KENTEM-CareerLogとは?
KENTEM-CareerLogは、元請ゼネコンや専門工事業者が直面する建設キャリアアップシステム(CCUS)への現場登録・施工体制登録・就業履歴蓄積・帳票作成に関わる煩雑な事務作業を一元化し、現場とバックオフィスの管理工数を削減する認定Webアプリケーションです。株式会社建設システムが提供しており、CCUSの就業履歴データ登録API認定システムとして稼働します。Webブラウザ上で現場情報や施工体制を登録できるだけでなく、カードリーダーやQRコード、RFIDタグなどの記録手法に対応し、日々の就業履歴の確認・補正作業や各種集計帳票の出力を円滑に行える環境を整備できます。
主な機能
CCUS現場管理・データ連携機能
- API連携による現場・施工体制情報の一元登録
ブラウザ上の管理画面から、工事・現場情報の登録や施工体制の登録、提出書類の作成までを一括して処理できます。CCUS認定API連携に対応しているため、現場で蓄積されたデータを直接CCUSシステムへ送信でき、外部データの手動アップロード作業に伴う二度手間を省きます。 - 同社製「施工体制クラウド」とのマスターデータ直接連携
株式会社建設システムが提供する「施工体制クラウド」で作成・蓄積された施工体制台帳データや作業員名簿情報を取り込むことができます。通常発生するCSVファイルの書き出しや加工、再取込の手順を踏むことなく、CCUS側の施工体制登録や作業員照会を直接完結させることが可能です。 - 集計帳票の自動生成・出力
日々の就業履歴データや施工体制の登録内容に基づき、現場運用や元請・発注者への報告に必要な帳票を出力できます。手作業による集計作業を介さずに必要書類を整えられるため、帳票作成に伴う現場管理者の事務負担を軽減します。
就業履歴蓄積・入力補正機能
- 多様な就業履歴記録方式への対応
現場常設のカードリーダーによるICカード読取に加え、技能者ごとのQRコードを現場端末でスキャンする「KENTEM-CareerLog for QR」や、直接入力方式に対応しています。さらに、朝日ラバーのラバー保護カバータグ「YR-US03」を用いた「RFIDリーダー for KCL」により、ヘルメットに貼付したタグの複数人一括スキャンにも対応します。 - カレンダー・月別集約画面による履歴確認と補正
日々の打刻データをカレンダー画面や月別集約画面で一覧表示し、現場入場者の記録漏れや重複を視覚的に確認できます。打刻漏れが発生した際も画面上から一括登録や修正が行えるため、月次締めや経審加点対応に向けた履歴の整合性確保が容易になります。 - 協力会社への編集委任機能
元請企業から協力会社の担当者へメール経由で就業履歴の登録・修正作業を委任できます。各下請事業者が自社作業員の入場実績を直接入力・補正し、元請側は提出された内容を確認して承認する分業体制をシステム上で構築できます。
現場労務可視化・ダッシュボード機能
- CCUS運用指標のリアルタイムダッシュボード
登録事業者率、登録技能者率、就業履歴蓄積率といった現場のCCUS運用指標をダッシュボード上で数値およびグラフで可視化します。現場ごとの運用定着度合いを一目で把握でき、目標値の設定と達成状況のリアルタイムなモニタリングを支援します。 - 週休二日達成状況の集計表示
現場ごとの施工体制情報と就業履歴の蓄積ログに基づき、現場技術者や作業員の週休二日達成状況を集計表示します。労務管理上の稼働状況を把握しやすくなり、働き方改革への対応状況を確認する資料として活用できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
安全書類作成とCCUS運用の二重入力に追われ、元請・下請間の分業を進めたい企業
- 施工体制台帳の作成とCCUSへの体制登録で同じ情報を何度も入力している
同社の「施工体制クラウド」とデータ連携することで、安全書類作成用に収集・マスター化した企業情報や作業員情報をCSVの書き出しなしでCCUSへ直接反映できます。安全書類とCCUS登録の分断を解消し、転記作業や二重入力に伴う管理工数を削減できます。 - 技能者の打刻漏れや修正対応を元請の現場監督が一人で抱え込んでいる
「編集委任機能」を活用して協力会社へ履歴補正の作業をメールで委任できるため、下請各社が自社職人の就業履歴を確認・補正し、元請は承認する体制へ移行できます。現場監督に集中していた労務管理の事務負担を分散させることが可能です。 - 協力会社の入場状況をリアルタイムに把握できず元請の確認業務が滞っている
ダッシュボードや月別集約画面により「本日どの事業者の誰が入場しているか」が即座に可視化されるため、初雁興業株式会社の導入事例のように、多数の協力会社が交錯する現場であっても毎日の就業確認業務が円滑化します。
現場条件に合わせてカードリーダー以外の柔軟な就業履歴記録方式を選定したい企業
- カードの携行忘れやリーダー機器の設置スペース不足で打刻が滞っている
専用のカードリーダー設置だけでなく、技能者ごとのQRコードを現場で読み取る「KENTEM-CareerLog for QR」や、ヘルメットに貼付したタグを一括読取できる「RFIDリーダー for KCL」を選択できます。仮設電源の確保が難しい現場や、朝の入場混雑を回避したい現場の状況に応じた打刻環境を構築できます。 - 公共工事や経審加点のために就業履歴蓄積率や登録率を厳密に管理したい
画面上のダッシュボード機能により、登録事業者率・登録技能者率・就業履歴蓄積率の目標値と進捗状況をリアルタイムに把握できます。経審のW評点加点や直轄工事でのCCUS活用評価に向けて、実績数値を計画的に管理・改善できます。
向いていない企業・現場
iPadやAndroidタブレット端末を現場管理の主軸端末として運用している企業
- 現場巡回用としてタブレット端末のブラウザ操作を中心に業務設計している
KENTEM-CareerLogのモバイル動作環境はスマートフォン(iOS 17〜18、Android 13.0〜15.0)を対象としており、iPadおよびAndroidタブレット端末は公式に動作保証外とされています。現場事務所でのPC運用やスマートフォンでの操作を前提としない場合、表示崩れや動作不良のリスクがあるため、他社製ツールの検討が推奨されます。
年間の稼働現場数がごくわずかで、工事ごとの月額SaaS費用を許容しにくい事業者
- 年間1〜2件程度の小規模工事のみを施工しており固定費を極力抑えたい
本製品は1工事あたり月額8,000円(税抜・基本アプリ)の費用が発生し、リーダー等のハードウェアやQR機能を追加すると費用が加算されます。年間の稼働現場数が極めて少なく、常時運用するコストの回収が難しい小規模事業者の場合は、振興基金が提供する無料アプリ「建レコ」等の活用を優先した方が経済的な場合があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| KENTEM-CareerLog | 施工体制クラウド連携による台帳データ直接取込、編集委任機能、カード/QR/RFIDの多様な記録方式に対応 | アプリ:8,000円 / 月(1工事) カードリーダー:11,000円 / 月(1工事) QRアプリ:12,000円 / 月(1工事) |
施工体制台帳とCCUSを連携させたいゼネコン、下請への入力委任で分業を図りたい企業、KENTEM製品群の導入企業 |
| 建レコ | 運営主体である建設業振興基金の標準アプリ。認定カードリーダーと端末を接続し直接履歴を送信。ロギング機能あり | アプリ利用料:無料 (認定ICカードリーダー購入費、CCUSの現場利用料等の標準費用は別途発生) |
標準的な構成で追加の月額SaaSコストをかけずにCCUS打刻を行いたい企業、シンプルなICカードタッチ運用で足りる現場 |
| 1-Touch | 現場機器の設置不要。技能者のスマートフォンからのGPS位置情報付きワンタッチ打刻や元請による代理打刻に対応 | 要問い合わせ | カードリーダー機器の常設が難しい現場、直行直帰が多い現場、技能者の私用・支給スマホを活用して打刻を完結させたい企業 |
| キャリアリンク | 現場掲示の専用番号へ電話コールする方式や顔認証で入場記録。アプリ不要・端末制限なしで小規模から広大な現場まで対応 | 要問い合わせ | 事務所や電源のない現場、技能者にアプリインストールやスマホ操作を求めず確実に履歴を収集したい企業 |
KENTEM-CareerLogと他ツールを比較する際の最大の判断基準は、「安全書類(施工体制台帳)の作成管理とCCUSデータ入力を別個に行うか、統合して処理するか」という点にあります。建レコなどの標準ツールはICカードタッチによる履歴送信に特化しているため、CCUSへの施工体制登録や作業員名簿の整備は別途管理画面上で手作業やCSV操作を行う必要があります。これに対し、すでにKENTEMの「施工体制クラウド」を導入している、あるいは安全書類作成を含めた労務管理全般の効率化を志向している企業であれば、データが直接連動するKENTEM-CareerLogを採用することで入力作業の大幅な削減が見込めます。
一方で、現場にカードリーダー機器やPC端末を配置するスペースがなく、技能者本人のスマートフォンや電話発信だけで履歴収集を完結させたい場合は「1-Touch」や「キャリアリンク」が有力な選択肢となります。また、毎月の工事単位での利用料を発生させず、振興基金の標準仕様に沿った最小限のコストで運用したい場合は「建レコ」による運用が適しています。自社の現場における機器設置環境、既存の安全書類作成フロー、下請企業との分業体制の成熟度に応じて最適な製品を選定することが重要です。
料金・プラン
KENTEM-CareerLogの料金体系は、1工事ごとの月額制(SaaS)を採用しており、現場の運用形態に合わせて必要なアプリケーションやハードウェアオプションを選択して契約する構成となっています。公式サイトで公開されている料金プラン(税抜)は以下の通りです。
| プラン・機器種別 | 初期費用 | 月額費用(税抜) | 備考 |
|---|---|---|---|
| KENTEM-CareerLog(アプリ) | 要問い合わせ | 8,000円 / 1工事 | CCUS連携、現場・施工体制登録、履歴管理の基本Webアプリケーション |
| カードリーダー | 要問い合わせ | 11,000円 / 1工事 | CCUS認定ICカード読取用機器の月額レンタル |
| KENTEM-CareerLog for QR(アプリ) | 要問い合わせ | 12,000円 / 1工事 | 技能者ごとのQRコード読み取りに対応した就業履歴記録用アプリケーション |
| RFIDリーダー for KCL(端末) | 要問い合わせ | 10,000円 / 1台 | RFIDタグ一括読み取り端末(最低契約期間3ヶ月、CareerLog本体の契約が必須) |
| RFIDラバータグ(消耗品) | 10,000円 / 10個 | - | ヘルメット貼付用高耐久ラバー保護カバータグ(朝日ラバー製 YR-US03) |
※導入にあたっては、CCUS自体の利用に伴う事業者登録料、管理者ID利用料、現場利用料(1人日10円)等の公的費用が別途発生します。初期費用の有無や複数現場での一括契約時の条件については、ベンダーへの問い合わせによる確認が必要です。
導入事例・実績
初雁興業株式会社(埼玉県川越市 / 従業員数120名)
埼玉県川越市に拠点を置く総合建設会社である初雁興業株式会社では、施工体制の効率的な把握とCCUS就業履歴蓄積の円滑化を目的に、4つの施工現場において「KENTEM-CareerLog」および同社の労務安全書類管理ツール「施工体制クラウド」を導入・活用しています。
同社では、下請企業が多数出入りする現場において「今日誰が現場に来ているか」を1つの管理画面上でリアルタイムに把握できるようになり、日々の就業履歴の集計・補正作業がスムーズに運用できる体制を構築しました。施工体制クラウドと連携させることで、安全書類作成用のマスターデータとCCUS登録データをシームレスに同期させ、現場管理者の確認工数削減につなげています。(※公式公表情報において、工数削減率や作業時間短縮の具体的なパーセンテージ・数値は明記されていません)
施工体制クラウド連携による労務安全書類とCCUSデータの一元化
KENTEM-CareerLogの実務上の大きな特徴として、同社が提供する労務安全書類ツール「施工体制クラウド」とのダイレクトなマスターデータ連携が挙げられます。建設現場では通常、一次・二次の協力会社から回収した再下請負通知書や作業員名簿をもとに施工体制台帳(グリーンファイル)を編冊する業務と、CCUSのシステム上に施工体制や入場作業員を登録する業務がそれぞれ独立して存在しており、現場監督や事務職員が同じ企業情報・資格情報を二重に入力・突合する作業が負担となっていました。
施工体制クラウドとKENTEM-CareerLogを併用した場合、施工体制クラウド側でAI入力アシスト機能などを活用して収集・データベース化した協力会社情報や作業員マスターを、CSVファイルの書き出しや手動インポート作業を挟むことなく、CCUSの登録データとして直接照会・反映させることができます。これにより、下請の追加や技術者の変更が発生した際にもデータが自動的に同期され、安全書類とCCUS登録内容の食い違いを防ぎながら、現場事務所とバックオフィス間での業務分担を推進することが可能になります。
RFIDリーダー(YR-US03)を活用したヘルメット貼付タグによる一括スキャン運用
KENTEM-CareerLogでは、従来のICカードタッチ運用やスマートフォンでのQRコード読取に加えて、株式会社朝日ラバーとの協業による「RFIDリーダー for KCL」を有償オプションとして提供しています。本機能では、技能者のヘルメットに朝日ラバー製の高耐久ラバー保護カバータグ「YR-US03」を貼付し、現場入場時に専用リーダー端末をかざすことで就業履歴を記録します。
一般的なカードリーダー運用では、技能者が作業着のポケットや財布からCCUSカードを取り出して1人ずつ機器にかざす動作が必要となり、朝礼前や入場ゲートでの混雑の原因になりがちでした。RFIDタグを活用した運用では、ヘルメットに装着したタグをリーダー端末で複数人同時にスキャンすることが可能なため、作業員がカードを取り出す手間をなくし、入場時の滞留を抑制します。ラバー保護構造により過酷な屋外現場の粉塵や雨天環境でも耐久性を保ちやすく、カードの紛失や持参忘れによる就業履歴の未記録リスクを低減させる選択肢として提供されています。
導入前に知っておきたいこと
KENTEM-CareerLogを導入・検討するにあたり、公式情報および動作環境規定から確認できる実務上の注意点がいくつか存在します。
第一に、対応端末と動作環境の制限事項です。現場管理用端末として普及しているiPadやAndroidタブレット端末については、公式サイト上で「動作保証外」と明記されています。また、PC環境においてもARMプロセッサを搭載したWindows 10/11端末や自作機・ショップブランド機は動作保証外とされており、タッチパネル操作による入力にも一部非対応の機能があります。現場事務所のPC環境や現場監督が携行するスマートフォンの機種・OS(iOS 17〜18、Android 13.0〜15.0)が適合しているかを事前に確認する必要があります。
第二に、オプション機器の契約期間に関する条件です。複数人一括スキャンを実現する「RFIDリーダー for KCL」の読み取り用端末をレンタル契約する場合、1台あたり月額10,000円(税抜)の費用のほかに「最低契約期間3ヶ月」の規約が定められています。超短期の現場や試験的なスポット導入を検討する際には、最低契約期間に伴うコスト発生を考慮に入れておく必要があります。
導入の流れ・期間
KENTEM-CareerLogを導入する際の基本的な手順は以下の通りです。同製品の具体的な導入期間(申込から稼働開始までの所要日数)については公式サイトに明記されていないため、現場着工日に合わせた個別確認が必要です。
- 問い合わせ・ヒアリング
株式会社建設システムの公式サイトフォーム等から問い合わせを行い、現場の稼働予定、対象現場数、希望する記録方式(カードリーダー、QR、RFIDなど)を相談します。 - プラン選定・見積もり
現場の要件に応じて、基本アプリ(KENTEM-CareerLog)、QRアプリ、各種リーダー端末のレンタル要否を決定し、見積書を受領します。 - 契約締結・アカウント発行
利用規約を確認したうえで契約手続きを完了し、KENTEM-CareerLogの管理者アカウントおよびアクセス権限が発行されます。 - 初期設定・マスター連携
CCUSの事業者IDや現場IDの紐付けを実施します。「施工体制クラウド」を併用する場合は、クラウド内の施工体制データや作業員名簿との連携設定を行います。 - 現場機器の配備・運用開始
カードリーダーやRFID端末を使用する場合は機器を現場に配備し、技能者へのQRコード配布やヘルメットタグの貼付を行って、日々の入退場記録と履歴確認を開始します。
よくある質問(FAQ)
- タブレット端末(iPadなど)で管理画面を操作できますか?
- 公式の動作環境において、iPadおよびAndroidタブレット端末は「動作保証外」と規定されています。PC(Windows環境のMicrosoft EdgeまたはGoogle Chrome)またはスマートフォン(iOS 17〜18、Android 13.0〜15.0)での利用が推奨されています。
- 技能者がCCUSカードを持参していない現場でも利用できますか?
- 利用可能です。カードリーダーによるICカード読取以外に、技能者ごとのQRコードを現場で読み取る「KENTEM-CareerLog for QR」や、画面上での直接入力方式に対応しています。また、オプションのRFIDタグ(ヘルメット貼付)を活用した打刻も選択できます。
- 「施工体制クラウド」を契約していなくても単体で利用できますか?
- 単体での契約・利用が可能です。ただし、施工体制クラウドと併用することで、安全書類作成用のマスターデータを取り込んでCCUS登録をCSVなしで完了できるため、両ツールの併用によってデータ連携の利点を高める運用が想定されています。
- 下請企業(協力会社)に就業履歴の修正作業を依頼することはできますか?
- 可能です。「編集委任機能」を搭載しており、元請企業から協力会社担当者へメールで登録・補正作業を委任できます。下請企業が自社作業員のデータを直接入力・補正し、元請企業は確認・承認を行う運用が可能です。
- RFIDリーダーオプションの契約期間に制限はありますか?
- 「RFIDリーダー for KCL」の読み取り用端末(月額10,000円/台)には、最低3ヶ月の契約期間が設定されています。また、本オプションを利用するにはKENTEM-CareerLog本体の導入が必須となります。
- 導入後の問い合わせやサポート体制はどうなっていますか?
- 平日(9:00〜12:00、13:00〜17:00)のフリーダイヤルによる電話サポートのほか、リモートサポート、公式サイト上のよくある質問(FAQ)、操作マニュアルのダウンロード提供が行われています。