WingEarthとは?大規模点群の高速処理からi-Con対応まで実現する測量解析システム

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100億点を超える大規模点群データを高速に編集・解析できる純国産の点群処理システムです。ドローン空撮やMMS(モービルマッピングシステム)、地上レーザーで取得した点群から自動物体認識やエッジ抽出を高精度に行えます。i-Constructionに対応した土量計算や出来形総括表作成に加え、3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)にも対応しています。

料金モデル
オンプレミス
対象規模
規模問わず
対象業界
土木 ゼネコン サブコン・専門工事業者

WingEarthとは?

WingEarth(ウィングアース)は、アイサンテクノロジー株式会社が開発・提供する、100億点規模の超大規模点群データを高速に編集・解析できる純国産の点群処理システムです。ドローン(UAV)による空中写真測量やLiDAR計測、車載型モービルマッピングシステム(MMS)、地上レーザースキャナーから取得された大容量点群の処理負荷を解消します。自社開発エンジン「3D PCP」を中核とし、ノイズ除去やグラウンドフィルタリング、複数点群の自動位置合わせ、i-Constructionに準拠した土量計算や出来形総括表作成までをワンストップで支援します。

主な機能

WingEarthは、大規模計測データのハンドリングから解析、CAD連携まで、3次元測量実務に求められる機能を網羅しています。確認されている主な機能は以下の3系統に分類されます。

大規模点群の高速処理・合成機能

  • 自社開発エンジン「3D PCP」による超大規模データ処理
    100億点を超える膨大な点群データを実用的な速度で読み込み、軽快に画面表示や編集操作を行えます。点群データの肥大化によるPCフリーズや処理遅延を防ぎ、広域な道路・河川測量や大規模造成地のデータもストレスなく扱えます。
  • 複数点群の自動位置合わせ(オートレジストレーション)
    地上レーザースキャナーを複数地点で据え付けて取得した点群や、異なる日時に計測した複数の点群データを自動認識して高精度に合成します。基準点標的の手動マッチングにかかる工数を削減し、現地計測データの結合処理を短縮します。
  • グループ化および削除復元機能
    属性やエリア、施工ブロックごとに点群データを柔軟にグループ化し、レイヤー感覚で表示・非表示を切り替えられます。誤って間引いたり削除したりした点群データを即座に復元できるため、やり直し作業に伴う手戻りを防止します。

地表面抽出・モデリング・解析機能

  • グラウンドフィルタリング(地表面抽出・不要物除去)
    樹木や下草などの植生、走行車両、歩行者といった不要な点群を自動判定し、地表面(グラウンドデータ)や床面データのみを一括抽出します。i-Construction基準の出来形合否判定や土量計算に必要な真正の地盤高データを短時間で整備できます。
  • 面作成・3次元図形化機能
    点群データから壁面・床・天井などの構造物面を自動・半自動で認識し、高速にメッシュやサーフェスデータを生成します。既存インフラの現況把握やリノベーション計測において、点群からダイレクトに3次元形状をモデル化できます。
  • 3Dメッシュからの断面作成
    生成された3Dメッシュデータから、任意の線形に沿った縦断・横断断面を自在に切り出せます。2次元図面用の断面図作成や、現況と設計データの断面対比がソフトウェア上で完結します。
  • パノラマ写真と点群の重畳表示
    現場で撮影した全方位パノラマ写真と3次元点群データを幾何学的に重ね合わせて表示します。点群を拡大した際に生じる隙間や視認性の低下を補い、構造物の角部や路面ペイントなどの境界線を高い確信度で視覚認識・トレースできます。

次世代3次元データ連携・CAD統合機能

  • 3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)連携機能
    新世代の3次元表現技術である3Dガウシアンスプラッティングデータの表示、点群との表示色統合、スナップ機能、およびデータ出力に対応しています。フォトリアルな質感表現と測量点群の幾何精度を融合させた現場プレゼンテーションや現況確認が可能です。
  • 測量CAD「Wingneo®INFINITY」とのシームレス連携
    同一メーカーの測量CAD「Wingneo®INFINITY」と直接データを連携し、現況図形コマンドを活用した平面図作成や測量成果作成を円滑に行えます。3次元点群から2次元の公的測量成果物を作成する際のデータ変換エラーや変換手間を解消します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

MMSやLiDARを用いた広域・高密度計測を手がける測量設計会社

  • 数千万〜数十億点に達する点群を開くとPCが停止し、業務が進まない
    自社開発の高速点群処理エンジン「3D PCP」を搭載しているため、100億点規模の点群データであっても軽快に読み込みや視点移動が行えます。点群を小分けに間引いて分割処理する必要がなくなり、広域インフラ計測の編集作業にかかる待ち時間を抑えられます。
  • 複数箇所でスキャンした地上レーザー点群の合成位置合わせに手間がかかる
    オートレジストレーション(自動位置合わせ)機能により、複数スキャンの重複箇所を自動でマッチングして結合できます。現地ターゲットの座標合わせ作業を省力化し、内業工数の大幅な削減につながります。

点群データから2次元図面や公的帳票の作成までをワンストップで行いたい土木施工会社

  • 点群処理ソフトと図面作成用CADの間でファイル変換の手間と座標ズレが発生している
    測量CAD「Wingneo®INFINITY」との直接連携に対応しており、抽出した現況形状をCADへスムーズに受け渡せます。i-Constructionにおける出来形管理や土量計算、平面図・横断図作成の一連の流れが国産ソフト環境内で一本化されます。
  • 植生や重機が写り込んだ点群から地表面だけを抜き出す作業に工数を取られている
    高精度なグラウンドフィルタリング機能により、草木や車両などの不要な反射点を一括除去できます。起工測量や出来高算出に必要な地盤面データを迅速に切り出し、メッシュ法等による土量計算をスピーディに完了できます。

向いていない企業・現場

Webブラウザ上でのリアルタイム共同編集やクラウド共有を主目的にする現場

  • 複数拠点の作業員や協力会社がブラウザ経由で同時に同一点群を編集・共有したい
    WingEarthはWindows OS(64bit)で動作するオンプレミス型の専用ソフトウェアです。クラウドSaaSのようにURL共有だけで複数人がブラウザからリアルタイム共同編集を行う運用体系ではないため、データ共有をオンラインプラットフォーム上で完結させたい組織には不向きです。

点群処理ソフトウェア単体で3DGSデータの新規生成まで完結させたい企業

  • 撮影写真から3Dガウシアンスプラッティングデータを直接生成する内製パイプラインを求めている
    WingEarth Version 3.0.0では3DGSデータの表示やスナップ、出力には対応しているものの、ソフトウェア単体で写真群から3DGSデータを新規生成(学習・再構成)する機能は備えていません。データ生成自体は外部の専門エンジンで行う必要があります。

類似ツールとの比較

建設・土木業界向けの点群処理ツール市場において、WingEarthは超大規模点群に対する処理エンジンと、国内の測量・土木実務に根ざしたCAD連携力において独自の立ち位置を確立しています。

海外製の点群モデリングソフトやSfM解析ソフトは、ポリゴンメッシュ生成やCGレンダリング、英語圏基準のBIMモデリングに強みを持つ一方、日本の国土交通省が定めるi-Constructionの出来形管理基準や、公共測量の様式にそのまま適合する帳票・図面を出力するには多段階のデータ加工を要することが少なくありません。これに対してWingEarthは、国内の公共測量・土木基準に準拠した成果物作成を前提に設計されています。

また、一般的な国産点群処理ソフトと比較した場合、WingEarthの際立った強みとなっているのが自社開発エンジン「3D PCP」によるデータ処理能力です。モービルマッピングシステム(MMS)などの車載レーザー計測で蓄積される連続した数十億〜100億点単位の点群であっても、PCリソースを極端に圧迫することなく安定してハンドリングできます。さらに、測量業界で高い普及率を持つ「Wingneo®INFINITY」と同一メーカー製であるため、点群から抽出した地物エッジや断面ラインをCAD側の現況図形コマンドへ直接渡し、2次元・3次元成果品をスムーズに仕上げられる点が実務上の優位性となっています。

料金・プラン

WingEarthは買い切り(オンプレミス)型のライセンス形態を基本として提供されています。公式に公表されている標準価格およびサポート体系は以下の通りです。

プラン・構成名 標準価格(税込) 提供形態 備考
WingEarth Version 3.0.0 1,650,000円 オンプレミス(ライセンス導入) 3D PCPエンジン、フィルタリング、面作成、3DGS連携等の基本搭載
年間保守「WingEarth-ATM'S」 要問い合わせ 年間契約保守サービス 機能アップデート提供、自動位置合わせ機能等の利用、サポート対応

※導入形態や追加オプションモジュール、複数ライセンス契約時の価格詳細については、アイサンテクノロジー株式会社への個別問い合わせと見積もり確認が必要です。また、自動位置合わせ機能など一部のアップデート機能は「WingEarth-ATM'S」保守サービスへの加入が前提となります。

導入事例・実績

WingEarthは、全国の測量設計会社や土木調査会社、専門コンサルタント企業に広く導入されています。アイサンテクノロジー株式会社の公式サイト等では、以下の企業をはじめとする複数の導入実績が公表されています。

  • 株式会社トライ
  • 二葉測量設計株式会社
  • 株式会社ツカサ測量設計
  • 株式会社MSS
  • 塩川設計測量株式会社
  • 有限会社アペオ技研

※なお、各導入企業の具体的な工数削減率や費用対効果などの定量的数値が明記された公表情報は確認できていません。最新の導入詳細やユースケースについては公式サイトの事例情報をご確認ください。

WingEarthの推奨動作環境とシステム要件

100億点規模の超大規模点群を安定して高速処理するため、WingEarthを導入するPC端末には以下のハードウェア・OS要件が指定されています。

項目 システム要件・推奨仕様
対応OS Windows 8.1 Pro 64bit / Windows 10 Pro 64bit / Windows 11 Pro(※64bit環境のみ対応)
ストレージ空き容量 50GB以上(※大規模点群やキャッシュデータを保存するためのSSD環境推奨)
ディスプレイ解像度 1920×1080以上(ワイドディスプレイ環境を推奨)
インターフェース・環境 USB3.0ポート、インターネット接続環境(ライセンス認証および保守通信用)

点群処理のパフォーマンスは搭載されるCPU性能、GPU(グラフィックスカード)、および物理メモリ容量に大きく依存するため、MMSや広域UAVレーザーのデータを日常的に解析する場合は、推奨環境を十分に上回るワークステーション仕様のPCを選定することが推奨されます。

測量CAD「Wingneo®INFINITY」との連携による成果品作成の効率化

WingEarthの運用上の大きな特徴は、アイサンテクノロジー社が提供する測量CADシステム「Wingneo®INFINITY」との密接な相互データ連携にあります。

一般的な点群処理フローでは、点群から抽出した座標値や境界線データを汎用フォーマット(DXFやCSV等)に一度書き出し、別メーカーのCADソフトへ読み込ませる必要があります。このプロセスでは、座標系のずれ、文字化け、図層属性の欠落といったトラブルが発生しやすく、オペレーターの手戻りを生む要因となっていました。

WingEarthとWingneo®INFINITYの連携環境では、点群上でトレースした現況地物やエッジラインをシームレスにCAD側へ受け渡し、登録された現況図形コマンドを利用して素早く平面図や縦横断図へ展開できます。点群による現況把握から、自治体・発注機関へ提出する公的測量図面・出来形図の完成に至るまでのワークフローが途切れることなく直結するため、内業工数を大幅に短縮できます。

導入前に知っておきたいこと

WingEarthの導入を検討するにあたり、事前に把握しておくべき機能仕様および運用上の留意点は以下の通りです。

  • 3DGSデータそのものの新規作成機能は非搭載
    WingEarth Version 3.0.0では、フォトリアルな表現を可能にする3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)データの表示、点群との表示色統合、スナップ計測、ファイル出力に対応しています。ただし、ソフトウェア単体で現場写真から3DGSモデルを直接再構築・生成する機能は備わっていません。3DGSデータは外部の専用ツールであらかじめ生成した上で取り込む必要があります。
  • 点群拡大時の視認性課題とパノラマ写真重畳による対応
    点群データは拡大表示した際に点の間隔が広がり、構造物の稜線や境界が判読しづらくなる特性があります。この課題に対してWingEarthでは、パノラマ写真と点群を重ね合わせて表示する機能が開発・提供されています。細部の図化トレースを行う際は、写真の解像度情報と点群の幾何座標を併用して確認する運用が推奨されます。
  • 一部機能の利用における保守サービス加入条件
    複数点群を自動で合成するオートレジストレーション(自動位置合わせ)機能など、バージョンアップで追加された高度機能の一部は、年間保守サービス「WingEarth-ATM'S」への加入が利用条件となっています。初期ライセンス購入費用だけでなく、保守継続費用を含めた運用予算を想定しておく必要があります。

導入の流れ・期間

WingEarthの導入は、問い合わせから実業務での定着まで以下のステップで進行します。

  • 問い合わせ・個別相談
    アイサンテクノロジー株式会社の公式サイト問い合わせフォームより、現状の業務課題や点群の取得形態(UAV写真、UAVレーザー、MMS、TLS等)を伝えて相談を開始します。
  • 無料体験版・実機デモでの検証
    提供されている無料体験版ソフトウェアやオンラインデモを活用し、自社で取得した点群データが「3D PCP」エンジン上で円滑に動作するか、フィルタリングの精度が実務水準に達しているかを事前検証します。
  • システム構成の確定と見積もり
    必要なライセンス数、連携させるCAD(Wingneo®INFINITY等)の構成、年間保守サービス「WingEarth-ATM'S」の加入有無を決定し、正式な見積もりを取得します。
  • 契約・ライセンス発行・インストール
    発注・契約手続きの完了後、ソフトウェアのインストーラーおよびライセンス(USBドングル認証またはオンライン認証)が発行されます。推奨動作環境を満たすWindows 64bit PCへインストールを行います。
  • 初期トレーニング・実務稼働
    提供されている動画セミナーやマニュアル動画、保守サポート窓口を活用して操作手順を習得し、現場実務へ展開します。

※導入決定から実務稼働までの具体的な導入期間については、PCの手配状況や社内検証の進捗により異なるため、アイサンテクノロジー社への問い合わせによる個別確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

タブレットやMac、Webブラウザ環境でも利用できますか?
WingEarthはWindows 64bit OS(Windows 8.1 Pro / 10 Pro / 11 Pro)専用のオンプレミスソフトウェアです。Mac OSやスマートフォン・タブレット、一般的なWebブラウザ上での単体動作には対応していません。システム要件を満たす64bit対応のWindows PCが必要です。
導入前に無料体験版を試すことはできますか?
はい、公式サイトにて無料体験版の提供や個別相談・実機デモの受付が行われています。自社で取得した点群データの読み込み速度やフィルタリング機能を事前にテストできます。
3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)データはWingEarthだけで作成できますか?
いいえ、WingEarth単体で写真群から3DGSデータを新規生成することはできません。外部の生成ツールで作成した3DGSデータを取り込み、点群との重畳表示、色統合、スナップ、出力を行う運用となります。
ドローン写真測量で生成した点群(SfM点群)も読み込めますか?
はい、ドローンによる空中写真測量で生成された点群データや、UAVレーザー、地上型レーザースキャナー、MMS(車載計測)から得られた点群データを幅広く取り込んで処理できます。
保守サービス「WingEarth-ATM'S」への加入は必須ですか?
基本ライセンスのみでの導入も可能ですが、自動位置合わせ機能(オートレジストレーション)をはじめとする最新アップデート機能の利用には「WingEarth-ATM'S」への加入が必須条件とされています。機能の継続的な拡張やサポートを前提とする場合は加入が推奨されます。
導入後のサポート体制や学習コンテンツはありますか?
保守契約ユーザー向けのサポート窓口が用意されているほか、公式に動画セミナーや操作マニュアル動画が配信されており、未経験の技術者でも点群処理フローを段階的に学習できる体制が整っています。

参照・出典

他のドローン測量・点群処理ソフトと比較する

WingEarthの特徴を含むドローン測量・点群処理の14製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

ドローン測量・点群処理ソフト比較14選