CIWEBとは?CI-NET準拠でゼネコン・協力会社間の商取引を電子化する受発注基盤

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国土交通省が定める建設業界の標準EDI(CI-NET規約)に準拠したクラウド型電子商取引サービス。見積・確定注文・注文請書・出来高報告・請求書までの商取引データを電子交換し、ゼネコンと協力会社間の業務を効率化する。20年以上の提供実績があり、主要ゼネコンの受発注基盤として広く普及している。

料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
大企業向け
対象業界
ゼネコン サブコン・専門工事業者 土木 建築

CIWEBとは?

CIWEB(シーアイウェブ)は、株式会社コンストラクション・イーシー・ドットコムが提供する、建設業界標準EDI(CI-NET規約)に完全準拠したクラウド型電子商取引サービスです。ゼネコンと専門工事業者・協力会社の間で交わされる見積依頼から確定注文、注文請書、出来高報告、請求、支払通知に至る一連の商取引プロセスをオンライン上で電子データとして交換・完結させ、従来の紙文書の郵送や押印による業務負荷を根本から解消します。一般的な汎用電子契約ツールと異なり、発注データや出来高・請求データを構造化データとして処理し、自社の基幹システムとAPIやCSVを介して直接連動させることが可能です。20年以上の稼働実績を持ち、CI-NET利用企業全体の約8割に導入されている業界トップクラスの受発注プラットフォームです。

主な機能

CIWEBは、元請ゼネコン向けの「調達サイト」と、下請・サプライヤー向けの「受注者サイト」の双方を用意し、建設業特有の取引慣行に適合したデータ交換機能を備えています。確認されている主な機能は以下の3つの領域に分類されます。

受発注・契約管理機能

  • 購買見積の電子授受と合否管理
    元請からの見積依頼の送付、協力会社からの見積回答の受信、不採用通知の発行をシステム上で一元管理できます。紙やメール送付で発生しがちだった見積書の埋没や差し戻し履歴の紛失を防ぎ、購買交渉の透明性を確保します。
  • 注文書・注文請書の電子締結と合意変更処理
    建設業法第19条に定められた法定記載事項を網羅した注文書の発行と、協力会社側での注文請書の発行・電子締結を行えます。契約後の工期変更や請負金額の増減に伴う「合意変更」や「契約解除」の手続きにも対応し、履歴をシステム上に確実に残せます。
  • 建設業法チェックと承認フロー制御
    着工前契約の遵守状況や法定必須項目の入力漏れを自動判定するチェック機能を備えています。社内の職制に応じた承認フローの制御や、案件に応じた担当者への自動振分、メール通知機能を組み合わせることで、法令違反リスクを未然に防ぎます。

施工・請求・支払連携機能

  • 出来高要請・報告・確認の電子化
    現場の進捗に応じた毎月の出来高査定業務をWeb上で処理できます。元請からの出来高要請に対し、協力会社が工事進捗に基づいた出来高報告を提出し、現場代理人や調達部門が承認・確認を行う一連のプロセスを可視化します。
  • 立替金報告と電子請求書の処理
    現場で発生した各種立替金の報告・確認業務に加え、協力会社からの請求書提出および元請側での請求確認を電子データ上で実施できます。紙の請求書の開封・突合・回覧にかかる事務工数を大幅に削減します。
  • 支払通知書の電子発行
    確定した支払金額に基づく支払通知書を協力会社側へ向けてオンライン発行できます。協力会社側は受注者サイトから支払明細をいつでも確認・ダウンロードでき、郵送費の削減とともに支払確定から伝達までのタイムラグを縮小します。

データ連携・法制対応機能

  • 社内基幹システムとのAPI・CSVインターフェース連携
    CIWEB上でやり取りされた受発注データや請求・支払データを、API連携またはCSVファイル連携により社内のERPや建設業会計システム、工事原価管理システムへダイレクトに受け渡せます。二重入力の手間を排除し、入力ミスやデータの不整合を防止します。
  • 電子帳簿保存法に対応した原本保管・検索機能
    授受された電子取引データは、電子帳簿保存法の要件に沿った検索要件(取引年月日、取引金額、取引先名など)を満たした状態で安全に保管されます。訂正・削除履歴の保持要件を満たし、税務調査時にも速やかな抽出・提示が可能です。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

重層下請構造の中で月間の契約・請求件数が膨大かつ基幹連携を重視するゼネコン・サブコン

  • 現場ごとの着工前契約の徹底と印紙税・郵送費の削減が経営課題となっている
    CIWEBを導入することで、紙の注文書・注文請書の郵送にかかる往復数日〜1週間のタイムラグを即時締結へと短縮できます。印紙税法上の非課税措置により請負金額に応じた印紙代がゼロになるほか、建設業法第19条で義務付けられている着工前交付の厳格なコンプライアンス管理を全社横断で担保できます。
  • 契約だけでなく出来高査定や請求・支払通知まで基幹システムと一貫連携させたい
    一般的な電子契約サービスではPDF文書の締結のみで完結し、請求金額や出来高情報は基幹システムへ別途手入力する必要があります。CIWEBなら商取引データそのものをAPIやCSVで自社基幹システムに受け渡せるため、月末月初の経理・調達部門の転記入力負荷と突合ミスを根絶できます。

大手ゼネコンをはじめとする複数元請との取引を抱える専門工事業者

  • 元請企業ごとに異なる受発注システムへ個別ログイン・二重入力する負荷を解消したい
    CIWEBは業界標準のCI-NET規約に完全準拠しており、他社認定EDIクラウドを利用している発注企業とも相互接続が可能です。元請ごとにバラバラな独自システムを使わされる負担を回避し、自社の「受注者サイト」環境に集約して取引データの一括管理を実現できます。

向いていない企業・現場

下請への発注が年間数件程度にとどまる小規模工務店やリフォーム業者

  • 取引件数が極めて少なく、自社基幹システムとの高度なデータ連携も必要としない
    CIWEBは出来高査定から請求までの一連の商取引データを組織的に処理・連携することに強みを持つシステムです。年間数件の工事請負契約書を単発で取り交わす程度であれば、建設EDIの専用基盤を整備するよりも、初期費用や固定費の負担が少ない汎用型のクラウド電子契約ツールを導入した方が費用対効果が高くなります。

導入コストや維持費の負担を受け入れられない一人親方や零細協力会社が取引先の大半を占める現場

  • 協力会社側のIT環境が整っておらず、受注者側のアカウント維持費への反発が予想される
    CIWEBでは受注者側にも年額ID利用料(資本金に応じた課金)や電子証明書の維持費用が発生します。元請主導で協力会社に対する十分な費用対効果の説明や導入支援体制を敷けない場合、下請側から「費用負担が重い」として利用を敬遠され、電子化率が頭打ちになるリスクがあります。

類似ツールとの比較

電子契約や受発注効率化のツールには、弁護士ドットコムの「クラウドサイン」やアドビの「Acrobat Sign」などの汎用型電子契約サービスと、CIWEBのような建設特化型EDIサービスが存在します。両者の最大の違いは「PDF文書の署名・保管に特化しているか」それとも「建設業特有の商取引データを一貫して処理・連携できるか」という点にあります。

汎用型電子契約サービスは、建設業法に準拠した電子署名やタイムスタンプ機能を備えており、注文書・注文請書のPDFを取り交わして印紙税を削減する用途には手軽に利用できます。導入費用も安価で協力会社側の費用負担がない場合が多いものの、締結した契約内容や支払金額を自社の原価管理・財務会計システムに取り込むには、手入力や個別の連携開発が必要となります。また、建設工事特有の「毎月の出来高査定」「現場立替金の相殺」「支払保留・安全衛生協力会費の控除」といった請求・支払実務は汎用ツールの枠外となるため、請求書業務だけ紙や別システムが残るという課題が生じがちです。

これに対しCIWEBは、国土交通省推奨の建設EDI標準「CI-NET」に準拠したデータ構造を持っています。PDFという「文書の画像」をやり取りするのではなく、工事コード、工期、単価、出来高比率などの「データそのもの」を電子交換するため、元請の基幹システムと密接に連動させ、見積・発注・査定・請求・支払までのワークフローを一気通貫で自動化できます。さらに、他社認定EDIを利用する元請・下請とも相互接続できる業界共通基盤としての性格を持っており、受発注業務全体の構造改革を企図する大手中堅ゼネコンにおいて広く支持されています。

料金・プラン

CIWEBの利用料金は、発注者側が利用する「調達サイト」と、受注者(協力会社)側が利用する「受注者サイト」で料金体系が異なります。公式に公表されている受注者サイトの料金体系は以下の通りです。

項目 対象・区分 金額(税込・税抜) 備考
初期費用(初期ID登録料) 受注者全社 20,000円 初回導入・登録時に1度のみ発生
ID利用料(年額) 資本金500万円超の企業 54,000円/年 1年ごとの更新費用
ID利用料(年額) 資本金500万円以下の企業 36,000円/年 小規模企業向けの減額設定
取引データ登録料 保管データ容量に応じた従量制 段階制(例: 100,000KB超〜200,000KBは110,000円+超過分など) 規定容量超過時に1度のみ発生
企業識別コード・電子証明書等 CI-NET利用企業 別途実費 (一財)建設業振興基金へ直接支払い
発注者向け「調達サイト」費用 元請企業向け 要問い合わせ 接続形態や企業規模に応じた個別見積

※発注者向け「調達サイト」の利用料については、自社基幹システムとの連携方式(APIやCSV)や利用ユーザー数、導入コンサルティングの有無に応じた個別見積となっています。見積もり取得時には、初期構築費用、月額基本利用料、データ送受信件数に応じた従量課金の有無をベンダーへ確認する必要があります。

導入事例・実績

CIWEBは、建設産業界におけるCI-NET利用企業の約80%に導入されており、2020年7月時点で会員数10,000社を突破、2023年3月末時点で接続可能な発注企業(ゼネコン等)は約90社に達しています。公表されている具体的な企業導入事例は以下の通りです。

三井デザインテック株式会社

オフィス環境構築や内装仕上げ工事を手掛ける三井デザインテック株式会社では、施工協力会をはじめとする取引企業76社との間でCIWEBを導入しました。その結果、注文全体件数14,008件のうち7,950件の電子化を達成し、注文件数ベースで57%、注文金額ベースでは69%を電子化することに成功しました。この導入により、建設業法で求められる「着工前契約の徹底」と「工事完了後50日以内支払(末締め翌20日支払)」の法的遵守体制を確立。従来発生していた注文請書の受領管理が不要となり、郵送にかかるリードタイムの解消、ペーパーレス化による保管コスト削減、および多額の印紙税削減を実現しています。

株式会社橋本店

総合建設業の株式会社橋本店では、震災復旧工事などの集中に伴い、契約件数が1日最大2,000件規模に達するという膨大な事務処理負担を背景にCIWEBを導入しました。受発注業務を電磁的処理へ移行させたことで、年間約30時間の業務時間短縮を達成したほか、契約書・注文請書の郵送費や切手代などの経費削減を大幅に進めることに成功しました。

CI-NET規約完全準拠がもたらす「相互接続性」と「商取引一貫性」

CIWEBの最大の技術的特長は、国土交通省が主導して策定された建設業界標準「CI-NET(建設産業専門情報ネットワーク規約)」に完全準拠している点にあります。この業界標準規格への適合は、一般的なITツールにはない2つの実務的価値をユーザー企業にもたらします。

他社認定EDIクラウドとの相互接続性

建設業界では、元請ごとに採用する受発注システムが異なると、下請企業は何十社もの元請ごとに異なる専用WebサイトへアクセスしてID・パスワードを使い分け、別々の画面から操作を強いられる「多重ログイン問題」が発生します。CIWEBはCI-NET規約に基づくオープンな相互接続プロトコルを実装しているため、発注者と受注者がそれぞれ異なる事業者のCI-NET認定サービスを利用していても、相互に受発注データを送受信することが可能です。これにより、業界全体の取引分断を防ぎ、協力会社側の導入ハードルを著しく低減させています。

見積から支払通知まで一気通貫する商取引データの構造化

単なる電子署名システムは文書の真正性を担保するに留まりますが、CIWEBが取り扱うのは「工事コード」「工種」「単価」「数量」「設計変更履歴」「査定率」などがタグ付けされた構造化データです。見積依頼から契約締結、毎月の出来高要請・報告、請求書の合意、支払通知に至るまで、すべての工程が同じデータ構造で引き継がれます。これにより、元請・下請双方の社内ERPとリアルタイムにデータを受け渡すことが可能となり、建設業界の長年の課題であった「月末月初の請求締め処理における転記・確認作業」を自動化する基盤として機能します。

導入前に知っておきたいこと

CIWEBの導入を検討・運用するにあたっては、公的調査や利用企業の手順書などから以下の課題や注意点が報告されています。

中小・零細協力会社への普及とITリテラシーへの配慮

建設産業は重層下請構造となっており、下位の下請や一人親方層では依然として紙やFAXによる取引が常態化しています。建設業振興基金や総務省の調査報告書においても、従来の商習慣への固執やIT化への動機付け不足が指摘されています。元請側がCIWEBを導入しても、下請側が対応しなければ契約書面の一部電子化に留まり、社内業務の「紙とデジタルの二重管理」を招くことになります。導入にあたっては、元請側が丁寧な操作説明会を定期開催し、現場監督と一体となって協力会社への啓発・支援を行う体制が不可欠です。

協力会社側における固定費用の発生

汎用型の電子契約サービスの多くは「受注者側は完全無料」という設計になっていますが、CIWEBの受注者サイトは初期費用(20,000円)に加え、年額ID利用料(36,000円〜54,000円/年)や企業識別コード・電子証明書の発行費用が発生します。複数の大手元請と継続的に取引している協力会社にとっては十分に回収できる投資ですが、特定の1社としか取引がない小規模企業や年間取引額が小さい事業者からは、費用負担に対する不満が生じやすい点に留意が必要です。

厳密な業務手順の遵守(締日・当月完了処理の運用制約)

CIWEBは出来高査定や請求をデータとして正確に管理する構造上、システム内部の処理手順が厳格に定められています。例えば、ある大手ゼネコンの協力会社向け利用手順書では、月ごとの「当月完了処理」を所定の締め日までに確定させないと翌月分の作業や請求入力に進めない仕様となっており、紙の請求書のように「後から融通を利かせて帳尻を合わせる」といった運用ができません。現場担当者と協力会社の双方がシステムの締めサイクルと厳密な運用フローを正しく理解し、期日管理を徹底する必要があります。

導入の流れ・期間

CIWEBを発注者(元請企業)として導入する場合、一般的な問い合わせから本稼働に至るプロセスは以下のステップで進められます。なお、具体的な導入期間や要件定義にかかる月数は個別見積・個別設計となるためベンダーへの確認が必要です。

  1. 問い合わせ・業務ヒアリング
    公式サイトの専用フォーム等から問い合わせを行い、自社の年間発注件数、取引協力会社数、現在の受発注フロー、社内基幹システム(工事原価管理・会計システム等)の構成についてヒアリングを受けます。
  2. システム連携要件の確認・見積もり
    CIWEBのWeb画面による単独運用か、あるいは自社基幹システムとのAPI連携やCSVインターフェースによるデータ連動を行うかを策定し、初期導入支援費用および月額利用料の見積もりを取得・契約します。
  3. 初期環境設定・CI-NET利用登録
    発注企業としての環境設定を実施します。あわせて(一財)建設業振興基金へのCI-NET企業識別コードの取得申請や電子証明書の登録など、EDI通信に必要な法的手続きを進めます。
  4. 社内運用体制の整備と協力会社向け説明会の実施
    社内調達部門や現場監督向けの操作マニュアルを整備するとともに、主要な取引協力会社に対して導入案内状を送付し、操作説明会を開催します。コンストラクション・イーシー・ドットコム側による導入支援や説明会サポートを活用することも可能です。
  5. パイロット運用から本稼働へ移行
    特定現場や特定の施工協力会を対象にパイロット運用を開始し、見積・発注・請求データが社内基幹システムと正常に連動することを確認した上で、対象現場および対象協力会社を順次拡大して全社本稼働へ移行します。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットから操作できますか?専用アプリはありますか?
スマートフォン専用のネイティブアプリは提供されていません。CIWEBの推奨動作環境はWindows版のGoogle ChromeおよびMicrosoft Edgeとなっており、基本的にはPCのブラウザ環境での操作を前提として設計されています。
無料トライアルやデモ画面の確認は可能ですか?
公式サイト上で無条件の無料トライアルの提供は公表されていません。導入検討企業向けに画面デモや機能説明が個別対応されているため、詳細は公式サイトの問い合わせ窓口から確認する必要があります。
操作に困ったときのサポート体制はどうなっていますか?
発注者および協力会社(受注者)の双方を対象とした専用ヘルプデスクが開設されています。電話(平日9:00〜12:00 / 13:00〜17:00)およびメールでの問い合わせ窓口が設置されており、操作方法の不明点や通信エラー等に対して専門スタッフがサポートを行っています。
契約期間や途中解約に関する条件は定められていますか?
受注者サイトのID利用料は1年単位(年額)での契約更新となっています。発注者向け調達サイトの最低契約期間や解約条件、基幹連携インターフェースの保守契約等については公開されていないため、個別見積もり時の契約条項にて確認が必要です。
建設業法第19条の電子契約(電磁的措置)の法的要件は満たしていますか?
満たしています。CIWEBは建設業法に準拠した電磁的措置の要件をクリアしており、法定記載事項の網羅や改ざん防止機能を備えています。また、電子帳簿保存法に対応した原本保管・検索機能も搭載しており、税務および業法の双方に適法な形で運用できます。
すでに別のCI-NETサービスを使っている協力会社とも取引できますか?
取引可能です。CIWEBはCI-NET業界標準規約に完全準拠しているため、相手先が他社の認定CI-NETクラウドや自社構築EDIを利用している場合であっても、企業識別コードを通じて相互に商取引データを交換できます。

参照・出典

他の建設業向け電子契約システムと比較する

CIWEBの特徴を含む電子契約・発注書電子化の13製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

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