グリーンサイトとは?労務安全書類の作成・提出を効率化しCCUS連携にも対応するクラウドサービスの機能と特徴

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労務・安全衛生管理に関する書類(グリーンファイル)をインターネット上で作成・提出・確認できる業界標準クラウドサービスです。大手ゼネコンから協力会社まで広く普及しており、蓄積データを活用した施工体制台帳の自動作成やCCUSとのデータ連携に対応しています。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
規模問わず
対象業界
ゼネコン サブコン・専門工事業者 土木 建築

グリーンサイトとは?

グリーンサイトは、元請企業および協力会社が直面する労務・安全衛生管理書類(通称:グリーンファイル)の作成・提出・確認業務をオンライン上で完結させる業界標準のクラウドSaaSです。エムシーディースリー株式会社(旧・株式会社MCデータプラス等が統合)が提供しており、建設業法や労働安全衛生法で義務付けられている施工体制台帳、再下請負通知書、作業員名簿などの法定書類をクラウド上で作成・一元管理できます。一度登録した企業情報や作業員マスターを現場ごとに再利用できる仕組みを備え、反復発生していた書類作成負担や手戻りの解消を支援します。

主な機能

グリーンサイトは、法定書類の作成支援から期限切れの自動検知、現場の出退勤・入退場管理、建設キャリアアップシステム(CCUS)との双方向データ連携まで、現場の安全書類業務を網羅する機能を備えています。

労務安全書類(グリーンファイル)作成・管理機能

  • 全建統一様式に準拠した書類の作成・提出・電子承認
    再下請負通知書、作業員名簿、工事作業所災害防止協議会兼施工体系図、持込機械等使用届、新規入場者調査票など、主要な労務安全書類を画面上で作成できます。下請企業が提出した書類は上位企業へオンラインで回覧され、印鑑を用いずにシステム上で確認・承認・差し戻しを行えます。
  • マスターデータの自動反映と引き継ぎ
    自社情報、社会保険加入状況、作業員の基本情報や保有資格、健康診断受診日などをマスターとして一度登録すれば、別の現場へ入場する際にもデータを呼び出して自動反映できます。現場ごとに同じ項目を手作業で転記・再入力する手間を削減します。
  • 施工体制台帳および施工体系図の自動生成
    一次下請から数次下請まで各階層の協力会社が提出した再下請負通知書のデータを基に、元請企業側の施工体制台帳および施工体系図がツリー構造で自動編成されます。重層下請構造が深い現場でも、下請次数や契約関係の整理に伴う転記ミスや編纂漏れを防止します。

法令順守・コンプライアンス管理機能

  • 有効期限のアラート通知
    作業員の各種免許・技能講習修了証・特別教育の有効期限をはじめ、健康診断の受診日、企業の建設業許可の更新時期などをシステムが常時監視します。期限切れが近づくと管理者へアラート通知が届くため、無資格作業や期限切れ書類の放置といった法令違反リスクを未然に防ぎます。
  • 多要素認証(ワンタイムパスワード)によるセキュリティ
    ログイン時のID・パスワード入力に加え、登録メールアドレス宛に送信される認証コードを用いた多要素認証を標準実装しています。現場作業員の個人情報や健康診断結果、企業の契約情報などの機密データを不正アクセスから保護します。

現場連携・外部プラットフォーム接続機能

  • 通門管理・入退場記録管理
    QRコード、顔認証システム、各種ICカードなどを活用し、現場ゲートでの作業員の入退場記録をリアルタイムに収集・記録します。登録済みの作業員名簿データと照合することで、事前の安全書類提出および入場承認が完了していない作業員の不正入場をゲート上で検知できます。
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)データ連携
    一般財団法人建設業振興基金が運営する建設キャリアアップシステム(CCUS)との双方向データ連携に対応しています。グリーンサイト上で登録した作業員情報や事業者情報をCCUSへ連携できるほか、CCUS側の登録データをグリーンサイト側へ取り込むことが可能です。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

重層下請構造が深く、多数の現場を並行稼働させている総合建設業(元請企業)

  • 現場着工前の安全書類収集・点検作業で施工管理者の残業が常態化している
    グリーンサイトを標準導入することで、協力会社から提出される書類の入力不備や添付漏れをシステム側で事前に機械判定し、手戻りを防止します。実例として、株式会社田中組では労務安全書類業務を8割削減、仙建工業株式会社では年間8,000時間の書類業務削減を達成しています。
  • 入場作業員の資格期限切れや無資格作業の確認漏れが発生している
    作業員マスターに登録された資格情報や健康診断受診日の有効期限が自動判定され、期限切れ間近の作業員にはアラートが通知されます。現場代理人がバインダーを1枚ずつ目視確認することなく、法令違反リスクを排除した労務統括管理体制を構築できます。
  • 新規入場時の確認作業に毎朝時間を取られ朝礼や作業開始が遅延している
    通門管理機能や顔認証端末と連携させることで、事前にWeb上で受領・点検が完了した作業員情報と現場入退場ログを自動照合できます。前田建設工業株式会社では、従来作業員が毎朝30分ほど掛けて手書き記入していた新規入場時の申告書業務を効率化・省力化しています。

大手ゼネコンの現場へ頻繁に入場する専門工事業者(協力会社・下請企業)

  • 元請ごとに異なる書式で毎回同じ作業員情報を手書き・再入力している
    自社アカウントを作成して従業員・常用職人の基本情報や保有資格を一度登録しておけば、グリーンサイトを採用している全国の元請現場に対してワンクリックで作業員名簿や再下請負通知書を提出できます。現場入場ごとの重複作成業務から解放されます。
  • 急な現場入場要請に対して資格証や健診票のコピー集約が間に合わない
    クラウド上に職人の顔写真、特別教育受講証、技能講習修了証、社会保険加入証明書などがデジタル保管されているため、事務所に戻ることなく現場配置や書類提出を完了できます。

向いていない企業・現場

協力会社へのシステム利用料負担を避けたい元請企業や、下請主導でコストをかけずに電子化したい現場

  • 協力会社に対して初期費用や年額利用料の金銭的負担を求めにくい
    グリーンサイトで協力会社が自社管理画面から作成・提出を行う場合、協力会社側にも初期設定料(10,000円)や年額ID利用料(1名4,800円/年、10名12,000円/年)の費用負担が発生します。協力会社に一切の金銭的負担をかけずに労務安全書類を電子化したい場合は、下請企業の機能利用料が無料に設定されているBuildeeなどの競合ツールを検討した方が適しています。
  • 安全書類の作成だけでなく作業間連絡調整や歩掛管理まで1つの画面で統合管理したい
    グリーンサイトは労務安全書類およびCCUS連携に特化した構造をとっています。翌日の揚重機や作業場所の割り振りを協議する作業間連絡調整会議や、歩掛・工程管理などの現場施工管理業務全般を単一プラットフォームで一元化したい場合は、現場調整機能を統合モジュールとして備える施工管理プラットフォームの導入が候補となります。

類似ツールとの比較

労務安全書類作成ツールの分野において、グリーンサイトと比較検討される主要な競合サービスが株式会社リバスタの提供する「Buildee(ビルディー)」です。両サービスは提供範囲、料金構造、普及基盤において明確な違いがあります。

最大の相違点は、協力会社(下請企業)側の費用負担モデルです。グリーンサイトでは、自社アカウントを用いて書類の作成や作業員管理を行う協力会社に対して初期設定費用10,000円および年間ID利用料(1名プラン年額4,800円、10名プラン年額12,000円など)が発生します。一方のBuildeeでは、労務安全書類の作成・提出機能(Buildee労務安全)に関して、協力会社側は完全無料で利用できる料金体系を採用しています。そのため、下請企業への費用負担発生を懸念する元請企業にとっては比較の重要な判断材料となります。

一方で、普及度と登録データ規模の観点ではグリーンサイトが先行しています。2001年からサービス提供を開始しているグリーンサイトは、スーパーゼネコン各社をはじめとする元請企業約1,000社、協力会社約90万社、技能者約280万人超の登録基盤(エムシーディースリー発表資料・2025〜2026年時点)を有しています。多くの現場で共通のデファクトスタンダードとして指定されているため、専門工事業者側にとっては「すでに自社や職人のデータが登録済みであり、他現場でもそのまま使い回せる」という再利用性の高さにおいてグリーンサイト側に利点があります。

また、カバーする業務領域にも差異が存在します。グリーンサイトは労務・安全衛生管理書類(グリーンファイル)の作成・承認やCCUS連携を中心とした設計となっているのに対し、Buildeeは労務安全書類に加えて揚重機や作業場所の利用を調整する「Buildee調整会議」、作業進捗や歩掛を管理するモジュールなど、現場施工・工程調整全般を統合するプラットフォーム構成をとっています。労務安全管理に特化して業界標準基盤を活用するか、工程間調整まで含めた施工DXを包括推進するかによって選定が分かれます。

料金・プラン

グリーンサイトの料金体系は、協力会社(下請企業)と元請企業で分かれています。いずれも税抜表記です。

利用区分 初期設定料金 利用料金(税抜) 備考
協力会社(1名プラン) 10,000円(初年度のみ) 4,800円 / 年 年間契約・前払い。自社で作業員登録・書類作成を行う場合
協力会社(10名プラン) 10,000円(初年度のみ) 12,000円 / 年 追加は10IDごとに月額1,000円(年間契約・前払い)
協力会社(代行登録時) 0円 0円 元請や上位会社が下請の代わりに代行登録する場合、下請側の負担なし
元請企業(Aコース) 300,000円(初年度のみ) 7,000円 / 月・プロジェクト 10〜99プロジェクト規模。年間契約前払い。別途ID利用料発生
元請企業(Bコース) 300,000円(初年度のみ) 6,500円 / 月・プロジェクト 100〜249プロジェクト規模。年間契約前払い。別途ID利用料発生
元請企業(Cコース) 300,000円(初年度のみ) 6,000円 / 月・プロジェクト 250〜499プロジェクト規模。年間契約前払い。別途ID利用料発生

※元請企業のプロジェクト利用料は、原則として10現場以上からの年間契約・前払い方式です。10現場未満の個別導入費用や500プロジェクト以上の大規模利用、およびオプション機能であるプライムサービス(「ワークサイト」「スキルマップサイト」「CCUSデータ連携サービス」等)の料金については個別見積もり・要問い合わせとなっています。

導入事例・実績

グリーンサイトは、大手ゼネコンから地域中核建設会社まで幅広く導入されており、具体的な定量的削減効果が公表されています。

  • 株式会社田中組(総合建設業)
    グリーンサイトを導入して現場の労務安全管理業務を標準化した結果、従来紙ベースで行われていた労務安全書類の作成・確認・差し戻し業務を8割削減することに成功しました。
  • 仙建工業株式会社(総合建設業 / 従業員約1,000名規模)
    グリーンサイトを含む「建設サイト・シリーズ」を組織全体に展開し、重層的な協力会社ネットワークとの書類授受を電子化しました。これにより、書類業務全体で年間8,000時間の削減を達成しています。
  • 大和リース株式会社(総合建設業)
    グリーンサイトおよび関連サービスのワークサイトを導入し、現場ごとの安全書類作成および関連業務を効率化しました。結果として、1現場あたりの施工管理業務時間を月10時間削減しています。
  • 前田建設工業株式会社(総合建設業)
    2010年に導入し、全国の全現場へ展開しています。従来、新規入場時に作業員が毎朝30分ほど掛けて手作業で記入していた入場申告書業務を、グリーンサイトのデータと顔認証・通門管理連携によって効率化・省力化を実現しました。

建設キャリアアップシステム(CCUS)連携と現場入退場管理の実務

国土交通省が普及を推進する建設キャリアアップシステム(CCUS)への対応において、グリーンサイトは基幹的な連携プラットフォームとして機能します。

通常、CCUSの就業履歴を蓄積するためには、現場に専用のカードリーダーを設置して入場者全員に技能者カードをタッチさせる必要があります。しかし、グリーンサイトの「CCUSデータ連携サービス」を活用することで、グリーンサイトに登録された技能者情報や施工体制のデータをCCUS側へ自動連携させることが可能です。二重入力の手間を省きながら、現場のCCUS対応を効率的に進められます。

さらに、現場のセキュリティゲートや顔認証端末、QRコードリーダーなどの通門管理システムとグリーンサイト上の作業員名簿をリアルタイム連動させることで、安全書類上で入場承認が得られていない未登録作業員の入場を機械的に遮断できます。これにより、下請企業の社会保険未加入問題の是正確認や、有資格者以外の危険作業従事の抑止など、労働安全衛生法および建設業法に準拠した施工体制管理を現場入場ゲートの段階で担保できます。

導入前に知っておきたいこと

グリーンサイトの導入にあたっては、メリットだけでなくユーザーから報告されている以下の課題・注意点を把握しておく必要があります。

  • 協力会社(下請企業)側の金銭的負担と合意形成
    元請企業から指定されて利用を開始するケースが多いものの、協力会社が自社のアカウントで情報管理や提出を行う場合は初期設定料10,000円と年間ID利用料が発生します。下請側から「元請都合の指定ツールであるにもかかわらず費用が発生する」という不満が生じる場合があり、下請企業へ自社登録を求めるか、元請側で代行登録(費用元請負担)を行うかの事前調整が必要です。
  • 年間契約・前払いによる契約の硬直性
    契約形態が年間契約・一括前払い方式となっており、工期の短縮や現場の中途終了、解約が生じた場合でも月割りや日割りによる返金対応は行われません。プロジェクトの稼働期間を考慮した計画的な契約管理が求められます。
  • 利用開始までのリードタイム(原本郵送手続き)
    新規申し込み時にはWeb上の入力作業だけでなく、企業の「登記簿謄本」や「印鑑証明書」の原本を郵送で提出する必要があります。審査と登録処理を経て実際に利用を開始できるまでに約3週間を要するため、直近で現場着工や新規入場が迫っている場合は即座に利用を開始できません。
  • 現場作業員・高齢職人のITリテラシーへの依存
    PCやスマートフォンの操作に不慣れな職人や中小・一人親方にとって、資格証の画像アップロードや名簿の入力操作は心理的・実務的負担となります。入力遅延や誤登録が発生しやすく、上位下請や行政書士等へ登録代行を依頼することで余計な外注コストが発生するケースも報告されています。
  • 他社ツール(Buildee等)との重複による下請側の二重入力
    入場する現場の元請会社ごとに「A社はグリーンサイト」「B社はBuildee」と指定システムが分断されている場合、下請業者は現場ごとに同じ作業員情報や企業情報をそれぞれのツールへ二重に入力・管理しなければならず、下請側の管理工数が増加する実態があります。
  • サポート窓口のアクセス性と通話料負担
    公式の問い合わせ窓口は原則として電話窓口のみで運用されており、メールやチャットによる個別問い合わせフォームは案内されていません。用件ごとにナビダイヤル番号が分かれており、通話料はユーザー負担となるため、操作に迷った際の問い合わせに手間や通話コストがかかる点が指摘されています。

導入の流れ・期間

グリーンサイトの申し込みから本稼働までの流れと期間は以下の通りです。特に原本書類の郵送が必要となるため、期間に余裕を持った手続きが不可欠です。

  • 1. Webサイトからの新規申し込み
    公式サイトの申し込みフォームより、自社情報、利用プラン(協力会社プランまたは元請プロジェクトコース)、管理者情報等を入力して送信します。
  • 2. 公的確認書類(原本)の郵送提出
    Web申し込み完了後、発行から6カ月以内の「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」および「印鑑証明書」の公的原本をエムシーディースリー株式会社へ郵送します。
  • 3. 審査・ID発行・初期設定(約3週間)
    提出書類の確認・審査が行われ、不備がなければ契約が成立します。入金確認および登録処理完了後、ログインIDとパスワードが通知されます。申し込みから利用開始までの所要期間は約3週間です。
  • 4. マスターデータの登録(初期設定)
    管理画面へログイン後、自社の基本情報、建設業許可番号、社会保険情報、保有車両・持込機械情報、所属作業員の基本情報・保有資格証画像を登録します。
  • 5. 現場への参加・書類作成・運用開始
    元請企業から送られる「現場招待」を承認し、登録済みマスターから該当する作業員や機械を割り当てて再下請負通知書や作業員名簿を作成・提出します。

よくある質問(FAQ)

スマートフォン専用アプリはありますか?どのような端末・OSに対応していますか?
スマートフォン専用のネイティブアプリは提供されていません。推奨利用環境は、OSがWindows 11およびiPadOS 18 / 26、ブラウザはChromium版Microsoft Edge、Google Chrome、iPad版Chromeです。FirefoxやMac/iOSのSafariは動作保証外となっています。また画面解像度は1366×768以上が推奨されています。
無料トライアルやデモ画面の提供はありますか?
公式に案内されている常設の無料トライアル制度はありません。サービス内容や操作感を確認したい場合は、公式サイトに公開されている操作手順動画やWebマニュアルを閲覧するか、新規申し込み窓口へ問い合わせて確認する必要があります。
サポート体制や問い合わせ窓口はどのようになっていますか?
サポートデスクとして平日9:00〜17:00(土日祝・年末年始除く)に電話窓口が設置されています。操作窓口(0570-020-540)のほか、代行企業関連窓口、請求窓口、ID・パスワード窓口、新規申込み窓口などに細分化されています。通話料はユーザー負担のナビダイヤルであり、メールでの問い合わせ窓口は公式に提供されていません。セルフヘルプとしてマニュアルやFAQ、操作動画がWeb上で公開されています。
契約期間と解約の条件はどうなっていますか?
協力会社のID利用料、元請企業のプロジェクト利用料ともに「年間契約・前払い」が基本ルールです。契約期間途中で解約した場合であっても、月割りや日割りによる残額の返金は行われません。
下請企業ですが、元請に指定された場合は必ず費用を払って契約しなければなりませんか?
自社でIDを取得してマスター管理や書類作成を行う場合は費用(初期設定料+ID利用料)が発生します。ただし、元請企業や上位の一次下請が作業員情報などを代わりに登録する「代行登録」機能を利用して登録される場合は、下請企業側にシステム利用料の負担は発生しません。現場の運用方針について元請企業と確認が必要です。

参照・出典

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