発注Plusの具体的な導入期間は要問い合わせとなっていますが、一般的なクラウド型受発注システムの導入プロセスに準じた以下のステップで進められます。

  • 問い合わせ・製品デモ
    公式サイトの問い合わせ窓口から相談を行い、営業担当者によるオンラインデモや機能説明を受けます。自社の現在の受発注フローや連携したい既存システムとの適合性を確認します。
  • 見積もり・プラン決定
    元請の利用人数および協力会社の登録予定社数を算出し、必要なID数に応じた見積もりを取得して契約を締結します。「現場Plus」を利用している場合はセット割引の適用を確認します。
  • 初期設定・マスタ登録
    自社の会社情報、発注書・請求書のフォーマット設定、品目・単価マスタの登録を行います。また、基幹システム等と連携する場合はデータ連携の設定を実施します。
  • 協力会社への案内・アカウント発行
    取引先となる協力会社のアカウントを発行し、利用案内や操作説明を行います。ダイテックでは有料のオンライン研修などの支援メニューも用意されています。
  • 運用開始・サポート活用
    テスト運用を経て本番稼働へ移行します。稼働後は、無料サポートダイヤルやメール、問い合わせフォームを通じたサポート窓口を利用しながら運用を定着させます。

よくある質問(FAQ)

スマートフォン専用のアプリをインストールする必要がありますか?
専用アプリのインストールは不要です。iOSやAndroidの標準的なWebブラウザ(SafariやGoogle Chromeなど)から受発注PlusのWebサイトにアクセスして利用できます。端末側のストレージ容量を圧迫せず、協力会社側にも手軽に利用を開始してもらえます。
発注書や請求書を1件発行するごとに追加費用はかかりますか?
追加の従量課金は発生しません。受発注Plusはタイムスタンプ不要の方式を採用して電子帳簿保存法に対応しているため、月額基本料金(および必要に応じた追加ID料金)のみで何件でも受発注や請求データのやり取りが可能です。
協力会社側がシステムを利用する際、協力会社側にも月額費用が発生しますか?
元請会社が契約するID枠(基本料金に含まれる30ID、または追加購入したID)の範囲内であれば、協力会社側に個別のシステム利用料が請求されることはありません。費用は元請会社が一括して負担する運用形態となります。
導入後の問い合わせ窓口やサポート体制はありますか?
はい、用意されています。ダイテックでは無料サポートダイヤル、メール、問い合わせフォームによるサポート体制を提供しているほか、必要に応じて有料のオンライン研修なども案内されています。
最低利用期間や途中解約に関する規定はどうなっていますか?
契約期間や解約条件に関する公開情報は確認できていません。検討状況や契約条件の詳細については、株式会社ダイテックへ直接お問い合わせください。
セキュリティ対策やデータの保存体制はどうなっていますか?
国内にある自社データセンターで運用されており、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である「ISO/IEC 27001」認証(認証番号:JQA-IM0221)を取得した体制のもとでデータが管理されています。

参照・出典

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