LiDAR360とは?AIによる高精度な点群処理と多彩な解析モジュールで測量業務を効率化

GreenValley International社が開発し国内で提供されている包括的なLiDAR点群データ処理プラットフォームです。AIや機械学習を活用した高度なアルゴリズムにより、UAV搭載LiDARなどで取得した点群から地表面の抽出や等高線生成、DEM/DSM作成を高速に行います。森林解析や送電線点検など多様なモジュールも備えています。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
規模問わず
対象業界
土木 官公庁・自治体 設計事務所

LiDAR360とは?

LiDAR360は、UAV(ドローン)搭載LiDARや地上レーザースキャナなどで取得した大規模な3次元点群データを高速かつ正確に処理・解析したい測量会社や建設会社、自治体向けに、データハンドリングと多様な産業別解析のボトルネックを解消する包括的ソフトウェアプラットフォームです。株式会社光響が国内代理店として取り扱い、GreenValley International社が開発を行っています。AIや機械学習アルゴリズムを核とした自動分類機能により、テラバイト級の大規模点群から地表面の抽出やノイズ除去、等高線生成、DEM/DSM作成、土量算出を高速に行える点が特徴です。

主な機能

LiDAR360は、点群の読み込みや基本編集、精度管理を担う共通基盤「Framework」をコアとして、現場の解析対象や業務目的に応じて専門解析モジュールを追加できるモジュール構造を採用しています。確認されている主な機能を用途別に分類して解説します。

点群基盤・土木測量基本機能(Framework)

  • テラバイト規模点群の大容量データ処理基盤
    300GB以上からテラバイト(TB)規模におよぶ超大容量点群データをスムーズに登録・表示・編集できます。高度なインデックス構造とメモリ管理アルゴリズムにより、広大な造成地や長距離インフラの点群であっても描画遅延を抑え、自動合成(レジストレーション)やサンプリング(間引き)、サーフェス化を効率的に進められます。
  • 高精度なボアサイト・ストリップ調整(コース間調整)
    UAV LiDARの往復飛行時に生じる飛行コース間(ストリップ間)の位置ズレや、センサーの取り付け角度に起因するボアサイト誤差を補正・調整します。重複領域のタイポイントや軌跡データを照合し、点群の幾何学的整合性を高めることで、国土交通省の「3次元計測技術 出来形管理要領」や公共測量マニュアルが求める標高較差基準のクリアを支援します。
  • 32種類におよぶ特徴分類(機械学習フィルタリング)
    LiDARの反射強度や空間幾何構造を解析し、地表面(グラウンド)、樹木・植生、建物、電線、ノイズ(浮遊物や通行車両など)を含む最大32種類の特徴クラスへ点群を自動分類します。樹木が密集する傾斜地や森林部においても、枝葉の隙間を抜けて地表に到達したラストリターンのデータを識別し、高純度なグラウンドデータを抽出できます。
  • 三次元数量レポート・土量算出
    点高法、TIN分割法、プリズモイダル法(Prismoidal)などの複数のアルゴリズムに対応した土量計算機能を備えています。現況地形と設計データ(TINサーフェス)、あるいは施工前後の点群同士を比較し、切土量・盛土量の自動算出および数量レポート作成を完結させることが可能です。
  • 断面図生成・3次元トレース・LandXML入出力
    点群上の任意の測線に沿った縦横断断面図をリアルタイムに生成できるほか、道路縁や構造物のエッジを3次元空間上で直接トレースしてCAD図面化の準備を行えます。また、土木分野の標準フォーマットであるLandXMLのインポート・エクスポートをサポートし、後工程の土木CADやBIM/CIMソフトウェアとのデータ連携を円滑にします。

専門解析・産業特化モジュール

  • Terrain(地形・水文解析)モジュール
    グラウンド点群から高品質な数値標高モデル(DEM)や数値表層モデル(DSM)、等高線を自動生成します。傾斜角・傾斜方位の解析、集水域・流路のシミュレーションといった水文解析を実行でき、急傾斜地の災害リスク評価や林道・造成計画の事前検討に活用できます。
  • Forestry(林業解析・単木抽出)モジュール
    空中レーザー測量(ALS)および地上型・バックパック型レーザースキャナ(TLS)で取得した森林点群から、単木ごとの樹頂点検出、樹高、樹冠面積、胸高直径(DBH)、材積(幹材積)を自動解析・算出します。広大な森林の毎木調査を大幅に省力化し、樹木成長予測や森林資源管理の高精度化に寄与します。
  • LiPowerline(送電線・鉄塔点検)モジュール
    送電設備沿いの点群データから、送電線、鉄塔、周辺植生を自動分類・モデリングします。電線と周囲の樹木・構造物との離隔距離(クリアランス)を自動検出し、危険箇所の抽出を行うほか、気温変化や強風による電線のたわみを想定した気象シミュレーションを実行できます。
  • 3D Building(建物自動抽出・モデリング)モジュール
    都市部やプラントの点群から建物の屋根や外壁形状を認識し、LOD(詳細度)に応じた3D建物モデルを自動・半自動で生成します。都市計画のデジタルツイン構築やインフラ管理の初期モデリング作業を効率化します。
  • Mine(鉱山・採石場解析)モジュール
    鉱山や採石場、大規模土工現場におけるベンチ形状、法面傾斜角、残余容量の計算など、採掘現場特有の幾何解析に特化した機能群を提供します。

拡張・分散処理機能

  • Distributed Computing(分散コンピューティング)
    複数台のPCやクラスタ環境に点群処理タスクを分散させ、広域かつ高密度な点群のフィルタリングやメッシュ生成を並列実行できます。テラバイト単位の大規模インフラ計測案件において、データ処理にかかる総計算時間を短縮します。
  • Photo・Spectrum解析モジュール
    ドローン搭載カメラで撮影された空撮写真データやスペクトルデータを点群と統合し、カラー化点群の生成やテクスチャマッピング、植生指数解析などを行えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

広域インフラや森林・急傾斜地など、大規模かつ特殊なLiDAR点群解析を内製化したい測量・建設コンサルタント

  • 数百ギガバイトからテラバイト級の大容量点群処理でPCがフリーズし作業が停滞する
    300GB以上の大容量データを扱える最適化されたFrameworkと分散コンピューティング機能を備えているため、長距離道路や広域造成現場の点群であっても分割処理の手間を抑えて安定した解析を実行できます。
  • 森林・急傾斜地の測量において樹木除去と地表面(グラウンド)抽出に多大な手動工数がかかっている
    32種類の特徴分類に対応した機械学習フィルタリングにより、密生した樹木や下草から地表面データを自動抽出し、手作業でのノイズ消去工数を削減してDEM・等高線生成までを短時間で完了できます。
  • 土木測量にとどまらず林業調査や送電線点検など新規の空間情報ビジネスを展開したい
    単木抽出・胸高直径算出を行うForestryや、送電線クリアランスを自動計測するLiPowerlineなど、業界特化モジュールを追加導入することで、単一のソフトウェア基盤上で多様な高付加価値解析サービスを提供できます。

向いていない企業・現場

一般的な土工現場の土量計算のみが目的で、専任オペレーターを置けない小規模施工会社

  • 基本的な土量算出のみを低コストで手軽に行いたい場合
    LiDAR360は高度なコース間調整や学術・産業向け解析モジュールを備えた包括的プラットフォームであるため、小規模造成や現場内土量計算のみを目的とする場合、機能が過剰となり費用対効果を合わせにくい側面があります。日常的な土工管理に特化したシンプルな点群処理ソフトの方が運用の定着を図りやすい場合があります。
  • 日本語による手厚い電話サポートや初心者向けマニュアルを必須とする場合
    海外発の高度なソフトウェアであるため、販売代理店経由のサポートが提供されるものの、バージョンアップに伴う詳細マニュアルの日本語化や情報提供の速度に課題が残る場合があります。社内にGISや点群解析の基礎知識を持つ担当者がおらず、ゼロから手取り足取りの伴走指導を求める現場では、国内メーカーが開発する施工管理特化型ソフトを検討した方が安全です。

類似ツールとの比較

ドローン測量および点群処理の分野では、土木施工現場に特化した国内製CAD・点群処理ソフトや、海外製の汎用SfM/点群解析プラットフォームが複数存在します。LiDAR360の立ち位置を明確にするため、同カテゴリ製品との特性の違いを整理します。

比較項目 LiDAR360(光響 / GreenValley) 国内土木特化型点群ソフト(TREND-POINT等) 汎用SfM解析ソフト(Pix4Dmapper等)
得意とする主データ形式 LiDAR点群(ToF/位相差/マルチリターン) LiDAR点群およびSfM写真点群 光学カメラ写真(SfM多視点ステレオ)
最大処理スケール 300GB以上〜TB級の大容量データに最適化 現場単位(数GB〜数十GB規模)が中心 撮影枚数・プロジェクト規模に応じ分割
専門解析の適用領域 土木、地形水文、林業(単木)、送電線、鉱山、建物 i-Construction出来形合否判定、土木土量計算 オルソ画像生成、数値標高モデル作成
操作習得の難易度 高度(パラメータ設定・調整工程が多層的) 平易〜中程度(国内要領準拠のウィザード形式) 中程度(写真登録から自動処理が主流)

国内土木特化型ソフトは、国土交通省のi-Construction基準類や出来形帳票作成へのダイレクトな適合を強みとしており、土木施工管理技士が直感的に操作しやすいインターフェイスを備えています。一方、LiDAR360はテラバイト規模の点群耐性や、林業における単木抽出・送電線離隔シミュレーションといった産業特化型の解析アルゴリズムにおいて独自性を持ちます。また、光学写真から点群を構築するSfMソフトとは異なり、LiDAR360は既に取得された大容量点群の後処理・高度解析・幾何補正に特化している点が決定的な違いです。

料金・プラン

国内代理店である株式会社光響におけるLiDAR360の販売価格は「要問い合わせ」となっています。顧客の解析用途、導入ライセンス数、必要な拡張モジュールの構成に応じた個別見積もり形式が採られています。

ライセンス体系としては、期間を定めて利用する「年間ライセンス(サブスクリプション)」と、永続的に利用可能な「永久ライセンス(買い切り)」の双方が用意されています。また、基本機能となる「Framework」単体に特定の専門モジュール(Terrain、Forestry、LiPowerline等)を組み合わせる「Modular Purchase」と、主要モジュールをパッケージ化した「Professional」などの提供形態が選択可能です。

なお、開発元であるGreenValley International社の公式ストアにおいては、最新世代である「LiDAR360 V9」の基本ライセンスが2,350米ドル〜と公表されています。国内での導入を検討する際は、以下の項目を株式会社光響へ確認したうえで見積もりを取得することが推奨されます。

  • 導入形態(年間ライセンス契約か、永久ライセンス一括購入か)
  • 自社の業務に必要なモジュール構成(土木地形解析のみか、林業や送電線解析を含むか)
  • 導入後のテクニカルサポート(問い合わせ対応、バージョンアップ保証)の付帯条件および費用

導入事例・実績

測量会社における公共測量成果の検収達成や、森林資源調査、土木造成における活用実績が代理店等から報告されているものの、導入企業名・導入規模・具体的な工数削減率等の定量的数値の3点が公式に開示された詳細な導入事例は現時点では確認できていません。最新の導入事例や活用実績については株式会社光響の公式サイトをご確認ください。

LiDARハードウェア連携と独自モジュールによる業務拡張性

LiDAR360の大きな特徴として、開発元であるGreenValley International社が製造する各種ハードウェア製品との親和性が挙げられます。

GreenValley International社は、ハンドヘルド型やバックパック型のモバイルレーザースキャナ「LiGripシリーズ」「LiBackpack」などを展開しており、GNSS電波が届かない森林内、トンネル、地下街、屋内施設でのSLAM計測に対応しています。LiDAR360はこれらの移動体計測デバイスから出力されるSLAM点群や車載モバイルマッピングシステム(MMS)向けソフトウェア「LiDAR360 MLS」とシームレスにデータ連携できる構造を持っています。

UAVによる上空からの広域計測(ALS)と、地上歩行による狭小部計測(TLS/SLAM)のデータを同一ソフトウェア上で統合・位置合わせし、さらにForestryモジュールによる単木解析や3D Buildingモジュールによる構造物モデリングへ直結させることが可能です。空中・地上計測データを統合した高度な空間情報処理基盤を構築できる拡張性は、同プラットフォームの大きな優位点といえます。

導入前に知っておきたいこと

LiDAR360の導入を検討するにあたり、事前に把握しておくべき課題や運用上の留意点が実機検証レポート等から報告されています。

  • 操作の複雑性と学習コスト
    コース間調整(ストリップ調整)やボアサイトキャリブレーションにおいて、誤差成分を細かく確認・制御できる高度な仕様を備えている反面、オペレーションの工程数が多く、設定パラメータの理解に専門的な測量・幾何知識を要します。ソフトウェアの機能改良スピードに対して英語マニュアルの追従が遅れている時期があり、販売店による間接的なサポートのみでは操作習得のハードルが高く、自力での習得に数か月を要したという検証レポートも報告されています。
  • 推奨動作環境の個別確認が必要
    300GB以上の大容量点群や分散コンピューティングを安定稼働させるためには、高性能なマルチコアCPU、大容量メモリ(RAM)、高速SSDストレージ、および対応するGPU環境が必須となります。光響公式サイト上では具体的な推奨スペック要件がWeb公開されていないため、自社PCのハードウェアスペックで運用可能かどうか、事前に詳細なシステム要件を問い合わせて確認する必要があります。
  • 国内B2Bプラットフォームにおけるユーザー評価の蓄積状況
    ITreviewをはじめとする国内主要ビジネスソフトウェアレビューサイトにおいて、LiDAR360に対するエンドユーザーの口コミ・評価件数は現時点で未蓄積(0件)となっています。導入前には代理店からデモ版や試用環境を取り寄せ、自社の実際の計測データを用いて処理速度や操作性を検証することが不可欠です。

導入の流れ・期間

LiDAR360の導入期間は構成モジュールや検証期間によって変動するため「要問い合わせ」となっています。一般的な導入プロセスは以下の流れで進行します。

  • 1. 問い合わせ・ヒアリング
    株式会社光響の公式サイト問い合わせフォームより、点群処理の目的(土木、森林、送電線等)、計測機材、データ規模を伝えて相談を行います。
  • 2. デモ・評価版(トライアル)の検証
    ソフトウェアの機能説明やデモンストレーションを受け、必要に応じてトライアル版を利用して自社データでの分類精度や処理速度を検証します。
  • 3. モジュール選定・見積もり提示
    基本Frameworkに加え、業務に必要なオプションモジュール(Terrain、Forestry、LiPowerline等)およびライセンス種別(年間または永久)を決定し、見積もりを取得します。
  • 4. 契約・ライセンス発行
    発注手続き完了後、アクティベーションキーやライセンスファイルが発行され、ソフトウェアの利用環境をセットアップします。
  • 5. 実運用開始・サポート利用
    ソフトウェアをインストールし、操作方法に関するマニュアルや代理店のサポート窓口を活用しながら実業務での運用を開始します。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレット端末、Webブラウザ上で動作しますか?
LiDAR360はテラバイト規模の大容量点群を高度に演算・処理するためのデスクトップ型スタンドアロンソフトウェアです。スマートフォン向けアプリやWebブラウザ単体で動作するクラウドSaaSではなく、高性能なワークステーションやPC(Windows環境等)にインストールして運用します。
無料トライアルやデモ版は提供されていますか?
導入前の動作検証や機能確認のための試用(トライアル)やデモに関しては、国内代理店である株式会社光響への個別問い合わせにより相談が可能です。検討中の解析モジュールが自社業務に適合するか、事前確認を行うことが推奨されます。
日本語マニュアルや国内サポート窓口はありますか?
国内代理店の株式会社光響が導入支援や問い合わせの総合窓口を担当しています。ただし、開発スピードに伴う機能更新や専門モジュールの仕様に関して一部英語マニュアルや海外サポートへの照会が必要となる場合があるため、サポートの具体的な対応範囲や日本語マニュアルの提供状況は見込見積もり時に確認してください。
写真測量(SfM)ソフトウェアの代わりとして使用できますか?
LiDAR360はレーザーパルスから得られた「3次元点群データ(LAS/LAZ等)」のフィルタリングや分類、幾何解析に最適化されたソフトウェアです。ドローンの連続空撮写真からSfM多視点ステレオ処理によって点群そのものを再構築する用途では、SfM処理エンジンを別途運用するか、対応モジュールの仕様を代理店に確認する必要があります。
契約期間の定めや解約条件、ライセンス形態はどうなっていますか?
1年単位で更新を行う「年間ライセンス」と、資産として導入する「永久ライセンス(買い切り)」が選択可能です。年間ライセンスの解約・更新手続きや、保守契約の更新条件については代理店の販売規約に基づくため、購入前に契約条件の確認が必要です。

参照・出典

他のドローン測量・点群処理ソフトと比較する

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ドローン測量・点群処理ソフト比較14選