Tetra21とは?建築・設備工事の積算・見積査定を効率化する統合管理ツール

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建築工事および設備工事の見積査定・積算業務を統合管理できるシステムです。Windows標準に準拠した使いやすいUIで、部材マスタからのドラッグ&ドロップによる迅速な見積作成や概算見積の算出に対応します。クライアント・サーバー構成で複数担当者による見積データの受け渡しや査定業務をセキュアに行えます。

公式サイト
https://tetra21.jp/
料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
ゼネコン サブコン・専門工事業者 デベロッパー・不動産

Tetra21とは?

Tetra21は、株式会社日本オープンシステムズが開発・提供する、中堅から大手のゼネコンやサブコン、専門工事業者に向けた建築・設備工事統合型の積算・見積査定システムです。膨大な部材データや過去の見積資産を組織横断で活用し、属人化しがちな見積作成や下請査定業務を標準化・効率化する目的で設計されています。Windows標準に準拠した操作体系を備え、ドラッグ&ドロップによる直感的な内訳編集や、部位別・工種別の内訳相互変換に対応します。本格的なクライアント・サーバー構成により、複数拠点や応援入力を含むチーム単位での共同積算をセキュアに実現し、積算部門の内業負荷軽減と積算精度の向上を支援します。

主な機能

Tetra21は、小規模な営繕工事から超高層建築などの超大型案件までをカバーする処理性能を備え、建築工事および設備工事(電気・給排水衛生・空調・昇降機など)の見積査定業務を一気通貫で処理するための機能を備えています。公表されている主要な機能を3つの系統に分類して解説します。

見積作成・編集・マスター管理機能

  • 部材ウィンドウからのドラッグ&ドロップ入力
    部材マスターから見積書ウィンドウへ、単一部材だけでなく複数部材、さらには工種や工事項目の単位で一括してドラッグ&ドロップ配置できます。階層構造を持つ複雑な工事内訳書であっても、マウス操作を中心に素早く明細行を組み立てることが可能になり、新規見積作成にかかる入力工数を削減します。
  • 大容量マスターと過去物件データの検索・再利用
    標準設定で100,000件以上の物件登録数と、640,000部材以上の部材マスターを保持できる大容量データベース構造を採用しています。過去に作成した見積書から類似案件のデータを抽出し、単価や歩掛、掛率、労務単価を一括置換して最新の条件に更新できるため、過去の積算資産を迅速に再利用できます。
  • 複合(合成)単価処理と自社単価への置換
    平米(m²)やメートル(m)など異なる単位が混在する歩掛や材料費を一括処理する複合単価(合成単価)の算出に対応しています。建設物価単価や歩掛の付与はもちろん、下請業者から集めた受集見積データを取り込んで自社基準単価へ一括置換する処理をスムーズに行えます。

査定・多角管理・データ組換機能

  • 8種類の数量・単価・金額を保持する多層管理画面
    見積書の同一画面上に、設計見積、下請受集見積、社内査定額、実行予算原価、実績値など最大8種類の数量・単価・金額を同時に保持して並列表示できます。画面を切り替えることなく下請各社の提示額と社内基準額の差額や歩引きの状況を視覚的に比較検証できるため、査定作業の精度とスピードが向上します。
  • 部位・工種組換機能
    発注者や設計事務所への提出に用いられる「部位・部分別内訳書」と、協力会社への見積依頼や原価管理で用いられる「工種別内訳書」を、相互にデータを紐付けたまま保持できます。一方の内訳書を編集すると関連する数量や金額が連動し、必要に応じて部位別から工種別、工種別から部位別へと即座に出力形式を変換できます。
  • 複数担当者による同時編集・遠隔地応援入力
    1つの大規模な見積案件を複数の階層や工種ごとに分割し、複数の担当者が同時にアクセスして編集作業を分担できます。本社と支店、あるいは事業所と現場事務所といった遠隔拠点間をネットワークで結び、繁忙期の案件に対する他拠点からの応援入力をスムーズに行えます。

拡張機能・外部システム連携

  • 専用API「TERAPI」による外部連携
    Tetra21専用のアプリケーション・プログラミング・インターフェース「TERAPI(Tetra Application Program Interface)」が公開されています。これにより、社内の基幹ERPシステムや原価管理システム、自社開発のデータベースとTetra21の見積・査定データをシームレスに直接連携させることが可能です。
  • 各種積算連携オプション群
    金額シミュレーション機能やキーワードマッチングによる部材自動引当て機能、各種インポート・エクスポート機能が用意されています。さらに、株式会社コスモ・ソフトが提供する「PLANEST P's」などの部材拾いシステムとデータを相互連携させる専用コネクターも提供されており、図面拾いから内訳書作成までのデータ転記を自動化できます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

建築と設備の積算査定を統合し、複数拠点やチームで大規模案件を処理したい企業

  • 建築工事と設備工事で積算ツールが分断され、総合的な査定作業が非効率になっている
    Tetra21は建築と設備(電気・衛生・空調等)を同一プラットフォーム上で扱えるため、工種ごとにツールを持ち替えることなく一元的な見積管理が可能です。これにより、設備工事を含む複合的な案件でも査定基準を統一し、社内の合意形成を迅速化できます。
  • 超高層建築や大型複合施設など、内訳行数が膨大で単独作業では納期に間に合わない
    100,000件以上の物件と640,000部材以上を保持できる堅牢なデータ基盤を備え、1物件の明細を複数担当者で分割して同時編集できます。遠隔地の支店や現場事務所からの応援入力にも対応しているため、大型案件の見積提出期限が重なる繁忙期でもチーム全体で業務負荷を平準化できます。
  • 発注者向け内訳と協力会社向け内訳の組み換え作業に膨大な転記時間を取られている
    部位別内訳書と工種別内訳書を紐付けたまま双方向に変換できる「工種組換機能」を備えているため、Excelによる手作業の集計・転記ミスを防止できます。数量根拠を維持したまま提出先に応じた内訳書を即座に生成できるため、内業工数の大幅な削減につながります。

自社の運用ルールに合わせた詳細なカスタマイズやBIM連携を志向する大手ゼネコン

  • 市販のパッケージソフトでは自社固有の歩掛基準や帳票レイアウトに対応しきれない
    Tetra21は既製品のパッケージでありながら、物件管理項目、部材マスター、拡張歩掛表、見積入力画面などを企業のワークフローに合わせて柔軟にフィッティング可能です。スクラッチ開発に近い自由度を維持しつつ、OS更新などのメンテナンス性を確保した長期運用が実現します。
  • 設計BIMデータを精算見積へ自動連動させ、積算工数を抜本的に圧縮したい
    公開API「TERAPI」やBIM連携の拡張性を備えており、設計BIMデータから属性や工事項目を抽出して見積明細を自動生成する高度な連携基盤を構築できます。実際に大手ゼネコンの東急建設では、東急版Tetra21とBIMの連携によって積算業務時間を約70%削減した実績が公表されています。

向いていない企業・現場

小規模な単一現場中心で、サーバー管理リソースを持たない小規模工務店

  • 専任のIT管理者がおらず、サーバー機器の設置や社内ネットワーク保守の負担を避けたい
    Tetra21は本格的なクライアント・サーバー構成(Windows Server環境)を前提とする大規模運用向けのシステムです。自社内にサーバー保守を行える担当者がいない場合や、クラウド上で完結する月額制SaaSを求める企業にとっては、インフラ構築や運用保守の負担が過大になる可能性があります。単一ライセンスで手軽に見積書を作成したい場合は、スタンドアロン型や軽量なクラウド積算サービスの検討が向いています。

公共土木工事の電子設計書自動解析や最低制限価格シミュレーションを主目的とする土木専業会社

  • 官公庁発注の土木工事において、設計書PDFの取り込みから自動積算を行いたい
    Tetra21は建築工事および設備工事の新築・改修・営繕に特化した設計となっており、発注機関ごとの土木標準歩掛や電子設計書の自動解析機能は主軸としていません。自治体土木工事の落札率向上や入札価格シミュレーションを目的とする場合は、土木積算に特化した専用システムを検討する方が適合します。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
Tetra21 建築・設備工事統合型。ドラッグ&ドロップ操作、部位・工種組換、同時編集、公開API「TERAPI」対応のC/S構成システム。 要問い合わせ(個別見積) 中堅〜大手ゼネコン、サブコン、複数拠点で大規模建築・設備見積を分担処理する企業
KYOEI COMPASS 最大16階層の多階層内訳、Excel双方向連携、市販単価データ自動値入れ、業者見積比較、RIBC・BCS連携に対応。 要問い合わせ 建築工事を中心に、詳細な多階層見積や下請比較、官庁営繕基準の積算を行いたいゼネコン・設計事務所
Gaia 土木工事積算のトップシェア。全国の発注機関の歩掛・単価データを網羅し、電子設計書解析や最低制限価格逆算に対応。 要問い合わせ 全国の自治体や国交省の公共土木工事を主戦場とし、精度の高い入札シミュレーションを行いたい土木事業者
HELIOS BIM・CAD図面連動の建築数量積算システム。構造・仕上げから内訳明細作成までをカバーし、詳細な数量根拠を出力。 要問い合わせ 設計図面やBIMデータからの部材数量拾い出しを自動化・高精度化したい積算事務所やゼネコン見積部門

建築・設備工事の見積査定業務において、自社に必要なシステムの領域を見極めて選定することが重要です。Tetra21は、建築工事だけでなく電気・空調・給排水衛生などの設備工種までを同一の枠組みで扱い、部位別と工種別の内訳組み換えや、下請各社から集約した受集見積の8段多層査定をチームで同時進行させる運用に強みがあります。また、独自API「TERAPI」による基幹システムやBIMとの高度な連携を重視する中堅・大手ゼネコンやサブコンにとって有力な選択肢となります。

一方、官公庁の営繕基準やBCSフォーマットへの準拠、Excelとのデータ互換性を最優先し、最大16階層に及ぶ細かな内訳明細を組みたい場合にはKYOEI COMPASSが適しています。また、設計図面やBIMモデルから正確な部材数量を自動計測・拾い出しすることを主目的とするならHELIOSが候補に挙がります。さらに、検討対象が建築ではなく公共土木工事の電子入札や歩掛解析である場合は、Gaiaなどの土木特化型積算システムを選定する必要があります。

料金・プラン

Tetra21の利用料金は公式サイト上で一般公開されておらず、導入企業の利用規模やシステム構成に応じた個別見積(要問い合わせ)となっています。

料金はクライアント・サーバー構成の規模、導入するクライアントライセンス数、必要となるオプション機能(金額シミュレーション、工種組換、各種外部インポート・エクスポート、PLANEST P's等の拾いシステム連携コネクターなど)の組み合わせによって変動します。導入を検討する際は、以下のポイントをベンダーへ確認し、総所有コスト(TCO)を算出することが推奨されます。

  • サーバー環境およびクライアントライセンス体系
    同時接続数ベースか端末固定ライセンスか、また複数拠点からアクセスする際の接続ライセンス体系を確認する必要があります。
  • 必要オプションの選定
    部位・工種組換機能や専用API(TERAPI)、他社拾いソフト連携など、自社の業務フローに必須となる機能が基本構成に含まれるか、有償オプション扱いとなるかの切り分けが必要です。
  • 年間保守契約の内容と費用
    OSアップデートや法改正への追従、バージョンアップデータの提供、技術サポートを受けるための年間保守契約費用を確認しておくことが重要です。

導入事例・実績

東急建設株式会社

準大手ゼネコンの東急建設株式会社では、同社の積算業務に合わせたカスタマイズシステム「東急版Tetra21」を社内インフラとして長年運用しています。さらに同社は、設計BIMデータと東急版Tetra21を連携させた「建築BIM積算(精算見積)連携システム」のプロトタイプを開発し、2022年10月より本格運用を開始しました。

この取り組みでは、設計BIMデータが保持する部材の属性情報や工事項目、積算コードをTetra21の明細体系へ自動連動させ、精算見積明細を直接作成する仕組みを構築しました。これにより、従来は手作業で行われていた図面からの部材数量拾い出しから集計、内訳書入力に至る一連の積算業務において、作業時間を約70%削減することに成功したと公表されています。

独自アーキテクチャと専用API「TERAPI」の仕様

Tetra21は、汎用的な市販リレーショナルデータベース管理システム(DBMS)を使用せず、RPC(Remote Procedure Call)ベースの独自多層アーキテクチャをゼロから自社開発して採用しています。超高層ビルや大規模複合施設などのプロジェクトでは、見積明細の行数が数万行から十数万行に達し、階層構造も極めて複雑になります。Tetra21は独自エンジンにより、大容量かつ複雑な内訳データであっても軽快なレスポンスと高い耐障害性を維持しながら処理できる構造を整えています。

また、外部システム連携を担う専用API「TERAPI(Tetra Application Program Interface)」が提供されています。TERAPIを利用することで、社内の基幹ERPや原価管理システム、協力会社ポータル、独自の原価データベースとTetra21をプログラムレベルで接続できます。外部からTetra21内の物件情報や部材単価を直接読み書きしたり、査定完了後の確定実行予算データを承認フローへ受け渡したりするなど、自社独自の積算DX環境を柔軟に構築できます。

導入前に知っておきたいこと

Tetra21の導入を検討するにあたり、公表されているシステム仕様やサポート規定から留意すべき注意点が3点存在します。

1点目は、保守契約未加入時のサポート体制です。日本オープンシステムズは2024年10月1日以降のサポート規定改定を公表しており、年間保守契約を締結していないユーザーからの問い合わせは、電子メールによる質問を含めてすべて「有償対応」となっています。導入後の安定稼働や定期的な法改正・OSアップデートへの追従を考慮すると、導入コストだけでなく年間保守費用の継続的な計上を前提として予算計画を立てる必要があります。

2点目は、ネットワーク環境による動作スピードの制約です。公式Q&Aにおいて、遠隔拠点間ネットワークなどで上り(送信)と下り(受信)の通信速度が異なる非対称な回線環境の場合、回線自体のスペックに関わらず、遅い方の通信速度に引きずられてデータ処理や画面遷移の速度が制約される仕様が明記されています。支店や現場事務所から本社のサーバーへ接続して共同作業を行う際は、拠点間の回線品質や実効速度を事前に検証することが推奨されます。

3点目は、端末環境における入力システムの競合問題です。一部のサードパーティ製日本語入力システム(IME)を使用しているPC環境において、動作の不具合が発生する事象が公式技術情報で報告されています。該当する場合はIMEのアンインストールまたはTetra21システムの指定アップデートが必要となるため、社内PCの標準IME環境(Microsoft IME等)と適合しているかを事前に確認しておく必要があります。

導入の流れ・期間

Tetra21はクライアント・サーバー構成を主軸とする統合システムであるため、標準的な導入プロセスは以下のような段階を経て進められます。具体的な導入期間はシステム規模やカスタマイズの有無により変動するため、ベンダーへの確認が必要です。

  1. 問い合わせ・ヒアリング
    公式サイトの専用フォームや電話窓口から問い合わせを行います。現在の積算業務フロー、担当者数、建築・設備の比率、現在使用しているマスターやExcel書式、拠点間構成についてヒアリングが実施されます。
  2. 製品デモ・要件確認
    担当者による製品デモを通じて、部材入力の操作感や8階層査定画面、部位・工種組換機能の実機確認を行います。自社固有のマスター構成や帳票様式の適合性を検証します。
  3. システム構成の確定・見積もり提示
    サーバー環境(オンプレミスサーバーの選定等)、クライアントライセンス数、必要なオプション(工種組換、API等)を決定し、導入費用および年間保守費用の見積もりが提示されます。
  4. 契約締結・環境構築
    契約締結後、サーバーへのシステム導入およびデータベースの初期設定を実施します。Windows Server環境の構築やネットワーク設定を並行して進めます。
  5. 部材マスター移行・初期設定
    既存の自社部材マスター、単価データ、標準歩掛データのインポート作業を行います。必要に応じて入力画面レイアウトや印刷帳票のフォーマットを自社仕様にフィッティングします。
  6. 操作研修・実運用開始
    積算担当者や査定担当者向けに操作トレーニングを実施し、テスト運用の検証を経て本番稼働へと移行します。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレット端末から利用できますか?
Tetra21はWindowsクライアントPC上で動作するデスクトップアプリケーションとして設計されています。タブレットPCでの利用自体は動作環境に含まれるものの、一部機能に非対応の制約があることが公式に案内されています。現場での本格的な内訳編集作業はWindows PC環境での運用が基本となります。
クラウド環境で利用することは可能ですか?
Tetra21はWindows Serverを用いた本格的なクライアント・サーバー構成、または1台のPCで完結するスタンドアロン構成が基本となります。自社内サーバーへのオンプレミス設置のほか、プライベートクラウド環境等への構築可否については個別の技術要件に応じた問い合わせが必要です。
無料トライアルや評価版の提供はありますか?
Web上での一律の無料ダウンロード提供は行われていません。導入検討企業向けに個別デモンストレーションやヒアリングを通じたシステム説明が実施されているため、詳細な動作検証を希望する場合は公式サイトから問い合わせを行う必要があります。
設備工事(電気・空調・衛生)の積算にも対応していますか?
対応しています。Tetra21は建築工事だけでなく、電気設備、給排水衛生設備、空調設備、昇降機設備などの新築・改修・営繕・長中期修繕に対応しています。建築と設備の見積書を同一システム内で統合管理し、一括した査定処理を行うことが可能です。
外部の積算拾いシステムとのデータ連携は可能ですか?
可能です。株式会社コスモ・ソフトの部材拾いシステム「PLANEST P's」をはじめとする各種拾いシステムとの専用連携コネクターがオプションとして提供されています。また、公開API「TERAPI」を利用して社内基幹システムやBIMツールと独自に連動させることも可能です。
契約期間や解約に関する条件は公開されていますか?
契約期間や解約条件に関する一律の規定はWeb上で公開されていません。導入時のライセンス形態(買取または期間ライセンス等)や年間保守契約の約款により異なるため、個別見積もりの提示段階で確認することが推奨されます。

参照・出典

他の積算・見積ソフトと比較する

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