蔵衛門クラウドとは?
蔵衛門クラウドは、株式会社ルクレが提供する施工管理カテゴリの現場管理プラットフォームです。現場監督や技術者が直面する「現場撮影・写真仕分け・写真台帳作成・電子納品」という一連の内業負荷を解消することを目的として開発されました。電子小黒板対応カメラや専用タブレットと連動し、撮影された工事写真をクラウド経由でリアルタイムに自動仕分け・同期します。公共工事の電子納品基準に対応するほか、民間建築工事の進捗共有まで幅広くカバーし、事務所に戻ってから行っていた煩雑な写真整理業務を大幅に削減します。
主な機能
写真管理・電子小黒板機能
- 電子小黒板の作成・一括作成およびテンプレート機能
現場の工種や設計値に合わせた電子小黒板をクラウド上で事前に一括作成できます。現場ごとに頻度の高い項目をテンプレート化しておくことで、現場での入力ミスや作成時間を削減し、作業員ごとの黒板表記のばらつきを防ぎます。 - 未撮影黒板の抽出による撮り忘れ防止
あらかじめ登録した撮影計画用の電子小黒板のうち、まだ撮影が行われていない黒板をシステム上で自動抽出します。配筋検査やコンクリート打設など後戻りができない工程において、写真の撮り忘れによる手戻りや再検査リスクを未然に防止します。 - AI自動仕分けエンジン
蓄積された12億枚を超える工事写真データを学習したAIが、撮影された写真を「工種」「場所」「撮影者」などの条件に基づいて自動でフォルダ分けします。約1,500パターンの仕分けに対応(特許出願中)しており、現場監督が何百枚もの写真を手作業でフォルダへ移動させる工数を大幅に圧縮します。
台帳作成・電子納品出力機能
- PCソフト『蔵衛門御用達DX』との自動連携
現場で撮影された写真データは、クラウドを経由してPC用ソフトウェア『蔵衛門御用達DX』へ自動転送されます。クラウドと連携することで、写真台帳の自動生成やMicrosoft Excelを用いた一括編集、提出用PDFのスムーズな出力が可能になります。 - 電子納品データ出力・改ざん検知機能
国土交通省などの最新の電子納品要領案に準拠したデータ(CALS/EC基準)の出力をサポートします。撮影データの原本性を担保するための改ざん検知機能を備えており、公共工事で求められる厳格な品質管理基準に対応した納品データを迅速に作成できます。
現場共有・コミュニケーション機能
- 写真・図面のリアルタイム共有と指示書き込み
現場で撮影された写真や図面データは、アップロードと同時に工事関係者へ共有されます。共有された図面に対して指示や注記のメモを直接書き込めるため、現場事務所と作業場所が離れていても正確な是正指示や作業確認を伝達できます。 - 現場トーク・遠隔臨場(ビデオトーク)機能
現場関係者間でテキストメッセージや写真、図面を送受信できるチャット機能に加え、映像をリアルタイムでつなぐ遠隔臨場・ビデオトーク機能を備えています。現場へ足を運ぶことなく本社の管理職や発注者が現況を確認できるため、移動時間の削減や立ち会い調整の迅速化に寄与します。
セキュリティ・管理機能
- アクセス権限管理と二要素認証
プロジェクトに参加するメンバーごとにアクセス権限や閲覧権限を詳細に設定できます。さらに、不正アクセスを防ぐための二要素認証やIPアドレス制限、接続ドメイン制限の適用に対応しており、機密性の高い現場情報を取り扱う企業でもセキュリティポリシーを担保した運用が可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
公共工事や土木工事で大量の写真台帳・電子納品作成に追われている企業
- 夜遅くまで事務所で行う写真整理と台帳作成が常態化している
電子小黒板での撮影と同時に写真のメタデータが保持され、AIが工種や場所ごとに自動仕分けを行うため、事務所に戻ってからの手動フォルダ分けが不要になります。株式会社二友組では、写真管理の分業化とクラウド化により、月平均80時間に迫っていた残業時間を半分に削減した実績があります。 - 公共工事の電子納品基準への適合と信憑性確保に手間取っている
国土交通省の電子納品要領に準拠した形式への出力機能と改ざん検知機能を標準で備えているため、台帳作成やXMLデータの整合性チェックにかかる時間を短縮できます。東海塗装株式会社では、台帳作成業務を5割省力化させることに成功しています。 - 検査前の写真撮り忘れや書類準備に多大な手戻りが発生している
未撮影黒板の抽出機能により撮り忘れを未然に防止でき、クラウド上でリアルタイムに状況を確認できるため検査準備がスムーズになります。株式会社アークノハラでは、現場と事務所間の移動削減によって立会検査までの準備期間を1日短縮しています。
過酷な環境での現場撮影が多く、協力会社や現場監督のIT習熟度に差がある企業
- 雨天や粉塵の多い現場で汎用タブレットの故障や操作不能が起きやすい
メーカー独自提供の現場専用端末『蔵衛門Pad』を活用することで、防塵・防水性能や耐熱性、軍手を装着したままでの操作性を確保できます。市販タブレットでは動作が不安定になりがちな環境でも確実な撮影・データ記録を継続できます。 - 若手からベテランまで直感的に操作できるツールを定着させたい
従来の工事写真黒板とデジカメの運用手順を踏襲したUI設計となっているため、複雑な多機能施工管理アプリに比べて現場での教育負担を低減できます。株式会社オープンハウス・アーキテクトでは、業務時間を30%削減するとともに社内DXツールの浸透率100%を達成しています。
向いていない企業・現場
社用端末として市販のAndroidスマートフォンを一括導入している企業
- 既存のAndroidスマホにアプリをインストールして低コストで運用したい
スマートフォン向けアプリ「蔵衛門カメラ」はiOS(iPhone/iPad)のみの対応となっており、市販のAndroidスマートフォンでは利用できません。Android端末をベースに運用する場合は専用端末『蔵衛門Pad』の購入が必要になるため、自社の既存Androidスマートフォンをそのまま活用したい企業は他社ツールの検討が適しています。
原価管理・受発注・工程管理などバックオフィスまで1つのシステムで統合したい企業
- 施工管理の写真・図面だけでなく受発注や粗利計算まで一元化したい
蔵衛門クラウドは写真管理、電子小黒板、台帳・電子納品作成、図面共有に特化した設計です。案件ごとの受発注処理や見積・請求書発行、リアルタイムの原価・粗利管理までを包括的に同一プラットフォームでカバーしたい場合は、統合型の総合施工管理システムを検討する方が目的に合致する場合があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 蔵衛門クラウド | 電子小黒板・AI自動仕分け・電子納品対応に特化し、専用耐衝撃端末の選択肢も持つ写真DXツール | 月額 5,400円〜(年額一括払い) | 公共工事・土木・建築で写真台帳や電子納品業務を効率化したい企業 |
| ANDPAD | 写真・図面・工程表に加え、受発注や粗利管理まで網羅する統合型クラウド施工管理サービス | 要問い合わせ | 新築・リフォーム・工務店など経営管理から現場までを一元化したい企業 |
| SPIDERPLUS | タブレットでの図面管理や電子小黒板、専門的な検査記録・帳票出力機能に強い現場管理アプリ | 要問い合わせ | 設備工事・電気工事・空調衛生工事や中大規模建築現場の検査業務を効率化したい企業 |
| KANNA | 初期費用無料で導入可能、シンプルなチャット・工程表・案件管理を備えた現場DXアプリ | 要問い合わせ(無料プランあり) | シンプルな操作性を重視し、下請業者や一人親方との連絡共有を手軽に始めたい中小企業 |
写真管理や写真台帳作成、電子納品データの出力といった「工事写真に関わる業務負担の削減」を最優先課題とする現場であれば、蔵衛門クラウドが適しています。12億枚以上の写真データを学習したAI仕分け機能や、国交省基準の電子納品データ生成など、写真にまつわる内業の省力化において独自の強みを持っています。
一方で、工事写真だけでなく受発注処理や見積作成、請求管理や現場ごとの原価・粗利把握まで含めた全社的な業務フローの統合を目指す場合は、総合一元管理型のANDPADなどの導入検討が視野に入ります。また、空調・衛生・電気設備などの専門検査記録や各種計測機器との連動を主軸に置く場合はSPIDERPLUSが比較対象となります。自社が抱える業務ボトルネックが「写真・台帳作成」にあるのか、「発注・原価・工程管理」にあるのかを切り分けて選定することが重要です。
料金・プラン
蔵衛門クラウドは、『蔵衛門プレミアム』ライセンスパックとして提供されています。初期費用は0円で、工事に追加できるメンバー数は無制限(ライセンス保持者以外も招待・閲覧等が可能)です。契約は年額一括払いのみとなっており、月ごとの変動的な支払いには対応していません。
| プラン名 | 初期費用 | 月額利用料(税抜) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1ライセンスパック | 0円 | 5,400円 | 年額一括払い(年額 64,800円) |
| 1〜3ライセンスパック | 0円 | 5,400円 | 1ライセンスあたり月額 1,800円相当(年額 64,800円) |
| 1〜6ライセンスパック | 0円 | 9,000円 | 1ライセンスあたり月額 1,500円相当(年額 108,000円) |
| 1〜10ライセンスパック | 0円 | 12,000円 | 1ライセンスあたり月額 1,200円相当(年額 144,000円) |
利用するライセンス数が増えるほど1人あたりの単価が下がる体系となっています。また、導入検討用の仕組みとして、自動課金のない最大2ヶ月間の無料トライアルが用意されています。
導入事例・実績
- 株式会社二友組(総合建設業 / 従業員数 363名)
写真管理プロセスの分業化とクラウド化を推進したことで、月平均80時間に迫っていた現場監督の残業時間を2分の1に削減することに成功しました。 - 株式会社オープンハウス・アーキテクト(総合建設業 / 従業員数 958名)
現場管理業務の効率化を進め、全体の業務時間を30%削減するとともに、現場における社内DXツールの浸透率100%を達成しました。 - 日本ゴンドラ株式会社(製造業 / 従業員数 127名)
現場での撮影から報告書作成までのワークフローを刷新し、写真管理業務に費やしていた時間を80%削減しました。 - 丸明建設株式会社(総合建設業 / 従業員数 42名)
電子マーカー機能などの活用により、従来手間がかかっていた配筋の撮影時間を3分の1以下に短縮しました。 - 株式会社冨士土木(土木一式工事 / 従業員数 80名)
現場監督と事務所の事務スタッフによる分業体制を確立し、全現場監督の残業時間を3分の1削減しました。 - 株式会社ODK(電気工事業 / 従業員数 9名)
現場での撮影と帳票作成業務の効率化を図り、写真関連の業務量を50%削減しました。 - 株式会社カワハラ(総合建設業 / 従業員数 47名)
マンホール内の撮影作業を1名体制で完結できるように改善し、撮影に関わる費用および作業員の体力的な負担を3分の1に削減しました。 - 東海塗装株式会社(土木一式工事 / 従業員数 92名)
台帳オーダーメイドサービスなどの機能を活用し、工事完了後の台帳作成業務を5割省力化しました。 - 株式会社アークノハラ(土木一式工事 / 従業員数 134名)
クラウド共有により現場と事務所間の移動時間を削減し、発注者との立会検査に向けた準備期間を1日短縮しました。 - 北原建設株式会社(建設一式工事 / 従業員数 6名)
大規模工事において3名という少数精鋭の管理体制ながら、13万枚におよぶ工事写真の納品を遅滞なく完了させました。
専用現場端末『蔵衛門Pad』と現場ハードウェア仕様
蔵衛門クラウドは、一般的なタブレット端末(iPad等)だけでなく、ルクレが自社開発する現場専用タブレット端末『蔵衛門Pad』シリーズとシームレスに連動する点にハードウェア面の特徴があります。
市販のタブレットをそのまま過酷な現場に持ち込んだ場合、粉塵による故障、高所からの落下破損、直射日光下での熱停止や画面の反射による視認性低下、さらには雨水や軍手の着用によるタッチパネルの誤作動といった課題が発生しがちです。『蔵衛門Pad』は、防塵・防水性能や耐熱性、軍手を着用したまま操作できるハードウェア仕様を備えています。また、現場での初期設定の手間を省く専用UIが組み込まれており、IT機器の設定に不慣れな作業員でも導入後すぐに電子小黒板の撮影に活用できる環境が整えられています。
国交省要領準拠と電子納品(CALS/EC)への適合性
公共工事の施工管理において不可欠となるのが、発注機関が定める電子納品要領への厳格な適合です。蔵衛門クラウドは、長年にわたり公共工事の写真管理デファクトスタンダードとして利用されてきた『蔵衛門御用達』シリーズの技術的基盤を継承しています。
撮影された工事写真は、改ざん検知機能を備えた状態でクラウドへ保存され、信憑性確認に対応します。また、PCソフト『蔵衛門御用達DX』との連携により、国土交通省や地方自治体、各種公団が改定する最新の電子納品要領案に準拠した形式で出力可能です。フォルダ階層構造の生成や管理ファイル(XML)の出力など、手作業で行うとミスが生じやすい電子納品データの作成処理を自動化し、公共土木工事や大規模建築工事における納品検査を円滑に進める体制を支援します。
導入前に知っておきたいこと
導入を検討するにあたり、ユーザーレビューや利用規約などから確認できる注意点・課題としては以下の項目が挙げられます。
- 市販Androidスマートフォン向けアプリの非対応
スマートフォン向けの現場撮影アプリ「蔵衛門カメラ」はiOS(iPhone/iPad)のみの提供となっています。市販のAndroidスマートフォンにはアプリが提供されていないため、Android端末を利用したい場合はメーカー専用端末『蔵衛門Pad』の購入が必要です。社給端末としてAndroidスマートフォンを統一配備している企業からは、Android版アプリのリリースを望む声が挙がっています。 - 機能習得とマニュアルの理解
電子小黒板、AI仕分け、台帳編集、電子納品など機能が多岐にわたるため、ITツールに不慣れな現場スタッフや高齢の管理者にとっては、マニュアルを読み解いて直感的に使いこなすまでに一定の習得時間を要するという指摘が報告されています。 - 大量データ同期時のレスポンス
写真データが数千〜数万枚規模に達する大規模現場において、環境によって同期処理や一部の操作レスポンスに時間を要する場合があり、動作のさらなる安定化を求める意見が一部ユーザーから寄せられています。 - 支払い方法の制約
有料プラン(ライセンスパック)の支払いは「年額一括払い」に限定されています。月額換算のプラン表記はあるものの、月ごとの契約変更や月次分割払いには対応していないため、工期の短い単発現場のみで柔軟に契約したい場合には事前の予算検討が必要です。
導入の流れ・期間
蔵衛門クラウドの導入フローは、一般的に以下のステップで進行します。具体的な導入期間は企業規模やライセンス数、専用端末の導入有無によって異なるため、詳細なスケジュールは問い合わせ時に確認する必要があります。
- 無料トライアル・問い合わせ
公式サイトより申し込みを行い、最大2ヶ月間の無料トライアルを開始します。トライアルは自動課金がないため、実際の現場で操作性や写真同期の挙動を検証できます。導入前検討用の電話問い合わせ窓口「蔵衛門DX相談窓口(くらえもん☆オンライン)」での相談も可能です。 - ヒアリング・見積もり
現場監督の人数、同時に進行する工事件数、専用端末『蔵衛門Pad』の導入要否などを確認し、自社に最適なライセンスパックの見積もりを取得します。 - 契約・アカウント発行
ライセンスプランを確定し、契約手続きを行います(年額一括払い)。契約完了後、管理者のアカウントが発行されます。 - 初期設定・メンバー招待
クラウド上で工事プロジェクトを作成し、現場監督や協力会社のメンバーを招待します。電子小黒板のテンプレート作成や権限管理(二要素認証・IP制限など)を設定します。 - 現場運用開始
現場でiOS端末(蔵衛門カメラ)や蔵衛門Padを用いて写真撮影・電子小黒板の運用を開始します。撮影された写真は自動で仕分けされ、事務所のPCソフト『蔵衛門御用達DX』と連携して台帳作成を行います。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンで利用する場合の対応OSを教えてください。
- モバイルアプリ「蔵衛門カメラ」はiOS 16以上、iPadOS 16以上に対応しており、iPhoneおよびiPadで利用できます。市販のAndroidスマートフォン向けアプリは提供されていないため、Android環境で使用する場合は専用タブレット端末『蔵衛門Pad』の導入が必要です。
- パソコンで『蔵衛門御用達DX』を利用するための動作環境はどのようなものですか?
- OSはWindows 11またはWindows 10(64bit版)に対応しています。推奨スペックとしてCPUはIntel Core i3以上、メモリは4.0GB以上、推奨ブラウザはMicrosoft Edgeです。また、台帳の一括編集にはMicrosoft Excel(2016、2019、Microsoft 365)に対応しています。なお、自作PCや仮想環境での動作は保証外となっています。
- 契約期間や支払い方法に指定はありますか?
- ライセンスパックの支払いは「年額一括払い」のみとなっています。月額単位での分割支払いや月次契約には対応していないため、年間契約を前提とした検討が必要です。
- 無料トライアルの期間と条件を教えてください。
- 最大2ヶ月間の無料トライアルが用意されています。トライアル期間が終了しても自動課金されることはなく、期間中も専任スタッフによるサポートを受けることができます。
- 導入後のサポート体制はどうなっていますか?
- プレミアム会員向けに専用窓口によるフルサポートが提供されています。また、導入前の検討段階においても電話相談窓口「蔵衛門DX相談窓口(03-4500-6702)」が開設されています。
- ライセンスを持っていない協力会社や作業員も写真を閲覧できますか?
- はい、蔵衛門プレミアムでは工事に追加できるメンバー数は無制限となっています。ライセンス保持者以外でも招待されたメンバーであれば、クラウド上の写真や黒板、図面の閲覧・情報共有を行うことが可能です。