1-Touchとは?
1-Touchは、株式会社FIRSTが提供する、現場へのカードリーダー設置を不要にした建設キャリアアップシステム(CCUS)認定連携システムです。現場技能者のスマートフォンからGPS位置情報付きのワンタッチ打刻や、元請による代理打刻を行うことで、就業履歴の未記録やカード忘れを防止します。現場事務所や電源が確保できない現場でも手軽に運用でき、蓄積された履歴データからCCUS活用実績報告書を自動生成する機能などを備えています。
主な機能
1-Touchは、現場での打刻手続きを簡素化する機能から、元請企業の管理業務を省力化する機能まで、実務に即した構成を持っています。公表されている機能は以下の分類に整理されます。
現場打刻・入場管理機能
- GPS位置情報付きワンタッチ打刻
現場技能者が所持するスマートフォンから、位置情報を取得した上でワンタッチで入退場を打刻できます。現場に専用のカードリーダーや通信環境を常設する必要がなく、技能者が物理カードを携帯していなくても就業履歴の蓄積を行えます。 - 元請会社による代理打刻
技能者本人がスマートフォンの操作を行えない場合や携帯していない場合、元請会社側が管理画面から代理で入退場の打刻処理を実施できます。現場への入場実績を漏らすことなく記録し、日々の就業履歴の欠損を回避できます。 - CCUS未登録作業員の入場管理
CCUSカードを所持していない未登録の作業員についても、アプリ上で現場への入場手続きを行えます。ただし、CCUSの仕様に基づき、未登録作業員の就業履歴データをCCUS本体へ自動連携することはできません。
CCUS連携・帳票自動作成機能
- 現場情報・施工体制・就業履歴の自動連携
1-Touch上で登録した現場情報や施工体制台帳データ、日々の就業履歴は、認定連携システム(認定番号:第1202402564号)としてCCUSへ自動反映されます。手作業による二重登録やCCUS専用画面での煩雑なデータ移行作業を排除できます。 - 運用実績集計・CCUS活用実績報告書の自動生成(有料オプション)
蓄積された就業履歴データを集計し、元請企業が発注者や行政機関へ提出するCCUS活用実績報告書を自動出力できます。集計業務にかかる事務工数を削減し、公共工事等における実績提出手続きを効率化します。 - 安全書類・安全日誌へのデータ流用
システムに蓄積された就業履歴および入場作業員データを流用し、現場の日々の安全書類や安全日誌の作成・管理業務へ連携できます。同一データの再入力を省き、現場管理者の書類作成負担を軽減します。
協力会社管理・運用支援機能
- 協力会社向けの代行権限機能
IT機器の操作やデータ入力に不慣れな下請・専門工事業者に代わり、元請企業が登録や運用管理を代行できる権限設定が備わっています。協力会社側のITリテラシーに左右されず、現場全体の運用体制を構築できます。 - マルチプラットフォーム対応アプリ
iOS端末(App Store)およびAndroid端末(Google Play)の双方に対応した専用スマートフォンアプリが提供されています。技能者が個人で保有する端末のOS環境を問わず導入できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
電源や事務所のないインフラ現場・小規模修繕工事を多く抱える企業
- カードリーダーの設置や電源確保が困難な現場
山間部の土木工事や小規模な住宅改修工事では、現場詰所や常設電源がないケースが多く見られます。1-Touchは技能者自身のスマートフォンによるGPS打刻で履歴を残せるため、設備投資や電源工事を行うことなくCCUSの就業履歴蓄積措置を完結できます。 - 複数現場を1日に巡回する作業員の履歴管理
設備工事業者やメンテナンス業者のように1日に複数拠点を移動する場合、各現場に読み取り端末がなければ履歴が漏れやすくなります。スマートフォンから現場ごとにGPS位置情報付きで打刻できるため、拠点移動が多い専門工事業者でも正確な就業履歴を蓄積できます。
協力会社の事務負担を軽減しつつ現場全体のCCUS実績を管理したい元請企業
- IT操作に不慣れな下請企業の登録・運用代行
下請事業者や一人親方にスマートフォンの設定やデータ入力を委ねると、現場運用の開始が遅延しがちです。元請企業が「代行権限機能」を用いて代理打刻や登録作業を行えるため、現場入場時の混乱を防ぎつつ確実なデータ収集体制を整えられます。 - 公共工事等における活用実績報告書の作成工数削減
国交省直轄工事をはじめとする公共工事では、CCUS活用実績報告書の提出が求められます。有料オプションの自動出力機能を活用することで、就業日数の手集計や書類作成にかかる現場代理人の残業時間を抑制できます。
向いていない企業・現場
現場事務所に常設リーダーを置きカードタッチのみで入場を画一化したい現場
- 技能者にスマートフォンを持たせない、または現場持ち込みを禁止している現場
プラント工事や高度なセキュリティエリアなど、施工エリアへの私物スマートフォン持ち込みが厳格に禁止されている現場では、技能者自身によるGPS打刻の仕組みが機能しません。コンセントに差すだけで稼働する常設型カードリーダー(EasyPassなど)や、顔認証端末による入退場管理ツールの選定が適しています。
類似ツールとの比較
CCUSの認定連携システムや標準アプリケーションには、現場の設備要件や運用方法に応じた選択肢があります。代表的なツールとの比較は以下の通りです。
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 1-Touch | スマホGPS打刻・代理打刻に対応。リーダー機器不要でNETIS登録技術 | アカウント発行手数料+月額固定利用料+オプション(要問い合わせ) | 設備常設が難しい小規模現場、複数現場を巡回する事業者 |
| 建レコ | 建設業振興基金が公式提供する標準アプリ。カードリーダー接続で直接CCUSへ蓄積 | アプリ自体は無料(認定カードリーダー機器代等は別途必要) | 公式の標準環境で費用を抑えて運用したい企業 |
| キャリアリンク | 電話コールや顔認証で入場履歴を記録。スマホアプリのインストールも不要 | 要問い合わせ | アプリ操作が難しい高齢技能者が多い現場、電話発信で済ませたい企業 |
| EasyPass | 4G LTE通信内蔵の常設リーダー端末。電源を差すだけでカードタッチ運用が可能 | 要問い合わせ(端末費用・通信費等) | 電源が確保できる現場事務所で、カードタッチ運用を固定化したい元請企業 |
現場詰所があり、技能者へICカードの常時携帯を徹底させたい大規模新築現場などでは、公式アプリである「建レコ」とカードリーダーの組み合わせや、通信一体型端末である「EasyPass」の導入が候補となります。専用機器の前に並んでカードをかざす運用が確立できる現場では、定常業務への組み込みが容易です。
一方で、詰所や電源が存在しない土木工事現場、小規模な改修現場、あるいは1日に複数拠点を回る専門工事業者の場合、機器の設置工事や持ち運び自体が運用負担となります。また、技能者がカードを持参し忘れた際の欠損リスクもあります。スマートフォンのみで位置情報と連動した打刻を行いたい場合や、元請による代理打刻機能を用いて漏れなくデータをまとめたい場合には、1-Touchのようなスマートフォン完結型のシステムが有力な選択肢となります。
料金・プラン
1-Touchの料金体系は以下の3要素で構成されていますが、具体的な金額については個別見積もりによる案内となっており、要問い合わせとなります。
- アカウント発行手数料:初期導入時に発生するシステムセットアップ・アカウント設定費用
- 月額固定利用料:元請会社が契約するシステムの基本月額利用料(協力会社側の利用に追加費用は発生しません)
- オプション費用:運用実績集計やCCUS活用実績報告書の自動生成機能など、付加機能を利用する際に発生する費用
見積もりを依頼する際は、管理予定の現場数、同時利用する技能者数、報告書自動生成オプションの要否、および最低契約期間について事前に確認することが推奨されます。
導入事例・実績
1-Touchの公開導入事例(具体的な企業名、現場導入数、削減工数の数値等)は現時点では確認できていません。最新の導入実績については公式サイトよりお問い合わせください。
国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)登録技術としての位置付け
1-Touchは、国土交通省が運用する新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている技術です。公共工事においてNETIS登録技術を活用・提案した場合、入札時の総合評価落札方式における技術評価点の加点対象となるほか、工事完了後の工事成績評定において加点評価を受けられる対象となります。
公共発注工事ではCCUSの活用が原則化されている現場が多く、就業履歴の蓄積措置を講じる必要があります。1-Touchを採用して現場の省力化を図ること自体が、入札競争力や評定点の向上といった制度的インセンティブと直接連動する実務上の利点を備えています。
導入前に知っておきたいこと
1-Touchを導入・運用するにあたり、公表されている仕様や制約事項を踏まえた事前の確認が必要です。
- 事前登録手続きの必須性
技能者が現場でスムーズに打刻を行うためには、事前に元請会社および協力会社双方が、CCUSおよび1-Touch上で現場情報、施工体制、技能者情報の紐付け登録を完了させておく必要があります。現場初日にいきなり利用を開始することはできません。 - CCUS未登録作業員のデータ連携制限
アプリ上ではCCUSカードを持たない作業員の入場処理も可能ですが、CCUS本体に登録されていない技能者の就業履歴はCCUSへ自動連携されません。完全な就業履歴蓄積を行うには、協力会社作業員のCCUS登録を並行して推進する必要があります。 - 集計・帳票機能の有償性
実績集計やCCUS活用実績報告書の自動作成機能は標準機能ではなく、有料オプションとしての提供となります。導入前のコスト試算時にはオプションを含めた総額での検討が求められます。 - 公開ユーザー評価について
現時点では公開された第三者ユーザーによる口コミや不満点などの詳細な課題報告は確認できていません。操作感や現場通信の安定性については、導入前の実機デモ等を通じて検証することが重要です。
導入の流れ・期間
1-Touchを現場へ導入する際の標準的な手続き手順は以下の通りです。全体の具体的な所要期間については現場規模等により異なるため、要問い合わせとなります。
- 問い合わせ・相談:公式サイトの専用フォームより問い合わせを行い、現場環境や運用課題を伝えます。
- デモ・機能確認:実際のスマートフォン画面を用いた操作デモを確認し、打刻手順や管理画面の仕様を検証します。
- 見積もり・プラン選定:現場数やオプション機能(報告書自動出力等)の要否に応じた見積もりの提示を受けます。
- 契約・初期設定:契約締結後、元請アカウントの発行、現場情報・施工体制の初期登録を実施します。
- アプリ配布・現場運用開始:作業員端末へiOS/Androidアプリをインストールし、GPS打刻または代理打刻による就業履歴の蓄積を開始します。
なお、同社では登録や運用管理を支援する「CCUS導入・運用サポート(建設BPOサービス)」も提供されており、社内リソースに応じた委託も可能です。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンアプリの対応OS環境は何ですか?
- iOS(iPhone)およびAndroid端末の双方に対応しています。App StoreおよびGoogle Playから専用アプリをインストールして利用します。
- 協力会社や下請の作業員側にも月額費用が発生しますか?
- 発生しません。費用はシステムを導入・契約する元請企業が負担する料金体系となっており、協力会社の利用に追加コストはかかりません。
- 技能者がスマートフォンを持参し忘れたり操作できなかったりした場合はどうなりますか?
- 元請会社が管理権限を用いて「代理打刻」を行うことができます。現場監督者が代わりに履歴を登録できるため、記録漏れを防ぐことが可能です。
- 事前のデモ画面確認や機能トライアルは可能ですか?
- 導入前の個別デモが提供されています。実際の画面構成や打刻の操作感を確認した上で導入を検討できます。
- 契約期間や途中解約に関する条件は定められていますか?
- 最低契約期間や解約条件に関する公開情報はありません。個別の現場工期や年間契約など、契約条件の詳細については見積もり時に確認する必要があります。