遠隔臨場 SiteLiveとは?
遠隔臨場 SiteLiveは、土木・建築向け施工管理ソフトウェアを手掛ける株式会社建設システム(KENTEM)が開発・提供する、建設現場の立ち会い検査に特化した遠隔臨場システムです。公共工事や民間工事における「段階確認」「材料確認」「確認・立会」などの確認作業において、受注者は現場からスマートフォン等を用いてリアルタイム映像を配信し、発注者(監督員)は事務所などの遠隔地からWebブラウザを通じて現場に赴くことなく検査を実施できます。手待ち時間の発生や長距離移動に伴う移動負担を解消し、現場と発注者双方の業務効率化を支援するクラウドサービスです。
主な機能
受発注者間の検査管理・リアルタイム映像配信機能
- 検査項目ごとのスケジュール・進捗管理
公共工事共通仕様書等で定められている「段階確認」「材料確認」「確認・立会」の区分ごとに、受発注者双方がWeb上で検査日時や実施項目のスケジュールを登録・管理できます。検査前の日程調整から当日の進行管理、実施履歴の把握までを一元化することで、連絡の行き違いを防ぎ、立会検査の段取りを円滑化します。 - スマートフォン・モバイル端末からのライブ配信・動画撮影
現場の受注者は、使い慣れた手持ちのスマートフォン(iOS・Android端末)に専用アプリを導入するだけで、直感的な操作で高画質な映像配信および録画を開始できます。大型の専用撮影機材を準備・運搬することなく、狭小な足場や法面などの足場が不安定な現場でも機動的に立ち会い確認を行えます。 - 発注者向けWebブラウザ臨場環境
発注者(監督員)は専用ソフトウェアやアプリをパソコンにインストールする必要がなく、一般的なWebブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome等)から指定URLにアクセスするだけで臨場画面へ参加できます。自治体や官公庁の厳格なセキュリティポリシー下にある業務用端末でも環境構築の負担なく導入・運用が可能です。 - 外部ウェアラブルカメラ連携によるハンズフリー撮影
スマートフォンによる手持ち撮影に加え、株式会社ザクティ製のウェアラブルカメラとの接続に対応しています。作業員のヘルメットや胸部にカメラを装着することで、作業員目線の映像を安定してリアルタイム配信でき、両手を使った計測作業や危険箇所の点検も安全に中継できます。
撮影データ保全・Exif連携機能
- KSデータバンクへの自動保存と改ざん防止
遠隔臨場の配信中に撮影した静止画や録画データは、建設システムが提供するクラウドストレージ「KSデータバンク」へ自動的にアップロードされます。現場端末内の容量を圧迫せず、クラウド上で一括管理されるため、データの紛失リスクや取り込み忘れを防ぎます。 - Exif情報の自動付与と品質証明
撮影された静止画データには、撮影日時や位置情報などのExifメタデータが自動的に記録されます。電子納品や工事写真管理の基準に準拠した証憑データとしてそのまま活用できるため、検査後の写真整理や出来形確認書類の作成にかかる内業時間を大幅に削減します。
KENTEM製品群とのエコシステム連携機能
- 電子小黒板アプリ「SiteBox」連携
現場向け電子小黒板アプリ「SiteBox」と連動し、配信中のリアルタイム映像上に設計値や実測値、工事名を入力した電子小黒板を重畳表示してスクリーンショットを撮影できます。黒板の設置が難しい狭小空間や高所でも、画面上で視認性の高い検査写真を確実に記録できます。 - 情報共有システム「RevSIGN」連携
受発注者間情報共有システム(ASP)「RevSIGN」との連携により、SiteLive上で登録した検査スケジュールを発議管理画面へ共有できます。さらに、遠隔臨場で取得した録画データや検査結果を電子書類へ自動反映・添付できるため、検査後の決裁業務や報告書作成の手間を効率化します。 - 写真管理ソフト「写管屋」・AI配筋検査端末「SiteRebar」連携
撮影データは同社の土木・建築向け写真管理ソフト「写管屋」へスムーズに取り込み可能であり、工種・測点ごとの写真自動振り分けに対応します。また、AI配筋検査端末「SiteRebar」との連携など、施工管理全体のデジタル化基盤とシームレスに結びついています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
KENTEMの施工管理ソフトウェアを既に導入している土木・建築企業
- 電子小黒板や写真管理ソフトとのデータ二重入力を削減したい
現場でSiteBoxや写管屋を利用している場合、SiteLiveで撮影した臨場写真や録画データがKSデータバンクを経由して同一エコシステム内で自動連携されます。別ツールの遠隔臨場システムを導入した際に発生する「映像データの手動ダウンロードや写真管理ソフトへの再取り込み」といった二重作業が発生せず、事務所に戻ってからの内業時間を大幅に省力化できます。 - 発注者との書類提出・発議業務をワンストップで完結させたい
情報共有システムRevSIGNを利用している自治体・直轄工事現場では、臨場スケジュールの調整から検査結果・録画データの書類添付までが連動します。現場検査の実施から決裁完了までのリードタイムを短縮し、発議書類作成に伴う事務作業の負担を軽減できます。
山間部・島嶼部など移動に長時間を要する現場を抱えるゼネコン・土木会社
- 移動時間や立会待ちによる作業中断を解消したい
発注者の事務所から片道1時間以上かかる現場や、富士山などの特殊環境下にある現場では、監督員の移動時間調整によって施工スケジュールが制約されがちです。スマートフォンを用いたブラウザ臨場により、移動のロスをなくして手待ち時間を削減し、工程遅延のリスクを抑えられます。 - 専用機材の追加購入費用を抑えて遠隔臨場を始めたい
既存のiPhoneやiPadを活用して高画質な映像配信を行えるため、高額な専用配信ハードウェアを一式揃える必要がありません。全社支給のスマートフォンインフラをそのまま転用することで、初期投資を最小限に抑えて遠隔臨場体制を整備できます。
向いていない企業・現場
工事単価が低く、年間数件程度の小規模工事を中心とする地域工務店
- 工事ごとの月額課金体系でコストパフォーマンスが合わない
遠隔臨場 SiteLiveは「1工事あたり月額20,000円(税抜)+初期費用30,000円(税抜)」の費用体系に加え、KSデータバンクの契約が必須となります。数百万円規模の短期工事や、発注者からの遠隔臨場指定がない工事において単独で導入すると、ソフトウェア費用が工事利益を圧迫する要因になります。月額固定制で複数現場使い放題のツールや、汎用Web会議ツールの利用を検討する方が適しています。 - Windows仮想環境やシンクライアント環境を社内標準としている企業
本システムはARMプロセッサ版Windowsや仮想化環境・シンクライアント環境での動作が保証外と明記されています。社内セキュリティ規定により強固な仮想デスクトップ(VDI)環境からの接続しか認められていない発注者や事務所環境では、正常に映像確認や操作が行えないリスクがあるため、他社システムの動作環境との比較検討が必要です。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 遠隔臨場 SiteLive | SiteBoxや写管屋、RevSIGNと直結するKENTEM製品エコシステム。スマホでの手軽な配信と発注者のブラウザ閲覧に対応し、NETIS登録済み(CB-220022-VE)。 | 初期登録料:30,000円(税抜) 利用料:月額20,000円(税抜)/工事 ※KSデータバンク契約必須 |
KENTEMの施工管理ソフト・情報共有システムを利用している土木・建築会社 |
| Gリポート | 建設現場DX「現場ロイド」を展開する現場検査特化型システム。ミリ単位の目盛りを視認できる高画質配信と、手持ち・ウェアラブルの双方に対応。NETIS「VE評価」獲得。 | 要問い合わせ | 高精細な画質での出来形計測や微細確認を重視し、機器レンタルを希望する企業 |
| 現場クラウド One 遠隔臨場機能 | 情報共有ASP「現場クラウド One」のオプション機能。発議管理画面からワンクリックで臨場画面を起動可能。電子小黒板表示やザクティ製カメラ連携に対応。 | 要問い合わせ | 現場クラウド Oneを自治体や直轄工事の情報共有システム(ASP)として利用している企業 |
| GENBA-Remote | 遅延1秒未満の低遅延・Full HD通信を実現する現場検査特化レンタルサービス。回線・機材・アプリ一式がパッケージ化され、NETIS最高ランク「VE評価」を獲得。 | 要問い合わせ | 機材手配や通信回線の準備を一括でレンタルし、即座に現場へ導入したい企業 |
| RICOH Remote Field | 360度カメラ「RICOH THETA」と連携し、空間全体の映像をリアルタイム共有。検査側がブラウザ上で自由に向きを操作・拡大可能。 | 要問い合わせ | 現場全体の空間把握や安全パトロール、広範囲の構造物確認を効率化したい企業 |
ツール選定において最も重視すべき判断基準は、「自社が運用している施工管理ソフトウェアや情報共有システム(ASP)との親和性」です。既に日常業務で「SiteBox」や「写管屋」を使用して写真管理・品質管理を行っている現場、または受発注者間の書類管理に「RevSIGN」を採用している現場であれば、遠隔臨場 SiteLiveを選択することでデータ連携の自動化恩恵を最大限に享受できます。撮影した映像や写真が自動的にKSデータバンクへ蓄積され、そのまま台帳や電子書類に反映されるため、導入後の運用定着を進めやすい点が強みです。
一方で、ASPとして「現場クラウド One」を標準採用している現場では、発議画面から直接起動できる「現場クラウド One 遠隔臨場機能」が候補となります。また、機材調達やモバイル回線の手配を含めてオールインワンで調達したい場合や、ミリ単位の測定器目盛りの高解像度伝送・超低遅延通信を第一に求める場合は、機材パッケージ型で提供される「Gリポート」や「GENBA-Remote」との機能比較が推奨されます。
料金・プラン
| 費用項目 | 金額(税抜) | 課金単位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 初期登録料 | 30,000円 | 1契約ごと | システム導入時の初期費用 |
| 工事利用料(月額プラン) | 20,000円 | 1工事 / 月 | 短工期の工事や柔軟に運用したい現場向け |
| 工事利用料(年額プラン) | 200,000円 | 1工事 / 年 | 長期間にわたる大規模工事向けの一括契約プラン |
※遠隔臨場 SiteLiveを利用するにあたっては、撮影データの保存・管理を行うためのクラウド基盤「KSデータバンク」の有料契約が別途必須となります。詳細なクラウド保存容量の料金や、電子小黒板アプリSiteBox等の関連プロダクトと組み合わせた構成見積もりについては、公式窓口への問い合わせが必要です。
導入事例・実績
飛島建設株式会社
飛島建設株式会社では、発注者の移動に約2時間を要していた施工現場において遠隔臨場 SiteLiveを導入しました。遠隔臨場の実施により移動費用や移動時間を削減し、立会後のデータ整理業務の省力化を実現しています。また、全社員向けに配備されていたiPhoneをそのまま撮影端末として活用することで、追加の専用機材購入にかかる投資を抑えつつ、スムーズな現場運用を実現しています。
芹澤建設株式会社
芹澤建設株式会社では、富士山須走口の5合目から山頂までの道路維持修繕工事において遠隔臨場 SiteLiveおよび電子小黒板アプリSiteBoxを導入しました。従来は宿泊を伴い「1泊2日」を要していた中間検査等の確認作業において遠隔臨場を実施し、過酷な現場環境への移動負担軽減や確認作業の迅速化を実現しています。
国土交通省NETIS登録(CB-220022-VE)と公共工事での加点評価
遠隔臨場 SiteLiveは、国土交通省が新技術の活用促進を目的に運用する「新技術情報提供システム(NETIS)」に登録されています(技術名称:遠隔臨場 SiteLive / NETIS登録番号:CB-220022-VE)。
末尾の記号が「-VE」となっている技術は、実現場での継続調査・評価が行われ、従来技術と比較して確実な効果が認められた「評価情報が掲載された技術」であることを示しています。公共工事の総合評価落札方式においてNETIS登録技術の活用提案を行うことで技術提案書の評価点(加点)につながるほか、工事完了後の工事成績評定における加点対象としても有利に働きます。直轄土木工事や自治体発注工事において、遠隔臨場の実施要領に適合した機材・システムとして選定しやすい点が実務上の大きな強みとなっています。
導入前に知っておきたいこと
- KSデータバンクの契約が必須となる前提条件
SiteLive単体での契約・利用はできず、撮影写真や動画の保管基盤として「KSデータバンク」の有料契約が必須となります。すでにKENTEM製品を利用している企業にとっては導入がスムーズである反面、他社クラウドストレージのみを利用している企業にとっては固定費用が追加となる点に留意が必要です。 - 小規模現場における工事単位課金の費用対効果
本製品の料金体系は「1工事ごとに月額20,000円(税抜)+初期費用」となっており、工事規模の大小に関わらず一定のランニングコストが発生します。工期が短く請負金額の小さい工事を多数こなす企業からは、コスト負担感について慎重な検討を要する旨が報告されています。自社の年間受注件数や工期に照らし合わせて採算性を検証することが推奨されます。 - 動作保証環境の制約
PC側(発注者・事務所側)の動作環境として、ARMプロセッサを搭載したWindows端末や、仮想デスクトップ・シンクライアント環境は動作保証外とされています。自治体や大手ゼネコンのセキュリティポリシー上、仮想環境経由でのアクセスが義務付けられている場合は事前に接続テストを実施する必要があります。 - 現場の通信環境・騒音への対策
遠隔臨場全般の共通課題として、山間部やトンネル坑内などのモバイル通信回線が不安定な現場では、映像のブロックノイズや音声遅延が発生する場合があります。また、重機稼働音やコンプレッサー音が大きい現場では発注者の指示音声が聞き取りづらくなるため、マイク付きイヤホンの着用や指向性マイクの活用といった防音対策の準備が不可欠です。
導入の流れ・期間
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトの専用フォームまたは電話から問い合わせを行い、担当者へ現場の工種、対象となる工事規模、発注者の要件(直轄・自治体等)を伝えます。 - デモ画面の確認・提案
担当者より、実際の操作画面やWebブラウザ側の臨場画面、SiteBoxとの連携動作に関するデモ説明や機能提案を受けます。 - 見積もり・契約締結
利用する工事数、契約期間(月額または年額)、および必須となる「KSデータバンク」のプランを確定し、見積もり内容を確認したうえで利用契約を締結します。 - 初期設定・アカウント発行
初期登録完了後、受発注者のアカウント発行や現場端末(iPhone/iPad)への専用アプリインストール、発注者側への接続URL案内を行います。 - 通信テスト・運用開始
実際の現場環境において通信状態や音声通話、電子小黒板の重畳表示テストを実施したうえで、段階確認や立会検査の実運用を開始します。
※問い合わせから利用開始までの具体的な標準導入期間については公式に明示されていないため、工期の開始日に合わせて事前に担当窓口へ確認することを推奨します。
よくある質問(FAQ)
- 撮影側のモバイル端末としてAndroidスマートフォンは使えますか?
- 利用可能です。公式の動作環境(モバイルアプリ)においてiOS端末(iPhone・iPad)に加えてAndroid端末(Android 9〜17対応)も正式に案内されており、動作確認済みの各種スマートフォンやタフネス端末で専用アプリを利用できます。
- 発注者側はどのような端末や環境を用意する必要がありますか?
- 発注者(監督員)側は専用ソフトのインストールが不要で、パソコンの標準的なWebブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome、Firefoxなど)から参加できます。PCの推奨環境としては、CPU Intel Core i5以上、メモリ4GB以上、ディスプレイ解像度1024×768以上が案内されています。
- 無料トライアルやデモ体験は可能ですか?
- 導入前の製品デモンストレーションや運用相談が提供されています。実際の操作感や現場通信環境のテスト可否については、KENTEMの公式窓口へお問い合わせください。
- 導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
- 株式会社建設システムによる電話サポート、オペレーターが画面を共有して案内するリモートサポート、公式サイト上のFAQ、各種操作マニュアルのダウンロード提供が用意されています。
- 遠隔臨場 SiteLive単体での契約は可能ですか?
- 不可となります。遠隔臨場 SiteLiveを利用するためには、撮影・録画データを安全にクラウド保管するためのデータ共有基盤「KSデータバンク」の有料契約が前提条件となります。
- 国土交通省の遠隔臨場実施要領の仕様を満たしていますか?
- 満たしています。国交省の直轄工事における遠隔臨場に関する実施要領に沿った運用が可能であり、NETIS登録番号(CB-220022-VE)を取得しているため、技術提案書や工事成績評定での活用にも適合しています。