MIYAシステムとは?日報連動で工事原価と出来高を日単位で可視化する土木建設向け原価管理システム

土木建設業を中心に25年以上の運用ノウハウを持つ工事原価・実行予算管理システムです。日々の作業日報からリアルタイムに出来高と発生原価を算出し、日単位で利益の予実差異や着地予測を可視化します。クラウドサービス「ミヤシステムA」により現場とオフィス間の円滑な情報共有も実現します。

公式サイト
https://miyasys.co.jp/
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中小企業向け
対象業界
土木 ゼネコン 中小工務店・地場ビルダー

MIYAシステムとは?

MIYAシステムは、土木建設業を中心に25年以上の運用ノウハウを持つ、日々の作業日報からリアルタイムに工事原価と出来高を把握できる実行予算・原価管理システムです。ミヤシステム株式会社が開発・提供しており、工事完了後や月末締めを待たずに日単位で利益の予実差異や着地予測を可視化することで、建設業における「施工後の赤字発覚」という構造的課題を解決します。クラウドサービス「ミヤシステムA」の提供により、現場とオフィス間の円滑な情報共有やスマートフォンを活用した出面管理も実現します。

主な機能

MIYAシステムは、現場で発生する労務や重機、資材の投入実績を作業日報として入力することで、独自の特許技術に基づき出来高と発生原価を即座に連動集計する構造を備えています。主な機能は以下の3つの領域に分類されます。

実行予算作成・積算管理機能

  • 工種別・作業グループ別の歩掛積み上げ
    歩掛(ぶがかり)に基づいた直接工事費や間接工事費の積み上げ計算に対応し、自社の施工実態に即した精緻な実行予算書を作成できます。外注工種の契約単価から予算を組み立てることも可能です。
  • 数量表示のスイッチ機能
    画面上の表示を「総数量」「施工単位数量」「単位数量」にワンタッチで切り替えられます。全体工量でのコスト把握と、単位数量あたりにかかる単価ベースの確認をスムーズに行き来できます。
  • 過去工事データのCSV再利用
    蓄積された過去の工事データや歩掛実績をCSV形式で出力し、新規案件の予算作成へ流用できます。積算精度の標準化と予算書作成にかかる内業時間の短縮を同時に支援します。

日報入力・日次採算管理機能

  • 日報入力による出来高・原価の自動計算
    現場代理人や作業員が日報に作業量や投入リソースを入力すると、施工量に応じた出来高と発生原価が自動算出されます。月末の請求書到着を待たずに日単位で現場の損益を把握できます。
  • 損益分岐点作業量の算出
    当日の投入コスト(労務費・機械経費・材料費など)に対して「本日何メートル・何立米施工すれば黒字になるか」という損益分岐点となる作業量を提示します。現場管理者が当日の達成度を数値で把握しやすくなります。
  • 翌日の利益シミュレーション(予定日報)
    翌日に予定している人員配置や重機の稼働予定、作業数量を入力することで、翌日に見込まれる粗利益を事前試算できます。採算割れが予測される場合に前日の段階で人工調整などの手を打てます。

現場・全社統合管理機能

  • スマートフォン出面アプリ連携
    現場作業員や技術者がスマートフォンから日々の出退勤を打刻・登録すると、そのデータが日報の労務原価へダイレクトに連動します。転記作業や二重入力を削減し、労務費集計の遅延を防ぎます。
  • コスト連動型工程表
    工程の進捗状況とコストデータが連動した工程表(バーチャートおよびネットワーク工程表)を作成・管理できます。工期の進捗遅れが工事原価に与える影響を視覚的に追跡できます。
  • 全社工事一覧・利益着地予測
    進行中の全現場の損益状況を一覧表示し、黒字現場と赤字現場を一目で識別できます。全社的な完成時利益の着地予測をリアルタイムに集計し、経営判断を支えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

月末や工事完成時まで現場の損益が確定せず、赤字工事の発生を防ぎたい土木・建設会社

  • 工事完了後に原価が確定し、事後対応しか取れない
    MIYAシステムは日報入力によって日ごとの発生原価と出来高を自動集計し、当日の損益を算出します。施工の途中段階でコスト超過の予兆を検知できるため、工期内に人員配置の見直しや施工方法の改善といったリカバリー措置を講じられます。
  • 黒字化に必要な日々の施工目標が現場監督に伝わっていない
    投入リソースから当日の「損益分岐点作業量」が自動で割り出されるため、現場監督や職長が「本日最低限こなさなければならない作業数量」を数値で把握し、日々の採算意識を現場全体に根付かせることができます。
  • 翌日の施工計画で採算が合うか着工前に検証したい
    「予定日報」機能により、翌日の人員や機材計画を入力して粗利益をシミュレーションできるため、過剰な人工投入や重機手配による予算オーバーを前日のうちに回避できます。

Excelによる工事台帳管理が属人化し、全社の収支予測にタイムラグが出ている企業

  • 担当者ごとにExcelの計算式や管理フォーマットがバラバラになっている
    歩掛や作業グループを標準化したシステム上で予算作成と日報集計を行うため、特定の現場監督の計算スキルに依存しない均質化された原価管理体制が確立されます。
  • 経営層が各現場の最新利益をリアルタイムに一覧把握できない
    各現場の日報データがクラウドを通じて統合され、工事一覧画面で全現場の利益着地予測が集計されるため、経営者は月次決算を待たずに全社収支を見極めた経営判断を行えます。

向いていない企業・現場

日々の作業日報や出面データの入力フローを社内・現場で運用できない企業

  • 日報入力の習慣がなく、月次の請求書突合のみで原価管理を行いたい場合
    MIYAシステムの強みである日次損益や出来高連動は、日々の作業量や投入人工が継続して入力されることを前提としています。日報作成の運用体制が組めず、外注先からの請求書や支払伝票ベースでの月次原価集計のみを求める企業には機能が過多となるため、一般的な支払管理・購買管理を中心とした原価管理ソフトの検討が適しています。
  • JV(共同企業体)管理や工事進行基準への完全自動仕訳など、大規模ERP要件を最優先する企業
    MIYAシステムは現場視点での日次採算管理や実行予算統制に最適化されています。そのため、複雑なJV按分処理や大規模会計システムとの完全連動を求める中堅・準大手ゼネコンの場合は、建設業特化型の総合ERPシステムを選択した方が要件に合致します。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
MIYAシステム 日報入力から日単位で出来高と発生原価を算出し、損益分岐点や着地予測を可視化。特許取得の原価管理手法を搭載。 チャレンジ: 初期880円、月額3,300円 / プレミアム: 初期110,000円、月額25,410円 現場単位で日々の採算管理を徹底し、赤字現場を未然に防ぎたい土木・中小建設会社
どっと原価NEO 見積から実行予算、発注、原価集計、支払管理までを一元化。オンプレミスからクラウドまで柔軟な構成を選択可能。 要問い合わせ(構成・ライセンス数による) 購買・発注・支払業務から経理連動までバックオフィスを含めた業務全体を標準化したい企業
PROCES.S 中堅・大手総合建設業向けの建設業特化型ERP。工種別実行予算、見込原価算出、JV管理、工事進行基準に高度に対応。 要問い合わせ JV管理や厳格な内部統制、会計システムとの高度な統合を求める中堅・準大手ゼネコン
SMILE V 2nd Edition コストマネージャー 発注処理と原価入力を連動させ、発注残を含めた見込み原価を管理。多角的なドリルダウン分析で予算超過を防止。 要問い合わせ 発注段階からのコスト統制と詳細な財務・収支分析を重視する中堅建設会社・工事業

原価管理ツールの選定においては、「現場管理者が日々の施工判断に使うツール」を求めているのか、「経理・バックオフィスが支払や会計仕訳を統括するツール」を求めているのかによって選択肢が分かれます。

日報を通じて「本日いくら儲かったのか」「損益分岐点はどこか」を現場レベルで即時に把握し、施工途中の迅速な手戻り防止や軌道修正を行いたい土木・建設会社には、MIYAシステムが適しています。日次の出来高と歩掛を連動させる特許手法により、現場監督自身が利益意識を持って施工管理を進める仕組みが整います。

一方で、発注書の発行、下請業者への支払査定、JV比率に応じた原価按分、財務会計連動までを一括管理する基幹業務の統合が主目的である場合は、どっと原価NEOPROCES.SSMILE V 2nd Edition コストマネージャーといった、購買・会計領域を広く網羅するシステムの導入が適しています。

料金・プラン

MIYAシステムは、クラウド版「ミヤシステムA」として利用人数や用途に合わせた月額課金プランを提供しています(※2022年4月に料金改定が実施されています)。また、スタンドアロンやネットワーク環境で運用するオンプレミス(パッケージ)版の料金体系も用意されています。

プラン名 初期費用 月額利用料 備考
チャレンジプラン 880円 3,300円 個人向け(利用人数1名)。実行予算書・見積書の作成が可能。日報入力や出面機能は対象外。
プレミアムプラン 110,000円 25,410円 企業向け(利用人数5名〜)。日報入力、実行予算作成、全体集計、出面アプリ(5アカウント付属)、権限管理に対応。年払いの場合は年額279,510円。

プレミアムプランでは、企業の利用規模に応じて各種オプションの追加が可能です。

  • アカウント追加
    基本の5名を超えて利用する場合、1アカウントあたり月額990円で追加できます。
  • 出面アプリ追加
    スマートフォン出面打刻用のアカウントを追加する場合、1アカウントあたり月額330円で増設可能です。
  • 工事登録件数追加
    登録工事数の拡張オプションとして、100件追加で月額550円、500件追加で月額1,650円が設定されています。
  • 有料サポート
    電話サポートやPC遠隔操作対応を希望する場合、年間サポートとして月額12,870円〜(追加1アカウント毎に月額1,430円)の有償保守契約が用意されています。

※参考として、オンプレミス/パッケージ版「MIYAシステム」の公表価格(2018年11月時点)は、基本システム新規700,000円、工程管理200,000円、出来高管理200,000円、設定導入指導料300,000円、年間サポート料金79,800円/年(月払い7,000円/月)〜となっています。

導入事例・実績

MIYAシステムは、2009年3月時点で累計約210社への導入実績が公表されています。公共工事や民間工事を手がける中小土木・建設企業において、赤字体質からの脱却や経営再建の実績が報告されています。

株式会社小坂田建設(岡山県岡山市)

従業員数約8〜9名、売上高約1億5,000万円規模で土木・建設工事業を営む株式会社小坂田建設では、平成13年(2001年)以降、9期連続の赤字に陥り、倒産の危機に直面していました。同社では現場ごとの損益管理が月末締めまで把握できず、工事完了後に赤字が判明する状態が続いていたことが主要な要因となっていました。

そこで2009年に原価管理ソフト「MIYAシステム」を導入し、現場ごとに日報を通じた日々の出来高と原価の対比(日当り採算管理)を徹底しました。現場監督自身が損益分岐点を意識して施工を進める体制を整えた結果、導入から約3年後の2012年度(平成24年度)には3期連続の黒字化を達成しました。その後も日次原価管理を継続し、8期連続黒字・無借金経営への回復を果たした実績として、国土交通省の『国土交通白書2013』コラムや各種建設メディアで公表されています。

特許技術による作業グループ化と実行予算連動の仕組み

MIYAシステムの原価計算アルゴリズムには、独自に取得された特許技術が組み込まれています。建設業における原価管理の多くは、工事台帳に対して材料費や外注費の請求伝票を後から紐付ける「費用集計型」が一般的ですが、MIYAシステムは現場の施工プロセスと原価を直結させるアプローチを採用しています。

  • 特許第3031668号「工事費用管理装置および方法」
    複雑な建設作業を複数の「作業グループ」に細分化し、各グループに属する労務・資材・機械の歩掛を実行予算や工程表と体系的に紐付ける技術です。
  • 特許第3664643号「工事管理装置および方法」
    日々の作業日報から作業グループごとの実績データを取得し、リアルタイムに出来高金額と発生原価を対比して利益差異を自動集計・予測する管理手法です。

一般的なExcel管理では、複雑な計算式を組んでも現場ごとの入力ズレや出来高集計の手動修正が発生し、全社的な集計に遅延が生じがちです。MIYAシステムでは特許化されたデータ構造を用いることで、日報の作業量を基点とした日次損益計算を自動化しています。

導入前に知っておきたいこと

MIYAシステムを検討するにあたり、公表されている仕様や導入企業の声から確認できる運用上の留意点がいくつか存在します。

  • 初期導入時のマスタ整備にかかる工数
    自社の施工実態に合わせた歩掛や、共通リソース(労務費単価、保有機械の稼働経費、材料単価など)のマスタ設定を着工前に構築する必要があります。精度の高い日次損益を算出するためには、運用開始前のデータ準備とスケジュール確保が不可欠です。
  • 現場技術者・職人への日報入力ルールの定着
    導入事例の中には「当初は一部の現場代理人しか入力せず、社内定着に試行錯誤を要した」という報告も見られます。これまで紙の日報やExcelに慣れていた現場担当者に対して、スマートフォンの出面アプリや日報入力を確実に習慣化させるための社内ルール作りと定着支援が必要です。
  • サポート体制と機能ごとの契約形態
    電話サポートやPC画面の遠隔操作によるレクチャーを受けるには、月額12,870円〜の「年間サポート」の契約が必要です。また、スマートフォン出面アプリの利用や複数人での原価管理を行うにはプレミアムプランの契約が必須となり、最安のチャレンジプラン(月額3,300円・1名利用)では日報や出面機能が利用できない点に注意が必要です。

導入の流れ・期間

クラウド版「ミヤシステムA」の導入は、概ね以下のステップで進められます。具体的な導入所要期間は各社のマスタ準備状況や現場数によって異なるため、事前の問い合わせが推奨されます。

  1. 問い合わせ・資料請求
    公式サイトのフォームより資料請求やオンラインでのシステム説明を申し込みます。自社の管理体制や課題に合わせた適用方法を確認します。
  2. デモ画面の確認・プラン選定
    実際の画面構成や日報入力フロー、帳票出力を確認し、利用人数や現場規模に応じて「チャレンジプラン」または「プレミアムプラン」を選択します。
  3. 見積もり・利用契約
    必要なアカウント数、出面アプリ数、オプションの有無を確定し、見積書を確認のうえ契約手続きを行います。
  4. 初期設定・マスタ登録
    会社共通マスタ(労務・資材・機械経費などの標準単価)の登録や、過去工事データのインポート、現場アカウントの権限設定を実施します。
  5. 社内研修・運用開始
    現場担当者やバックオフィス向けに日報入力および出面アプリの操作ルールを共有し、実現場での運用を開始します。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンから原価管理や日報入力は行えますか?
クラウド版「ミヤシステムA」では、スマートフォン向けの「出面アプリ」が提供されており、現場からの出退勤打刻や人工入力が可能です。登録された出面データは自動的に日報の労務原価へ連動します。各種帳票の詳細確認や実行予算作成などはWebブラウザ経由で行います。
利用に必要な動作環境や推奨スペックはどのようになっていますか?
クラウド版「ミヤシステムA」はWebブラウザ環境からアクセスして利用します。また、各種帳票出力機能の利用には端末環境にMicrosoft Excelがインストールされている必要があります。詳細な推奨OSやブラウザの最新バージョンについては提供元へのお問い合わせが必要です。
導入前に無料トライアルやデモ体験は可能ですか?
公式サイト等で定期的にオンライン説明会やデモンストレーションの受付が行われています。無料トライアルの提供有無や利用条件については時期によって異なる場合があるため、最新情報の問い合わせを推奨します。
導入後のサポート窓口はどのような体制になっていますか?
標準窓口としてメールによる問い合わせやオンラインヘルプ(マニュアル)が常設されています。また、電話での操作案内やPC画面の遠隔操作サポート、最新アップデート提供、勉強会への参加を希望する場合は、別途「年間サポート(月額12,870円〜)」への加入が必要です。
最低契約期間や解約条件はどうなっていますか?
クラウド版「ミヤシステムA」の契約期間や中途解約時の規定、年払い時の返金条件などの詳細な契約約款については、プランや支払方法(クレジットカードまたは請求書決済)により規定されています。導入時の見積もり確認および契約締結時に公式窓口への確認を推奨します。

参照・出典

他の工事原価管理システムと比較する

MIYAシステムの特徴を含む原価管理の13製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

工事原価管理システム比較13選