SAVIOUR NEXTとは?
SAVIOUR NEXT(セイバーネクスト)は、土木工事や建築工事を手がける建設会社が直面する労務安全書類の作成負担や、安全教育・リスクアセスメントの属人化という課題を解決する安全管理総合システムです。株式会社コンピュータシステム研究所が開発・提供しており、施工体制台帳をはじめとする法定帳票の作成支援機能を標準で備えています。メニューに沿って必要情報を入力するだけで各種書類を作成できるほか、登録された資格情報から有効期限切れを自動検知する機能を搭載しています。さらに、安全教育動画や豊富なイラストパーツ集、災害・ヒヤリハット事例集を収録しており、現場の安全管理業務を網羅的に支援します。
主な機能
SAVIOUR NEXTは、現場の安全書類作成にとどまらず、日々の安全衛生管理やリスクアセスメント、作業員への安全教育までを包括的に支援する機能を備えています。公表されている主要な機能は以下の3点に分類されます。
帳票作成・法令遵守管理機能
- 施工体制台帳・各種安全帳票の作成支援
建設業法および労働安全衛生法に対応した施工体制台帳や施工計画書などの法定書類を、入力フォームに従って効率的に作成できます。資格の有効期間切れを自動で判定するチェック機能が備わっているため、無資格者による危険作業の配置や書類の差し戻しリスクを未然に防止できます。 - 最新法令マスタの標準搭載と自動更新
建設業法、労働安全衛生法、労働基準法など、実務に関連する753種類の法令・施行令・規則をシステム内に収録しています。法改正に合わせて毎年データが更新されるため、現場監督や安全担当者が自力で最新の法改正条文を調査する手間を省き、法令違反リスクを低減させます。 - 事故対応NAVI・工種別テンプレート
万が一の現場事故発生時における初動対応策の指示や、関係各所へ速やかに提出すべき報告書テンプレートがパッケージ化されています。有事の際にも現場担当者が迷うことなく的確な手続きを進められる体制を整えられます。
リスクアセスメント・安全資料作成機能
- リスクアセスメント自動抽出・連動
工種や作業内容を選択するだけで、想定される危険有害要因をシステムが自動で抽出し、初期リスク評価を提示します。さらに、抽出されたリスクに連動して安全作業手順書、過去の災害・ヒヤリハット事例、関係法令が一体となって出力されるため、安全管理計画の立案工数を大幅に短縮できます。 - 土木積算システム「ATLUS」とのデータ連携
同社が提供する土木積算システム「ATLUS」の工事データを直接取り込むことで、積算情報から即座にリスクアセスメントを作成できます。積算時に確定した工種情報を二重入力することなく、安全計画へシームレスに反映させることが可能です。 - 豊富な安全イラスト・3Dパーツ集
約1,200点の災害・ヒヤリハット事例(工事別・起因別・事故別)と、約600点の安全イラスト・パーツ集を収録しています。作業計画書やKY(危険予知)活動表の作成に活用できる3Dパーツも搭載されており、Excel等へ展開して視覚的に分かりやすい安全資料を容易に作成できます。
安全教育・クラウド共有機能
- 多言語対応のCG・VR安全教育動画
CGやVR技術を活用した臨場感のある安全教育動画が約150本収録されています。動画には英語やベトナム語の字幕テロップ表示機能が備わっており、近年の建設現場で増加する外国人技能実習生や特定技能外国人に対する新規入場時教育の質を均一化できます。 - クラウド管理とQRコードによる情報共有
作成した工事データ、災害ヒヤリハット報告書、安全作業手順集などをクラウド上で管理し、URLやQRコードを通じて共有できます。現場作業員や下請協力会社のスマートフォン、または現場事務所や朝礼広場に設置された大型サイネージへ安全情報を即座に掲示・閲覧させることが可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
安全教育の属人化を防ぎ、外国人労働者を含めた現場全体の安全水準を底上げしたい企業
- 外国人技能実習生や特定技能作業員に対する安全教育の言語障壁
約150本のCG・VR安全教育動画と、英語・ベトナム語字幕テロップ機能を活用することで、言葉の壁による理解不足を解消できます。新規入場時や送り出し教育において、国籍を問わず同一基準の危険予知トレーニングを視覚的に実施でき、不安全行動による事故発生を抑止できます。 - KY活動や作業計画書のイラスト作成にかかる膨大な時間と質のバラつき
約600点のイラスト・3Dパーツ集および約1,200点のヒヤリハット事例集を活用することで、絵を描く手間や事例をゼロから探す負担を解消できます。Excelなどを用いた作業手順書や注意喚起ポスターの視認性が向上し、若手現場監督でも説得力のある安全資料を短時間で作成できるようになります。
同社の土木積算ソフト「ATLUS」を活用しており、積算から安全管理までを一元化したい土木企業
- 積算データと現場安全計画書の二重入力による事務作業の重複
ATLUSの工事データを直接取り込むことで、工種情報をそのまま活用してリスクアセスメントを瞬時に自動生成できます。設計図書や内訳書を見直しながらリスク項目を再入力する手戻りをなくし、着工前の事務工数を大幅に短縮できます。 - 現場ごとに異なるリスクアセスメントの精度や法的適合性の不備
工種に応じた危険要因の自動抽出機能と、753種類の年次更新法令マスタが連動することで、担当者の経験値に依存しない精度の高い安全作業手順書を策定できます。工事成績評定の安全管理項目においても、根拠法令に基づいた堅確な書類提示が可能になります。
向いていない企業・現場
下請協力会社を含めた完全なオンライン書類回収・電子検印ネットワークを主目的に導入したい企業
- 数千社規模の協力会社が利用する業界標準の共通クラウド基盤を求めている場合
SAVIOUR NEXTは自社内の安全管理、リスクアセスメント、施工体制台帳作成、教育資料作成に強みを持つソフトウェアです。全国の下請企業が日常的に接続している大規模な協力会社ポータルや、CCUS(建設キャリアアップシステム)との自動連携を主軸として安全書類(グリーンファイル)の回収・差し戻しを完全Web化したい場合は、グリーンサイトなどの業界標準クラウドサービスを優先して検討する方が適しています。
類似ツールとの比較
労務安全管理や施工体制台帳作成を支援する代表的なツールとの機能・特徴の違いは下表の通りです。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| SAVIOUR NEXT | 施工体制台帳作成に加え、工種連動リスクアセスメント、法令マスタ、CG・VR安全教育動画、積算データ連携を備える総合安全管理システム | 要問い合わせ | 安全教育やKY活動の質を高めたい企業、同社積算ソフト「ATLUS」を活用する土木・建築企業 |
| グリーンサイト | 労務安全書類(グリーンファイル)の作成・提出・確認をWeb上で行う業界標準クラウド。CCUS連携や施工体制台帳の自動作成に対応 | 要問い合わせ(元請・代行・協力会社ごとの料金体系) | 大手ゼネコンと取引が多い企業、下請業者との書類やり取りを共通基盤で完結させたい企業 |
| Greenfile.work | 500項目以上の不備・期限切れ自動検知機能を備え、差し戻し削減と直感的な操作性に強みを持つ労務安全書類クラウド | 要問い合わせ | 書類の差し戻し工数を削減したい元請企業、元請による下請代行作成を効率化したい企業 |
| 施工体制クラウド | 施工体制台帳や施工体系図、再下請負通知書をクラウド上で作成・蓄積し、現場と本社の分業化を支援するWebアプリケーション | 要問い合わせ | 施工体制に関わる書類作成の省力化と、提出進捗のダッシュボード管理を重視する企業 |
各ツールは重視している業務領域が異なります。グリーンサイトやGreenfile.workは、元請と下請の間で飛び交う膨大な労務安全書類(作業員名簿や再下請負通知書など)の回収・点検・差し戻しをオンライン上で集約・自動化することに主眼が置かれています。重層下請構造における書類の電子授受ネットワークを最重要課題とする場合は、こうした安全書類特化型クラウドが有力な候補となります。
一方、SAVIOUR NEXTは、施工体制台帳の作成支援にとどまらず、現場における「日々の安全衛生活動そのもの」を高度化する点に独自性があります。工種に紐づくリスクアセスメントの自動作成、年次更新される法令マスタの参照、多言語対応のVR・CG教育動画、3Dイラストを用いた作業計画書の作成など、現場の安全水準向上や現場監督の資料作成を包括的に支援します。自社主導で安全管理の質を高め、積算データ等を活かした合理的な安全計画を立案したい場合には、SAVIOUR NEXTが適した選択肢となります。
料金・プラン
SAVIOUR NEXTの料金プランおよび価格体系は公式には公開されておらず、個別見積もり(要問い合わせ)となっています。導入規模や必要ライセンス数、保守サービスの内容によって費用が変動する仕組みです。
導入を検討する際は、以下のポイントを事前に問い合わせ窓口へ確認することが推奨されます。
- ライセンス体系の形態
利用人数に応じたユーザー課金制なのか、事業所やPC端末ごとに付与される端末ライセンス制なのかを確認します。 - 保守サービスおよび法令マスタ更新の費用
毎年行われる753種類の法令マスタ更新やシステムメンテナンスが月額・年額保守費用に含まれているか、別途更新費用が発生するかを確認します。 - 初期費用と教育・導入支援サポートの有無
初期導入時のセットアップ費用や、従業員向けの操作指導・オンラインデモなどのサポートが無償か有償かを確認します。
導入事例・実績
SAVIOUR NEXTを提供する株式会社コンピュータシステム研究所の公式発表によると、安全管理システム「SAVIOUR」シリーズ全体として、全国で約3,500社の建設業者への導入実績を有しています。
公表されている具体的な導入企業事例としては、以下の実績が確認されています。
- 株式会社河野組(宮崎県日南市)
土木工事、舗装工事、上下水道工事を手がける従業員数20名の企業において、日々の安全管理業務や書類作成の効率化を目的として導入されています。 - 株式会社松本組(兵庫県朝来市)
土木部において「4ライセンス」が導入され、現場における施工体制台帳の作成管理や安全衛生業務に活用されています。
なお、導入企業による「工数〇%削減」や「作成時間〇時間短縮」といった定量的な効果数値については、公式事例において具体的な数値の公表は確認されていません。各社における資料作成手間の軽減や安全意識の向上といった定性的な評価が中心となっています。
土木積算システム「ATLUS」との連携による積算・安全管理データの一元化
SAVIOUR NEXTの大きな技術的特徴として、同社が長年提供している土木積算システム「ATLUS」シリーズとのデータ連携機能が挙げられます。
通常の安全書類作成システムでは、着工前に設計書や内訳書を確認しながら、現場で発生する工種や作業内容を手作業で入力してリスクアセスメントや安全作業手順書を作成する必要があります。しかし、SAVIOUR NEXTではATLUSで作成した工事データをそのままシステムに取り込むことが可能です。
これにより、内訳データに登録された工種情報から自動的にリスク要因が引き出され、初期リスク評価や連動する関連法令、ヒヤリハット事例が瞬時にセットアップされます。積算担当部署と現場施工管理者の間にあるデータの分断を解消し、着工準備期間における事務処理の大幅な省力化と、積算根拠に基づいた高精度な安全管理計画の立案を可能にしています。
753種類の法令マスタと年次更新によるコンプライアンス管理
建設現場における安全管理は、建設業法や労働安全衛生法だけでなく、労働基準法、道路交通法、公害対策関連法など多岐にわたる法令への適合が求められます。法令違反や書類の不備は、工事の是正勧告や行政指導、工事成績評定の減点に直結する重要な経営リスクです。
SAVIOUR NEXTは、現場に関連する753種類の法律、施行令、施行規則等を網羅した法令マスタを内包しています。さらに、このマスタデータは法改正に合わせて毎年最新データへと更新されるサポート体制が敷かれています。
現場監督が個別に官報や関係省庁の通達を追跡することなく、書類作成時や作業計画策定時に正しい根拠条文を引用できる環境が整うため、中堅・中小建設企業であっても大手ゼネコン水準の堅確なコンプライアンス管理体制を維持できます。
導入前に知っておきたいこと
SAVIOUR NEXTの導入を検討するにあたり、事前に把握しておくべき運用上の注意点があります。
建設業労働災害防止協会(建災防)のICT研究開発事例情報によると、本システムに収録されている安全教育動画を現場作業員がスマートフォンで視聴する場合、再生用アプリ「Blinky」のインストール、ユーザー登録、および指定チャンネルへの登録が必要となる運用仕様が報告されています。現場の作業員や協力会社の職人に個人のスマートフォンで動画を視聴させる際は、事前のアプリ導入案内や通信環境の確保といった準備が必要です。
また、外部の口コミサイト等において第三者ユーザーによる詳細な不満や改善要望のレビュー投稿は現時点で公表されていません。そのため、自社のPC環境での動作レスポンスや操作画面の使い勝手、協力会社とのやり取りの実態に合致するかどうかは、契約前に提供されている無料デモ等を活用して実機で検証することが極めて重要です。
導入の流れ・期間
SAVIOUR NEXTの導入期間に関する公式な標準日数は公開されていませんが、提供元が案内している一般的な導入ステップは以下の通りです。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトのフォーム等から問い合わせを行い、自社の工事規模、ライセンス数、運用課題(安全書類、リスクアセスメント、安全教育など)を相談します。 - 無料訪問・オンラインデモの実施
コンピュータシステム研究所の担当者による訪問またはオンラインでの製品デモが行われます。実際の操作画面や動画コンテンツ、帳票出力機能を事前に確認できます。 - 見積もり・プラン選定
必要なライセンス形態や保守サポート内容に応じた個別見積もりが提示されます。 - 契約・初期環境設定
契約締結後、管理用PCへのソフトウェアセットアップやアカウントの発行、動作環境の整備を行います。 - 運用開始・保守サポート
マスターデータの登録やATLUS積算データとの連携設定を行い、実現場での運用を開始します。導入後は問い合わせ窓口やダウンロードサービス、毎年の法令マスタ更新サービスを利用できます。
※具体的な導入所要期間については、希望するライセンス規模や運用内容に応じて要問い合わせとなっています。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンやタブレットでの閲覧には対応していますか?
- クラウド共有された工事データや安全資料の閲覧に対応しています。閲覧側の対応環境としてはAndroid 14以降、Google Chromeの最新バージョンが推奨環境として公表されています。
- PCの対応OSや推奨動作環境はどのようになっていますか?
- PC環境はWindows 10およびWindows 11に対応しています(Microsoft社のサポート期間に準拠。Windows 10 MobileやIoT Core、RT等は対象外です)。
- 契約前に実際のシステムを試すデモやトライアルはありますか?
- 導入前の無料訪問デモおよびオンラインデモが提供されています。自社の業務フローに適合するかどうかを契約前に実画面で確認できます。
- 安全教育動画はどのような言語に対応していますか?
- 収録されている約150本のCG・VR安全教育動画は、日本語に加えて英語およびベトナム語の字幕テロップ表示に対応しています。
- 年度の途中で関連法改正があった場合、どのように対応されますか?
- 収録されている753種類の法令マスタは、保守サービスの一環として毎年最新のデータへ更新される仕組みが提供されています。
- 契約期間や途中解約に関する条件は公開されていますか?
- 最低契約期間や解約条件に関する具体的な数値・規定は公表されていません。見積もり取得時に担当窓口へ直接ご確認ください。