Digital Billderとは?建設業特化の電子発注・請求書管理の機能や導入価値を解説

建設業に完全特化した電子発注・電子請求書クラウドサービス。建設業法の要件についてグレーゾーン解消制度を通じて適法性を取得しており、工事単位の注文稟議・注文書送付から注文請書受領、請求書処理までをシームレスに電子化する。建設特有の出来高や工種別管理、相殺・保留金処理にも対応する。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
ゼネコン サブコン・専門工事業者 建築 土木

Digital Billderとは?

Digital Billder(デジタルビルダー)は、東大発ベンチャーである燈株式会社が開発・提供する、建設業の商慣習に完全特化した電子発注・電子請求書クラウドサービスです。建設業法第19条が定める契約の電磁的措置に関してグレーゾーン解消制度を通じて適法性を取得しており、現場監督や工務・経理部門を悩ませてきた注文書の送付・請書回収から、出来高に応じた査定、保留金・相殺処理、請求書処理までを一気通貫で電子化します。汎用的な電子契約や請求書受領サービスでは対応が困難な「工事コードとの紐付け」や「工種細目別の管理」を標準装備し、重層下請構造における協力会社の利用負担を抑えた設計により、業界特有の事務処理工数の削減と法令順守の両立を支援します。

主な機能

Digital Billderは、「発注」「請求書」「見積書」「経費精算」のモジュール群で構成されており、自社の運用課題や導入フェーズに応じて必要な機能を選択して導入できます。建設業特有の実務フローを網羅した各機能の詳細は以下の通りです。

受発注・契約管理モジュール

  • 工事単位の注文稟議・注文書電子送付
    工事コードや発注番号に紐付いた注文書データをクラウド上で作成し、協力会社へ電子送付できます。従来の紙書類への押印や郵送の手間を排し、建設業法第19条に基づく書面交付義務を電磁的記録により迅速に履行できます。
  • 注文請書のオンライン受領・締結管理
    協力会社側は発行されたURLからクラウド上で内容を確認し、押印書類を返送することなくオンライン上で注文請書の確認・締結手続きを完了できます。着工前の確実な契約締結を担保し、口頭発注によるコンプライアンス違反リスクを抑制します。
  • 見積書作成・授受機能
    発注の前段階となる見積依頼から見積書の受領・査定までを同一基盤上で電子化します。工事案件ごとの見積履歴を一元的に蓄積し、後続の発注処理や契約変更時のエビデンスとしてスムーズに参照できます。

請求書受領・現場査定モジュール

  • 工事コード・発注番号との自動紐付け
    受領した請求書データを工事コードや注文書番号、取引先コードと自動的に関連付けます。経理部門や現場監督が紙の束から該当する工事番号を探し出して手作業で転記する作業を削減します。
  • 監督査定・出来高管理機能
    現場監督が工事の進捗状況を確認しながら、請求金額に対して出来高調書等の付随資料を添付し、社内査定を実施できます。工種細目ごとの出来高進捗や査定差額の確認がクラウド上で完結します。
  • 保留金・相殺処理機能
    安全協力会費や副資材代金、電気代などの相殺控除、および工事完成引渡まで留保する保留金計算といった建設業固有の商慣習に標準対応します。複雑な差引計算をシステム上で管理し、手作業による控除漏れや二重計上を防止します。

システム連携・運用管理モジュール

  • 原価管理・会計システム連携(CSV/RPA/API)
    承認済みの発注データや請求・支払データをCSV形式で出力し、自社の工事原価管理システムや財務会計システムにインポートできます。さらに要件に応じてRPAやAPIを活用したシームレスなデータ連携にも対応します。
  • 証憑書類の一元保管・添付機能
    出来高調書、納品書、指定請求書の表紙など、請求書に付随する各種エビデンス(上限20MBまでのPDF)をまとめて保管できます。社内回覧から監査対応まで、電子帳簿保存法の要件に即した証拠管理が容易になります。
  • 経費精算モジュール
    現場監督や本社社員が立て替えた小口経費の申請・承認を電子化します。現場常駐に伴う出替りや雑費精算を工事コードに紐付けて処理することで、現場別の原価把握を迅速化します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

重層下請構造を持ち、毎月の現場査定・相殺控除の事務負担が大きいゼネコン・サブコン

  • 紙の請求書仕分けと現場回覧による承認遅延
    毎月現場へ郵送されてくる大量の紙請求書を工務・経理が仕分け、各現場事務所の所長へ郵送・回覧するプロセスに多大な日数を要している現場に適しています。Digital Billderを導入することで、協力会社がアップロードした請求書が工事コード単位で自動紐付けされ、所長が現場事務所のPCから即座に査定・承認を行えるため、月締め処理のリードタイムを大幅に圧縮できます。
  • 相殺金や保留金の手計算によるミスと確認工数の増大
    安全会費や立替資材費の相殺、工事ごとの保留金計算がエクセルや電卓での手作業となり、過大支払いや控除漏れのリスクを抱えている現場に適しています。Digital Billderの相殺・保留金計算機能を標準で活用することにより、システム上で正確な差引支払額が自動算出され、経理部門の突合確認工数が削減されます。

協力会社のITリテラシーに配慮しながら受発注の電子化を進めたい中堅・大手建設会社

  • 専用ソフト導入や月額負担を理由に協力会社から電子化を拒まれる懸念
    下請企業へのアカウント発行費用やシステム利用料の負担を求めにくく、EDIや電子契約の導入が進まなかった企業に適しています。Digital Billderは受託側の利用料が無料でアカウント登録不要(送付URLアクセス形式)となっており、協力会社は従来の自社フォーマットのPDF請求書をそのまま添付して送信できるため、下請企業の反発や混乱を最小限に抑えて電子化率を引き上げられます。
  • 建設業法第19条に違反しない安全な電子契約環境の整備
    国交省ガイドラインやグレーゾーン解消制度への準拠が不明瞭な汎用電子契約ツールでは法務監査を通過しにくい企業に適しています。Digital Billderはグレーゾーン解消制度を通じて建設業法第19条の適法性を確認済みであるため、着工前の注文書・請書締結から変更契約までを法的に安全なフローで運用できます。

向いていない企業・現場

工事ごとの原価紐付けや出来高査定を必要としない小規模事業者や単一職種の個人事業主

  • 建設業固有の複雑な管理項目を持て余す規模感
    年間の外注発注件数が少なく、工事コード管理、工種細目査定、保留金処理などの機能が過剰となる事業者には不向きです。小口の汎用電子署名ツールや簡易的なクラウド請求書サービスの方が設定負担が少なく、月額固定コストに見合った費用対効果を得られやすいため、そちらの検討が推奨されます。
  • Excel原本の直接アップロードによる受領運用を希望する企業
    Digital Billderの協力会社向け提出ファイル形式はPDF(上限20MB/ファイル)に限定されており、Excel形式のままではアップロードできません。取引先に対して見積書や請求書をPDF変換して提出させる運用ルールを統一できない場合、現場での差し戻しや確認工数が増大する要因となります。

類似ツールとの比較

電子契約や電子請求書サービス市場には数多くの製品が存在しますが、Digital Billderは「建設業界の商慣習への特化度」において汎用製品と大きく差別化されています。

一般的な汎用電子契約・電子請求書SaaSは、全産業向けにシンプルな契約締結や受領後のOCR読取を提供する一方で、建設業で必須となる「工事コード・工種細目の紐付け」「現場監督による出来高査定」「協力会費・副資材代金の相殺控除」「完成時まで支払を留保する保留金管理」といった機能は標準装備されていません。汎用ツールでこれらを実現しようとすると、多額の初期費用を投じてアドオン開発を行うか、クラウド受領後にエクセル等へ一度エクスポートして手作業で再計算・突合する運用となり、結果として業務工数の削減効果が限定的になります。Digital Billderはこれらの建設特有の処理がカスタマイズなしの標準機能として組み込まれており、追加開発なしで即座に業界標準の実務に適合させることが可能です。

また、下請・協力会社側の負担感という点でも構造的な違いがあります。一部の受発注プラットフォームでは協力会社側にも有償アカウントの契約や専用システムの操作習得を求めるケースがあり、これが普及のボトルネックとなりがちです。Digital Billderでは協力会社側の利用料が無料であり、専用ID・パスワードの発行を受けなくても指定URL経由で自社請求書(PDF)をそのまま添付して提出できる仕様を採用しています。協力会社側に既存フォーマットの変更を強要しない設計が、取引先からの受け入れやすさにつながっています。

料金・プラン

Digital Billderの料金プランは、利用するモジュール(発注・請求書・見積書・経費精算)の組み合わせや、受領する請求書の月間処理枚数、現場規模などに応じた個別見積もりとなっています。導入を検討する際は、自社の年間発注件数や取引先社数を整理した上で問い合わせを行う必要があります。

項目 プラン内容・費用 備考
初期費用 無料(パートナー向け公開資料による) 導入支援・初期設定サポートの内容により異なる場合があります。
月額利用料 要問い合わせ(月額27,273円税抜〜/月額30,000円〜の公開記載あり) 受領枚数・導入モジュール数に応じた従量・段階課金体系。
協力会社(受託側)利用料 完全無料 下請企業側はアカウント維持費や送信費用を一切負担しません。

※上記金額はパートナー企業の公開資料等で確認された一部の目安であり、燈株式会社の公式サイト上では固定料金表は公開されておらず、利用環境に応じた個別見積もりが基本方針となっています。見積もり取得時には、最低契約期間、超過従量課金の単価、原価管理システム等とのCSV・API連携オプション費用の有無を確認することが推奨されます。

導入事例・実績

吉成建設株式会社(徳島県 / 総合建設業)

徳島県を拠点に総合建設業を展開する吉成建設株式会社では、毎月各現場から集約される紙の請求書の回収、現場監督による査定作業、工事未払金表の作成、そして役員承認依頼に至る一連の社内回覧フローが長期化し、経理部門および現場双方の業務負担となっていました。Digital Billderの導入によって請求書の受領から査定・回覧フローを電子化した結果、月締め時における書類回収から役員承認依頼までのリードタイムを約1週間短縮することに成功しました。

株式会社佐伯建設(大分県 / 総合建設業)

大分県に本社を置き九州一円で施工を手掛ける株式会社佐伯建設では、毎月約50現場が稼働しており、現場全体で月間1,000枚以上発生する紙の請求書の処理に追われていました。本社に届いた請求書を各現場へ仕分けして郵送し、現場監督が確認後に本社へ送り返して手作業でデータ入力を行うという膨大なアナログ作業が常態化していました。Digital Billderを導入したことで、現場ごとの請求書回覧・仕分け作業がクラウド上で完結するようになり、現場事務所と本社間を行き交う郵送コストと入力工数の効率化を実現しました。

建設業法第19条およびグレーゾーン解消制度への適合実務

建設工事の請負契約は、建設業法第19条第1項・第2項に基づき、工事名、請負代金額、工期、支払時期・方法などの法定必須記載事項を記載した書面の相互交付が義務付けられています。同条第3項および施行令第5条の6により電磁的措置(電子契約)が認められていますが、国土交通省の「建設業法令遵守ガイドライン」に準拠し、技術的基準(改ざん防止措置や本人性確認)を満たす必要があります。

Digital Billderは、経済産業省・国土交通省が所管する「グレーゾーン解消制度」を活用し、建設業法の求める電磁的措置の要件に合致していることについての適法性を確認しています。具体的には、工事固有の条件を記載した個別注文書・注文請書に基本契約約款を一体化させて提示・締結する機能や、着工前の確実な合意形成をログとして保全する仕組みが整えられています。これにより、元請企業は法務上のリスクや建設業法違反による行政処分リスクを排除した上で、適法かつ安全に電子契約への移行を進めることが可能です。

協力会社の移行負担軽減と第三者調査による評価

建設DXツールを導入する際、最も大きな障壁となるのが協力会社(下請業者)への浸透です。特に高齢化が進む専門工事業界では、ID・パスワードの厳格な管理や二要素認証、複雑な専用画面の操作を求めると提出遅延や紙への逆戻りが発生しがちです。

Digital Billderは、協力会社が面倒な会員登録やアカウント管理を行うことなく、元請から届く案件ごとの専用リンクにアクセスするだけで書類送付を完了できる設計を採用しています。協力会社が使い慣れた自社の請求書フォーマット(PDF)をそのまま添付できるため、現場の職人や事務担当者に新たな帳票作成スキルを求めません。

こうした現場視点の設計は外部調査でも評価されており、デロイト トーマツ ミック経済研究所が実施した「ゼネコンにおける請求書受領サービス導入実態調査(2025年2月)」において、Digital Billderは「ゼネコン利用率」「サポートの親密性」「協力会社の賛同度合い」の3部門でNo.1を獲得しています。元請だけでなく下請側にとっても受容性が高いシステム構造が、実務定着率の高さに直結しています。

導入前に知っておきたいこと

導入を成功させるためには、事前に以下の運用上の仕様やユーザーから報告されている注意点を把握し、対策を講じておく必要があります。

  • 明細画面のスクロール操作に関する現場の操作感
    ITreviewに投稿された利用ユーザーのレビューによると、請求明細の確認画面が枠内スクロール表示となっており、従来の紙の一覧表のように全体を一目で俯瞰することが難しく、スクロールを繰り返す操作に不便さを感じる声が報告されています。多数の明細行を抱える大型工事の査定実務においては、画面レイアウトや確認手順を事前にデモ環境で検証することが推奨されます。
  • 提出形式はPDF必須(Excel直接アップロード不可)
    協力会社から提出される証憑ファイルはPDF形式に限定されており、Excelファイルのままではシステムにアップロードできません。普段Excelで請求書を作成している協力会社に対しては、提出前に「名前を付けて保存」からPDF形式へ変換して出力する手順を周知・案内しておく必要があります。
  • 請求提出時の工事コード必須仕様
    システム上で請求データを正しく仕分け・紐付ける仕様上、協力会社が請求書をアップロードする段階で元請側から指定された「工事コード」の入力が必須となります。コードが不明な状態では協力会社側で提出手続きを進行できないため、発注時や締め日前に元請側から協力会社へ工事コードを漏れなく伝達する社内ルールの徹底が不可欠です。
  • 提出完了後の協力会社側からの自己取り消し不可
    協力会社が一度送信ボタンを押して提出を完了させた請求書は、協力会社の画面上から直接取り消しや上書き修正を行うことができません。誤った金額や添付書類を送信してしまった場合は、元請側の担当者へ連絡して受領側から該当データを破棄(却下)してもらい、再提出の手続きを行う運用フローとなります。

導入の流れ・期間

Digital Billderの導入は、問い合わせから本格稼働まで段階的な支援を受けながら進められます。SaaSとしての一般的な導入ステップは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・ヒアリング
    公式サイトの問い合わせフォームより申し込みを行います。自社の発注件数、請求書受領件数、連携を希望する原価管理・会計システムの種類、現場数などをヒアリングされます。
  2. デモ実演・トライアル・見積提示
    実際の管理画面や協力会社向け提出画面のデモを確認し、業務フローとの適合性を検証します。利用モジュールと受領規模に応じた見積書が提示されます。
  3. 契約締結・初期設定
    利用契約を締結後、自社の工事マスター、取引先マスター、工種細目、勘定科目などの初期データを登録し、承認フローや相殺項目の設定を行います。
  4. 説明会開催・協力会社への案内
    社内の現場監督や工務・経理担当者向けの説明会を実施するとともに、燈株式会社のサポートを活用して協力会社向けの利用案内資料やアナウンスを展開します。
  5. 本稼働・カスタマーサクセスによる運用支援
    一部の現場での先行トライアルを経て全社稼働へと移行します。稼働後もカスタマーサクセス担当者との定期的なWeb会議を通じて、定着状況の確認や機能改善の要望受付などの維持管理支援が行われます。

※導入決定から全社本稼働までの具体的な所要期間は、連携する基幹システムの設定内容や協力会社の社数によって変動するため、事前の個別相談時に確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

協力会社側でもアカウント作成や月額利用料の支払いは必要ですか?
必要ありません。協力会社(受託側)は完全無料で利用できます。アカウント登録やログインIDの管理を行わなくても、元請企業から発行された指定URLにアクセスするだけで請求書(PDF)の提出や注文書の受領・確認が行える設計になっています。
推奨される動作環境(OS・ブラウザ)やファイル容量の上限はどのようになっていますか?
Webブラウザ形式で稼働するSaaSであり、推奨OSはWindows 10以降(Macにも対応)、推奨ブラウザはGoogle ChromeおよびMicrosoft Edgeです(Internet Explorerは非対応)。提出可能なファイル形式はPDFで、ファイル容量の上限は1ファイルあたり20MBまでとなっています。
既存の工事原価管理システムや会計ソフトとの連携は可能ですか?
可能です。Digital Billder上で確定した発注データや請求・支払データをCSV形式で出力し、各種の原価管理システムや財務会計ソフトへインポートできます。また、運用要件に応じてRPAやAPIを活用したシステム連携も可能です。
操作で不明点が生じた際の問い合わせサポート窓口はありますか?
操作問い合わせに対応する電話サポート窓口(平日10:00〜)が設置されています。また、導入時には説明会の開催や案内マニュアルの提供が行われるほか、稼働後もカスタマーサクセス担当者が定期的なWeb会議等を通じて運用の維持管理を支援します。
建設業法第19条の要件を満たした電子契約として認められますか?
認められます。Digital Billderはグレーゾーン解消制度を通じて建設業法第19条が定める電磁的措置としての適法性を確認しており、注文書・注文請書の電子送発受および関連する契約約款の一体提示に対応しています。
無料トライアルや契約期間・解約条件はどのようになっていますか?
公式サイト上で無料トライアルの有無や最低契約期間、解約条件の詳細な定則は公開されていません。企業の取引規模や導入構成によって契約条件が異なるため、個別見積もりの取得時に担当窓口へ確認してください。

参照・出典

他の建設業向け電子契約システムと比較する

Digital Billderの特徴を含む電子契約・発注書電子化の13製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

建設業向け電子契約システム比較13選