FKSとは?RC躯体・仕上積算の自動化とBIM連携を実現する建築数量積算システムの機能や特徴を解説

RC躯体積算「FKS RC」と仕上数量積算「FKS FN」で構成される、建築数量積算の専門システムです。PDF図面のなぞり拾いや伏図配置から自動で鉄筋・コンクリート・仕上数量を算出し、3D展開による確認も行えます。RevitやArchicadなどのBIMデータとの双方向連携にも強みを持っています。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
ゼネコン 建築 設計事務所

FKSとは?

FKSは、協栄産業株式会社が提供するゼネコン・建築会社・設計事務所向けの建築数量積算システムです。RC躯体積算「FKS RC」と仕上数量積算「FKS FN」で構成され、図面からの手拾い集計による属人化や計算ミスの削減、および積算作業時間の短縮を支援します。PDF図面のなぞり拾いや伏図配置から鉄筋・コンクリート・仕上数量を自動算出し、3D展開による視覚的な整合性確認やRevit・Archicad等のBIMデータとの双方向連携に対応しています。

主な機能

RC躯体数量積算機能(FKS RC 2.0)

  • 積算用CADと3D立体展開表示
    伏図を作成することで、自動的に部材形状を立体展開して画面上で3Dモデルとして確認できます。複雑な取り合い部分や部材の配置状況を立体視しながら積算を進められるため、図面の見落としや入力ミスを未然に防止できます。
  • 根切図自動作成と土工事数量算出
    基礎伏図を基に根切図を自動で生成し、掘削や埋め戻し、残土処分などの土工事数量を算出します。山留設定にも柔軟に対応しており、仮設・土工事に関わる積算業務の工数を削減します。
  • 複数の公的積算基準マスター対応
    「建築数量積算基準」「日本建築学会」「公共建築協会」など5種類の基準マスターを標準搭載しています。発注元や案件ごとの仕様に合わせてマスターを切り替えられるほか、自社独自の算出ルールを登録して標準化を図ることも可能です。

仕上数量積算機能(FKS FN 2.0)

  • PDF図面・CADデータのなぞり計測
    PDF図面やCADデータを取り込み、マウス操作で部屋の形状をクリックまたはなぞるだけで、面積や周長を自動計測します。紙図面を手作業でスケール計測して電卓を叩く作業を省力化し、計測根拠を画面上に視覚的に残せます。
  • PDF仕上表からの仕上リスト自動登録
    PDF形式の設計図面に含まれる特記仕様書や仕上表の文字情報を読み取り、仕上リストへ自動登録できます。部屋ごとの床・巾木・壁・天井の仕様データを手入力する手間を低減し、入力漏れや転記ミスを防ぎます。
  • 部位別・科目別の自動集計と物件比較
    計測した仕上データは、部位別の一次集計および工種科目別の二次集計へと自動で集計されます。さらに、過去の同種案件と仕上数量や単価構成を並べて比較・検証できる「物件比較システム」をオプションとして活用できます。

BIM連携および外部データ連携機能

  • BIM双方向連携アドオン「FKS-Link」
    Autodesk RevitやGraphisoft Archicadとダイレクトに連携する専用アドオンソフト「FKS-Link」を提供しています。設計者が作成したBIMモデルから部材情報を直接取り込んで数量を算出できるため、設計変更に伴う再積算の工数を削減できます。
  • ST-BridgeおよびIFC形式の標準フォーマット対応
    一般社団法人buildingSMART Japanが策定した構造データ交換標準「ST-Bridge」や国際標準の「IFC」形式のデータ取り込み・書き出しに対応しています。特定のCADソフトに依存せず、多様な設計環境から構造モデルを受け渡して積算処理を行えます。
  • 図面認識AIを用いた積算自動化検証(PoC)
    協栄産業は株式会社Arentと業務提携を行い、「FKS FN 2.0」を対象に図面認識AIを活用した仕上積算の自動化実証実験(PoC)を進めています。AI技術を活用した将来的な積算作業の一層の省人化に向けた開発動向として公開されています。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

RC造・SRC造の大型案件を手掛け、積算作業の属人化と手拾い工数を削減したいゼネコン

  • 手拾い積算による膨大な作業時間と転記ミスの発生
    PDF図面のなぞり拾いや伏図からの自動立体展開により、鉄筋・型枠・コンクリートおよび仕上数量の算出を半自動化できます。複雑な取り合い部分も3Dモデルで視覚的に確認できるため、拾い漏れや重複計算といったヒューマンエラーを防止し、積算担当者の長時間労働を緩和できます。
  • 担当者ごとに異なる算出ルールや積算精度のばらつき
    「建築数量積算基準」や「公共建築協会」など5種類の公的基準マスターがあらかじめ組み込まれており、社内統一ルールとして設定可能です。担当者の経験年数や計算手法に依存せず、社内全体で平準化された積算根拠を確立できます。

設計段階からBIMモデルを活用し、見積・実行予算のフロントローディングを進めたい企業

  • 設計変更が発生するたびに行う再積算と見積提出の遅延
    RevitやArchicadと直接連携するアドオン「FKS-Link」やST-Bridge形式の連携機能により、BIMモデルの部材属性を引き継いで数量を更新できます。設計修正が構造数量や仕上数量へ迅速に反映されるため、見積作成や実行予算策定のリードタイムを短縮できます。
  • 発注者や協力会社に対する数量根拠の提示・合意形成の長期化
    算出した数量データと連動した3D表示や根切図などの視覚的データを提示できるため、請負契約時の見積条件書作成や実行予算精査において、論理的な原価統制と迅速な意思決定を推進できます。

向いていない企業・現場

土木一式工事を中心とし、全国自治体の土木積算基準や最低制限価格対策を主目的にする建設会社

  • 土木特有の歩掛や公的発注機関の金入り設計書への対応が必要な現場
    FKSは建築分野のRC躯体および仕上数量の積算に特化したシステムであり、道路や橋梁、河川などの土木積算基準・歩掛データは搭載されていません。全国自治体の積算基準や入札シミュレーションを主目的とする場合は、土木積算専用ソフトの検討が適しています。

木造住宅や小規模リフォームを主軸とし、簡易な見積書作成のみを求める工務店

  • 伏図作成や部材の3D拾い出しを必要としない小規模工事
    FKSはRC躯体や中大規模建築の仕上数量を高精度に拾い出す構造となっており、年間数十件の小規模改修や住宅新築を中心とする企業にとっては機能が過剰となる可能性があります。見積書や請求書の作成に特化した簡易な建築見積ソフトの方が運用定着を図りやすい場合があります。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
FKS RC躯体と仕上積算を分離導入可能。3D展開とBIM(Revit/Archicad)連携アドオンを標準提供。 1製品年額330,000円(税込)〜 中堅〜大手ゼネコン、組織設計事務所、積算事務所
HELIOS 構造・仕上・見積書作成までを1パッケージでカバーするBIM対応の建築数量積算システム。 要問い合わせ 構造・仕上・見積までを1システムで包括的に運用したい企業
Gaia 全国の自治体・発注機関の土木積算基準を網羅した土木工事積算のトップシェアシステム。 要問い合わせ 公共土木工事の落札率向上や最低制限価格対策を重視する建設会社
建築みつも郎 多階層見積や自由な書式設定に強みを持つ、中小工務店・リフォーム向けの建築見積ソフト。 要問い合わせ 詳細な数量自動算出よりも、スピーディーな見積書作成を求める工務店

FKSと他の積算ツールを比較する際の判断基準は、「対象工種(建築か土木か)」「数量算出の詳細度」「システム構成の柔軟性」にあります。

建築数量積算分野における主要システムであるHELIOSが、構造・仕上・見積作成までを1つの統合パッケージで一元管理する形態を基本としているのに対し、協栄産業のFKSはRC躯体積算「FKS RC」と仕上数量積算「FKS FN」が機能別に独立したモジュール設計となっています。そのため、「躯体積算部門のみにFKS RCを導入する」「仕上図面のなぞり拾いを行う部署にFKS FNを先行導入する」といった、企業の組織体制に応じた段階的・選択的なライセンス導入が可能です。

一方で、土木工事の入札積算を主軸とする場合は、全国の自治体歩掛や最低制限価格シミュレーションに特化したGaiaなどの土木専用システムが選択肢となります。また、図面からの精緻な数量自動算出を必要とせず、過去データからの引用による迅速な見積書作成のみを目的とする小規模工事であれば、建築みつも郎などの見積管理ソフトが適しています。

料金・プラン

FKSはサブスクリプション(年額契約)形式で提供されており、ライセンス数に応じた定額制となっています。契約期間は1年単位です。

製品名 契約単位 料金(税込) 備考
FKS RC 2.0(躯体積算) 1ライセンス 年額250,800円(月額換算20,900円) 保守サポート費用・無償アップデート込み
FKS RC 2.0(躯体積算) 2ライセンス 年額369,600円 保守サポート費用・無償アップデート込み
FKS RC 2.0(躯体積算) 3ライセンス 年額488,400円 保守サポート費用・無償アップデート込み
FKS FN 2.0(仕上積算) 1ライセンス 年額250,800円(月額換算20,900円) 保守サポート費用・無償アップデート込み
FKS FN 2.0(仕上積算) 2ライセンス 年額369,600円 保守サポート費用・無償アップデート込み
FKS FN 2.0(仕上積算) 3ライセンス 年額488,400円 保守サポート費用・無償アップデート込み

※料金にはサポートセンターの利用料、法改正や機能改善に伴うプログラムアップデート費用が含まれています。
※無料体験版として、最大2ヶ月間(利用開始月の翌月末まで)機能制限なしで試用できるトライアル制度が用意されています。
※6ライセンス以上の契約や、クラウド運用基盤「KYOEI クラウドサービス」を利用する場合の費用については、個別に見積もりが必要です。

導入事例・実績

FKSは、1982年にオフィスコンピュータ版として発売されて以来、40年以上の運用実績を有しており、協栄産業株式会社の公式サイトによると全国で1,500社を超える企業への導入実績があります。

なお、企業名・導入規模・定量的効果の数値が揃って公開されている導入事例は現時点では確認できていません。最新の事例情報や自社と同規模の導入実績については公式サイトをご確認ください。

BIMデータ連携(FKS-Link)と公的検証におけるデータ変換特性

建築業界においてBIMモデルを活用した積算業務の効率化が進む中、FKSはAutodesk RevitおよびGraphisoft Archicadの両プラットフォームに対応した専用アドオン「FKS-Link」を提供し、設計データと積算システムの直接連携を実現しています。設計モデルが持つ部材寸法や材質属性を直接積算データへ引き継ぐことで、図面と積算結果の不整合を防ぐ運用が可能です。

国土交通省が主導するBIMモデル事業(2023年報告資料)におけるST-Bridgeから積算ソフトへのデータ変換検証では、FKS RC(Second Stage)と他社積算ソフト(HELIOS)を対象とした比較検証が実施されました。その報告によると、同じBIM/ST-Bridgeデータを取り込んだ場合でも、基礎リストにおける杭符号や長さの読み込み可否など、部位や要素によってソフト間で変換可能な項目や対応範囲に明確な差異が存在することが公表されています。BIMモデルを活用した積算を検討する際は、自社が取り扱う設計モデルの標準仕様やファミリ構造がFKSの変換仕様に適合しているかを、無料体験版やベンダー検証を通じて事前に確認することが実務上重要となります。

システム動作環境とクラウド運用基盤

FKSシリーズ(FKS 2.0)を円滑に運用するためには、推奨されるハードウェアスペックおよびネットワーク環境を確保する必要があります。公式サイトで公開されている動作要件は以下の通りです。

項目 必要要件 推奨要件
対応OS Windows 10 / 11(日本語版のみ) Windows 10 / 11(最新バージョン)
CPU 2.5GHz以上、4コア以上 3.0GHz以上、8コア以上
メモリ 8GB以上 16GB以上
ストレージ 100GB以上の空き容量 SSD推奨(100GB以上の空き容量)
ディスプレイ 1,024×768ドット以上 フルHD(1,920×1,080ドット)以上

FKSはPC単体で動作するスタンドアロン運用や社内ファイルサーバーを用いたネットワーク運用のほか、「KYOEI クラウドサービス」を活用したクラウド環境での運用にも対応しています。在宅勤務や複数拠点間での積算データ共有を行う場合は、自社のネットワーク環境やセキュリティ基準に応じたインフラ構成を選択できます。なお、ライセンス認証やプログラム更新の適用のため、インターネット接続環境が必須となっています。

導入前に知っておきたいこと

現時点では、外部レビューサイトやSNS上において一般公開されたユーザーからの具体的な不満・課題報告は確認できていません。ただし、システムの仕様および動作環境から、以下の実務的な留意点が挙げられます。

  • 対応OSがWindows日本語版に限定されている点
    動作環境はWindows 10および11の日本語版のみとなっており、Mac環境やLinux環境での単体稼働には対応していません。社内端末のOS環境を事前に確認する必要があります。
  • ストレージ要件および常時インターネット環境の確保
    プログラムインストールおよび案件データ保存のために100GB以上の空き容量が求められます。また、ライセンス認証やアップデート配信がオンラインで実行されるため、安定した通信環境が必要です。
  • BIM連携における変換項目の事前検証
    国土交通省の検証資料にも示されている通り、BIMモデルのモデリングルールや属性情報の付与状態によって、自動変換できる部材と手動調整が必要な部材が生じる場合があります。実務導入にあたっては、自社で作成した設計モデルを用いた事前検証を行うことが推奨されます。

導入の流れ・期間

FKSの導入は、問い合わせからトライアル、本契約、運用開始のステップで進行します。公式サイトで確認できる導入手順は以下の通りです。

  • 1. 問い合わせ・資料請求
    公式サイトの専用フォームまたは電話から問い合わせを行い、製品資料の取り寄せや機能説明を依頼します。
  • 2. 無料体験版(最大2ヶ月間)の試用
    利用開始月の翌月末まで、最長2ヶ月間にわたり機能制限のない体験版を利用できます。期間中はサポートセンターの利用も可能であり、自社の図面データを用いた操作性や積算精度の検証を行えます。
  • 3. 見積もり・プラン選定
    必要な製品(FKS RC / FKS FN)、導入ライセンス数、運用形態(スタンドアロン / サーバー / KYOEIクラウド)を決定し、見積もりを取得します。
  • 4. 契約・ライセンス発行
    1年単位のサブスクリプション契約を締結し、プログラムのインストールおよびライセンス認証を行います。
  • 5. マスター整備・運用開始
    自社の積算基準や単価マスターの登録を行い、実案件での積算業務を開始します。導入後も電話・メール・リモート操作によるサポートや操作説明動画を利用できます。

※FKSの正式契約から実務稼働に至る具体的な導入期間については、社内のマスター整備状況や台数によって異なるため、要問い合わせとなっています。

よくある質問(FAQ)

タブレットやスマートフォン向けの専用アプリはありますか?
FKSはWindowsデスクトップ向けに設計された積算システムであり、iOSやAndroid専用のモバイルアプリは提供されていません。動作要件を満たしたWindows PC環境で利用します。
無料トライアルの期間と機能制限について教えてください。
最大2ヶ月間(利用開始月の翌月末まで)利用できる無料体験版が提供されています。体験版であっても機能制限はなく、電話やリモート操作によるサポートセンターの利用も含めて本契約と同様の環境で試用可能です。
契約期間や解約時のルールはどうなっていますか?
契約期間は1年単位のサブスクリプション形式となっています。中途解約時の返金条件や自動更新の詳細な規約については、契約時の条件書または販売元へ直接確認してください。
サポート体制と追加費用の有無について教えてください。
サブスクリプション料金内にサポート費用が含まれており、回数制限なくサポートセンターを利用できます。電話、FAX、メール、リモート操作による問い合わせ対応のほか、プログラムアップデートや修正版の無償提供、ユーザー専用ページでの操作説明動画の閲覧が可能です。
躯体積算(RC)と仕上積算(FN)のどちらか片方のみを導入することはできますか?
可能です。FKSはモジュール別に製品が分かれているため、躯体数量の積算効率化を優先する場合は「FKS RC 2.0」のみ、図面のなぞり拾いを効率化したい場合は「FKS FN 2.0」のみといった単体契約が行えます。
どのような積算基準に対応していますか?
「建築数量積算基準」「日本建築学会」「公共建築協会」など5種類の基準マスターが標準で登録されています。発注機関や工事区分に合わせて選択できるほか、自社独自の算出基準を登録して適用することも可能です。

参照・出典

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