ホルナビ (HORUNAVI)とは?コベルコ建機のICT施工機能や特徴・導入効果を解説

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コベルコ建機が展開するICT施工トータルソリューション。2D/3Dマシンガイダンスや3Dマシンコントロール、チルトローテータ連携など多様な建機自動化・支援システムをラインナップする。大規模土工から中小規模の管工事・基礎工事まで、現場規模に応じた最適なICT施工機器を提供する。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
規模問わず
対象業界
土木 ゼネコン サブコン・専門工事業者

ホルナビ (HORUNAVI)とは?

ホルナビ(HORUNAVI)は、コベルコ建機株式会社が展開する油圧ショベル向けのICT施工トータルソリューションです。丁張り設置や検測作業に伴う手元作業員の人手不足、接触事故リスク、熟練オペレーター依存といった施工現場の課題を解決します。2D・3Dのマシンガイダンス(MG)や半自動制御を行うマシンコントロール(MC)、狭小地向けのチルトローテータ連携、GNSS衛星電波の届かない環境に対応するトプコン「杭ナビ」連携システムまで網羅しています。大型土工から都市部の管工事・基礎工事まで、現場規模や環境に応じた建機自動化・施工支援技術を提供します。

主な機能

マシンコントロール(MC / 半自動油圧制御)

  • 3Dマシンコントロール(3DMC / ホルナビ+PLUS)
    あらかじめ登録した3次元設計データに基づき、ブームやアームなどの油圧動作をシステムが半自動でアシストする機能です。オペレーターがレバーの引き操作を行うだけで、設定した設計面に沿ってバケット刃先が自動追従し、設定高さを超える過掘削を物理的に防止します。新技術情報提供システム「NETIS」登録技術(登録番号:KT-180027-VE)に指定されています。
  • 3Dチルトローテータマシンコントロール
    バケットを左右に傾ける「チルト」動作と360度回転させる「ローテート」動作を、3次元設計面に合わせて複合的に制御・支援するシステムです。機体本体の向きを変えられない狭小地や複雑な法面・側溝基礎の整形においても、手作業の補助を伴わずに精密な掘削・仕上げを行えます。
  • 2Dマシンコントロール(2DMC)
    基準位置やレーザー発注器からの深さ・勾配情報をもとに、油圧制御で過掘削を防ぎながら掘削面を均一に仕上げる機能です。新型SK200などの一部機種において標準搭載されており、大規模な3次元設計データを作成する手間をかけずに、路盤整形や床掘り作業を半自動化できます。

マシンガイダンス(MG / 運転支援表示)

  • 3Dマシンガイダンス(3DMG)
    GNSS(全球測位衛星システム)等を用いて建機の現在位置とバケット刃先座標をリアルタイムに特定し、キャブ内のモニター画面と警告音で3次元設計面との高低差をオペレーターへ案内する機能です。設計面までの残り深さが視覚・聴覚で直覚的に把握できるため、丁張りを設置することなく手動操作での高精度な掘削を実現します。
  • 杭ナビショベル(3DMG X-M3x LN)
    トプコンの自動追尾トータルステーション(杭ナビ)と油圧ショベルのガイダンスシステムを連携させた機能です。高架下、山間部の切り通し、トンネル坑口付近など、GNSS衛星電波の遮蔽やインターネット通信環境の届かない現場であっても、高精度な3次元マシンガイダンス施工を維持できます。
  • 2Dマシンガイダンス(2DMG / iDig, iDig Dozer)
    機体各部に取り付けた角度センサー等を用い、基準高さからの深さや傾斜角をキャブ内モニターにガイダンス表示するシステムです。「iDig Dozer」では、掘削モードに加えてドーザブレードによる敷き均しモードへのワンタッチ切り替えに対応し、バックホウによる排土板作業の高さ管理を支援します。

拡張性・プラットフォーム設計

  • 2Dから3Dへのステップアップ拡張
    あらかじめ2DMCまたは2DMGを搭載した機体に対し、最小限の追加センサーや測位ユニットを装備することで、後から3Dシステムへアップグレードできる設計です。導入初期の設備投資を抑えつつ、将来的に受注する直轄工事や大規模土工の要件に応じて段階的に3次元施工へと移行できます。
  • ミニショベル・小旋回機への柔軟な適応
    20トンクラスの大型標準機(SK200等)だけでなく、後方超小旋回機(SRシリーズ:SK135SR、SK75SR、SK55SR、SK35SR等)や超小旋回機(URシリーズ:SK50UR、SK30SR等)まで幅広くシステムをラインナップしています。都市部の狭小地工事や無電柱化・上下水道管路工事などの小規模土工現場においても、機体の取り回し性能を損なわずにICT施工を適用できます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

小規模土工や都市部狭小地での施工比率が高く、手元作業員の省人化を進めたい建設会社

  • 市街地での狭小工事で丁張り設置や検測員を配置するスペースがない
    超小旋回機(SK50UR等)や後方超小旋回機に対応する2DMG(iDig)やチルトローテータMCを採用することで、重機近傍の補助作業員を配置せずに運転席からの単独操作で深さ管理や敷き均しを完結できます。手元作業員との重機接触事故リスクを物理的に遮断しつつ、のべ人工を約50%削減する効果をもたらします。
  • 橋梁下やビル密集地でGNSS衛星電波を受信できずICT施工が途切れる
    トプコン連携の「杭ナビショベル(3DMG X-M3x LN)」を活用することで、衛星電波や現場の通信環境に左右されず自動追尾TSを基準としたガイダンス施工を継続できます。上空視界の悪い環境下でも、丁張りを復元することなく3次元データを活用した掘削を進行できます。

直轄工事から中小規模工事まで請け負い、保有重機の投資対効果を段階的に高めたい企業

  • いきなり高額な3Dマシンコントロール機を導入しても稼働率が担保できるか不安が残る
    新型SK200などに標準装備された2DMC/2DMGを基礎工事で先行活用し、ICT活用工事の受注決定に合わせて最小限の機器追加で3DMC(ホルナビ+PLUS)へ拡張する運用が可能です。設備投資リスクを分散しながら、案件規模に応じた最適な制御レベルへスムーズに移行できます。
  • 現場ごとに使用する測量機や元請けが指定する設計データフォーマットが異なる
    主要測器メーカー各社のシステムと連携できるマルチベンダー設計が採用されているため、自社で既に保有しているトータルステーションやGNSS基地局資産をそのまま接続できます。メーカー独自の囲い込みによる測器の二重投資を回避し、既存機材を活用したICT施工体制を構築できます。

向いていない企業・現場

専用の3次元設計データ作成や自社運用ノウハウの習得にリソースを割けない事業者

  • 3次元設計データの調達・修正を行う人員がおらず、現場監督が従来図面のみで管理している
    3Dマシンコントロールや3Dマシンガイダンスの性能を現場で引き出すには、事前に3次元設計データ(LandXML等)を作成・取り込むプロセスが不可欠です。社内にデータ作成体制がなく、外注やメーカーのコンサルティング支援を利用する予算・体制も組めない場合、高機能な3Dシステムを導入しても宝の持ち腐れとなるため、まずはデータ作成不要な2Dガイダンス(iDig等)の導入や、従来通りの外注測量体制を維持した運用を検討する方が現実的です。

類似ツールとの比較

油圧ショベル向けのICT施工・マシンコントロールシステム市場において、コベルコ建機の「ホルナビ」は、他社システムと比較して以下のような設計思想と展開上の特徴を持っています。

建機メーカー純正のICT建機としては、車体制御や油圧配管にあらかじめ電磁比例制御弁を最適統合した一体型の完成度の高さが挙げられます。後付けのサードパーティ製レトロフィットキットでは配線露出や油圧応答の調整に手間を要するケースがあるのに対し、ホルナビ+PLUSなどの純正3DMC搭載機は機体本体の油圧システムと深く連動しており、バケットの過掘削防止動作が滑らかで操作フィーリングに優れる点が特長です。

他社純正機との比較におけるホルナビの大きな特長は、「測量機器のマルチベンダー対応力」と「小型・小旋回機への適応力」です。特定の測器メーカーにシステムが固定される純正ICT建機も存在する中、ホルナビはトプコン、サイテックジャパン(Trimble)、ライカジオシステムズなど、国内で広く普及している主要な測量機器メーカー各社のシステムに対応しています。現場で既に保有しているTSやGNSS資産を活用して接続できるため、機材選定の柔軟性が確保されています。

さらに、大型造成向けの大型バックホウに機能が集中しがちな他社ラインナップに対し、ホルナビは都市型土工を見据えてSK75SRやSK50URなどの後方超小旋回機・超小旋回機にも2DMG(iDig)や3DMG、チルトローテータ連動機能を積極的に展開しています。大規模な高速道路・河川土工だけでなく、市街地の無電柱化工事や上下水道管埋設、建築基礎工事まで網羅できる現場適応の幅広さが差別化のポイントです。

料金・プラン

ホルナビシリーズの導入費用(新車購入時の標準・オプション搭載、後付けキットの購入費用、ソフトウェアライセンス費用など)は、公式サイト上で固定の定価表として一般公開されておらず、案件ごとの要問い合わせ(個別見積もり)となっています。新車発注時の仕様選択、既存保有重機へのレトロフィット対応、グループ会社のコベルコ建機トータルサポート株式会社等を通じたICT建機レンタルなど、導入形態に応じた提案が行われます。

個別見積もりを依頼する際は、以下のポイントを事前に整理しておくことが推奨されます。

  • 導入形態の区分
    新車購入時に組み込む工場装着仕様か、既存保有機への後付け(レトロフィット)キット購入か、特定工期のみのレンタル運用か。
  • 制御レベルと測位方式
    2Dシステム(深さ・勾配管理)で運用するか、3Dシステム(3DMC/3DMG)が必要か。また、測位にGNSSを用いるか、杭ナビ等の自動追尾トータルステーション(TS)を用いるか。
  • 運用サポートおよび内製化支援の有無
    初期キャリブレーション費用、3次元設計データの作成代行・コンサルティング支援、オペレーター向けの講習(ホルナビ塾等)受講費用の有無。

導入事例・実績

メーカー試算による定量的削減効果

  • 導入対象:2Dマシンコントロール(2DMC)搭載機
  • 削減効果:丁張り設置作業および手元作業員による検測作業の削減により、従来施工比で「のべ人工:約50%削減」、施工完了までの「日数:約20%〜30%削減」を算出。

株式会社森賀建設

  • 導入規模:ホルナビ+PLUS搭載の大型油圧ショベル「SK200-10」等を導入。
  • 現場概要:愛媛県からの遠隔施工となる岩手県一関市の水門建設工事現場において、基礎杭打設後の土砂掘削作業に投入。
  • 導入効果:設計面に沿った自動油圧アシスト制御により、過掘削を防ぎながら迅速な掘削を実現。施工現場において「通常の3〜4割増しの生産性向上に貢献」したと報告。手元検測作業をなくしたことによる省人化と人件費の削減効果も確認されています。

西松建設株式会社

  • 導入規模:ホルナビ+PLUS搭載油圧ショベル「SK200-10」を建築工事の基礎土工現場へ導入。
  • 現場概要:建築基礎における地中梁の掘削および路盤の敷き均し作業に投入。
  • 導入効果:複雑に入り組む地中梁の床掘りにおいて、丁張り設置や手元作業員の立ち入りを不要化。重機と作業員の近接作業を排除したことによる現場安全性の向上と、重機単独での高精度施工による省力化効果を実証。

公共工事での加点対象となるNETIS登録(KT-180027-VE)の概要

ホルナビシリーズの主力システムである3Dマシンコントロールシステム「ホルナビ+PLUS」は、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されています。

登録項目 登録内容・仕様
NETIS登録番号 KT-180027-VE
技術名称 ホルナビ+PLUS(3Dマシンコントロールショベル)
登録種別 VE評価(継続調査等を経て効果が確認・評価された技術)

NETIS登録において末尾が「-VE」となっている技術は、実現場での十分な活用実績と効果調査を経て実用性が公的に評価された技術であることを示しています。公共工事の入札において総合評価落札方式での技術提案に採用した場合、新技術活用の評価対象として加点を受けられる可能性があり、施工段階での成績評定点の向上にも寄与します。

全国6拠点の体験型施設「ホルナビ・ジョブサイト」と人材育成「ホルナビ塾」

ICT建機の導入において中小建設会社が直面しやすい「購入前に実際の操作感を試せない」「社内に3次元データを扱える人材がいない」という課題を解消するため、コベルコ建機は専用の体験フィールドと教育プログラムを常設しています。

  • ホルナビ・ジョブサイト(全国6拠点)
    高松、新潟、中部、神戸、小倉、広島の全国6カ所に開設された実証フィールドです。実際の土工現場を模した環境下で、2D/3Dマシンガイダンス機やマシンコントロール機の試乗・操作体験が可能となっており、導入検討段階で自社オペレーターの操作適性や施工精度を事前に検証できます。
  • ホルナビ塾(技能講習プログラム)
    ICT施工の実務プロセスを体系的に習得するための講習会です。キャブ内モニターの操作手順や重機キャリブレーションの実務、3次元設計データの現場取り込み手順などを座学と実技でレクチャーし、現場定着に向けた技術習得を支援します。
  • データ作成・内製化コンサルティング
    全国の販売サービス窓口において、デモ機の貸し出しだけでなく、ICT活用工事で求められる3次元設計データの作成支援や出来形帳票作成の内製化支援コンサルティングを実施しています。社内にICT専門部署を持たない地域建設会社でも、現場立ち上げを円滑に進められるバックアップ体制が用意されています。

導入前に知っておきたいこと

ホルナビの導入および本格運用にあたっては、ユーザーや業界内から以下の課題・注意点が挙げられています。

  • 初期導入コストと稼働率維持の課題
    油圧自動制御を伴うマシンコントロール機や各種センサーキットは一般的な建設機械に比べて初期調達コストが高くなります。小規模な工事単発での導入では投資回収が長期化しやすいため、通年での稼働計画を立てるか、まずはレンタルや2Dシステム(iDig等)から導入して費用対効果を見極める計画性が求められます。
  • ICT施工プロセス習熟への負担
    従来の熟練オペレーターであっても、キャブ内画面を見ながらのガイダンス施工や自動アシストの挙動に慣れるまで一定の訓練時間を要します。また、現場監督者が3次元設計データを正しく変換・入力するリテラシーを身につける必要があり、導入初期におけるメーカーサポートや「ホルナビ塾」などの教育支援の活用が推奨されます。
  • BIM/CIM連携と操作性へのさらなる改善要望
    国土交通省が進める「i-Construction 2.0」やBIM/CIM原則適用に伴い、施工履歴データの連携やより直感的なUIへの改善要望が寄せられています。作業員不足が深刻化する現場において、誰でも迷わずセッティングできるインターフェースの進化が今後の期待事項として挙げられています。

導入の流れ・期間

ホルナビを導入する際の標準的な実務プロセスは以下の通りです。なお、具体的な納入期間や後付け改修の所要日数については、対象機械の仕様やメーカー在庫状況により異なるため要問い合わせとなります。

  1. 問い合わせ・現場要件のヒアリング
    最寄りのコベルコ建機販売窓口または正規代理店へ問い合わせを行い、施工対象とする工種(道路土工、河川土工、管路工事、基礎工事等)、使用する測量機、必要とする制御レベル(2D/3D、MG/MC)を相談します。
  2. 実機デモ・体験(ホルナビ・ジョブサイト等)
    全国6カ所の「ホルナビ・ジョブサイト」等で実機に搭乗し、ガイダンスの視認性やマシンコントロールによるアシスト動作を確認します。
  3. 仕様選定・見積もり提示
    新車導入時のオプション指定、既存重機へのレトロフィットキット装着、またはレンタル手配のいずれかを選択し、システム構成に応じた個別見積もりを取得します。
  4. 機体艤装・初期キャリブレーション
    油圧ショベル各部への角度センサー・GNSSアンテナ・車載端末の設置および配線を行い、バケット刃先と各アーム寸法の精密測定(機体キャリブレーション)を実施します。
  5. オペレーター講習・運用開始
    現場担当者・オペレーター向けに車載端末の操作指導や設計データのインポートテストを実施し、現場での本稼働を開始します。

よくある質問(FAQ)

既存で保有しているコベルコ製の油圧ショベルに後からホルナビを搭載することはできますか?
対応可能です。後付け用の2Dガイダンスキット(iDig等)やレトロフィットシステムを取り付けることで、既設機をICT建機へ改修できます。ただし、機体の年式・型式によって搭載できる制御仕様(MGまたはMC)が異なるため、具体的な対応可否は最寄りの販売窓口への確認が必要です。
トプコン以外のメーカーのトータルステーションやGNSSを持っていますが、連携できますか?
連携に対応しています。ホルナビはマルチベンダー対応を特長としており、トプコン(TOPCON/SOKKIA)のほか、サイテックジャパン(Trimble)やライカジオシステムズ(Leica)などの主要測量機器メーカーのシステムに対応しています。保有する測器のモデルに応じた接続要件は問い合わせを推奨します。
トンネル坑口や山間部の電波が遮られる場所でも3D施工は行えますか?
「杭ナビショベル(3DMG X-M3x LN)」を活用することで施工可能です。自動追尾トータルステーション「杭ナビ」で機体を直接追尾・測位するため、上空視界が悪くGNSS衛星電波が受信できない環境やインターネット通信が届かない現場でも3次元ガイダンスを利用できます。
導入前にオペレーターが操作感を試すことはできますか?
可能です。全国6カ所(高松、新潟、中部、神戸、小倉、広島)に開設されている仮想現場「ホルナビ・ジョブサイト」において、実際の油圧ショベルを用いた実機体験やガイダンス・コントロール機能の試乗確認を行えます。
契約期間やレンタルでの利用条件はどうなっていますか?
コベルコ建機グループ(コベルコ建機トータルサポート等)や提携レンタル会社を通じて、工期に合わせたICT建機のレンタル提供が行われています。利用期間や貸出料金の詳細は、施工期間や現場所在地に応じた個別見積もりとなるため、各営業窓口への問い合わせが必要です。

参照・出典

他のICT施工・マシンコントロールと比較する

ホルナビ の特徴を含むICT施工・マシンコントロールの12製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

ICT施工・マシンコントロール比較12選