建設原価ビルダー5とは?工事台帳作成や予実対比、支払管理を効率化する原価管理ソフト

業務フローに沿ったシンプルなデータ入力で工事台帳などの原価帳票を作成できる工事原価管理ソフトウェアです。受注工事ごとの予算実績対比や発生原価の集計、支払管理を的確に行い、資金繰りやコスト削減を支援します。インボイス対応や電子記録債権入力など実務に即した機能を備えています。

料金モデル
オンプレミス
対象規模
中小企業向け
対象業界
中小工務店・地場ビルダー サブコン・専門工事業者 建築

建設原価ビルダー5とは?

建設原価ビルダー5は、コベック株式会社が開発・提供する、工事台帳の作成や実行予算・支払管理に特化した中小建設業向けのオンプレミス型工事原価管理ソフトウェアです。日々の業務フローに沿って工事登録から発注、仕入、支払、請求、入金、出面などのデータを入力することで、建設業法で備え付けが求められる工事台帳や月別推移表、決算変更届・経営事項審査(経審)に必要な工事経歴書を自動作成します。買い切り型のパッケージソフトとして提供されており、インボイス制度対応や電子記録債権(でんさい)入力など近年の取引制度にも対応しています。

主な機能

建設原価ビルダー5は、建設業の日常的な発注・仕入・支払業務から帳票出力までを一連の流れで処理できるように設計されています。確認されている主な機能は以下の通りです。

工事登録から帳票出力までの基幹業務管理機能

  • 業務フローに沿った日常伝票入力
    工事登録を起点として、実行予算の策定、業者への発注処理、納品時の仕入伝票入力、業者への支払確定、元請・施主への売上・請求、入金消込、職人の出面登録まで、建設実務の流れに沿ってデータを登録できます。各工程で入力した数値がリアルタイムに原価データへ反映されるため、手作業による再集計や二重入力の手間を削減します。
  • 工事台帳および管理帳票の自動生成
    伝票入力を行うだけで、案件ごとの材料費・労務費・外注費・経費の「4大原価」を集計した工事台帳や月別推移表が自動作成されます。工事ごとの予算実績対比が随時把握できるため、施工中の原価膨張や赤字転落リスクの早期察知を支援します。
  • 出面管理および法定書類の出力支援
    現場ごとの作業員・職人の出役データを入力することで、各種出面集計表を出力できます。さらに、建設業許可の維持に必要な決算変更届や経営事項審査(経審)の提出書類である「工事経歴書」の作成にも対応しており、行政提出書類の作成負担を軽減します。

制度改正・取引電子化への実務対応機能

  • 適格請求書等保存方式(インボイス制度)への対応
    仕入先や外注先の適格請求書発行事業者登録番号の登録・表記に対応しています。さらに、税率別集計や免税・課税業者別の仕訳集計、消費税率チェック表の出力機能を備えており、複数税率や経過措置が混在する仕入・支払管理の実務をサポートします。
  • 電子記録債権「でんさい」入力対応
    手形取引の電子化に伴い普及が進む電子記録債権(でんさい)の決済データ入力に対応しています。従来の紙の手形管理だけでなく、電子債権による支払・決済情報をシステム上で一元管理することで、資金繰り管理の正確性を向上させます。
  • 予算管理および資金繰り支援帳票の拡充
    受注工事ごとの予定原価と確定実績の比較に加え、今後の支払予定や請求・入金予定を可視化する資金繰り関連帳票が強化されています。キャッシュフローの把握が不可欠な中小工務店や専門工事業者の財務管理を支援します。

外部システム連動およびオプション機能

  • 他社会計ソフト向け仕訳データ出力(別売オプション)
    別売の「会計システム連動オプション」を追加することで、建設原価ビルダー5で処理した仕入・支払・売上・入金データを仕訳データへ自動変換し、他社会計ソフト向けにCSV形式で出力できます。原価管理と財務会計の間で発生する伝票の手入力作業を排除します。
  • 同社製見積ソフト「建築みつも郎」とのデータ連携
    コベック株式会社が提供する見積作成ソフト「建築みつも郎」シリーズで作成した見積データを直接取り込み、建設原価ビルダー5の工事データや実行予算データとして展開できます。積算見積から実行予算・発注へのデータ引き継ぎがスムーズに行えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

月額サブスクリプションの固定費を避け、自社内の閉じた環境で原価管理を行いたい中小建設企業

  • クラウド型ツールの毎月のランニングコストを抑えたい
    建設原価ビルダー5は本体価格120,000円(税抜・スタンドアロン版)の買い切りパッケージソフトであるため、月額費用が発生しません。毎月の固定費負担を増やさずに工事台帳の電子化を進めたい中小工務店や設備工事会社に適しています。
  • 社外のクラウドサーバーに機密データを置く運用を避けたい
    インターネット回線を介さないスタンドアロンのWindows PCまたは社内LAN環境にデータを保存して運用するため、自社のセキュリティ方針上、完全ローカル環境での帳簿管理を望む管理体制に合致します。

インボイス制度やでんさい決済の導入に伴い、経理・原価の集計負担が増加している専門工事業者

  • 免税事業者と課税事業者が混在し、外注支払の消費税計算が複雑化している
    取引先ごとの適格請求書発行事業者登録番号の管理や税率別・事業者区分別の集計機能が標準搭載されているため、手作業による按分計算やチェック業務の負担を軽減できます。
  • 紙の手形から電子記録債権への移行を進めている
    「でんさい」による支払伝票入力に対応しており、支払予定や決済管理を原価データと連動させて処理できるため、支払期日管理の精度を高められます。

向いている企業・現場 / 向いていない企業・現場

現場監督や職人がスマートフォン・タブレットからリアルタイムに入力したい企業

  • 施工現場や移動先からの日報・出面入力を行いたい
    建設原価ビルダー5はWindowsデスクトップ上で稼働するオンプレミス型ソフトウェアであり、スマートフォンやタブレット向けのモバイルアプリやWebブラウザからの入力インターフェースは用意されていません。現場から即座にデータを上げたい企業は、クラウド型の施工管理アプリや原価管理システムの検討が必要です。
  • 現場・事務所間でのリアルタイムな情報共有を最優先としたい
    社内ネットワーク外から直接アクセスする仕組みではないため、現場事務所と本社が離れている現場や、複数拠点でリアルタイムに同一データを同時更新する運用には適していません。

内蔵型光学ドライブのない最新薄型PCや4K高解像度ディスプレイを標準採用している企業

  • CD-ROMドライブを搭載していないPCを主に使用している
    建設原価ビルダー5のインストールには「CD-ROM内蔵型光学ドライブ」が必須とされており、外付けドライブには非対応と公表されています。ドライブ非搭載の薄型ノートPCなどでは導入時にハードウェア環境の見直しが必要となります。
  • 高解像度モニターやMac環境での運用を前提としている
    ディスプレイのテキスト拡大縮小設定が100%固定のみの対応であり、4K以上の解像度では表示がぼやけるため非対応とされています。また、OSはWindows環境専用であるため、macOSでの利用はできません。

類似ツールとの比較

建設原価ビルダー5と同様に、建設業・建築業の原価管理や工事台帳作成を支援する主要ツールとの比較は以下の通りです。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
建設原価ビルダー5 日常伝票入力から工事台帳・工事経歴書を作成。インボイス・でんさい対応の買い切り型オンプレミスソフト。 スタンドアロン版:120,000円+税(買い切り)
LANパック:260,000円+税〜
月額固定費を抑え、社内PC・LAN環境で原価管理・帳票作成を完結させたい中小建設企業
レッツ原価管理Go2 見積から実行予算・発注・原価・請求まで網羅。オンプレミス版に加えMicrosoft Azure稼働のクラウド版も選択可能。 要問い合わせ 豊富な機能と柔軟な導入形態を求め、中堅規模への拡張性も視野に入れた建設企業
建築業向け管理システム アイピア 顧客管理や見積作成と連動するクラウド型一元管理システム。案件ごとの収支差異をダッシュボードで可視化。 要問い合わせ 営業・顧客管理から施工・原価まで全社業務をWeb上で一元化したい工務店・リフォーム会社
uconnect 売上と原価の入力で工事台帳を自動生成するクラウド型管理会計システム。低価格で迅速な導入が可能。 初期費用無料、月額プラン(詳細は要問い合わせ) 初期費用を抑えてクラウド上で手軽に工事別の粗利管理を始めたい中小建設企業・個人事業主

買い切り型のパッケージソフトウェアとして初期費用のみで運用したい場合や、社内LAN内だけで安定して工事台帳・支払管理を行いたい場合は建設原価ビルダー5が有力な選択肢となります。特に、月額課金による固定費の発生を好まない中小工務店や専門工事業者にとって、導入コストの見通しが立ちやすい点が特徴です。

一方で、営業管理や見積作成から全社データをクラウド上で統合管理したい場合は建築業向け管理システム アイピア、テレワークや現場からのアクセスを重視しつつ低コストで粗利管理を行いたい場合はuconnect、自社の成長に合わせてクラウド運用や詳細な予算統制を行いたい場合はレッツ原価管理Go2など、自社の運用環境(オンプレミスかクラウドか)や入力体制(事務所完結か現場入力か)に応じた見極めが必要です。

料金・プラン

建設原価ビルダー5は、買い切り型のソフトウェアとして定価が公表されています。利用形態(単一PCでの利用か、社内ネットワーク経由での複数人利用か)およびオプションの有無により構成されています。

製品・プラン名 本体価格(税抜) 月額費用 備考
建設原価ビルダー5(スタンドアロン版 CD-ROM版) 120,000円 なし(買い切り) PC1台で利用する基本パッケージ(2023年10月6日発売)
建設原価ビルダー5 オプションセット 160,000円 なし(買い切り) 本体+会計システム連動オプションのセット
LAN2本パック 260,000円 なし(買い切り) 社内LAN環境で2台のクライアントから利用可能
LAN3本パック 380,000円 なし(買い切り) 社内LAN環境で3台のクライアントから利用可能
LAN5本パック 570,000円 なし(買い切り) 社内LAN環境で5台のクライアントから利用可能
LAN10本パック 1,020,000円 なし(買い切り) 社内LAN環境で10台のクライアントから利用可能

※導入にあたっては、別途PC環境の準備が必要です。また、ユーザー登録を行うことで電話・FAXによるサポート窓口を利用できます。

導入事例・実績

建設原価ビルダー5の公開導入事例は現時点では確認できていません。最新情報は公式サイトをご確認ください。

建設業法・経営事項審査(経審)が求める工事台帳・工事経歴書の作成実務

建設業法第40条の3では、建設業者に対して営業所ごとに営業に関する帳簿を備え付け、5年間(発注者から直接請け負った住宅新築工事に関する帳簿等は10年間)保存することを義務付けています。実務上、この「帳簿」の中心的な役割を果たすのが、材料費・労務費・外注費・経費の4大原価と請負金額、差引利益を案件単位で記録する工事台帳です。

建設原価ビルダー5では、日々の仕入伝票や外注費、出面データを入力することで、この工事台帳が自動的に更新されます。手作業のExcel管理で起こりがちな転記ミスや計上漏れ、未成工事支出金と完成工事原価の混同を防ぎ、決算期末の適正な原価確定を支援します。

さらに、建設業許可を持つ事業者が毎期提出を義務付けられている決算変更届(事業年度終了届)や、公共工事入札に直結する経営事項審査(経審)において提出する「工事経歴書(様式第2号)」の作成にも対応しています。工事台帳のデータと整合性の取れた工事経歴書を出力できるため、行政庁の立ち入り検査や経審受審時の書類突合におけるリスク低減に寄与します。

インボイス制度および電子記録債権「でんさい」への実務対応

近年の建設業界における取引・決済環境の変化において、中小建設業の実務負担となっているのが「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」と「手形決済の電子化(でんさい移行)」です。建設原価ビルダー5では、これらの制度改正に対応した機能があらかじめ組み込まれています。

インボイス制度に関しては、下請業者や資材仕入先の登録番号管理にとどまらず、免税事業者からの仕入に対する経過措置に対応した集計や、税率ごとの仕入税額計算、消費税率チェック表の出力に対応しています。これにより、月末の支払査定時に複雑な税額計算を手動で行う負担を削減します。

また、支払手形の削減に向けて普及が進む電子記録債権(でんさい)の入力に対応しており、でんさい発生日や決済期日、金額を支払伝票として一括管理できます。従来の現金・小切手・振込・手形管理に加え、電子記録債権を含めた支払管理が一元化されるため、資金繰り予定表の作成や支払期日の管理を正確に進めることが可能です。

導入前に知っておきたいこと

建設原価ビルダー5を導入するにあたっては、ソフトウェアの機能面だけでなく、動作環境やハードウェア要件に関する以下の制約事項をあらかじめ確認しておく必要があります。

OSアップデートに伴う動作不具合の告知

コベック株式会社の公式告知によると、Windows 11 Version 24H2の特定更新プログラムを適用した環境において、ソフトのインストールが正常に完了しない、または起動しなくなる事象が確認されています。メーカーからは暫定アップデートモジュールの適用手順が案内されるとともに、安定稼働が確認されるまで該当OSバージョンへのアップデートを控えるよう注意喚起が出されています。導入先のPC環境のWindowsアップデート適用状況については事前に確認が必要です。

ハードウェアおよびディスプレイ環境の制約事項

スタンドアロン版の動作環境として、パッケージ(CD-ROM)インストール時に「CD-ROM内蔵型光学ドライブ」が必須と指定されており、外付けの光学ドライブは非対応と公表されています。近年主流となっている光学ドライブ非搭載のノートPCに導入する際は注意が必要です。
また、ディスプレイの解像度は1024×768以上に対応しているものの、OS側のテキスト拡大縮小設定は「100%」のみ対応となっており、高精細な4Kディスプレイ等では画面表示がぼやけるため非対応とされています。利用予定のモニター環境とOSの表示設定について事前に確認しておくことが推奨されます。

導入の流れ・期間

建設原価ビルダー5の導入は、一般的なパッケージソフト・LAN対応システムの運用手順に沿って進行します(詳細な導入所要期間は要問い合わせ)。

  • 1. 製品の選定・動作環境の確認
    利用するPCの台数(1台のスタンドアロンか、社内LANによる複数台運用か)および「会計システム連動オプション」の必要有無を検討します。また、PCのOSバージョン、内蔵型光学ドライブの有無、ディスプレイ解像度などの動作環境要件を事前に確認します。
  • 2. 製品の購入・パッケージ受領
    公式サイトや正規代理店、販売店を通じて製品を購入します。スタンドアロン版はCD-ROMパッケージとして提供されます。
  • 3. インストールおよびユーザー登録
    内蔵光学ドライブを備えたWindows PCにソフトウェアをインストールします。インストール完了後、付属のシリアル番号を用いてユーザー登録を行うことで、メーカー公式の電話・FAXサポート窓口が有効化されます。
  • 4. マスター設定(初期設定)
    自社の自社情報、取引先(仕入先・外注先・得意先)マスター、社員・職人マスター、工種・材料マスターなどを登録します。インボイス制度対応のため、取引先ごとの適格請求書登録番号や税率区分もあわせて設定します。
  • 5. 工事登録および実務運用開始
    現在進行中または新規着工の工事を登録し、実行予算の入力、日々の発注・仕入伝票の入力を開始します。同社の見積ソフト「建築みつも郎」を併用している場合は、見積データの取り込みから運用を開始できます。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットから現場日報や出面を入力できますか?
スマートフォンやタブレット向けのアプリやWebブラウザ版は提供されていません。建設原価ビルダー5はWindows PC上で動作するデスクトップアプリケーションであるため、事務所や現場事務所に設置されたPCから入力を行う運用となります。
対応OSと推奨スペックを教えてください。
対応OSは日本語 Microsoft Windows 11 および Windows 10(64bit版OSでは32bit互換モード[wow64]で動作)です。CPUはPentium 1GHz以上、メモリはWindows 11環境で8GB以上(Windows 10では4GB以上)、空き容量500MB以上のハードディスクが必要です。なお、Windows 365には非対応です。
外付けのCD-ROMドライブを使ってインストールできますか?
公式の動作環境仕様において、インストール時には「内蔵型光学ドライブ」が必須とされており、外付けドライブは非対応と記載されています。導入予定のPCに内蔵ドライブが搭載されているか事前に確認することを推奨します。
無料トライアルや体験版はありますか?
体験版の提供状況については公式情報での確認が必要です。デモ機の貸出や体験版の有無については、公式サイトより直接問い合わせることを推奨します。
導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
正規ユーザー登録者を対象に、電話およびFAXでの問い合わせ窓口が提供されています。電話受付時間は土日祝日を除く平日の10:00~12:00および13:00~18:00です。問い合わせ時にはパッケージに記載されたシリアル番号の提示が必要です。
月額費用や更新料はかかりますか?
建設原価ビルダー5は買い切り型のソフトウェア(パッケージ販売)であるため、月額のシステム利用料は発生しません。購入時の本体価格のみで基本利用が可能です(※有償の法改正対応バージョンアップや追加ライセンス購入時を除く)。

参照・出典

他の工事原価管理システムと比較する

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