建スマとは?安全書類作成や下請回収を効率化する機能・特徴・他社比較を解説

施工体制台帳や作業員名簿などの安全書類作成・共有・管理を効率化するクラウドサービス。会社情報や作業員情報、現場情報を一度登録するだけで全建統一様式の各種書類へ自動反映される。下請会社からの書類回収や不備自動チェック機能により、書類業務の負担を大幅に軽減する。

公式サイト
https://kensuma.co.jp/
料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中小企業向け
対象業界
サブコン・専門工事業者 中小工務店・地場ビルダー 建築

建スマとは?

建スマは、建スマ株式会社が提供する、施工体制台帳や作業員名簿をはじめとする労務安全書類(グリーンファイル)の作成・共有・管理を一元化するクラウドサービスです。建設業法や労働安全衛生法に基づく各種書類の作成において、会社情報、作業員情報、現場情報、車両情報などを一度登録すれば全建統一様式を中心とする書類へ自動反映されます。下請会社からの提出回収や不備の自動チェック機能を備え、元請・下請双方における手戻りや確認負担を削減します。さらに、自社での入力業務そのものを外部委託できる作成代行サポートを組み合わせることで、事務リソースが不足しがちな中小工務店や専門工事業者の書類業務効率化を支援します。

主な機能

建スマの機能は、書類の入力工数を削減する「入力・作成自動化機能」、協力会社とのやり取りを効率化する「回収・不備チェック機能」、そして実務負担を直接軽減する「運用支援・データ管理機能」に分類されます。

入力・作成自動化機能

  • 基本情報の一括登録と書類への自動反映
    自社や下請会社の基本情報、入場する作業員の生年月日・保有資格・社会保険加入状況、現場情報、工事・通勤用車両の情報などをシステム内にマスター登録できます。一度登録したデータは作成対象の帳票へ自動で転記・反映されるため、現場ごとに発生していたExcelへの反復入力や転記ミスを防止できます。
  • 全建統一様式を中心とした約21種類の帳票出力
    作業員名簿(全建統一様式第5号)、下請負業者編成表(第1号-乙)、移動式クレーン/車両系建設機械等使用届(第9号)、持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届(参考様式第6号)など、現場実務で頻繁に求められる主要な労務安全書類約21種類の出力に対応しています。外国人建設就労者等現場入場届書(第1号-甲-別紙)、高年齢者作業申告書、年少者就労報告書、有機溶剤・特定化学物質等持込使用届(第11号)、火気使用願(参考様式第9号)、新規入場者調査票(参考様式第4号)、新規入場時等教育実施報告書(第7号)、工事安全衛生計画書(第6号)、年間安全衛生計画書(参考様式第3号)、工事作業所災害防止協議会兼施工体系図(第4号)、作業間連絡調整書(参考様式第5号)、工事・通勤用車両届(参考様式第8号)といった特殊な作業・機材に関連する書式もカバーしています。
  • PDF形式でのダウンロードおよび印刷出力
    システム内で自動作成された安全書類は、帳票レイアウトを保持したままPDF形式で一括ダウンロードや印刷が可能です。紙ベースでの備え置きや提出を義務付けている発注者や元請会社に対しても、標準フォーマットで速やかに出力して提出できます。

回収・不備チェック機能

  • 書類不備の自動照合・チェック
    提出された安全書類の記載漏れや添付書類の過不足をシステムが自動で検知します。資格証の添付漏れや社会保険加入状況の記入漏れなど、従来は現場代理人や安全担当者が目視で1枚ずつ確認していた確認作業を自動化し、差し戻しに伴う連絡工数を削減します。
  • システム内完結型の提出・リアルタイム共有
    元請会社と下請会社間の書類提出や画像データの受け渡しがシステム上で完結します。郵送、FAX、メール送付、現場事務所への持参といった物理的なやり取りが不要になり、提出された最新書類を関係者間で即座に閲覧・共有できます。
  • 進捗・提出状況の一覧ダッシュボード
    協力会社ごとの書類提出状況や未提出書類、添付画像の有無を一覧画面で可視化します。着工前の段階でどの下請会社から何の書類が届いていないかが一目で把握できるため、書類回収の遅延による入場トラブルを未然に防ぎます。

運用支援・データ管理機能

  • 安全書類の作成代行サポート(BPO支援)
    ソフトウェアの提供にとどまらず、安全書類の作成や管理実務そのものを請け負う代行サポートを用意しています。繁忙期や社内の専任事務員が不在の状況でも、書類作成実務を外部へ委託することで、現場代理人や施工管理者が施工・品質・安全管理などの現場管理業務に注力できる環境を整えます。
  • 過去現場データの蓄積と時系列閲覧
    サービス利用開始後に作成・登録された過去の現場情報は、システム内に時系列で保管されます。過去に入場した協力会社や作業員の情報を参照して新規現場の書類へ再利用できるほか、完工後の法定保存期間(建設業法に基づく5年間など)に応じた保管・検索にも活用できます。
  • クラウド上での自動アップデート
    帳票の様式改訂や機能追加、セキュリティパッチの適用はクラウド上で自動的に実施されます。ユーザー側でPCへのインストール作業や更新プログラムの適用を行う必要がなく、常に最新のシステム環境で業務を行えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

専任の事務スタッフがおらず、施工管理者が安全書類作成に追われている中小元請・工務店

  • 着工前の書類回収と内容確認に追われ現場管理が疎かになっている
    建スマの不備自動チェック機能と進捗一覧ダッシュボードを活用することで、一次・二次下請から届く書類の目視確認や督促にかかる時間を削減し、現場代理人が着工前の安全衛生管理計画の策定や工程管理に時間を充てられるようになります。
  • 繁忙期に書類業務が集中し時間外労働の原因になっている
    ソフトウェアでの自動作成に加えて「作成代行サポート」を併用できるため、社内の事務リソースが枯渇した際も書類作成を外部へ委託し、時間外労働の上限規制に対応した業務配分を実現できます。
  • 過去の現場書類が紙ファイルで保管され再利用が進んでいない
    過去の現場データがクラウド上に蓄積されるため、同一の協力会社や作業員が別の現場へ入場する際、過去データを呼び出して即座に書類作成へ流用できます。

大手元請から複数現場で異なる様式の書類提出を求められる専門工事業者(サブコン)

  • 現場ごとに作業員名簿や機械使用届を都度手書き・再入力している
    自社の作業員情報(免許・資格・特例講習・健康診断受診歴)や車両・機械情報をマスター化しておくことで、現場情報と紐付けるだけで作業員名簿(全建統一様式第5号)や車両届(参考様式第8号)など約21種類の書類へ自動反映され、反復入力工数を大幅に短縮できます。
  • 出先や現場巡回中に書類の確認・修正指示が出せない
    PCだけでなくスマートフォンやタブレットのブラウザからも利用できるマルチデバイス対応のため、移動中や作業所内でも提出状況の確認や必要な書類の修正作業を迅速に行えます。

向いていない企業・現場

インターネット環境のない現場事務所で完結させたい企業や、買い切り型ソフトウェアを求める企業

  • インターネット接続が制限された環境での書類作成を希望している場合
    建スマはCookieやJavaScriptを有効にした一般的なWebブラウザ環境が必須のクラウドサービスです。オフライン環境ではデータの入力や閲覧ができないため、常時ネット接続が確保できない現場や、オフライン専用のPC完結型ソフトを求める場合は適していません。
  • 月額利用料ではなく一度の買い切り型ライセンスで導入したい場合
    建スマの料金体系は毎月の自動課金を基本とするSaaS型モデルです。初期費用を一度支払った後は月額費用をかけずに運用したい小規模事業者の場合、買い切り型のインストールソフトウェア(みどりちゃん(ミニ)や安全様式集プリントシステムなど)を検討した方が総保有コストを抑えられる可能性があります。

類似ツールとの比較

労務安全書類の作成・管理ツールは、提供形態(クラウドSaaS型かPCインストール型か)、対応書類の範囲、代行サービスの有無によって適した事業規模や運用体制が異なります。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
建スマ 全建統一様式等約21種類の書類作成、不備自動チェック、書類作成代行サポートに対応したクラウドサービス 月額49,800円(税別/1支店、下請は無料、30日間無料トライアルあり) 書類作成の手間を減らしたい中小元請・工務店、専門工事業者、作成代行を希望する企業
みどりちゃん(ミニ) 全建統一様式対応のWindows専用インストール型ソフト。登録済みデータから作業員を選択して名簿化、期限警告機能を搭載 要問い合わせ スタンドアロンPCで自社の安全書類をシンプルに管理したい小規模事業者・一人親方
安全様式集プリントシステム 全建統一様式(改訂各版)対応のPCインストール型ソフト。帳票スタイル画面での入力とマスター機能による書類作成短縮 要問い合わせ 月額費用を抑え、決まったPC端末で自社の全建統一様式書類を定型管理したい専門工事業者
安全書類AI 現場や作業員情報を送るだけでAIが作業員名簿や施工体制台帳等を下書き作成。各種プラットフォーム入力代行にも対応 要問い合わせ 既存のExcelや書類データを活かし、入力・整形作業をAIと代行に丸投げしたい企業
グリーンサイト 大手ゼネコンから下請まで普及する業界標準クラウド。施工体制台帳の自動作成やCCUSとのデータ連携に対応 要問い合わせ(元請・下請別の料金体系) 大手ゼネコンの現場入場頻度が高い企業、CCUSデータ連携を重視する元請・一次下請

ツール選定における最大の判断軸は、「クラウド上で下請企業と双方向のやり取りを行いたいか、自社内での書類作成・印刷に特化したいか」という点です。元請として複数の下請会社から書類を回収し、提出状況の追跡や不備チェックを自動化したい場合、PC単体で稼働する「みどりちゃん(ミニ)」や「安全様式集プリントシステム」のようなインストール型ソフトでは対応できず、クラウド型の「建スマ」や「グリーンサイト」が適しています。

また、自社に書類作成専任の担当者がおらず、ツールの導入だけでは現場の業務過多を解消しきれない場合は、作成代行サービスが組み込まれたツールが選択肢になります。建スマは自社開発のクラウドプラットフォームに加えて「作成代行サポート」を提供しているため、ソフトの操作教育や入力工数そのものを削減したい中小企業に適した設計となっています。

一方で、スーパーゼネコンや準大手ゼネコンが主導する大規模現場への入場がメインであり、発注者や元請から「グリーンサイト」の利用を指定されている場合は、元請指定プラットフォームの利用が原則となります。建スマは自社で主導権を持って元請・下請間のやり取りを効率化したい中小工務店や地場ゼネコン、または元請提出用の書類作成を効率化したい専門工事業者の実務補完ツールとして検討するのが合理的です。

料金・プラン

建スマの利用料金は、元請会社向けプランが1支店につき月額49,800円(税別)となっています(下請会社のアカウントは追加料金なしで招待可能)。初期費用は無料で、基本機能のすべてが含まれます。

課金形態としてはクレジットカード決済による毎月自動課金(初回決済日に請求)が基本となっており、その他の支払方法については事前相談に対応しています。また、30日間の無料トライアル期間が用意されており、無料期間中に解約手続きを行った場合は利用料金が発生しません。解約は次回決済日までに手続きを完了させることで、翌月以降の請求を停止できます。

見積もりを依頼する際は、以下のポイントを確認することが推奨されます。

  • 課金単位と現場数・ユーザー数の制限
    月額費用が企業単位の固定制か、登録する現場数・管理ユーザー数・下請会社数に応じた従量課金制かを確認します。
  • 作成代行サポートの利用条件
    基本利用料に含まれる機能範囲と、安全書類作成代行サポートや新規入力代行を依頼した場合に発生する追加費用の算出基準を確認します。
  • 無料利用期間の適用条件
    自社の運用フローに適合するかを検証するための無料期間の有無、および適用される機能範囲を確認します。

導入事例・実績

建スマの導入事例として、以下の利用実績が確認されています。

  • 株式会社隆成建設(北海道札幌市)
    土木工事・舗装工事等を手がける同社において建スマが導入されており、「データの更新がスムーズになり安全書類作成が自動化され大幅な作成時間短縮になった」という定性的な利用効果が公表されています。

なお、導入現場数や削減時間等の詳細な定量的数値が記載された事例記事や、その他の個別導入企業名については、公式サイト上では公開されていません。最新の事例や自社と同規模の活用実績については、提供元への問い合わせが必要です。

作成代行サポート(BPO)と現場伴走体制

労務安全書類管理システムを導入する際、多くの建設会社が直面するのが「下請会社のITリテラシー格差」や「入力作業そのものにかかる時間」という課題です。ソフトウェアを導入しても、下請会社がシステムに入力してくれない場合や、自社の現場代理人が入力作業を肩代わりしていては、根本的な業務削減につながりません。

建スマでは、ソフトウェアの提供だけでなく「作成代行サポート」をサービスとして用意しています。会社情報や作業員情報、現場情報の登録から安全書類の作成・管理業務実務を代行スタッフへ委託できるため、システム操作に不慣れな企業でも運用を頓挫させることなく導入できます。

また、導入から運用定着に向けて専任スタッフによる伴走フォロー体制が敷かれています。シンプルなマニュアルの提供に加え、日常的な操作相談やトラブル対応、新機能追加の案内が提供されます。さらに、導入前には約30分程度のオンライン事前説明が実施されるほか、導入時や運用フェーズにおいても必要に応じてオンライン説明会や現場での対面レクチャーに対応しています。これにより、現場の職長や事務担当者がデジタルツールの操作に不安を抱えている場合でも、スムーズな実務定着を図ることが可能です。

導入前に知っておきたいこと

現時点において、第三者レビューサイト、SNS、業界コミュニティ等で公開された建スマに対する不満点や具体的な課題報告は確認できていません。

ただし、システムの仕様および公開情報から検討時に留意すべき実務上の注意点として以下の要素が挙げられます。

  • 大手プラットフォームとの直接連携機能の有無
    建スマは全建統一様式に準拠した書類の作成・出力や独自システム内での共有に強みを持っていますが、建設キャリアアップシステム(CCUS)やグリーンサイト等の他社プラットフォームとのAPI自動データ連携仕様については公開情報で明示されていません。大手元請から特定プラットフォーム上での電子申請を直接義務付けられている場合は、出力したPDFや帳票データの取り扱いについて事前確認が必要です。
  • 文字サイズ調整などのUI仕様
    文字の拡大・縮小表示については、システム独自のサイズ変更ボタンではなく、ブラウザ標準のズーム機能を利用する案内となっています。視認性や端末ごとの操作感については、契約前のオンライン説明や無料期間中に実機で確認しておくことが望まれます。

導入の流れ・期間

建スマの具体的な導入所要期間は公式には公開されていませんが、一般的な導入プロセスは以下の流れで進行します。

  • 1. 資料請求・オンライン説明
    公式サイトのフォームから資料請求を行い、専任担当者による約30分間のオンライン説明を受けます。自社の現場規模や安全書類の運用課題、作成代行サポートの要否について相談します。
  • 2. ヒアリング・見積もり
    利用現場数、アカウント数、代行サポートの希望範囲に応じた個別見積もりが提示されます。
  • 3. トライアル(無料期間の活用)
    提供条件に応じて無料期間を利用し、操作感や帳票出力の適合性をテストします。
  • 4. 契約・初期設定
    利用規約の同意およびクレジットカード決済等の登録を行い、本契約を締結します。自社の基本情報や協力会社情報、作業員データのマスター登録を行います(新規入力代行を依頼することも可能)。
  • 5. 運用開始・レクチャー
    実際の現場での運用を開始します。必要に応じてオンライン説明会や現場での対面レクチャーを実施し、協力会社を含めた実務定着を図ります。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットからも操作できますか?専用アプリのインストールは必要ですか?
スマートフォンやタブレットから操作可能です。専用アプリのインストールは不要で、Google ChromeやSafariなどの一般的なWebブラウザからシステムにアクセスして利用します。利用にあたってはCookieおよびJavaScriptが有効になっている必要があります。
全建統一様式以外の安全書類にも対応していますか?
作業員名簿や下請負業者編成表などの全建統一様式のほか、高年齢者作業申告書、年少者就労報告書、各種機械・工具の使用届、火気使用願、新規入場時等教育実施報告書など、現場で多用される約21種類の帳票出力に対応しています。
無料トライアルやデモ体験はありますか?
導入前に約30分程度のオンライン説明が受けられるほか、初めて利用するユーザー限定で30日間の無料トライアル期間が用意されています。期間内に解約すれば料金は発生せず、すべての機能をお試しいただけます。
サポート体制はどのようになっていますか?対面でのレクチャーは可能ですか?
専任スタッフによる導入・運用の伴走サポートが用意されています。操作マニュアルの提供や日常のトラブル対応に加え、必要に応じてオンライン説明会や現場での対面レクチャーにも対応しています。
書類作成代行サポートではどこまで対応してもらえますか?
安全書類の作成・管理業務を請け負う代行サポートが提供されています。自社内に入力作業を行うリソースがない場合や、初期の作業員・会社情報登録を任せたい場合など、契約内容に応じた代行支援を受けられます。費用の詳細は見積もり時の確認が必要です。
契約期間や解約の条件はどうなっていますか?
料金はクレジットカード等による毎月自動課金となっており、次回決済日までに解約手続きを完了すれば次回以降の請求は発生しません。なお、契約期間の縛りは一切ありません。

参照・出典

他の労務安全書類作成と比較する

建スマの特徴を含む労務安全書類作成の12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

労務安全書類作成比較12選