使えるくらうど工事台帳とは?日報入力から原価を自動集計し予実管理を効率化する特徴を解説

現場からの日報入力と連動して工事台帳や原価管理を効率化する建設業向けクラウドシステムです。出先からの日報入力をもとに材料費・労務費・外注費を自動集計し、実行予算に対する予実状況や将来の予想原価を可視化します。グループウェア機能も統合されており現場と本社の情報連携を強化します。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中小企業向け
対象業界
サブコン・専門工事業者 中小工務店・地場ビルダー 土木

使えるくらうど工事台帳とは?

使えるくらうど工事台帳は、中小工務店や専門工事業、土木業における現場日報の集計負荷と原価把握のタイムラグを解消し、案件ごとの採算管理をリアルタイム化する建設業向けクラウドシステムです。アサクラソフト株式会社が開発・提供しており、出先からの日報入力と連動して材料費・労務費・外注費・経費の4大原価を自動集計し、実行予算に対する進捗状況や着地予想原価を可視化します。さらに、工事台帳や工事経歴書の作成にとどまらず、スケジュール管理やワークフローといったグループウェア機能も統合されており、現場とバックオフィス間の情報分断を防ぐ業務基盤として設計されています。

主な機能

使えるくらうど工事台帳は、現場の作業実績から原価計算、請求・支払管理、さらには社内の情報共有までを網羅する機能を備えています。主な機能を用途別に分類して解説します。

工事原価・予算管理機能

  • 見積管理
    最大5階層までの詳細な見積書作成に対応し、歩掛計算、法定福利費の明示、諸経費計算を自動で行えます。過去の見積データや登録済みの明細マスタを参照して迅速に積算業務を行えるため、担当者ごとの積算基準のばらつきを抑え、精度の高い見積書を作成できます。
  • 実行予算作成
    作成した見積データを取り込んで実行予算書を作成できます。着工前に材料費・労務費・外注費・経費の目標原価枠を確定させることで、現場監督が目標粗利益を意識しながら施工管理を進められる環境を整えます。
  • 発注処理
    見積データや実行予算を参照しながら、協力会社や資材業者への発注書を発行できます。発注段階で予算枠との突合が行えるため、予算を超過した単価での発注や発注漏れを未然に防止します。
  • 日報・勤怠管理
    現場担当者がスマートフォンやタブレットから作業日報を入力できます。画面の切り替えを行わずに複数現場の日報を一括入力できる操作画面が用意されており、現場ごとの出面集計や人工(にんく)計算が自動化され、労務費が即座に工事原価へ反映されます。
  • 工事台帳・工事経歴書の自動作成
    日々の日報データや仕入・外注実績が集約され、案件ごとの工事台帳がリアルタイムに自動更新されます。建設業法で備え付けが求められる帳簿要件を満たすとともに、経営事項審査(経審)の提出資料となる工事経歴書も蓄積データから速やかに出力できます。
  • 仕入原価管理・支払管理
    受領した請求書をもとに仕入原価を入力し、出来高査定や支払査定を行えます。支払予定表や買掛金元帳などの関連帳票を出力でき、発注内容と請求額の照合による過払い防止を支援します。

バックオフィス連携・販売管理機能

  • 売上・請求・入金管理
    工事の進捗や契約条件に応じた売上計上、請求書発行、入金消込を管理できます。インボイス制度に対応した請求書の発行が可能であり、請負先元帳の出力によって施主ごとの未回収残高を正確に把握できます。
  • 共通費配賦
    現場管理費や重機回送費、本社共通経費などの間接費用を、任意の設定金額や割合に応じて各工事へ自動で割り振ることができます。案件単体では見えにくい間接コストを適正に配賦し、正確な完成工事原価の算出を可能にします。
  • 在庫管理
    自社倉庫や置場ごとに資材・商品の在庫数を管理できます。仕入原価入力画面から直接入出庫の処理を行えるため、余剰資材の他現場への転用や社内在庫の出戻り管理を正確に台帳へ反映できます。
  • 会計連動機能
    システム内で確定した売上、仕入、入金、支払の実績データから仕訳データを生成し、各種財務会計ソフトへ取り込むためのデータ出力が行えます。経理担当者による手作業での伝票再入力を不要にし、決算処理の迅速化に寄与します。
  • MakeLeaps外部連携
    リコーグループのクラウド型請求管理サービス「MakeLeaps」との連携に対応しています。システム上で作成した請求書データを連携させることで、請求書の電子送付や印刷・封入・郵送の代行処理をシームレスに実行できます。

グループウェア・社内管理統合機能

  • グループウェア機能
    全社や現場ごとのスケジュール管理、社内コミュニケーションツールがシステム内に標準搭載されています。原価管理システムとは別に外部のグループウェアを二重契約する必要がなく、社内の連絡事項やスケジュールを一元的に共有できます。
  • ワークフロー(電子承認)機能
    自社で運用している既存帳票のレイアウトを活かしたまま、電子申請・承認ルートの構築が可能です。電子印鑑を用いた決裁に対応しており、出先からでも見積書や発注書の承認を行えるため、意思決定の遅延を防ぎます。
  • ノーコード顧客管理データベース
    プログラミング知識を必要とせず、自社の管理項目に合わせたオリジナルの顧客管理データベースを作成できます。施主の過去の修繕履歴や問い合わせ内容、建物の仕様情報などを案件情報と紐付けて蓄積できます。
  • 人員配置スケジュール・工程管理
    ガントチャート形式で現場ごとの工程表を作成し、自社職人や重機の手配スケジュールを可視化できます。協力会社専用のマイページ連携機能を活用することで、外注先への作業日程の伝達も円滑に行えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

現場の日報入力から原価集計までの二重入力に悩み、工事中の粗利をリアルタイムで追跡したい専門工事業者

  • 事務所に戻ってからの手書き日報の転記作業に追われ、毎月の残業が常態化している
    現場担当者がスマートフォンから画面切り替えなしで複数現場の日報を一括入力できる環境を整備することで、現場監督の直行直帰を支援し、事務所側での転記や出面再集計の工数を大幅に削減できます。
  • 協力会社からの請求書が届くまで正確な原価が分からず、工事完了後に赤字が発覚する
    着工前に作成した実行予算に対して日々の労務費・材料費・外注費がリアルタイムに工事台帳へ連動するため、施工途中における予算超過の兆候を早期に検知し、追加工事の交渉や工程見直しといった是正措置を打てるようになります。
  • 工事台帳の更新遅れにより経営事項審査(経審)の準備や決算期の未成工事支出金確定が遅延している
    日報や仕入入力と連動して工事台帳および工事経歴書が自動生成されるため、決算期末に帳簿の突合作業に追われることなく、建設業法に適合した正確な帳簿保存と審査対応がスムーズに完了します。

グループウェアや工程管理を個別に契約せず、1つの基盤で社内情報と原価データを一括管理したい中小企業

  • スケジュール共有ツールや工程表作成ソフトが社内で乱立し、二重管理が発生している
    原価管理システム内にスケジュール管理、人員・重機配置ガントチャート、電子承認ワークフローが統合されているため、システム間のログイン切り替えや契約管理の手間を一本化できます。
  • クラウドシステムを導入したいが、毎月固定で発生するID単位のサブスクリプション費用が将来的な負担になると懸念している
    多くのクラウド型SaaSが採用する月額課金制ではなく、一括購入する「買い切り型」のクラウドシステムとして提供されているため、中長期的なシステム利用コストの計画を立てやすくなります。

向いていない企業・現場

初期導入費用をゼロに抑え、少額の月額課金のみでスモールスタートしたい企業

  • 初期投資の予算を確保できず、月額数千円〜数万円のサブスクリプション型サービスを求めている
    使えるくらうど工事台帳はシステム本体を一括購入する買い切り型のクラウドシステムであり、初期導入費用や導入支援費用が発生します。初期投資を抑えて短期間だけ試験導入したい企業の場合は、初期費用無料の月額サブスクリプション型ツールを検討した方が適している場合があります。

共同企業体(JV)特有の会計処理や工事進行基準への完全対応を求める中堅・大手総合建設業

  • 複数社が参画するJV工事の按分処理や、高度な会計基準に特化したERP機能を求めている
    中小規模の工務店や専門工事業、土木業の業務フローに最適化された仕様となっているため、大規模な総合建設業で必須となる複雑なJV会計や大規模ERP連携を前提とする場合、中堅・大手向けに特化した統合基盤を検討する必要があります。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
使えるくらうど工事台帳 日報連動の原価管理に加え、グループウェアやワークフロー、人員配置機能を統合した買い切り型クラウドシステム 要問い合わせ(本体一括購入+導入支援費+年間費用) 原価管理と社内コミュニケーションを一本化し、長期的に固定運用したい中小企業
原価本家 出面管理や入金支払管理など、必要な業務モジュールを柔軟に選択して構築できる建設原価管理ソフト 要問い合わせ 自社の業務範囲に合わせて段階的にモジュールを導入したい建設企業
どっと原価NEO 見積・発注・支払・原価管理を一元化。オンプレミスとクラウドの双方に対応 要問い合わせ(構成・ライセンス数による個別見積もり) 業務フローに合わせた細かな帳票カスタマイズや外部会計連動を重視する中小〜中堅建設業
MIYAシステム 日々の作業日報から出来高と発生原価を算出し、日単位で利益の予実差異や着地予測を可視化する土木特化型システム 要問い合わせ 日々の出来高管理と歩掛把握を徹底し、日次で損益を管理したい土木建設業者

建設業向け原価管理ツールの選定において、「使えるくらうど工事台帳」は、原価管理に加えて社内のスケジュール管理やワークフロー、顧客管理DBといったグループウェア機能が一体化している点が大きな特徴です。別々のツールを契約・運用することによる情報分断やランニングコストの重複を避けたい中小企業にとって、有力な選択肢となります。

一方で、自社の既存の業務フローや帳票レイアウトが特殊であり、極めて細かな設定やモジュール単位での段階的導入を重視する場合は、高いシェアと柔軟な構成力を持つ「どっと原価NEO」や「原価本家」が比較対象となります。また、土木工事を中心とし、毎日の作業日報から日単位で出来高と粗利益の予実を徹底管理したい現場では、土木積算・日次管理に強みを持つ「MIYAシステム」との適合度を比較検討することが推奨されます。

料金・プラン

使えるくらうど工事台帳の料金プランは、一般的なクラウドSaaSで主流の月額課金制(サブスクリプション)ではなく、システム本体を一括購入する「買い切り型」のクラウドシステムとして提供されています。具体的な導入費用は利用規模や必要機能、発行するID数に応じた個別見積もりとなっており、公式Webサイト上では金額は公開されていません(要問い合わせ)。

見積もり取得時に確認すべき費用の内訳は以下の通りです。

  • システム本体費用
    利用する基本機能やオプション構成、利用ユーザー数(ライセンス数)に応じて算出される一括購入費用です。
  • 導入支援費用
    初期設定サポートやマスタ登録の支援、専任スタッフによる操作指導(訪問またはオンライン)にかかる費用です。
  • 年間費用
    システムの継続的な稼働環境の維持、バージョンアップ、ヘルプデスクやリモートサポートの利用に必要な費用であり、契約ID数や選択オプションに応じて変動します。

導入事例・実績

使えるくらうど工事台帳は、工務店をはじめ、電気工事、水道工事、屋根工事、ガス配管、リフォーム、太陽光発電設置、解体業など、幅広い建設関連業種で採用されています。公式サイトの公表情報によると、2025年8月現在で累計導入実績は580社以上(2025年3月時点の累計販売数は550本以上)を記録しています。

なお、企業の実名や導入規模、削減時間などの定量的効果が揃った形式で外部公開されている具体的な詳細導入事例は現時点では確認できていません。最新の事例や自社と同業種の運用実態については、公式サイトより問い合わせて確認することを推奨します。

クラウド環境でありながら「買い切り型」を採用する提供形態の背景

建設DX向けクラウドツールの多くが毎月利用料を支払い続ける月額サブスクリプションモデルへ移行するなか、使えるくらうど工事台帳は「買い切り型のクラウドシステム」という提供形態を採用しています。この仕組みが中小建設業の実務にもたらす影響と特徴は以下の通りです。

  • 社内インフラの負担軽減とWebアクセスの両立
    自社内に専用サーバーを構築・保守するオンプレミス型とは異なり、Webブラウザ経由でアクセスするクラウド環境で稼働します。そのため、サーバー機器の経年劣化に伴う買い替えやセキュリティパッチ適用の手間をベンダー側に委ねつつ、現場のスマートフォンや事務所のPCから場所を選ばず同一データにアクセスできます。
  • 中長期的なコストの予見性
    サブスクリプションモデルでは、導入年数が長くなるにつれて累積の利用料が増加し、将来的な固定費の負担となる場合があります。本体を一括購入し、次年度以降は保守・運用にかかる年間費用のみを支払う買い切り型は、減価償却資産としての計上を前提とする企業や、月次の固定費変動を避けたい経営計画において予算化しやすい特性を持ちます。

導入前に知っておきたいこと

現時点では公開されたユーザー評価・課題報告は確認できていません。公式サイトや各種解説資料をもとに、検討時に留意すべき実務上のポイントを整理します。

システム本体が一括購入方式であるため、導入初期にある程度のまとまった投資予算が必要となります。補助金の活用可否や、年間費用の内訳、将来的なライセンス追加時の追加費用について、事前の試算を十分に行う必要があります。また、現場担当者が直感的に日報を入力できる工夫がなされているものの、高齢の職人やベテラン監督が在籍する企業では、スマートフォンのブラウザ操作に慣れるまでの社内教育期間を計画に織り込んでおくことが円滑な運用の鍵となります。

導入の流れ・期間

使えるくらうど工事台帳の導入手順は、一般的に以下のステップで進められます。具体的な導入期間は選択する構成や企業の体制によって異なるため、要問い合わせとなります。

  1. 問い合わせ・資料請求
    公式サイトのフォームより資料請求や問い合わせを行い、自社の抱える課題や管理対象(工種、拠点数、利用人数)を伝えます。
  2. ヒアリング・デモ実演
    専任担当者によるヒアリングが実施され、実際の操作画面を用いたデモンストレーションを通じて機能の適合性を確認します。
  3. 要件定義・見積もり提示
    必要な機能、オプション構成、利用ID数、導入指導の形態(オンラインまたは訪問)を確定し、一括本体費用と年間費用の個別見積もりが提示されます。
  4. 契約締結・環境構築
    契約完了後、クラウド利用環境の発行と初期セットアップが行われます。
  5. マスタ登録・操作指導(導入支援)
    自社の取引先マスタや工種区分、歩掛データなどの初期登録を進めます。専任スタッフやリモートサポートを活用し、管理者および現場担当者向けの操作説明を実施します。
  6. 本運用開始
    実際の現場日報入力および実行予算作成から実運用を開始し、工事台帳の自動作成や請求・支払業務へ展開していきます。

よくある質問(FAQ)

スマートフォン専用のアプリは用意されていますか?推奨される利用環境を教えてください。
App StoreやGoogle Play等からインストールする専用アプリではなく、端末のWebブラウザ経由でアクセスして利用するクラウドシステムです。PCのほか、スマートフォンやタブレット端末に対応しており、Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeなどの主要ブラウザで動作します。
導入前に無料トライアルやデモ画面で操作性を確認できますか?
個別のデモンストレーションや相談会が実施されています。自社の業務フローに適合するかどうか、専任担当者による案内を受けながら画面を確認することが可能です。詳細は公式サイトよりお問い合わせください。
導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
専任スタッフとコールセンターによる問い合わせ対応が用意されています。電話やメールでの案内に加え、オンラインおよび訪問でのサポート、操作画面を共有しながら案内を受けるリモートサポート(遠隔操作)窓口が開設されています。
インボイス制度や電子帳簿保存法に対応していますか?
適格請求書等保存方式(インボイス制度)に対応した請求書の発行が可能です。また、クラウド上で見積から発注、請求、工事台帳までを一元管理し、電磁的記録としての適切な保存を支援する機能を備えています。
会計ソフトへのデータ連携はどのように行いますか?
システム内で作成された売上や仕入、入出金の取引データをもとに仕訳データを生成し、ファイル出力できます。出力したデータを各種市販の財務会計ソフト側でインポートして取り込む運用に対応しています。
契約期間や解約に関する条件はどのようになっていますか?
システム本体は買い切り型として一括購入する契約形態ですが、保守やクラウド稼働に伴う年間費用の更新条件、解約時のデータ取り扱いなどの詳細規約については、個別見積もり時にベンダーへ直接確認する必要があります。

参照・出典

他の工事原価管理システムと比較する

使えるくらうど工事台帳の特徴を含む原価管理の13製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

工事原価管理システム比較13選